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万国郵便条約

  昭和40・9・15・条約 15号  
発効昭和41・1・1・外務省告示186号  
万国郵便条約をここに公布する。
連合加盟国の政府の全権委員である下名は、万国郵便連合憲章第22条3の規定にかんがみ、国際郵便業務に適用する共通の規則及び通常郵便業務に関する規定を、合意により、この条約で定めた。

第1部 国際郵便業務に適用する共通の規則

第1条 継越しの自由
1 憲章第1条に原則が定められている継越しの自由は、各郵政庁につき、他の郵政庁から引き渡される閉袋及び開袋通常郵便物を、常に、自国の郵便物に利用される最も速達の線路によつて送達する義務を生ずる。この義務は、仲介郵政庁が航空通常郵便物の継送に参加するかどうかを問わず、航空通常郵便物にも及ぶ。
2 死滅しやすい若しくは変敗しやすい生物学上の材料又は放射性物質を包有する書状の交換に参加しない加盟国は、この郵便物の自国の領域を経由する開袋継越しを許さない権能を有する。第28条5に規定する郵便物についても、同様とする。
3 価格表記の書状及び箱物の業務を行なわない加盟国又は自国の海路業務若しくは航空業務により行なう運送に関して有価物につき責任を認めない加盟国であつても、この郵便物の自国の領域を経由する閉袋継越し又は自国の海路若しくは航空路による運送を拒むことができない。ただし、これらの国の責任は、書留郵便物について規定するところをもつて限度とする。
4 陸路及び海路により送達される小包郵便物の継越しの自由は、この業務に参加する国の領域内に限定する。
5 航空小包の継越しの自由は、連合の全境域において保障する。ただし、小包郵便物に関する約定の当事国でない加盟国は、航空小包の平面路による送達に参加することを強制されない。
6 小包郵便物に関する約定の当事国である加盟国は、自国が価格表記小包郵便物を許さないときも、また、自国の海路業務又は航空業務により行なう運送に関してこの種類の郵便物につき責任を認めないときも、閉袋で発送するこの種類の郵便物の継越しを行なうものとする。この場合には、これらの国の責任は、価格表記としない同一重量の小包について規定するところをもつて限度とする。
第2条 継越しの自由の不遵守
 継越しの自由に関する憲章第1条及びこの条約第1条の規定を遵守しない加盟国があるときは、他の加盟国の郵政庁は、その国との郵便業務を廃止する権利を有する。これらの郵政庁は、この措置についてあらかじめ関係郵政庁に電報で通知しなければならない。
第3条 業務の一時停止
 特別の事情により郵政庁が業務の実施の全部又は一部を一時停止しなければならなくなつたときは、この郵政庁は、直ちにその旨を関係郵政庁に通知しなければならない。この通知は、必要があるときは、電報によつて行なう。
第4条 郵便物の所属
 郵便物は、名あて国の法令に基づいて差し押  えられた場合を除くほか、権利者に交付されるまでは、差出人に属する。
第5条 料金
1 各種類の国際郵便業務に関する料金は、この条約及び約定で定める。
2 この条約及び約定に規定する料金以外の郵便料金は、種類のいかんを問わず、徴収することを禁止する。
第6条 相当額
 各加盟国は、その国の通貨で金フランの値にできる限り正確に相当する額により、料金を定める。
第7条 郵便料金の免除
 郵便料金の免除は、この条約及び約定並びにこれらの文書の最終議定書で明らかに定めている場合に限り行う。
第8条 捕虜及び文民たる被抑留者に関する郵便物のための郵便料金の免除
1 第54条2に規定するところを留保して、通常郵便物、価格表記の書状及び箱物、小包郵便物並びに郵便為替であつて、直接に、又は捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約第122条に規定する情報局及び同条約第123条に規定する中央捕虜情報局の仲介により、捕虜にあてるもの又は捕虜から差し出すものについては、すべての料金を免除する。中立国内に収容され、かつ、拘留された交戦者は、この規定の適用上、捕虜とみなされる。
2 1の規定は、通常郵便物、価格表記の書状及び箱物、小包郵便物並びに郵便為替であつて、直接に、又は戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約第136条に規定する情報局及び同条約第140条に規定する中央情報局の仲介により、他国から到着しかつ同条約に規定する文民たる被抑留者にあてるもの又はこれらの者から差し出すものにも、適用する。
3 前記の各国の情報局及び中央情報局も、1及び2に掲げる者に関する通常郵便物、価格表記の書状及び箱物、小包郵便物並びに郵便為替であつて、これらの局が1及び2に規定する条件で直接に又は仲介者として発受するものについて、郵便料金の免除の利益を享有する。
4 小包は、郵便料金を免除して、重量5キログラムまで許される。この重量制限は、包有品を分割することができない郵便物及び捕虜に分配するために収容所又はその代表者にあてる郵便物については、10キログラムとする。
