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特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約

【目次】
  昭和55・9・22・条約 28号==
発効昭和55・10・17・外務省告示327号  
改正昭和62・6・26・条約  8号−−(施行=昭62年6月26日)
改正平成6・4・29・条約  1号−−(施行=平6年5月1日)
【略】ラムサール条約

締約国は、
人間とその環境とが相互に依存していることを認識し、
水の循環を調整するものとしての湿地の及び湿地特有の動植物特に水鳥の生息地としての湿地の基本的な生態学的機能を考慮し、
湿地が経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上大きな価値を有する資源であること及び湿地を喪失することが取返しのつかないことであることを確信し、
湿地の進行性の侵食及び湿地の喪失を現在及び将来とも阻止することを希望し、
水鳥が、季節的移動に当たつて国境を越えることがあることから、国際的な資源として考慮されるべきものであることを認識し、
湿地及びその動植物の保全が将来に対する見通しを有する国内政策と、調整の図られた国際的行動とを結び付けることにより確保されるものであることを確信して、
次のとおり協定した。
 
第1条
 この条約の適用上、湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞つているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む。
 この条約の適用上、水鳥とは、生態学上湿地に依存している鳥類をいう。
 
第2条
 各締約国は、その領域内の適当な湿地を指定するものとし、指定された湿地は、国際的に重要な湿地に係る登録簿(以下「登録簿」といい、第8条の規定により設けられる事務局が保管する。)に掲げられる。湿地の区域は、これを正確に記述し、かつ、地図上に表示するものとし、また、特に水鳥の生息地として重要である場合には、水辺及び沿岸の地帯であつて湿地に隣接するもの並びに島又は低潮時における水深が6メートルを超える海域であつて湿地に囲まれているものを含めることができる。
 湿地は、その生態学上、植物学上、動物学上、湖沼学上又は水文学上の国際的重要性に従つて、登録簿に掲げるため選定されるべきである。特に、水鳥にとつていずれの季節においても国際的に重要な湿地は、掲げられるべきである。
 登録簿に湿地を掲げることは、その湿地の存する締約国の排他的主権を害するものではない。
 各締約国は、第9条の規定によりこの条約に署名し又は批准書若しくは加入書を寄託する際に、登録簿に掲げるため少なくとも一の湿地を指定する。
 いずれの締約国も、その領域内の湿地を登録簿に追加し、既に登録簿に掲げられている湿地の区域を拡大し又は既に登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のために廃止し若しくは縮小する権利を有するものとし、当該変更につき、できる限り早期に、第8条に規定する事務局の任務について責任を有する機関又は政府に通報する。
 各締約国は、その領域内の湿地につき、登録簿への登録のため指定する場合及び登録簿の登録を変更する権利を行使する場合には、渡りをする水鳥の保養、管理及び適正な利用についての国際的責任を考慮する。
 
第3条
 締約国は、登録簿に掲げられている湿地の保全を促進し及びその領域内の湿地をできる限り適正に利用することを促進するため、計画を作成し、実施する。
 各締約国は、その領域内にあり、かつ、登録簿に掲げられている湿地の生態学的特徴が技術の発達、汚染その他の人為的干渉の結果、既に変化しており、変化しつつあり又は変化するおそれがある場合には、これらの変化に関する情報をできる限り早期に入手することができるような措置をとるここれらの変化に関する情報は、遅滞なく、第8条に規定する事務局の任務について責任を有する機関又は政府に通報する。
 
第4条
 各締約国は、湿地が登録簿に掲げられているかどうかにかかわらず、湿地に自然保護区を設けることにより湿地及び水鳥の保全を促進し、かつ、その自然保護区の監視を十分に行う。
 締約国は、登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のために廃止し又は縮小する場合には、できる限り湿地資源の喪失を補うべきであり、特に、同一の又は他の地域において水鳥の従前の生息地に相当する生息地を維持するために、新たな自然保護区を創設すべきである。
 締約国は、湿地及びその動植物に関する研究並びに湿地及びその動植物に関する資料及び刊行物の交換を奨励する。
 締約国は、湿地の管理により、適当な湿地における水鳥の数を増加させるよう努める。
 締約国は、湿地の研究、管理及び監視について能力を有する者の訓練を促進する。
 
第5条 締約国は、特に二以上の締約国の領域に湿地がわたつている場合又は二以上の締約国に水系が及んでいる場合には、この条約に基づく義務の履行につき、相互に協議する。また、締約国は、湿地及びその動植物の保存に関する現在及び将来の施策及び規制について調整し及びこれを支援するよう努める。
 
