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財産及び請求権に関する間題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定

  昭和40・12・18・条約 27号  
発効昭和40・12・18・外務省告示255号  
財産及び請求権に関する間題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定をここに公布する。
日本国及び大韓民国は、両国及びその国民の財産並びに両国及びその国民の間の請求権に関する問題を解決することを希望し、両国間の経済協力を増進することを希望して、次のとおり協定した。
第1条   
1 日本国は、大韓民国に対し、
(a)現在において1080億円(108,000,000,000円)に換算される3億合衆国ドル(300,000,000ドル)に等しい円の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務を、この協定の効力発生の日から10年の期間にわたつて無償で供与するものとする。各年における生産物及び役務の供与は、現在において108億円(10,800,000,000円)に換算される3000万合衆国ドル(30,000,000ドル)に等しい円の額を限度とし、各年における供与がこの額に達しなかつたときは、その残額は、次年以降の供与額に加算されるものとする。ただし、各年の供与の限度額は、両締約国政府の合意により増額されることができる。
(b)現在において720億円(72,000,000,000円)に換算される2億合衆国ドル(200,000,000ドル)に等しい円の額に達するまでの長期低利の貸付けで、大韓民国政府が要請し、かつ、3の規定に基づいて締結される取極に従つて決定される事業の実施に必要な日本国の生産物及び日本人の役務の大韓民国による調達に充てられるものをこの協定の効力発生の日から10年の期間にわたつて行なうものとする。この貸付けは、日本国の海外経済協力基金により行なわれるものとし、日本国政府は、同基金がこの貸付けを各年において均等に行ないうるために必要とする資金を確保することができるように、必要な措置を執るものとする。
 前記の供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない。
2 両締約国政府は、この条の規定の実施に関する事項について勧告を行なう権限を有する両政府間の協議機関として、両政府の代表者で構成される合同委員会を設置する。
3 両締約国政府は、この条の規定の実施のため、必要な取極を締結するものとする。
第2条  
1 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する間題が、1951年9月8日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
2 この条の規定は、次のもの(この協定の署名の日までにそれぞれの締約国が執つた特別の措置の対象となつたものを除く。)に影響を及ぼすものではない。
(a)一方の締約国の国民で1947年8月15日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産、権利及び利益
(b)一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつて1945年8月15日以後における通常の接触の過程において取得され又は他方の締約国の管轄の下にはいつたもの
3 2の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする。
第3条  
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
2 1の規定により解決することができなかつた 紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から30日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の30日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが30日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。
第4条 この協定は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかにソウルで交換されるものとする。この協定は、批准書の交換の日に効力を生ずる。
以上の証拠として、下名は、各自の政府からこのために正当な委任を受け、この協定に署名した。
