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1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約

【目次】
  昭和61・11・15・条約  9号==
発効昭和61・12・1・外務省告示392号  
改正平成18・5・8・条約  4号−−(施行=平18年8月1日)
1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約をここに公布する。
この条約の締約国は、
海事債権についての責任の制限に関するある統一的規則を合意によつて定めることが望ましいことを認め、
このため条約を締結することに決定し、よつて、次のとおり協定した。

第1章 責任の制限の権利

(責任を制限することのできる者)
第1条 
1 次に定義する船舶所有者及び救助者は、次条の規定に該当する債権につき、この条約の定めるところにより自己の責任を制限することができる。
2「船舶所有者」とは、海上航行船舶の所有者、傭船者、管理人及び運航者をいう。
3「救助者」とは、救助活動に直接関連する役務を提供する者をいう。救助活動には、次条1(d)から(f)までに定める措置を含む。
4 船舶所有者又は救助者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対して次条の規定に該当する債権に基づく請求が行われるときは、当該いずれかの者は、この条約に定める責任の制限を援用することができる。
5 この条約の適用上、船舶所有者の責任には、船舶自体に対して提起される訴えの対象とされる責任を含む。
6 この条約の定めるところにより制限の対象とされる債権についての責任を保険する者は、被保険者自身がこの条約に基づき享受する利益と同一の利益を享受することができる。
7 責任の制限を主張することは、責任を認めることとはならない。
(責任の制限の対象とされる債権)
第2条 
1 次条及び第4条の規定に従うことを条件として、次に掲げる債権は、責任の根拠がいかなるものであるかを問わず、責任の制限の対象とされる。
(a)船舶上で又は船舶の運航若しくは救助活動に直接関連して生ずる死亡若しくは身体の傷害又は財産の滅失若しくは損傷(港の構築物、停泊施設、可航水路又は航行援助施設の損傷を含む。)及びこれらの結果生ずる損失に関する債権
(b)貨物、旅客又は手荷物の海上運送の遅延により生ずる損失に関する債権
(c)(a)及び(b)に規定する損失以外の船舶の運航又は救助活動に直接関連して生ずる損失であつて、権利の侵害(契約違反によるものを除く。)により生ずるものに関する債権
(d)沈没し、難破し若しくは乗り揚げた又は放棄された船舶(船舶上のすべての物を含む。)の引揚げ、除去、破壊又は無害化作業に関する債権
(e)船積貨物の除去、破壊又は無害化作業に関する債権
(f)この条約に基づき責任の制限の対象とされる債権を生じさせる損失を避け又は最小限にするためとられる措置に関する債権及び当該措置をとることにより生ずる損失に関する債権であつて、責任を負う者以外の者が請求するもの
2 1に掲げる債権は、契約に基づいて請求さるものであるかないかを問わず、求償として又は賠償の補てんのために請求されるものであつても責任の制限の対象とされる。1(d)から(f)までに掲げる債権のうち責任を負う者との契約に基づく作業の対価に係るものは、責任の制限の対象とされない。
(責任の制限の対象から除外される債権この条約は、次に掲げる債権については、適用しない。)
第3条 
(a) 救助に基づく債権(適当な場合には、1989年の海難救助に関する国際条約(その改正を含む。)第14条の規定に基づく特別の補償に係る債権を含む。)又は共同海損の分担に基づく債権
(b)1969年11月29日の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(同条約の改正又は議定書で効力を有しているものを含む。)に定める油による汚染損害についての債権
(c)原子力損害についての責任の制限を規律し又は禁止する国際条約又は国内法の適用を受ける債権
(d)原子力船の船舶所有者に対する原子力損害についての債権
(e)船舶所有者又は救助者の被用者でその職務が船舶の業務又は救助活動に関係を有する者の債権及びこれらの者の相続人若しくは被扶養者又は当該債権を主張することのできるその他の者の債権であつて、船舶所有者又は救助者と当該これらの者との間の役務の提供についての契約に適用される法令により、船舶所有者又は救助者が、自己の責任を制限することのできないもの又は第6条の規定による金額よりも高い金額にのみ自己の責任を制限することのできるもの第4条 責任の制限を妨げる行為責任を負う者は、損失を生じさせる意図をもつて又は無謀にかつ損失の生ずるおそれのあることを認識して行つた自己の作為又は不作為により当該損失の生じたことが証明された場合には、自己の責任を制限することができない。
《改正》平18条004
(反対債権)
第5条 この条約により責任を制限することのできる者が債権者に対して同一の事故により生じた債権を有するときは、双方の債権は相殺されるものとし、この条約は、相殺後の残額についてのみ適用する。

