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原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定

【目次】
  昭和63・7・2・条約  5号  
発効昭和63・7・17・外務省告示354号  


原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定をここに公布する。
日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、1968年2月26日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(その改正を含む。)(以下「旧協定」という。)の下での原子力の平和的利用における両国間の緊密な協力を考慮し、
平和的目的のための原子力の研究、開発及び利用の重要性を確認し、
両国政府の関係国家計画を十分に尊重しつつこの分野における協力を継続させ、かつ、拡大させることを希望し、
両国政府の原子力計画の長期性の要請を勘案した予見可能性及び信頼性のある基礎の上に原子力の平和的利用のための取極を締結することを希望し、
両国政府が核兵器の不拡散に関する条約(以下「不拡散条約」という。)の締約国政府であることに留意し、
両国政府が世界における平和的利用のための原子力の研究、開発及び利用が不拡散条約の目的を最大限に促進する態様で行われることを確保することを誓約していることを再確認し、
両国政府が国際原子力機関(以下「機関」という。)の目的を支持していること及び両国政府が不拡散条約への参加が普遍的に行われるようになることを促進することを希望していることを確認して、
次のとおり協定した。
 
第1条 この協定の適用上、
(a)「両当事国政府」とは、日本国政府及びアメリカ合衆国政府をいう。「当事国政府」とは、両当事国政府のいずれか一方をいう。
(b)「者」とは、いずれか一方の当事国政府の領域的管轄の下にある個人又は団体をいい、両当事国政府を含まない。
(c)「原子炉」とは、ウラン、プルトニウム若しくはトリウム又はその組合せを使用することにより自己維持的核分裂連鎖反応がその中で維持される装置(核兵器その他の核爆発装置を除く。)をいう。
(d)「設備」とは、原子炉の完成品(主としてプルトニウム又はウラン233の生産のために設計され又は使用されるものを除く。)及びこの協定の附属書AのA部に掲げるその他の品目をいう。
(e)「構成部分」とは、設備の構成部分その他の品目であつて、両当事国政府の合意により指定されるものをいう。
(f)「資材」とは、原子炉用の資材であつてこの協定の附属書AのB部に掲げるものをいい、核物質を含まない。
(g)「核物質」とは、次に定義する「原料物質」又は「特殊核分裂性物質」をいう。
(i)「原料物質」とは、次の物質をいう。
ウランの同位元素の天然の混合率から成るウラン
同位元素ウラン235の劣化ウラントリウム
金属、合金、化合物又は高含有物の形状において前記のいずれかの物質を含有する物質
他の物質であつて両当事国政府により合意される含有率において前記の物質の一又は二以上を含有するもの
両当事国政府により合意されるその他の物質
(ii)「特殊核分裂性物質」とは、次の物質をいう。
プルトニウム
ウラン233
同位元素ウラン233又は235の濃縮ウラン
前記の物質の一又は二以上を含有する物質
両当事国政府により合意されるその他の物質
「特殊核分裂性物質」には、「原料物質」を含めない。
(h)「高濃縮ウラン」とは、同位元素ウラン235の濃縮度が20パーセント以上になるように濃縮されたウランをいう。
(i)「秘密資料」とは、(i)核兵器の設計、製造若しくは使用、(ii)特殊核分裂性物質の生産又は(iii)エネルギーの生産における特殊核分裂性物質の使用に関する資料をいい、一方の当事国政府により非公開の指定から解除され又は秘密資料の範囲から除外された当該当事国政府の資料を含まない。
(j)「機微な原子力技術」とは、公衆が入手することのできない資料であつて濃縮施設、再処理施設又は重水生産施設の設計、建設、製作、運転又は保守に係る重要なもの及び両当事国政府の合意により指定されるその他の資料をいう。
 