第9条 点字郵便物のための郵便料金の免除
 第54条2に規定するところを留保して、点字郵便物については、全納料金並びに書留、到達証、別配達、取調請求及び代金引換の取扱いに関する特別料金を免除する。
第10条 郵便切手
 料金前納用の郵便切手は、郵政庁のみが発行する。
第11条 式紙
1 郵政庁がその相互の間において使用する式紙は、関係郵政庁が直接の合意により別段の取極をしない限り、行間対訳を附して又は附さないで、フランス語で作成しなければならない。
2 公衆用の式紙は、フランス語で印刷しないときは、これにフランス語による行間対訳を附さなければならない。
3 1及び2の式紙の字句、色及び大きさは、この条約及び約定の施行規則で定めるものでなければならない。
第12条 郵便本人票
1 各郵政庁は、郵便本人票を認めない旨を通告しなかつた加盟国において行なわれる郵便上の取扱いについて証拠書類として効力を有する郵便本人票を、その請求者に交付することができる。
2 本人票を交付する郵政庁は、その交付のため、一フランをこえない料金を徴収することができる。
3 郵便物の交付又は為替の払渡しが正規の本人票の提示の上で行なわれたことが立証されたときは、郵政庁は、すべての責任を免れる。郵政庁は、また、正規の本人票の亡失、盗取又は詐欺使用によつて生ずることがある結果については、責任を負わない。
4 本人票は、発行の日から起算して五年間有効とする。ただし、本人の容ぼうが写真又は特徴書と一致しない程度に変わつたときは、本人票は、効力を失う。
第13条 勘定の決済
 郵便業務から生ずる国際勘定の郵政庁間の決済は、取極があるときは、通常の取引とすることができ、かつ、関係加盟国の通常の国際的義務に従つて行なうことができる。この種の取極がないときは、勘定の決済は、施行規則の規定に従つて行なう。
第14条 処罰に関する約束
 加盟国の政府は、次の目的のために必要な措置を執ること又は自国の立法機関にその措置を提議することを約束する。
(a)郵便切手(通用を廃止したものを含む。)、国際返信切手券及び郵便本人票の偽造を処罰すること。
(b)次のものの使用又は流布を処罰すること。
一 偽造した郵便切手(通用を廃止したものを含む。)又はすでに使用した郵便切手及び料金計器又は印刷機の印影で偽造し又はすでに使用したもの
二 偽造した国際返信切手券
三 偽造した郵便本人票
(c)正規の郵便本人票の詐欺使用を処罰すること。
(d)いずれかの加盟国の郵政庁によつて発行される切手類と混同しやすいような偽造又は模造の郵便業務用の切手類を製造し及び流布する詐欺行為を禁止し、かつ、抑圧すること。
(e)あへん、モルヒネ、コカインその他の麻薬及び爆発性の又は発火しやすい性質の物質を郵便物に入れることを防止し、かつ、必要があるときはこれを処罰すること。ただし、これらを入れることがこの条約及び約定により明らかに許される場合を除く。

第2部 通常郵便に関する規定

第1章 総則

第15条 通常郵便物
 通常郵便物は、書状、通常郵便葉書、往復郵便葉書、印刷物、点字郵便物、商品見本、小形包装物及び録音郵便物とする。
第16条 料金及び一般条件
1 連合の全境域における通常郵便物の運送に対する前納料金並びに重量及び大きさの制限は、次の表に示すところに従つて定める。第17条3に規定する例外を除くほか、この料金は、名あて国において配達業務が実施されている限り、郵便物の名あて人の住所への配達の費用を包含する。
郵便物
重量の単位
料金
制限
重量
大きさ
 グラムサンチーム 
書状   最大限
長さ、幅及び厚さを合計して90センチメートル。ただし、長さは、60センチメートルをこえることができない。
巻物については、長さと直径の二倍とで104センチメートル。ただし、長さは90センチメートルをこえることができない。
最小限
長さ10センチメートル、幅7センチメートルを下らない大きさの一面を有しなければならない。
巻物については、長さと直径の二倍とで17センチメートル。ただし、長さは、10センチメートルを下ることができない。もつとも、この最小限に達しない郵便物も、長さ10センチメートル、幅7センチメートルを下らない方形の厚紙又は耐力がある紙の名あて札を附することを条件として許される。
最初の重量段階
20252キログラム
追加の各段階
15
郵便葉書   最大限
長さ 15センチメートル
幅 10.7センチメートル
最小限
書状に同じ。
通常
15
往復
30
印刷物503キログラム(書籍については、5キログラム。この制限は、関係郵政庁間の合意により、10キログラムに引き上げることができる。)書状に同じ。
最初の重量段階
12
追加の各段階
点字郵便物第9条参照7キログラム
商品見本50500グラム
最初の重量段階
12
追加の各段階
最低料金
25
小形包装物50121キログラム
最低料金
50
録音郵便物50201キログラム
2 1に定める重量及び大きさの制限は、第23条の郵便業務に関する通常郵便物には、適用しない。また、同一名あて地の同一名あて人にあてる印刷物で一又は二以上の特別の郵袋に納められたものには、1に定める印刷物の重量制限を適用しない。