第2章 責任の限度額

(一般的な限度額)
第6条 
1 一の事故により生ずる債権で次条に規定する債権以外のものについての責任の限度額は、次のとおり計算する。
(a) 死亡又は身体の傷害に関する債権については、次に掲げる金額
(i) 2000トン以下のトン数の船舶については、200万計算単位
(ii) 2000トンを超えるトン数の船舶については、2000トンを超える部分を次のとおり区分し、それぞれの区分に応じて計算した計算単位を当該船舶のトン数に達するまで順次加算して得た計算単位と(i)の計算単位とを合算した計算単位
 2001トンから3万トンまでの部分 トン当たり800計算単位
 30001トンから7万トンまでの部分 トン当たり600計算単位
 7万トンを超える部分 トン当たり400計算単位
(b) その他の債権については、次に掲げる金額
(i) 2000トン以下のトン数の船舶については、100万計算単位
(ii) 2000トンを超えるトン数の船舶については、2000トンを超える部分を次のとおり区分し、それぞれの区分に応じて計算した計算単位を当該船舶のトン数に達するまで順次加算して得た計算単位と(i)の計算単位とを合算した計算単位
 2001トンから3万トンまでの部分 トン当たり400計算単位
 30001トンから7万トンまでの部分 トン当たり300計算単位
 7万トンを超える部分 トン当たり200計算単位
2 1(a)の規定に従つて計算された金額が1(a)の債権を完済するために十分なものでない場合には、1(b)の規定に従つて計算された金額を1(a)の債権の弁済されていない残額の弁済に充てることができるものとし、当該残額は、弁済については、1(b)の債権と同一の順位を有する。
3 締約国は、死亡又は身体の傷害に関する債権についての2の規定による権利を害することなく、自国の法令において、港の構築物、停泊施設、可航水路又は航行援助施設の損傷に関する債権が、その他の1(b)の債権に対して、当該法令の定めるところにより優先権を有することを規定することができる。
4 救助活動を船舶からは行つていない場合の救助者の責任又は船舶に対する若しくは船舶に関連を有する救助活動を当該船舶上においてのみ行つている場合の救助者の責任の限度額は、1500トンのトン数の船舶についての金額とする。
5 この条約の適用上、船舶のトン数は、1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約附属書Iに定めるトン数の測度に関する規則に従つて計算される総トン数とする。
《改正》平18条004
(旅客の債権についての限度額)
第7条 
1 一の事故により生ずる船舶の旅客の死亡又は身体の傷害に関する債権についての当該船舶の船舶所有者の責任の限度額は、175,000計算単位に当該船舶が当該船舶に係る証書に従い運送することを認められている旅客の数を乗じた金額とする。
2 この条の規定の適用上、「船舶の旅客の死亡又は身体の傷害に関する債権」とは、次のいずれかの者により又は当該いずれかの者に代わつて主張される債権をいう。
(a)旅客運送契約に基づき当該船舶により運送される者
(b)運送人の同意の下に、物品運送契約の対象とされている車両又は生動物とともに当該船舶により運送される者
《改正》平18条004
(計算単位)
第8条 
1 前2条にいう計算単位は、国際通貨基金の定める特別引出権とする。前2条の規定による金額をその国において責任の制限の主張がされている国の通貨に換算するに当たつては、その換算は、制限基金が形成され、弁済が行われ又は当該国の法令により弁済に相当するものとされる担保の提供がされる日に当該通貨の有する価値に従つて行う。国際通貨基金の加盟国である締約国の通貨の特別引出権表示による価値は、国際通貨基金の操作及び取引のために国際通貨基金の適用する評価方法であつて換算の日において効力を有しているものにより計算する。国際通貨基金の加盟国でない締約国の通貨の特別引出権表示による価値は、当該締約国の定める方法により計算する。
2 国際通貨基金の加盟国でなく、かつ、自国の法令により1の規定を適用することのできない国は、批准、受諾若しくは承認を条件とすることのない署名の時に、批准、受諾、承認若しくは加入の時に又はその後いつでも、自国の領域において適用するこの条約にいう責任の限度額を次のとおり定めることを宣言することができる。