第2条 
1 
(a)両当事国政府は、両国における原子力の平和的利用のため、この協定の下で次の方法により協力する。
(i)両当事国政府は、専門家の交換による両国の公私の組織の間における協力を助長する。日本国の組織と合衆国の組織との間におけるこの協定の下での取決め又は契約の実施に伴い専門家の交換が行われる場合には、両当事国政府は、それぞれこれらの専門家の自国の領域への入国及び自国の領域における滞在を容易にする。
(ii)両当事国政府は、その相互の間、その領域的管轄の下にある者の間又はいずれか一方の当事国政府と他方の当事国政府の領域的管轄の下にある者との間において、合意によつて定める条件で情報を提供し及び交換することを容易にする。対象事項には、保健上、安全上及び環境上の考慮事項が含まれる。
(iii)一方の当事国政府又はその認められた者は、供給者と受領者との間の合意によつて定める条件で、資材、核物質、設備及び構成部分を他方の当事国政府若しくはその認められた者に供給し又はこれらから受領することができる。
(iv)一方の当事国政府又はその認められた者は、この協定の範囲内において、提供者と受領者との間の合意によつて定める条件で、他方の当事国政府若しくはその認められた者に役務を提供し又はこれらから役務の提供を受けることができる。
(v)両当事国政府は、両当事国政府が適当と認めるその他の方法で協力することができる。
(b)(a)の規定にかかわらず、秘密資料及び機微な原子力技術は、この協定の下では移転してはならない。
2 1に定める両当事国政府の間の協力は、この協定の規定並びにそれぞれの国において効力を有する関係条約、法令及び許可要件に従うものとし、かつ、1(a)(iii)に定める協力の場合については、次の要件に従う。
(a)日本国政府又はその認められた者が受領者となる場合には、日本国の領域内若しくはその管轄下で又は場所のいかんを問わずその管理の下で行われるすべての原子力活動に係るすべての核物質について、機関の保障措置が適用されること。不拡散条約に関連する日本国政府と機関との間の協定が実施されるときは、この要件が満たされるものとみなす。
(b)アメリカ合衆国政府又はその認められた者が受領者となる場合には、アメリカ合衆国の領域内若しくはその管轄下で又は場所のいかんを問わずその管理の下で行われるすべての非軍事的原子力活動に係るすべての核物質について、機関の保障措置が適用されること。アメリカ合衆国における保障措置の適用のためのアメリカ合衆国と機関との間の協定が実施されるときは、この要件が満たされるものとみなす。
3 直接であると第三国を経由してであるとを問わず、両国間で移転される資材、核物質、設備及び構成部分は、供給当事国政府が受領当事国政府に対し予定される移転を文書により通告した場合に限り、かつ、これらが受領当事国政府の領域的管轄に入る時から、この協定の適用を受ける。供給当事国政府は、通告された当該品目の移転に先立ち、移転される当該品目がこの協定の適用を受けることとなること及び予定される受領者が受領当事国政府でない場合には当該受領者がその認められた者であることの文書による確認を受領当事国政府から得なければならない。
4 この協定の適用を受ける資材、核物質、設備及び構成部分は、次の場合には、この協定の適用を受けないこととなるものとする。
(a)当該品目がこの協定の関係規定に従い受領当事国政府の領域的管轄の外に移転された場合
(b)核物質について、(i)機関が、2に規定する日本国政府又はアメリカ合衆国と機関との間の協定中保障措置の終了に係る規定に従い、当該核物質が消耗したこと、保障措置の適用が相当とされるいかなる原子力活動にも使用することができないような態様で希釈されたこと又は実際上回収不可能となつたことを決定した場合。ただし、いずれか一方の当事国政府が機関の決定に関して異論を唱えるときは、当該異論について解決がされるまで、当該核物質は、この協定の適用を受ける。(ii)機関の決定がないときにおいても、当該核物質がこの協定の適用を受けないこととなることを両当事国政府が合意する場合
(c)資材、設備及び構成部分について、両当事国政府が合意する場合
 
第3条 プルトニウム及びウラン233(照射を受けた燃料要素に含有されるプルトニウム及びウラン233を除く。)並びに高濃縮ウランであつて、この協定に基づいて移転され又はこの協定に基づいて移転された核物質若しくは設備において使用され若しくはその使用を通じて生産されたものは、両当事国政府が合意する施設においてのみ貯蔵される。
 
第4条 この協定に基づいて移転された資材、核物質、設備及び構成部分並びにこれらの資材、核物質又は設備の使用を通じて生産された特殊核分裂性物質は、受領当事国政府によつて認められた者に対してのみ移転することができる。ただし、両当事国政府が合意する場合には、受領当事国政府の領域的管轄の外に移転することができる。
 
第5条 
1 この協定に基づいて移転された核物質及びこの協定に基づいて移転された資材、核物質若しくは設備において用され又はその使用を通じて生産された特殊核分裂性物質は、両当事国政府が合意する場合には、再処理することができる。
2 プルトニウム、ウラン233、高濃縮ウラン及び照射を受けた核物質であつて、この協定に基づいて移転され又はこの協定に基づいて移転された資材、核物質若しくは設備において使用され若しくはその使用を通じて生産されたものは、照射により形状又は内容を変更することができるものとし、また、両当事国政府が合意する場合には、照射以外の方法で形状又は内容を変更することができる。
 