3 同一名あて地の同一名あて人にあてる印刷物で特別の郵袋に納められたものに適用する料金は、郵袋の総重量に達するまで50グラムの段階により計算する。各郵政庁は、特別の郵袋により発送する印刷物について100分の10を限度として料金の引下げを許容する権能を有する。
4 施行規則で定める条件に従つて包装され、かつ、票符を附された死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料は、書状の一般料金率に従うものとし、適格性のある公認の研究所の間に限つて交換することができる。この交換は、また、相互に又は一方的にこの郵便物を受領することに郵政庁が同意を表明した加盟国の間の関係に限定される。
5 放射性物質は、施行規則で定める条件に従つて、郵送を許される。この物質は、書状の一般料金率に従うものとし、正当に認められた差出人に限つて差し出すことができる。この種の郵便物は、最も速達の線路(通例の場合には航空路)によつて送達する。この交換は、また、相互に又は一方的にこの郵便物を受領することに郵政庁が同意を表明した加盟国の間の関係に限定される。
6 各郵政庁は、自国内で発行される新聞紙及び定期刊行物について、100分の50を限度として、印刷物の一般料金率の引下げを許容する権能を有する。ただし、各郵政庁は、新聞紙の料金率で運送するために内国規則によつて必要とされる条件を満たす新聞紙及び定期刊行物にこの引下げを限定する権利を留保する。目録、目論見書、定価表等の商用印刷物は、その発行が定期的であるかどうかを問わず、この引下げから除外する。新聞紙及び定期刊行物に添附する紙片に印刷した公告についても、同様とする。
7 郵政庁は、書類、冊子、楽譜及び地図でその表紙又はとびらに掲げる公告類以外になんらかの公告類も有しないものについても、同一の引下げを許容することができる。
8 封かんした封筒による書留書状以外の郵便物は、硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、加工した又は加工しない白金、金又は銀、宝石、珠玉その他の貴重品を包有することができない。
9 差出国及び名あて国の郵政庁は、差出人、名あて人及びこれらの者の同居者を除く者の間で交換される現実的かつ対人的な通信の性質を有する書類を包有する書状を自国の法令に従つて取り扱う権能を有する。
10 書状、印刷物、点字郵便物、商品見本及び小形包装物は、郵便物の差出国の郵便切手又は料金前納用の印影によつて料金を前納した返信用のカード又は封筒を包有することができない。
11 施行規則に規定する例外を除くほか、印刷物、点字郵便物、商品見本及び小形包装物は、
(a)容易に点検することができるように包装しなければならない。
(b)現実的かつ対人的な通信の性質を有する記載を有し、又はこのような書類を包有することができない。
(c)消印した若しくは消印していない郵便切手若しくは料金前納用証票又は価格を表示する証券を包有することができない。
12 録音郵便物の業務は、相互に又は一方的にこの郵便物を受領することに郵政庁が同意を表明した加盟国に限定される。
13 異なる種類の郵便物を単一の郵便物として合括することは、施行規則で定める条件に従つて許される。
14 この条約及びその施行規則に規定する例外を除くほか、この条の規定及びこの条約の施行規則によつて、要求される条件を満たさない郵便物は、郵送しない。誤つて引き受けられた郵便物は、差出郵政庁に返送しなければならない。ただし、名あて郵政庁は、これを名あて人に配達することができる。この場合において、その郵便物には、必要があるときは、包有品、重量又は大きさに従つてその郵便物が属すべき種類の通常郵便物について規定する料金を適用する。1に定める重量の最大限をこえる郵便物に関しては、その実際の重量に従つて料金を課することができる。
第17条 特別料金
1 郵政庁は、締切時刻後にその差立業務に差し出される郵便物について、自国の法令の規定に従つて、差出人から附加料金を徴収することができる。
2 名あて国の郵政庁は、留置とされている郵便物に対し、内国制度の同種の郵便物について自国の法令で定めることがある特別料金を課することができる。
3 名あて国の郵政庁は、名あて人に配達する各小形包装物について、最高60サンチームの特別料金を徴収することができる。住所配達の場合には、この料金に最高30サンチームを加えることができる。
第18条 保管料
 名あて郵政庁は、重量500グラムをこえる印刷物、小形包装物及び録音郵便物であつて名あて人が無料で引き取ることができる期間内に引き取らなかつたものについて、自国の法令の規定に従つて保管料を徴収することができる。
第19条 料金前納
1 第8条、第9条及び第23条に規定する郵便物を除くほか、第15条に掲げる郵便物については、原則として、差出人が料金を完全に前納しなければならない。