(a) 第6条1(a)の債権については、次に掲げる金額
(i) 2000トン以下のトン数の船舶については、3000万貨幣単位
(ii) 2000トンを超えるトン数の船舶については、2000トンを超える部分を次のとおり区分し、それぞれの区分に応じて計算した貨幣単位を当該船舶のトン数に達するまで順次加算して得た貨幣単位と(i)の貨幣単位とを合算した貨幣単位
 2001トンから3万トンまでの部分 トン当たり12,000貨幣単位
 30001トンから7万トンまでの部分 トン当たり9000貨幣単位
 7万トンを超える部分 トン当たり6000貨幣単位
(b) 第6条1(b)の債権については、次に掲げる金額
(i) 2000トン以下のトン数の船舶については、1500万貨幣単位
(ii) 2000トンを超えるトン数の船舶については、2000トンを超える部分を次のとおり区分し、それぞれの区分に応じて計算した貨幣単位を当該船舶のトン数に達するまで順次加算して得た貨幣単位と(i)の貨幣単位とを合算した貨幣単位
 2001トンから3万トンまでの部分 トン当たり6000貨幣単位
 30001トンから7万トンまでの部分 トン当たり4500貨幣単位
 7万トンを超える部分 トン当たり3000貨幣単位
(c) 前条1の債権については、2,625,000貨幣単位に船舶が当該船舶に係る証書に従い運送することを認められている旅客の数を乗じた金額
 第6条2及び3の規定は、(a)及び(b)の債権について準用する。
3 2にいう貨幣単位とは、純分1000分の900の金の65.5ミリグラムから成る単位をいう。2の規定による金額の通貨への換算は、関係国の法令の定めるところにより行う。
4 1の第4文の規定による計算及び3に規定する換算は、前2条において計算単位で表示されている金額と可能な限り同一の実質価値が締約国の通貨で表示されるように行う。締約国は、1の規定による計算の方法又は3の規定による換算の結果を、批准、受諾若しくは承認を条件とすることのない署名の時に又は第16条に規定する文書の寄託の時に寄託者に通報する。締約国は、また、当該計算の方法又は当該換算の結果が変更された場合にはいつでも、その変更を寄託者に通報する。
《改正》平18条004
(債権の総額)
第9条 
1 第6条の規定により決定される責任の限度は、一の事故により生ずる次に掲げる債権ごとの金額の総額について適用する。
(a)第1条2の規定に該当する者及びこれらの者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対するすべての債権
(b)救助活動が船舶から行われている場合の当該船舶の船舶所有者並びに当該救助活動を行つている救助者及び当該救助者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対するすべての債権
(c)救助活動を船舶からは行つていない場合の救助者及び当該救助者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対するすべての債権又は船舶に対する若しくは船舶に関連を有する救助活動を当該船舶上においてのみ行つている場合の救助者及び当該救助者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対するすべての債権
2 第7条の規定により決定される責任の限度は、同条にいう船舶に関して一の事故により生ずる第1条2の規定に該当する者及びこれらの者がいずれかの者の作為、不作為又は過失について責任を負う場合の当該いずれかの者に対するすべての債権の総額について適用する。
(制限基金が形成されない場合の責任の制限)
第10条 
1 責任の制限は、次条の規定による制限基金が形成されない場合においても主張することができる。ただし、締約国は、自国の法令において、責任の制限の対象とされる債権の弁済を求める訴えが自国の裁判所に提起される場合に責任を負う者が責任の制限の権利を主張することができるのは、この条約に基づいて制限基金が形成されており又は責任の制限の権利を主張する時に制限基金が形成される場合に限ることを定めることができる。
2 第12条の規定は、制限基金が形成されることなく責任の制限が主張される場合について準用する。
3 この条の規定の適用に関する手続については、訴えが提起される締約国の法令の定めるところによる。

