houko.com 

代金引換郵便物に関する約定

  昭和40・9・15・条約 20号  
発効昭和41・1・1・外務省告示186号  
代金引換郵便物に関する約定をここに公布する。
連合加盟国の政府の全権委員である下名は、1964年7月10日にウィーンで締結された万国郵便連合憲章第22条4の規定にかんがみ、合意により、かつ、憲章第25条3の規定を留保して、次の約定を締結した。

第1章 序則

第1条 約定の目的
 この約定は、締約国がその相互の関係において行なうことに同意する代金引換郵便物の交換を規律する。

第2章 一般条件、料金、取立金の移転

第2条 許される郵便物
1 条約、価格表記の書状及び箱物に関する約定又は小包郵便物に関する約定で定める条件をそれぞれ満たす書留通常郵便物、価格表記の書状及び箱物並びに小包郵便物は、代金引換として発送することができる。
2 郵政庁は、代金引換郵便物の業務を前記の郵便物のうち特定の種類のものに限り許す権能を有する。
第3条 引受条件
 代金引換郵便物は、当該郵便物が属する種類の郵便物に適用される引受条件及び料金に従う。
第4条 最高額
 決済方法のいかんを問わず、代金引換金額は、郵便物の差出国にあてる為替の振出しについて取立国で採用する最高額をこえることができない。ただし、合意によりこの額よりも多い最高額を定めているときは、この限りでない。
第5条 通貨
 特別の合意がない限り、代金引換金額は、郵便物の差出国の通貨で表示する。ただし、取立国が所管する郵便振替口座への代金引換金額の払込み又は振替の場合には、この金額は、取立国の通貨で表示する。
第6条 差出人との決済方法
 郵便物の差出人への取立金の送付は、次の方法によつて行なう。
(a)「代金引換為替」。この代金引換為替の金額は、郵便物の差出国の郵政庁の規則が許すときは、郵便物の差出国が所管する郵便振替口座に受入登記をすることができる。
(b)関係郵政庁が許すときは、取立国又は郵便物の差出国が所管する郵便振替口座への振替又は払込み
第7条 代金引換為替の交換方法
 代金引換為替の交換は、郵政庁の選択に従い、カード又は目録により行なうことができる。為替証書は、カードによる場合には「カード式代金引換為替」といい、目録による場合には「目録式代金引換為替」という。
第8条 料金
1 差出人は、第3条に掲げる料金のほかに、次の料金を前納する。
(a)差出人が代金引換為替によつて代金引換額の送付を受けることを請求するときは、
一 次の最高定額料金
勘定の決済がカード式代金引換為替により行なわれるときは、七十サンチーム
勘定の決済が目録式代金引換為替により行なわれるときは、一フラン十サンチーム
二 代金引換金の200分の1をこえない比例料金。各郵政庁は、比例料金の徴収のため、自己の業務上の便宜に最も適合する段階を採用する権能を有する。
(b)差出人がさらに代金引換為替証書の航空路による返送を請求した場合において、関係郵政庁の特別の合意がないときは、到達証式紙の航空路による返送について条約第37条1に規定する料金に等しい料金
(c)取立国又は郵便物の差出国が所管する郵便振替口座への代金引換金額の振替又は払込みを差出人が請求するときは、最高三十サンチームの定額料金
2 なお、取立国の郵政庁は、1(c)に規定する振替又は払込みについては、代金引換金額から次の料金を控除する。
(a)最高三十サンチームの定額料金
(b)取立国が所管する郵便振替口座への振替又は払込みが行なわれるときは、場合により、振替又は払込みに適用される内国料金
(c)郵便物の差出国が所管する郵便振替口座への国際振替又は国際払込みが行なわれるときは、国際振替又は国際払込みに適用される料金
第9条 代金引換金額の取消し又は変更
1 代金引換郵便物の差出人は、条約第26条に定める条件に従つて、代金引換金額の全部又は一部の取消し及び引上げを請求することができる。代金引換金額の取消し又は変更の電信による請求については、電報料金のほかに、書留料を支払わなければならない。
2 代金引換金額の引上げの場合には、差出人は、増加額について、第8条1(a)二に定める比例料金を支払わなければならない。この比例料金は、決済が郵便振替口座への払込み又は振替により行なわれるときは、徴収しない。
第10条 代金引換為替
1 代金引換為替は、第4条の規定に従つて採用された最高額まで許される。
2 施行規則に規定するところを留保して、代金引換為替は、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の規定に従う。
第11条 小包に関する代金引換為替の払渡し
 代金引換小包に関する代金引換為替は、郵便物の差出郵政庁が定める条件に従つて差出人に払い渡す。
第12条 権利者への払渡不能
1 なんらかの理由により権利者に払い渡されなかつた代金引換為替の金額は、権利者のために郵便物の差出国の郵政庁が保管する。この金額は、差出国において有効な法定の時効期間が満了した時に、その郵政庁に確定的に帰属する。
2 なんらかの理由により、第6条(b)の規定に従つて請求された郵便振替口座への払込み又は振替をすることができないときは、代金を取り立てた郵政庁は、取立金を郵便物の差出人の利益のために代金引換為替に組み替える。