2 書状及び通常郵便葉書以外の郵便物で料金の未納若しくは不足のもの又は往復郵便葉書で差出しの際にその往信部及び返信部の料金を完全に前納しないものは、郵送しない。
3 料金の未納又は不足の書状又は通常郵便葉書が多数差し出されたときは、差出国の郵政庁は、これらを差出人に還付する権能を有する。
第20条 料金前納の方法
1 料金前納は、郵便物に印刷し若しくははりつけた郵便切手であつて差出国において効力を有するものによつて、若しくは公に採用され、かつ、郵政庁の直接の監督の下に使用される料金計器による印影によつて行ない、又は印刷機その他による印影(差出郵政庁の規則がそのような押印制度を認めるときに限る。)によつて行なう。
2 同一名あて地の同一名あて人にあてる印刷物で特別の郵袋に納められたものの料金前納は、その総額について、郵袋の外部票札上に、1に規定する方法の一によつて行なう。
3 往復郵便葉書の返信部であつてその発行国の郵便切手又は料金前納の印影を印刷し、はりつけ、又は押してあるもの、郵便物であつて最初の運送に対し正規に料金を前納し、かつ、補充料金が転送前に支払われたもの並びに新聞紙又は新聞紙の包装物及び定期刊行物であつて表記面に「Abonnement-poste」又は「Abonnement direct」の記載を有し、かつ、新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定により発送するものは、正当に料金を前納したものとみなす。「Abonnement-poste」又は「Abonnement direct」の記載の次には、「Taxe perque」若しくは「T.P.」又は「Portpaye」若しくは「P.P.」の記載を行なう。
第21条 船舶内における通常郵便物の料金前納
1 航海の始点若しくは終点又は寄港地の一に停泊中に船舶内で差し出される通常郵便物については、停泊国の郵便切手によりその国の料金率に従つて料金を前納しなければならない。
2 公海において船舶内で通常郵便物を差し出すときは、関係郵政庁間に特別の合意がない限り、当該船舶の所属国又は維持国の郵便切手によりその国の料金率に従つて料金を前納することができる。
第22条 料金の未納又は不足の場合の料金
1 料金の未納又は不足の場合には、書留郵便物については第36条7に、また、ある種の転送郵便物については施行規則第144条3、4及び5に規定する例外を除くほか、書状及び通常郵便葉書について、名あて人から、又は配達不能の郵便物に関するときは差出人から、不納額の二倍の金額を基礎として、配達国が採用している書状の最初の重量段階の料金と差出国が採用している同様の料金との間の割合に比例して算出した料金を徴収する。ただし、徴収する料金は、10サンチームを下ることができない。
2 名あて国に誤つて送達されたその他の通常郵便物についても、前記の場合には、同様の取扱いを適用することができる。
第23条 郵政庁及びその郵便局並びに国際事務局のための郵便料金の免除
 第54条4に規定するところを留保して、郵便業務に関する通常郵便物で次に掲げるものについては、すべての郵便料金を免除する。
(a)郵政庁の間で交換するもの
(b)郵政庁と国際事務局との間で交換するもの
(c)加盟国の郵便局の間で交換するもの
(d)郵便局と郵政庁との間で交換するもの
第24条 国際返信切手券
1 国際返信切手券は、加盟国において売りさばく。
2 国際返信切手券の売りさばき価格は、当該郵政庁が決定する。ただし、40サンチーム又は発売国の通貨によるその相当額を下ることができない。
3 各返信切手券は、各加盟国において、その国から外国にあてて発する最初の重量段階の普通書状の前納料金を表示する一枚又は二枚以上の郵便切手と引き換えられる。十分な枚数の返信切手券が提出されたときは、郵政庁は、航空路により発送する20グラムをこえない普通書状の料金前納に必要な郵便切手を提供しなければならない。
4 なお、加盟国の郵政庁は、返信切手券とその返信切手券の引換えによつて料金を前納すべき通常郵便物とを同時に差し出すことを要求する権能を留保する。
第25条 別配達郵便物
1 郵政庁が同意する国においては、通常郵便物は、差出人の請求により、到着の後直ちに特使をもつて住所に配達する。
2 この郵便物は、「別配達郵便物」と称し、普通郵便料のほかに、最初の重量段階の普通書状の前納料金額を最低とし、80サンチーム(差出国の内国業務において適用する料金額が80サンチームより高額の場合にはその額)を最高とする特別料金をこれに課する。この料金は、完全に前納しなければならない。
3 2の特別料金は、往復郵便葉書の返信部の別配達については、返信部の差出人でなければ、有効に支払うことができない。
4 名あての住所が名あて局の配達区域外にある場合には、名あて郵政庁は、別配達については、内国制度の同種の郵便物について定める補充料の額を限度とする補充料を徴収することができる。もつとも、この場合には、別配達は、義務的ではない。
5 前納すべき料金の金額が完全に前納されていない別配達郵便物は、差出局が別配達として取り扱つたものでない限り、普通の方法によつて配達する。差出局が別配達として取り扱つたものである場合には、その郵便物には、第22条の規定に従つて料金を課する。