第6条 この協定に基づいて移転され又はこの協定に基づいて移転された設備において使用されたウランは、同位元素ウラン235の濃縮度が20パーセント未満である範囲で濃縮することができるものとし、また、両当事国政府が合意する場合には、同位元素ウラン235の濃縮度が20パーセント以上になるように濃縮することができる。
 
第7条 この協定に基づいて移転された核物質及びこの協定に基づいて移転された資材、核物質若しくは設備において使用され又はその使用を通じて生産された特殊核分裂性物質に関し、適切な防護の措置が、最小限この協定の附属書Bに定めるところと同様の水準において、維持される。
 
第8条 
1 この協定の下での協力は、平和的目的に限つて行う。
2 この協定に基づいて移転された資材、核物質、設備及び構成部分並びにこれらの資材、核物質、設備若しくは構成部分において使用され又はその使用を通じて生産された核物質は、いかなる核爆発装置のためにも、いかなる核爆発装置の研究又は開発のためにも、また、いかなる軍事的目的のためにも使用してはならない。
 
第9条 
1 第8条2の規定の遵守を確保するため、
(a)この協定に基づいて日本国政府の領域的管轄に移転された核物質及びこの協定に基づいて日本国政府の領域的管轄に移転された資材、核物質、設備若しくは構成部分において使用され又はその使用を通じて生産された核物質は、第2条2(a)に規定する日本国政府と機関との間の協定の適用を受ける。
(b)この協定に基づいてアメリカ合衆国政府の領域的管轄に移転された核物質及びこの協定に基づいてアメリカ合衆国政府の領域的管轄に移転された資材、核物質、設備若しくは構成部分において使用され又はその使用を通じて生産された核物質は、(i)第2条2(b)に規定するアメリカ合衆国と機関との間の協定並びに(ii)当該核物質の実施可能な範囲内での代替のため又は当該核物質の追跡及び計量のための補助的措置の適用を受ける。
2 いずれか一方の当事国政府が、機関が何らかの理由により1の規定によつて必要とされる保障措置を適用していないこと又は適用しないであろうことを知つた場合には、両当事国政府は、是正措置をとるため直ちに協議するものとし、また、そのような是正措置がとられないときは、機関の保障措置の原則及び手続に合致する取極で、1の規定によつて必要とされる保障措置が意図するところと同等の効果及び適用範囲を有するものを速やかに締結する。
 
第10条 いずれか一方の当事国政府と他の国又は国の集団との間の合意が、当該他の国又は国の集団に対し、この協定の適用を受ける資材、核物質、設備又は構成部分につき第3条から第6条まで又は第12条に定める権利の一部又は全部と同等の権利を付与する場合には、両当事国政府は、いずれか一方の当事国政府の要請に基づき、当該他の国又は国の集団により該当する権利が実現されることとなることを合意することができる。
 
第11条 第3条、第4条又は第5条の規定の適用を受ける活動を容易にするため、両当事国政府は、これらの条に定める合意の要件を、長期性、予見可能性及び信頼性のある基礎の上に、かつ、それぞれの国における原子力の平和的利用を一層容易にする態様で満たす別個の取極を、核拡散の防止の目的及びそれぞれの国家安全保障の利益に合致するよう締結し、かつ、誠実に履行する。
 
第12条 
1 いずれか一方の当事国政府が、この協定の効力発生後のいずれかの時点において、
(a)第3条から第9条まで若しくは第11条の規定若しくは第14条に規定する仲裁裁判所の決定に従わない場合又は
(b)機関との保障措置協定を終了させ若しくはこれに対する重大な違反をする場合には、他方の当事国政府は、この協定の下でのその後の協力を停止し、この協定を終了させて、この協定に基づいて移転された資材、核物質、設備若しくは構成部分又はこれらの資材、核物質、設備若しくは構成部分の使用を通じて生産された特殊核分裂性物質のいずれの返還をも要求する権利を有する。
2 アメリカ合衆国がこの協定に基づいて移転された資材、核物質、設備若しくは構成部分又はこれらの資材、核物質、設備若しくは構成部分において使用され若しくはその使用を通じて生産された核物質を使用して核爆発装置を爆発させる場合には、日本国政府は、1に定める権利と同じ権利を有する。
3 日本国が核爆発装置を爆発させる場合には、アメリカ合衆国政府は、1に定める権利と同じ権利を有する。
4 両当事国政府は、いずれか一方の当事国政府がこの協定の下での協力を停止し、この協定を終了させ及び返還を要求する行動をとる前に、必要な場合には他の適当な取極を行うことの必要性を考慮しつつ、是正措置をとることを目的として協議し、かつ、当該行動の経済的影響を慎重に検討する。
5 いずれか一方の当事国政府がこの条の規定に基づき資材、核物質、設備又は構成部分の返還を要求する権利を行使する場合には、当該当事国政府は、その公正な市場価額について、他方の当事国政府又は関係する者に補償を行う。
 