第3章 責任

第13条 責任の原則及び範囲
1 郵政庁は、代金引換為替が正規に払い渡されるまで、又は郵便振替口座に正規に受入登記をされるまで、取り立てた代金について責任を負う。
2 なお、郵政庁は、代金を取り立てることなく又は代金引換金額より低い金額を取り立てて郵便物を配達したときは、当該代金引換金額の限度において責任を負う。
3 郵政庁は、代金の取立て及び取立金の送付において生ずるとこがある遅延については、なんらの責任も負わない。
第14条 例外
 次の場合には、代金引換金額に関して、なんらの賠償金も支払わない。
(a)取立ての欠陥が差出人の過失又は怠慢による場合
(b)郵便物が条約(第16条8及び11(c)ならびに第28条1)、価格表記の書状及び箱物に関する約定(第2条4及び5並びに第5条)又は小包郵便局に関する約定(第24条(a)二、三、五、六及び七、同条(b)並びに第28条)で定める禁制に抵触するために配達されなかつた場合。
(c)条約第35条1に規定する期間内になんらの請求も行なわれなかつた場合
第15条 賠償金の支払、求償、期間
1 賠償金の支払の義務は、郵便物の差出郵政庁が負う。もつとも、差出郵政庁は、責任郵政庁に対して、求償権を行使することができる。責任郵政庁は、自己のために支払われた金額を、条約第44条に定める条件に従つて、差出郵政庁に償還しなければならない。
2 賠償金の支払を最終的に負担した郵政庁は、この賠償金の金額の限度において、名あて人、差出人又は第三者に対して求償権を有する。
3 条約第43条の書留郵便物の亡失に対する賠償金の支払期間に関する規定は、すべての種類の代金引換郵便物について、取立金又は賠償金の支払に適用する。
第16条 取立てに関する責任の決定
1 取立郵政庁は、次のことを立証することができるときは、生じた事故について責任を負わない。
(a)差出国の郵政庁が規則を遵守しなかつたために過失が生じたこと。
(b)自己の業務への運送に際して、郵便物(小包郵便物については、関係送状を含む。)が所定の指示を有しなかつたこと。
2 責任が二郵政庁のいずれに属するかを明らかにすることができない場合には、両郵政庁は、平等に損害を負担する。
第17条 代金引換金額を取り立てることなく名あて人に配達した郵便物の差出人への還付
1 代金引換金額を取り立てることなく配達した郵便物を名あて人が返還した場合には、差出人に対しては、代金引換金額の支払を受けることの放棄又は第13条2の規定に基づいて受領した金額の返付を条件として三箇月の期間内にこの郵便物を受け取ることができる旨を通知する。
2 差出人が郵便物を受け取つたときは、返付された金額は、損害を負担した一又は二以上の郵政庁に還付する。
3 差出人が郵便物を受け取ることを放棄したときは、その郵便物は、損害を負担した一又は二以上の郵政庁の所有に帰する。

第4章 雑則及び最終規定

第18条 代金引換金額の為替による決済の場合の料金の帰属
 郵便物の差出国の郵政庁は、施行規則で定める条件に従つて次の料金を割り当てる。
(a)取立郵政庁に対しては、関係郵政庁がカード式代金引換為替を採用するか又は目録式代金引換為替を採用するかにより、払渡済みの代金引換為替一通につき三十五サンチームの割当料金及び為替の総額の400分の1の比例割当料金又は五十五サンチームの割当料金及び為替の総額の400分の1の比例割当料金
(b)必要があるときは、代金引換為替証書を航空路により返送した郵政庁に対し、第8条1(b)に規定する料金
第19条 条約及び特定の約定の適用
 条約、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定、郵便振替に関する約定、価格表記の書状及び箱物に関する約定並びに小包郵便物に関する約定は、必要があるときは、この約定の規定に反しないすべての事項に適用する。
第20条 この約定及びその施行規則に関する議案の承認の条件
1 この約定及びその施行規則に関する議案で大会議に提出されたものは、実施されるためには、この約定の当事国である加盟国で出席しかつ投票するものの過半数によつて承認されなければならない。投票の際には、大会議に代表されたこれらの加盟国の半数が出席していなければならない。
2 この約定及び施行規則に関する議案で大会議から大会議までの間において提出されたものは、実施されるためには次の票数を得なければならない。
(a)規定の追加に関する場合又は第1条から第10条まで、第12条から第18条まで、第20条及び第21条の規定並びに施行規則第121条の規定の改正に関する場合には、投票の総数
(b)(a)に掲げる規定以外の規定の改正に関する場合には、投票の3分の2
(c)約定及び施行規則の規定の解釈に関する場合には、投票の過半数。ただし、憲章第32条に規定する仲裁に付すべき紛議の場合を除く。
第21条 約定の効力発生及び有効期間
 この約定は、1966年1月1日に効力を生じ、次回の大会議の文書が効力を生ずるまで効力を有する。
以上の証拠として、締約国政府の全権委員は、連合所在国の政府に寄託されるべきこの約定の本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本一通を各当事国に送付する。
1964年7月10日にウィーンで作成した。
(署名欄・略)