第6条
 この条約の実施について検討し及びこの条約の突施を促進するため、締約国会議を設置する、第8条1の事務局は、締約国会議が別段の決定を行わない限り3年を超えない間隔で締約国会議の通常会合を招集し、また、締約国の少なくとも3分の1が書面により要請する場合には特別会合を招集する。締約国会議の通常会合は、次回の通常会合の時期及び場所を決定する。
 締約国会議は、次のことを行う権限を有する。
a.この条約の実施について討議すること。
b.登録簿に係る追加及び変更について討議すること。
c.登録簿に掲げられている湿地の生態学的特徴の変化に関する情報であつて第3条2の規定により通報されるものについて検討すること。
d.締約国に対し、湿地及びその動植物の保全、管理及び適正な利用に関して一般的又は個別的勧告を行うこと。
e.湿地に関係のある事項であつて本来国際的性格を有するものについての報告及び統計を作成するよう関係国際機関に要請すること。
f.この条約の実施を促進するため、その他の勧告又は決議を採択すること。
 締約国は、湿地の管理につきそれぞれの段階において責任を有する者が湿地及びその動植物の保全、管理及び適正な利用に関する1の会議の勧告について通知を受けること及びこれらの者が当該勧告を考慮に入れることを確保する。
 締約国会議は、会合ごとに手続規則を採択する。
 締約国会議は、この条約の財政規則を定め及び定期的に検討する。締約国会議は、通常会合ごとに、出席しかつ投票する締約国の3分の2以上の多数による議決で、次期の財政期間についての予算を採択する。
 締約国は、締約国会議の通常会合において出席しかつ投票する締約国が全会一致の議決で採択する分担率に従つて、予算に係る分担金を支払う。
 
第7条
 前条1の会議に出席する締約国の代表には、科学、行政その他の適当と認められる分野において得られた知識及び経験により湿地又は水鳥の専門家とされる者を含めるべきである。
 会議に代表を出席させる各締約国は、一の票を有するものとし、勧告、決議及び決定は、この条約に別段の定めがある場合を除くほか、出席しかつ投票する締約国の単純過半数による議決で採択する。
 
第8条
 自然及び天然資源の保全に関する国際同盟は、他の機関又は政府がすべての締約国の3分の2以上の多数による議決で指定される時まで、この条約に規定する事務局の任務を行う。
 事務局は、特に、次の任務を行う。
a.第6条1の会議が招集されかつ組織されるに当たつて助力すること。
b.国際的に重要な湿地に係る登録簿を保管すること及び登録簿に掲げられている湿地に関する追加、拡大、廃止又は縮小につき第2条5の規定により締約国が行う通報を受けること。
c.登録簿に掲げられている湿地の生態学的特徴の変化に関し第3条2の規定により締約国が行う通報を受けること。
d.登録簿の変更又は登録簿に掲げられている湿地の特徴の変化をすべての締約国に通知すること及び次回の会議においてこれらの事項が討議されるように取り計らうこと。
e.登録簿の変更又は登録簿に掲げられている湿地の特徴の変化に関する勧告を関係締約国に周知させること。
 
第9条
 この条約は、署名のため無期限に開放しておく。
 国際連合、いずれかの専門機関若しくは国際原子力機関の加盟国又は国際司法裁判所規程の当事国は、次のいずれかの方法により、この条約の締約国となることができる。
a.批准につき留保を付さないで署名すること。
b.批准を条件として署名した後、批准すること。
c.加入すること。
 批准又は加入は、批准書又は加入書を国際連合教育科学文化機関事務局長(以下「寄託者」という。)に寄託することによつて行う。
 
第10条
 この条約は、前条2の規定に基づいて7の国がこの条約の締約国となつた後4箇月で効力を生ずる。
 その後は、この条約は、批准につき留保を付さないで署名した日又は批准書若しくは加入書を寄託した日の後4箇月で各締約国について効力を生ずる。
 
第10条の2
 この条約は、条約の改正のためにこの条の規定に従い招集される締約国の会合において改正することができる。
 いずれの締約国も、改正を提案することができる。
 改正案及び改正の理由は、この条約に規定する事務局の任務を遂行する機関又は政府(以下「事務局」という。)に通報するものとし、事務局は、速やかにこれらをすべての締約国に通報する。締約国は、改正案についての意見を、事務局が改正案を締約国に通報した日から3箇月以内に事務局に通報する。事務局は、意見を提出する期限の末日の後直ちに、その日までに提出されたすべての意見を締約国に通報する。
 事務局は、締約国の3分の1以上が書面による要請をした場合には、3の規定に従つて通報された改正案を検討するための締約国の会合を招集する。事務局は、会合の時期及び場所について締約国と協議する。
 改正は、出席しかつ投票する締約国の3分の2以上の多数による議決で採択する。
 採択された改正は、締約国の3分の2が改正の受諾書を寄託者に寄託した日の後4番目の月の初日に、改正を受諾した締約国について効力を生ずる。締約国の3分の2が改正の受諾書を寄託した日の後に改正の受諾書を寄託する締約国については、改正は、当該受諾書が寄託された日の後4番目の月の初日に効力を生ずる。
 
第11条
 この条約は、無期限に効力を有する。
 いずれの締約国も、この条約が自国について効力を生じた日から5年の期間が満了した後は、寄託者が書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。廃棄は、寄託者がその通告を受領した日の後4箇月で効力を生ずる。
 
第12条
 寄託者は、この条約のすべての署名国及び加入国に対し、できる限り速やかに次の事項を通報する。
a.この条約の署名
b.この条約の批准書の寄託
c.この条約の加入書の寄託
d.この条約の効力発生の日
e.この条約の廃棄の通告
 寄託者は、この条約が効力を生じたときは、国際連合憲章第102条の規定により、この条約を国際連合事務局に登録する。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。
1971年2月2日にラムサールで、英語、フランス語、ドイツ語及びロシア語により原本一通を作成した。これらは、すべてひとしく正文とする。原本は、寄託者に寄託するものとし、寄託者は、その真正な謄本をすべての締約国に送付する。