6 郵政庁は、別配達の試みを一回のみにとどめることができる。その試みが目的を達しなかつたときは、その郵便物は、普通の郵便物として取り扱うことができる。
7 名あて郵政庁の規則が許すときは、名あて人は、書留とした又は書留としない自己あての郵便物が到着した後直ちに別配達によつて配達されることを配達局に請求することができる。この場合には、名あて郵政庁は、内国業務において適用する料金を配達に際して徴収することができる。
第26条 取りもどし、名あての変更又は訂正
1 通常郵便物の差出人は、次の場合に限り、郵便物を取りもどし、又はその名あてを変更することができる。
(a)郵便物が名あて人に配達されていない場合
(b)郵便物が権限のある当局によつて第28条の規定に抵触したことによる没収又は棄却をされていない場合
(c)郵便物が名あて国の法令に基づく差押えをされていない場合
2 各郵政庁は、自国の法令が許すときは、他の郵政庁の業務に差し出された通常郵便物に関する取りもどし又は名あて変更の請求を受理するものとする。
3 取りもどし又は名あて変更の請求は、差出人の費用で、郵便又は電信により送達する。差出人は、各請求につき、最高60サンチームの料金を支払わなければならない。差出人は、さらに、次の料金を支払わなければならない。
(a)請求が郵便により送達されなければならないときは、書留料及び場合により相当する航空増料金
(b)請求が電信により送達されなければならないときは、相当する電報料金
4 差出人が取りもどし又は名あて変更の請求に対して名あて局が執つた措置について航空路又は電信により通知を受けることを希望するときは、差出人は、このために、所要の航空増料金又は電報料金を支払わなければならない。
5 同一差出人から同一名あて人にあてて同一郵便局に同時に差し出された二個以上の郵便物に関する取りもどし又は名あて変更の各請求については、3に規定する料金又は増料金は、一個分のみを徴収する。
6 単なる名あての訂正(名あて人の氏名又は身分の変更を伴わないもの)は、差出人から名あて局に直接に、すなわち、諸手続をふむことなく、かつ、3に規定する料金を支払うことなく、請求することができる。
7 取りもどし又は名あて変更の請求に基づく郵便物の差出元への返送又は新名あて地への転送は、相当する航空増料金を支払うことを差出人が約束するときは、航空路によつて行なう。
第27条 転送、配達不能の郵便物
1 通常郵便物は、名あて人の住所変更の場合には、差出人が名あて国において通用する言語で表記面に行なつた記載によつてその転送を禁止していない限り、直ちに名あて人に転送する。ただし、一国から他国への転送は、郵便物が新運送のために必要な条件を満たす場合に限り行なう。差出人又は名あて人の請求によつて航空路により転送し又は返送する通常郵便物については、第62条2から4まで及び施行規則第183条の規定を準用する。
2 各郵政庁は、転送を行なう期間を、内国業務における転送を行なう期間と一致するように定める権能を有する。
3 内国業務において転送請求に対して料金を徴収する郵政庁は、国際業務において同一の料金を徴収することができる。
4 配達不能の郵便物は、直ちに差出国に返送しなければならない。
5 名あて人のために保管される郵便物又は留置とされている郵便物の保管期間は、名あて郵政庁の規則で定める。ただし、この期間は、名あて郵政庁が最長二箇月まで延長することを必要と認める特別の場合を除くほか、原則として一箇月をこえることができない。差出国への返送は、差出人が名あて国において通用する言語で表記面に行なつた記載によつて請求したときは、一層短い期間内に行なわなければならない。
6 差出人の住所氏名の記載がない郵便葉書は、返送しない。配達不能の印刷物の差出元への返送は、差出人が名あて国において通用する言語で郵便物面に行なつた記載によつて返送を請求した場合を除くほか、義務的ではない。書留印刷物及び書籍は、必ず返送しなければならない。
7 通常郵便物の一国から他国への転送又は差出国への返送については、施行規則に規定する例外を除くほか、なんらの追加料金も徴収しない。
8 転送され又は配達不能の郵便物として差出元へ返送される通常郵便物は、差立て若しくは到着に際して又は最初の運送の後の転送のために途中で課された料金の支払と引換えに、名あて人又は差出人に配達する。この場合には、名あて国が取り消さない関税その他の特別の費用は、償還しなければならない。
9 他国への転送又は配達不能の場合には、留置郵便料、通関料、保管料、手数料、別配達補充料及び小形包装物の名あて人への配達のための特別料金は、取り消す。
第28条 禁制
 次に掲げる物品の発送は、禁止する。
(a)性質上又は包装上、取扱者に危害を及ぼし、又は通常郵便物を汚染し若しくは損傷するおそれがある物品((f)参照)
(b)関税を課されることがある物品(第29条に規定する例外を除く。)及び関税の徴収を免れる目的で多数発送する商品見本
(c)あへん、モルヒネ、コカインその他の麻薬