第13条 
1 旧協定は、この協定が効力を生ずる日に終了する。
2 旧協定の下で開始された協力は、この協定の下で継続する。旧協定の適用を受けていた核物質及び設備に関し、この協定の規定を適用する。第11条に定める別個の取極による合意がこれらの核物質又は設備について停止された場合には、当該核物質又は設備は、その停止期間中、旧協定によつて規律されていた限度においてのみこの協定の規定の適用を受ける。
 
第14条 
1 両当事国政府は、この協定の下での協力を促進するため、いずれか一方の当事国政府の要請に基づき、外交上の経路又は他の協議の場を通じて相互に協議することができる。
2 この協定の解釈又は適用に関し問題が生じた場合には、両当事国政府は、いずれか一方の当事国政府の要請に基づき、相互に協議する。
3 この協定の解釈又は適用から生ずる紛争が交渉、仲介、調停又は他の同様の手続により解決されない場合には、両当事国政府は、この3の規定に従つて選定される3人の仲裁裁判官によつて構成される仲裁裁判所に当該紛争を付託することを合意することができる。各当事国政府は、1人の仲裁裁判官を指名し(自国民を指名することができる。)、指名された2人の仲裁裁判官は、裁判長となる第三国の国民である第三の仲裁裁判官を選任する。仲裁裁判の要請が行われてから30日以内にいずれか一方の当事国政府が仲裁裁判官を指名しなかつた場合には、いずれか一方の当事国政府は、国際司法裁判所長に対し、1人の仲裁裁判官を任命するよう要請することができる。第二の仲裁裁判官の指名又は任命が行われてから30日以内に第三の仲裁裁判官が選任されなかつた場合には、同様の手続が適用される。ただし、任命される第三の仲裁裁判官は、両国のうちのいずれの国民であつてもならない。仲裁裁判には、仲裁裁判所の構成員の過半数が出席していなければならず、すべての決定には、2人の仲裁裁判官の同意を必要とする。仲裁裁判の手続は、仲裁裁判所が定める。仲裁裁判所の決定は、両当事国政府を拘束する。
 
第15条 この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。この協定の附属書は、両当事国政府の文書による合意により、この協定を改正することなく修正することができる。
 
第16条 
1 この協定は、両当事国政府が、この協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の手続を完了した旨を相互に通告する外交上の公文を交換した日の後30日目の日に効力を生ずる。この協定は、30年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に従つて終了する時まで効力を存続する。
2 いずれの一方の当事国政府も、6箇月前に他方の当事国政府に対して文書による通告を与えることにより、最初の30年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
3 いかなる理由によるこの協定又はその下での協力の停止又は終了の後においても、第1条、第2条4、第3条から第9条まで、第11条、第12条及び第14条の規定は、適用可能な限り引き続き効力を有する。
4 両当事国政府は、いずれか一方の当事国政府の要請に基づき、この協定を改正するかしないか又はこの協定に代わる新たな協定を締結するかしないかについて、相互に協議する。

以上の証拠として、下名は、正当な委任を受けてこの協定に署名した。
1987年11月4日に東京で、ひとしく正文である日本語及び英語により本書2通を作成した。
附属書A

A部
1 原子炉圧力容器 原子炉の炉心を収納するために特に設計され若しくは製作され、かつ、一次冷却材の運転圧力に耐えることのできる金属容器の完成品又はその主要な工作部品
2 原子炉燃料交換機 原子炉に燃料を挿入し又はこれから燃料を取り出すために特に設計され又は製作された操作用の設備であつて、原子炉の運転時に操作の可能なもの(完成品に限る。)
3 原子炉制御棒 原子炉における反応度の制御のために特に設計され又は製作された制御棒集合体であつて制御棒駆動機構付きのもの(完成品に限る。)
4 原子炉一次冷却材ポンプ 原子炉用の一次冷却材を循環させるために特に設計され又は製作されたポンプであつて原動機付きのもの(完成品に限る。)