1965年6月22日に東京で、ひとしく正文である日本語及び韓国語により本書二通を作成した。
第一議定書
 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(以下「協定」という。)に署名するに当たり、下名は、各自の政府から正当な委任を受け、協定第1条1(a)の規定の実施に関し、協定の不可分の一部と認められる次の規定を協定した。
第1条 日本国が供与する生産物及び役務を定める年度実施計画(以下「実施計画」という。)は、大韓民国政府により作成され、両締約国政府間の協議により決定されるものとする。
第2条  
1 日本国が供与する生産物は、資本財及び両政府が合意するその他の生産物とする。
2 日本国の生産物及び日本人の役務の供与は、日本国と大韓民国との間の通常の貿易が著しく阻害されないように、かつ、外国為替上の追加の負担が日本国に課されないように、実施されるものとする。
第3条  
1 第5条1の使節団又は大韓民国政府の認可を受けた者は、実施計画に従い生産物及び役務を取得するため、日本国民又はその支配する日本国の法人と直接に契約を締結するものとする。
2 1の契約(その変更を含む。)は、(i)協定第1条1(a)及びこの議定書の規定、(ii)両政府が協定第1条1(a)及びこの議定書の実施のため行なう取極の規定並びに(iii)その時に適用される実施計画に合致しなければならない。これらの契約は、前記の基準に合致するものであるかどうかについて認証を得るため、日本国政府に送付されるものとする。この認証は、原則として14日以内に行なわれるものとする。定められた期間内に認証が得られなかつたときは、その契約は、協定第1条2の合同委員会に付託され、合同委員会の勧告に従つて処理されるものとする。その勧告は、合同委員会がその契約を受領した後30日以内に行なわれるものとする。この項に定めるところに従つて認証を得た契約は、以下「契約」という。
3 すべての契約は、その契約から又はこれに関連して生ずる紛争が一方の契約当事者の要請により、両政府間で行なわれることがある取極に従つて商事仲裁委員会に解決のため付託される旨の規定を含まなければならない。両政府は、正当になされたすべての仲裁判断を最終的なものとし、かつ、執行することができるようにするため必要な措置を執るものとする。
4 1の規定にかかわらず、生産物及び役務の供与は、契約によることができないと認められる場合は、契約なしで、両政府間の合意により行なうことができる。
第4条  
1 日本国政府は、第5条1の使節団又は大韓民国政府の認可を受けた者が契約により負う債務並びに前条4の規定による生産物及び役務の供与の費用に充てるための支払を、第7条の規定に基づいて定める手続によつて、行なうものとする。この支払は、日本円で行なうものとする。
2 日本国は、1の規定に基づく支払を行なうことにより、その支払を行なつた時に、その支払に係る生産物及び役務を、協定第1条1(a)の規定に従い、大韓民国に供与したものとみなされる。
第5条  
1 大韓民国政府は、同政府の使節団(以下「使節団」という。)を日本国内に設置する。
2 使節団は、協定第1条1(a)及びこの議定書の実施を任務とし、その任務には次の事項を含むものとする。
(a)大韓民国政府が作成した実施計画の日本国政府への提出
(b)大韓民国政府のための契約の締結及び実施
(c)(b)の契約及び大韓民国政府の認可を受けた者の締結する契約の認証を受けるための日本国政府への送付
3 使節団の任務の効果的な遂行のため必要であり、かつ、もつぱらその目的に使用される使節団の日本国における事務所は、東京及び両政府間で合意することがある他の場所に設置する。
4 使節団の事務所の構内及び記録は、不可侵とする。使節団は、暗号を使用することができる。使節団に属し、かつ、直接その任務の遂行のため使用される不動産は、不動産取得税及び固定資産税を免除される。使節団の任務の遂行から生ずることがある使節団の所得は、日本国における課税を免除される。使節団が公用のため輸入する財産は、関税その他輸入について又は輸入に関連して課される課徴金を免除される。
5 使節団は、他の外国使接団に通常与えられる行政上の援助で使節団の任務の効果的な遂行のため必要とされるものを日本国政府から与えられるものとする。
6 大韓民国の国民である使節団の長、使節団の上級職員二人及び3の規定に従つて設置される事務所の長は、国際法及び国際慣習に基づいて一般的に認められる外交上の特権及び免除を与えられる。使節団の任務の効果的な遂行のため必要があると認められたときは、前記の上級職員の数は、両政府間の合意により増加することができる。