(d)名あて国において輸入又は流布を禁止する物品
(e)次のものを除く生きた動物
一 みつばち、水ひる及び蚕
二 害虫の寄生虫及び捕食虫であつて害虫駆除の用に供し、かつ、公認の施設の間で交換するもの
(f)爆発性又は発火性の物質その他危険性がある物質。ただし、第16条4及び5の死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料及び放射性物質は、この禁制の適用を受けない。
(g)わいせつな又は不道徳な物品
2 1に掲げる物品を包有する郵便物であつて誤つて引き受け発送されたものは、これを発見した郵政庁が属する国の法令に従つて取り扱う。
3 もつとも、1(c)、(f)及び(g)に掲げる物品を包有する郵便物については、いかなる場合にも、名あて地への送達、名あて人への配達及び差出元への返送を行なわない。
4 誤つて引き受け発送された郵便物について差出元への返送及び名あて人への配達が行なわれないときは、差出郵政庁は、その郵便物に適用された取扱いについて詳細に通報されるものとする。
5 なお、各加盟国は、書状及び郵便葉書以外の通常郵便物であつた自国内における発行又は流布の条件を定める法規に抵触するものについては、自国の領域内において開袋継越しの運送を行なわない権利を留保する。この郵便物は、差出郵政庁に返送しなければならない。
第29条 関税を課されることがある物品
1 関税を課されることがある印刷物、小形包装物及び録音郵便物は、許される。
2 名あて国が同意したときは、関税を課されることがある物品を包有する書状についても、同様とする。ただし、各郵政庁は、関税を課されることがある物品を包有する書状の業務を書留書状に限定する権利を有する。
3 血清、痘苗及び緊急な必要性があり、かつ、人手が困難である医薬品の郵便物は、すべての場合に許される。
第30条 税関検査
 名あて国の郵政庁は、自国の法令に従つて、第29条に掲げる郵便物を税関検査に付し、また、必要があるときは、職権により開くことができる。
第31条 通関料
 名あて国において税関検査に付される郵便物には、この郵便物に関税が課されるときは、このために郵便物一個につき最高60サンチームの通関料を郵便の料金として課することができる。この料金の金額は、第16条2後段の規定に該当する郵便物で同条1に定める重量制限をこえるものについては、一フラン50サンチームまで引き上げることができる。
第32条 関税その他の課金
 郵政庁は、課されることがある関税その他のすべての課金を郵便物の名あて人から徴収することができる。
第33条 課金別納郵便物
1 郵政庁が同意を表明した加盟国の間の関係においては、差出人は、差出局に予告した上、郵便物の配達に際して課される料金及び課金の全部を負担することができる。郵便物が名あて人に配達されるまでの間は、差出人は、差出しの後においても、最高60サンチームの料金を支払つた上、郵便物が課金別納で配達されることを請求することができる。請求が航空路又は電信により送達されなければならないときは、差出人は、さらに、相当する航空増料金又は電報料金を支払わなければならない。
2 1の場合には、差出人は、名あて局が請求することがある金額を支払うことを約束し、また、必要があるときは、十分な保証金を払い込まなければならない。
3 名あて郵政庁は、郵便物一個につき60サンチームをこえない手数料を徴収することができる。この料金は、第31条に規定するものとは別個のものとする。
4 郵政庁は、課金別納郵便物の業務を書留郵便物に限定する権利を有する。
第34条 関税その他の課金の取消し
 郵政庁は、差出元へ返送し、包有品の完全な損傷を理由として棄却し、又は第三国に転送する郵便物について、関税その他の課金が取り消されるように自国の関係機関に交渉することを約束する。
第35条 取調請求及び通報請求
1 取調請求は、郵便物の差出しの日の翌日から起算して一年の期間内において許される。
2 郵政庁が行なう通報請求は、それが当該郵便物の差出しの日から起算して15箇月の期間内に関係郵政庁に到着することのみを条件として、受領され、かつ、義務として処理される。各郵政庁は、通報請求をできる限りすみやかに処理するものとする。
3 各郵政庁は、他の郵政庁の業務において差し出された郵便物に関する取調請求及び通報請求を受理するものとする。
4 差出人が到達証についてすでに特別料金を支払つた場合を除くほか、各取調請求又は各通報請求については、最高60サンチームの料金を徴収することができる。取調請求及び通報請求は、職権により、かつ、常に最も速達の線路(航空路又は平面路)によつて送達する。これらの請求を電信によつて送達するように請求された場合には、取調請求の料金のほかに、電報の費用及び、必要があるときは、返信のための電報の費用を徴収する。
5 取調請求又は通報請求が同一差出人から同一名あて人にあてて同一郵便局に同時に差し出された二個以上の郵便物に関するときは、料金は、一個分のみを徴収する。もつとも、差出人の請求によつて異なつた線路により送達しなければならなかつた書留郵便物に関するときは、利用された各線路について料金を徴収する。