B部
1 重水素及び重水 原子炉において使用される重水素及び重水素と水素との比が1対5,000を超える重水素化合物
2 原子炉級黒鉛 硼素当量100万分の5の純度を超える純度を有し、1立方センチメートル当たり1.50グラムを超える密度を有する黒鉛
附属書B 防護の水準

第3群
 使用及び貯蔵に当たつては、出入が規則されている区域内において行うこと。
 輸送に当たつては、特別の予防措置(荷送人、荷受人及び運送人の間の事前の取決め並びに国際輸送にあつては、供給国及び受領国それぞれの管轄権及び規則に服する者の間の事前の合意で輸送に係る責任の移転する日時、場所及び手続を明記したものを含む。)の下に行うこと。
第2群
 使用及び貯蔵に当たつては、出入が規則されている防護区域内、すなわち、警備員若しくは電子装置による常時監視の下にあり、かつ、適切な管理の下にある限られた数の入口を有する物理的障壁によつて囲まれた区域内又は防護の水準がこのような区域と同等である区域内において行うこと。
 輸送に当たつては、特別の予防措置(荷送人、荷受人及び運送人の間の事前の取決め並びに国際輸送にあつては、供給国及び受領国それぞれの管轄権及び規則に服する者の間の事前の合意で輸送に係る責任の移転する日時、場所及び手続を明記したものを含む。)の下に行うこと。
第1群
 この群に属する核物質は、許可なしに使用されることのないように高度の信頼性を有する方式により、次のとおり防護される。
 使用及び貯蔵に当たつては、高度に防護された区域内、すなわち、第2群について定められた防護区域であつて、更に、信頼性の確認された者に出入が限られ、かつ、適当な関係当局と緊密な連絡体制にある警備員の監視の下にある区域内において行うこと。(このこととの関連においてとられる具体的な措置は、攻撃又は許可なしに出入が行われること若しくは許可なしに関係核物質が持ち出されることを発見し及び防止することを目的とする。)
 輸送に当たつては、第2群及び第3群の核物質の輸送について定められた前記の特別の予防措置をとるほか、更に、護送者による常時監視の下及び適当な関係当局との緊密な連絡体制が確保される条件の下に行うこと。
付表 核物質の区分

核物質形態第1群第2群第3群(注c)
1 プルトニウム(注a)未照射(注b)2キログラム以上500グラムを超え2キログラム未満15グラムを超え500グラム以下
2 ウラン235未照射(注b)
ウラン235の濃縮度が20パーセント以上のウラン
5キログラム以上1キログラムを超え5キログラム未満15グラムを超え1キログラム以下
未照射(注b)
ウラン235の濃縮度が10パーセント以上20パーセント未満のウラン
 10キログラム以上1キログラムを超え10キログラム未満
未照射(注b)
ウラン235の濃縮度が天然ウランにおける混合率を超え、10パーセント未満のウラン
  10キログラム以上
3 ウラン233未照射(注b)2キログラム以上500グラムを超え2キログラム未満15グラムを超え500グラム以下
4 照射済燃料  劣化ウラン、天然ウラン、トリウム又は低濃縮燃料(核分裂性成分含有率10パーセント未満)(注d、注e) 

注a すべてのプルトニウム(プルトニウム238の同位体濃度が80パーセントを超えるプルトニウムを除く。)
注b 原子炉内で照射されていない核物質、又は原子炉内で照射された核物質であつて遮蔽がない場合にこの核物質からの放射線量率が1メートル離れた地点で1時間当たり100ラド以下であるもの
注c 第3群に掲げる量未満のもの及び天然ウランは、管理についての慎重な慣行に従つて防護するものとする。
注d 第2群についての防護の水準が望ましいが、いずれかの当事国政府も、具体的な情況についての評価に基づき、これと異なる区分の防護の水準を指定することができる。
注e 他の燃料であつて、当初の核分裂性成分含有量により、照射前に第1群又は第2群に分類されているものについては、遮蔽がない場合にその燃料からの放射線量率が1メートル離れた地点で1時間当たり100ラドを超える間は、防護の水準を1群下げることができる。

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