第3章 制限基金

(基金の形成)
第11条 
1 責任があるとして訴えられることのある者は、制限の対象とされる債権に関する法的な申立てがされる締約国の裁判所その他の権限のある当局に、基金を形成することができる。基金は、第6条又は第7条の規定による金額であつて当該者が責任を負う債権について適用されるものの総額に、当該責任の原因となつた事故の日から基金の形成の日までの当該総額に対する利子を加算した額により形成される。このようにして形成された基金は、責任の制限の対象とされる債権の弁済にのみ充てられる。
2 基金は、1の規定による額を供託することにより、又は基金の形成がされる締約国の法令によつて容認されかつ裁判所その他の権限のある当局が十分と認める保証を提供することによつて形成することができる。
3 第9条1(a)、(b)若しくは(c)若しくは同条2に規定する者のうちいずれか又はその保険者により形成される基金は、それぞれこれらの規定に規定するすべての者によつて形成されたものとみなす。
(基金の分配)
第12条 
1 第6条1から3まで及び第7条の規定に従うことを条件として、債権者の間における基金の分配は、基金に係る債権として確定された債権の額に比例して行う。
2 責任を負う者又はその保険者は、基金の分配が行われる前に基金に係る債権を弁済したときは、弁済額を限度として、弁済を受けた者がこの条約に基づいて有したであろう権利について当該弁済を受けた者に代位することができる。
3 責任を負う者又はその保険者以外の者も、その弁済額につき、2の規定による代位の権利と同様の権利を関係国内法令により認められる範囲内で行使することができる。
4 責任を負う者又は他のいずれかの者が、基金の分配の行われる前に弁済したならば2又は3の規定に基づいて代位の権利を有したであろう額の全部又は一部の弁済を後に強制される可能性のあることを証明した場合には、基金の形成がされた国の裁判所その他の権限のある当局は、これらの者が後に基金に対して自己の権利を行使することを可能にするために十分な金額を暫定的に保留することを命ずることができる。
(他の法的手続の制限)
第13条 
1 第11条の規定に基づき基金が形成されている場合には、基金に対して債権を主張する者は、当該債権に関し、基金を形成した者又はその者のために基金が形成されている者の他の財産に対していかなる権利も行使することができない。
2 第11条の規定に基づき基金が形成された後は、締約国の裁判所その他の権限のある当局は、その者のために基金が形成されている者の所有する船舶その他の財産であつて、基金に係る債権として請求することのできる債権に関して当該締約国の管轄内で差し押さえられたものの差押えの解除又は提供された担保の取消しを命ずることができる。もつとも、基金が次に掲げる場所において形成されている場合には、常に、差押えの解除又は担保の取消しを命じなければならない。
(a)事故が生じた港又は、事故が港の外で生じたときは、事故の発生後に最初に寄港した港
(b)死亡又は身体の傷害に関する債権については下船港
(c)積荷の損傷に関する債権については荷揚港
(d)差押えの行われた国
3 1及び2の規定は、債権者が基金に係る債権を当該基金を管理する裁判所において請求することが可能であり、かつ、当該基金が当該債権者の債権の弁済に関し実際に用いることのできるものであつて自由に移転することのできるものである場合にのみ適用する。
(適用法令)
第14条 この章の規定に従うことを条件として、基金の形成及び分配並びにこれらに関連する手続に関する規則については、基金の形成がされる締約国の法令の定めるところによる。