6 取調請求は又通報請求が業務上の過失に起因するものであつたときは、そのために徴収した料金は、還付する。

第2章 書留郵便物

第36条 料金
1 第15条に掲げる通常郵便物は、書留として発送することができる。
2 書留郵便物の料金は、前納しなければならない。この料金は、次のものから成る。
(a)郵便物の種類に従つて課される普通郵便料
(b)最高60サンチームの定額の書留料
3 同一名あて地の同一名あて人にあてる印刷物で一又は二以上の特別の郵袋に納められたものに関するときは、郵政庁は、2(b)の最高60サンチームの料金に代えて、郵袋一個につき最高三フランの一括料金を徴収することができる。
4 往復郵便葉書の返信部についての定額の書留料は、その返信部の差出人でなければ、有効に支払うことができない。
5 書留郵便物の差出人には、差出しに際して無料で受領証を交付しなければならない。
6 不可抗力により生ずることがある危険を負担する国の郵政庁は、各書留郵便物につき最高40サンチームの特別料金を徴収することができる。
7 料金の未納又は不足の書留郵便物で名あて国に誤つて送達されたものについては、名あて人から、又は配達不能の郵便物に関する場合には差出人から、第22条1の料金を徴収する。ただし、この料金は、不納額自体を基礎として算出する。
第37条 到達証
1 書留郵便物の差出人は、差出しに際して最高40サンチームの定額料金を支払つた上、到達証を請求することができる。この到達証は、差出人が前記の定額料金のほかにこの式紙の重量に対応する航空増料金をこえない追加料金を支払うときは、航空路によりその者に送達する。
2 到達証は、郵便物の差出しの後においても、一年の期間内に、かつ、第35条に定める条件に従つて、請求することができる。ただし、請求の送達及び到達証の返送が航空路により行なわれることを差出人が希望したときは、相当する航空増料金を徴収することができる。
3 差出人が通例の期間内に自己に到着しなかつた到達証を再び請求するときは、料金を新たに徴収せず、また、取調請求及び通報請求について第35条に規定する料金も徴収しない。
第38条 名あて人本人への手交
1 同意した郵政庁間の関係においては、到達証を添附した書留通常郵便物は、差出人の請求により、名あて人本人に手交する。この場合には、差出人は、20サンチームの特別料金又は名あて人本人への手交の請求について差出国で徴収される料金を支払う。
2 郵政庁は、この郵便物の手交を二回まで試みるものとする。

第3章 責任

第39条 郵政庁の責任の原則及び範囲
1 郵政庁は、書留郵便物の亡失についてのみ責任を負う。その責任については、郵便物が開袋で運送されるものであるか、又は閉袋で運送されるものであるかを問わない。
2 差出人は、このため、賠償金を請求する権利を有する。その金額は、郵便物一個につき25フランとする。この金額は、第16条2及び3の印刷物を納めた特別の郵袋については、郵袋一個につき125フランとすることができる。
3 差出人は、名あて人のためにこの権利を放棄する権能を有する。
第40条 郵政庁の免責
1 郵政庁は、書留郵便物であつて、同種の郵便物につき自国の規則で定める条件又は第12条3に定める条件に従つて配達したものについては、責任を問われない。
2 次の場合には、郵政庁は、責任を負わない。
一 書留郵便物の亡失については、
(a)不可抗力による場合。自己の業務において亡失が生じた郵政庁は、自国の法令に従つて、亡失が不可抗力の場合を構成する事情によるものであるかどうかを決定しなければならず、この事情は、差出国の郵政庁が請求するときは、その郵政庁に通知する。ただし、不可抗力の危険を負担することを受諾した差出国の郵政庁に関しては、責任は、存続する(第36条6)。
(b)郵政庁の責任に関して別段の証拠がなく、かつ、不可抗力による業務書類の損傷のために郵政庁が郵便物について調査することができない場合
(c)包有品が第16条8及び11(c)並びに第28条1に規定する禁制に抵触する郵便物に関する場合において、当該郵便物がその包有品のために権限のある当局により没収され又は棄却されたとき。
(d)差出人が第35条に規定する一年の期間内になんらの請求も行なわなかつた場合
二 名あて国の法令に基づいて差し押えられた書留郵便物に関する場合
3 郵政庁は、税関告知書の内容(どのように記載されているかを問わない。)及び税関検査に付される通常郵便物の検査の際に税関が行なつた決定については、なんらの責任も負わない。
第41条 差出人の責任
1 郵政庁又は運送事業者の過失又は怠慢がなかつたことを条件として、通常郵便物の差出人は、運送を許されない物品の差出し又は引受条件の不遵守によつて他の郵便物に与えたすべての損害について、郵政庁が有する責任の限度と同一の限度において責任を有する。
2 差出人は、差出局が前記の郵便物を引き受けたことによつてその責任を免れることはない。
3 必要があるときは、差出郵政庁は、差出人に対して訴えを提起するものとする。