7 大韓民国の国民であり、かつ、通常日本国内に居住していない使節団のその他の職員は、自己の職務の遂行について受ける報酬に対する日本国における課税を免除され、かつ、日本国の法令の定めるところにより、自用の財産に対する関税その他輸入について又は輸入に関連して課される課徴金を免除される。
8 契約から若しくはこれに関連して生ずる紛争が仲裁により解決されなかつたとき、又は当該仲裁判断が履行されなかつたときは、その問題は、最後の解決手段として、契約地の管轄裁判所に提起することができる。この場合において、必要とされる訴訟手続上の目的のためにのみ、使節団の法務部長の職にある者は、2(b)の契約に関し訴え、又は訴えられることができるものとし、そのために使節団における自己の事務所において訴状その他の訴訟書類の送達を受けることができるものとする。ただし、訴訟費用の担保を供する義務を免除される。使節団は、4及び6に定めるところにより不可侵及び免除を与えられてはいるが、前記の場合において管轄裁判所が行なつた最終の裁判を、使節団を拘束するものとして受諾するものとする。
9 最終の裁判の執行に当たり、使節団に属し、かつ、その任務の遂行のため使用される土地及び建物並びにその中にある動産は、いかなる場合にも強制執行を受けることはない。
第6条  
1 両政府は、生産物及び役務の供与が円滑かつ効果的に行なわれるため必要な措置を執るものとする。
2 生産物又は役務の供与に関連して大韓民国内において必要とされる日本国民は、その作業の遂行のための大韓民国への入国、同国からの出国及び同国における滞在に必要な便宜を与えられるものとする。
3 日本国の国民及び法人は、生産物又は役務の供与から生ずる所得につき、大韓民国における課税を免除される。
4 日本国により供与される生産物は、大韓民国の領域から再輸出されてはならない。
5 いずれの一方の締約国の政府も、日本国により供与される生産物の運送及び保険に関し、公正かつ自由な競争を妨げることがある他方の締約国の国民及び法人に対する差別的措置を、直接又は間接に執らないものとする。
6 この条の規定は、協定第1条1(b)に定める貸付けによる生産物及び役務の調達についても適用されるものとする。
第7条 この議定書の実施に関する手続その他の細目は、両政府間で協議により合意するものとする。
以上の証拠として、下名は、この議定書に署名した。
1965年6月22日に東京で、ひとしく正文である日本語及び韓国語により本書二通を作成した。
第二議定書
 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(以下「協定」という。)に署名するに当たり、下名は、各自の政府から正当な委任を受け、さらに、協定の不可分の一部と認められる次の規定を協定した。
第1条 大韓民国は、日本国と大韓民国との間の清算勘定の残高として1961年4月22日の交換公文により両締約国政府間で確認されている日本国の債権である4572万9398合衆国ドル8セント(45,729,398.08ドル)を協定の効力発生の日から10年の期間内に、次のとおり分割して返済するものとする。この場合においては、利子を附さない。
第1回から第9回までの年賦払の額 各年457万3000合衆国ドル(4,573,000ドル)
第10回の年賦払の額 457万2398合衆国ドル8セント(4,572,398.08ドル)
第2条 前条の各年の賦払金について大韓民国の要請があつたときは、その要請のあつた金額に相当する協定第1条1(a)の規定による生産物及び役務の供与並びに前条の規定による賦払金の支払が行なわれたものとみなし、これにより、協定第1条1(a)の規定による生産物及び役務の供与の額並びにその年の供与の限度額は、同条1(a)の規定にかかわらず、その金額だけ減額されるものとする。
第3条 第1条にいう日本国の債権の額の返済に関し、大韓民国は、第1回の年賦払を協定の効力発生の日に行なうものとし、第2回以降の年賦払を各年において第1回の支払期日と同一の日までに行なうものとする。
第4条 第2条の大韓民国政府の要請は、日本国の財政上の慣行を考慮して、前条の規定による支払期日が属する日本国の会計年度が始まる暦年の前年の10月1日までに、当該支払期日に支払われるべき賦払金について行なわれるものとする。ただし、第1回の支払(及び本文の規定によることができない場合の第2回の支払)についての要請は、協定の効力発生の日に行なわれるものとする。
第5条 大韓民国の要請は、第1条にいう各年の賦払金の全部又は一部について行なうことができる。
第6条 大韓民国の要請が第4条の規定による期日までに行なわれず、かつ、賦払金の全部又は一部の支払が第3条の規定による支払期日までに行なわれなかつたときは、その賦払金の全部又は一部について第2条の大韓民国の要請があつたものとみなす。
以上の証拠として、下名は、この議定書に署名した。
1965年6月22日に東京で、ひとしく正文である日本語及び韓国語により本書二通を作成した。