第4章 適用範囲

第15条 
1 この条約は、第1条に規定するいずれかの者が、締約国の裁判所において自己の責任を制限しようとし又は締約国の管轄内で船舶その他の財産の差押えの解除若しくは担保の取消しを求める場合に適用する。もつとも、締約国は、自国の裁判所でこの条約の適用についての主張がされる時において、同条に規定するいずれかの者がいずれの締約国にも常居所若しくは主たる営業所を有せず又は責任の制限の権利の主張若しくは差押えの解除に係る船舶がいずれの締約国の旗も掲げていない場合には、当該いずれかの者又は当該船舶について、この条約の全部又は一部の適用を排除することができる。
2 締約国は、次に掲げる船舶について適用する責任の制限の制度を自国の法令により定めることができる。
(a)自国の法令により内水航路を航行するよう定められている船舶
(b)300トン未満の船舶
 この2の規定を適用する締約国は、自国の法令において採用する責任の限度額又は、責任の限度を定めていない場合には、その旨を寄託者に通報する。
3 締約国は、他の締約国の国民がいかなる利害関係も有していない事故により生ずる債権について適用する責任の制限の制度を自国の法令により定めることができる。
3の2 締約国は、第7条1に定める責任の限度額にかかわらず、船舶の旅客の死亡又は身体の傷害に関する債権について適用する責任制度を自国の法令により定めることができる。ただし、責任の限度額は、同条1に定める金額を下回ってはならない。この3の2の規定を適用する締約国は、採用する責任の限度額又は責任の限度を定めていない場合にはその旨を事務局長に通報する。
4 締約国の裁判所は、次に掲げる場合には、掘削のため建造され又は改造され、かつ、掘削に従事している船舶について、この条約を適用しない。
(a)当該締約国が、自国の法令に基づき、第6条の規定による責任の限度額よりも高い限度額を設けている場合
(b)当該締約国が、当該船舶についての責任制度を規制する国際条約の締約国である場合
(a)に該当する場合には、当該締約国は、その旨を寄託者に通報する。
5 この条約は、次に掲げるものについては、適用しない。
(a)エアクッション船
(b)海底の天然資源の探査又は開発のために建造された浮いているプラットフォーム
《改正》平18条004

第5章 最終条項

(署名、批准及び加入)
第16条 
1 この条約は、政府間海事協議機関(以下「機関」という。)の本部において、1977年2月1日から12月31日までは署名(いずれの国も署名することができる。)のため、その後は加入のため、開放しておく。
2 いずれの国も、次のいずれかの方法によりこの条約の締約国となることができる。
(a)批准、受諾又は承認を条件とすることなく署名すること。
(b)批准、受諾又は承認を条件として署名した後、批推し、受諾し又は承認すること。
(c)加入すること。
3 批准、受諾、承認又は加入は、これらのための正式の文書を機関の事務局長(以下「事務局長」という。)に寄託することによつて行う。
(効力発生)
第17条 
1 この条約は、12の国が批准、受諾若しくは承認を条件とすることなく署名し又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書を寄託した日の後1年の期間が満了する日の属する月の翌月の初日に効力を生ずる。
2 この条約の効力発生の要件が満たされた後その効力発生の日前に、批准書、受諾書、承認書若しくは加入書を寄託し又は批准、受諾若しくは承認を条件とすることなく署名する国については、その批准、受諾、承認若しくは加入又は署名は、批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の寄託若しくは署名の日の後90日の期間が満了する日の属する月の翌月の初日又はこの条約の効力発生の日のいずれか遅い日に効力を生ずる。
3 この条約は、効力発生の日以後にこの条約を締結しようとする国については、当該国が批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託した日の後90日の期間が満了する日の属する月の翌月の初日に効力を生ずる。
4 この条約は、これを批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入する国の間においては、1957年10月10日にブラッセルで作成された海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約及び1924年8月25日にブラッセルで署名された海上航行船舶の所有者の責任の制限に関するある規則の統一のための国際条約に代わるものとし、これらの国際条約は、これらの国の間においては、効力を失う。
(留保)
第18条 
1 いずれの国も、署名、批准、受諾、承認若しくは加入の際に又はその後いつでも、次の権利を留保することができる。
(a) 第2条1(d)及び(e)の規定の適用を排除する権利
(b) 1996年の危険物質及び有害物質の海上運送に関連する損害に対する責任及び賠償に関する国際条約(その改正又は議定書を含む。)に定める損害についての債権を除外する権利
 この条約の実体規定に対し他のいかなる留保を付することも、認められない。
2 署名の際に付された留保は、批准、受諾又は承認の際に確認されなければならない。
3 この条約に留保を付したいずれの国も、事務局長にあてた通告により、いつでも留保を撤回することができる。撤回は、通告が受領された日に効果を生ずる。通告において特定の日に留保の撤回が効果を生ずることが記載されており、かつ、当該特定の日が事務局長による通告の受領の日よりも遅い日である場合には、撤回は、当該特定の日に効果を生ずる。
《改正》平18条004
(廃棄)
第19条 
1 締約国は、自国についてこの条約が効力を生じた日から1年を経過した後は、いつでもこの条約を廃棄することができる。
2 廃棄は、事務局長に文書を寄託することによつて行う。
3 廃棄は、文書の寄託の日の後1年の期間の満了する日の属する月の翌月の初日又は同日後の日で文書に明記する日に、効力を生ずる。
(改正)
第20条 
1 機関は、この条約の改正のための会議を招集することができる。
2 機関は、締約国の3分の1以上からの要請がある場合には、この条約の改正のための締約国会議を招集する。
3 この条約の改正が効力を生じた日の後に寄託される批准書、受諾書、承認書又は加入書は、反対の意図がこれらの文書に明記されていない限り、改正された条約に係るものとする。
(制限額又は計算単位若しくは貨幣単位の改正)
第21条 
1 前条の規定にかかわらず、機関は、第6条、第7条及び第8条2に規定する金額を変更すること又は同条1及び2の計算単位及び貨幣単位の一方若しくは双方を他の単位に改めることのみを目的とする会議を2及び3の規定により招集する。金額の変更を行うのは、その実質価値の著しい変更を理由とする場合に限る。
2 機関は、締約国の4分の1以上からの要請がある場合には、1に規定する会議を招集する。
3 金額を変更し又は計算単位若しくは貨幣単位を他の単位に改める決定は、1に規定する会議に出席しかつ投票する締約国の3分の2以上の多数による議決で行う。
4 改正が効力を生じた後にこの条約の批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託する国は、改正された条約を適用する。
(寄託者)
第22条 
1 この条約は、事務局長に寄託する。
2 事務局長は、次のことを行う。
(a)海事債権についての責任の制限に関する会議に出席するよう招請されたすべての国及びこの条約に加入するその他の国に対し、この条約の認証謄本を送付すること。
(b)この条約に署名し又は加入した国に対し、次の事項を通知すること。
(i)新たに行われた署名、文書の寄託及び留保並びに署名、寄託及び留保の日
(ii)この条約及びその改正の効力発生の日
(iii)この条約の廃棄及び廃棄が効力を生ずる日
(iv)第20条又は前条の規定に基づき採択された改正
(v)この条約に基づき要求される通報
3 この条約が効力を生じたときは、事務局長は、国際連合憲章第102条の規定により、認証謄本を登録及び公表のため国際連合事務局に送付する。
(用語)
第23条 この条約は、ひとしく正文である英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語により原本一通を作成する。

1976年11月19日にロンドンで作成した。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。