第42条 郵政庁間の責任の決定
1 書留郵便物を異議なく受け取り、かつ、すべての所定の取調資料を受領した郵政庁は、名あて人に配達したこと又は他の郵政庁に運送した場合において正規に運送したことを立証することができないときは、反証があるまで、この郵便物の亡失について責任を負う。
2 次の場合には、3の規定に従うことを条件として、仲介郵政庁又は名あて郵政庁は、反証があるまで、すべての責任を免れる。
(a)第3条並びに施行規則第157条5及び第158条4の規定を遵守した場合
(b)施行規則第108条に規定する保存期間が経過して当該郵便物に関する業務書類が棄却された後に取調請求に接したことを立証することができる場合。この留保とは、請求者の権利に影響を及ぼさない。
3 もつとも、亡失が運送中に生じ、その事実がいずれの国の領域又は業務において生じたかを確定することができないときは、関係郵政庁は、平等に損害を負担する。
4 書留郵便物が不可抗力により亡失した場合には、自国の領域又は業務において亡失が生じた郵政庁は、差出郵政庁に対し、双方の国が不可抗力によつて生ずる危険を負担するときに限り、責任を負う。
5 取り消されなかつた関税その他の課金は、亡失について責任がある郵政庁の負担とする。
6 賠償金を支払つた郵政庁は、名あて人、差出人又は第三者に対して行なうことがあるすべての請求の権利について、その賠償金の金額の限度において、賠償金を受け取つた者に代位する。
第43条 賠償金の支払
1 賠償金の支払の義務は、責任郵政庁に対する求償権を留保して、差出郵政庁又は第39条3の規定の適用がある場合には名あて郵政庁が負う。
2 この支払は、できる限りすみやかに、かつ、おそくとも請求の日の翌日から起算して六箇月の期間内に行なわなければならない。
3 支払の義務を負う郵政庁が不可抗力によつて生ずる危険を負担することを受諾しない場合において、郵便物の亡失が不可抗力によるものであるかどうかが2の期間の満了の際に決定されていないときは、当該郵政庁は、例外として、この期間をこえて賠償金の決済を延期することができる。
 差出郵政庁又は場合により名あて郵政庁は、運送に参加した他の郵政庁であつて、正規に照会を受けた後五箇月を経過するまでに、事件を解決せず、又は亡失が不可抗力によるものであると思われる旨を差出郵政庁若しくは場合により名あて郵政庁に通知しなかつたもののために、権利者に賠償することができる。
第44条 支払を行なつた郵政庁に対する賠償金の償還
1 責任郵政庁又は第43条の規定に従つて自己のために支払が行なわれた郵政庁は、権利者に実際に支払われた賠償金の金額を、支払を行なつた郵政庁(支払郵政庁という。)に償還するものとする。この償還は、支払を行なつた旨の通告の発送の日から起算して四箇月の期間内に行なわなければならない。
2 第42条の規定に従つて賠償金が二以上の郵政庁により負担されるべきときは、支払うべき賠償金の総額は、請求を受けた郵便物を正当に受領したがこれを相手業務に正規に送達したことを立証することができない最初の郵政庁が、1の期間内に、支払郵政庁に払い込まなければならない。払込みを行なつた郵政庁は、他の各責任郵政庁から、権利者への損害賠償についてのそれらの郵政庁の負担額を回収するものとする。
3 貸方郵政庁への償還は、第13条に規定する支払の規則に従つて行なう。
4 責任があると認められた場合及び第43条4の場合には、賠償金の金額は、職権により、なんらかの差引計算の方法で、直接に又は責任郵政庁との差引計算書を定期的に作成する郵政庁の仲介により、責任郵政庁から回収することができる。
5 支払郵政庁は、権利者への支払を行なつた旨の通告の発送の日から起算して一年の期間内に限り、責任郵政庁に対して賠償金の償還を請求することができる。
6 責任があることが正当に立証された郵政庁で当初において賠償金の支払を拒んだものは、支払の不当な遅延によるすべての附随の費用を負担しなければならない。
 郵政庁は、権利者に支払つた賠償金で正当な理由があると認めたものについて定期的に決済することを合意することができる。
第45条 差出人又は名あて人からの賠償金の回収
1 亡失したものとさきに認められた書留郵便物又はその一部が賠償金の支払の後に発見されたときは、その事実を名あて人及び差出人に通知する。差出人(第39条3の規定の適用があつた場合には、名あて人)に対しては、さらに、受け取つた賠償金の金額の返付と引換えに三箇月の期間内に前記の郵便物を受け取ることができる旨を通知する。この期間内に当該差出人又は名あて人が郵便物を請求しないときは、名あて人(第39条3の規定の適用があつた場合には、差出人)に対して同様の措置を執る。
2 差出人又は名あて人が賠償金の金額の返付と引換えに郵便物を受け取つたときは、この金額は、損害を負担した一又は二以上の郵政庁に還付する。
3 差出人及び名あて人が郵便物を受け取ることを放棄したときは、その郵便物は、損害を負担した一又は二以上の郵政庁の所有に帰する。
4 第43条4に規定する五箇月の期間の後に配達の事実が立証された場合において、支払つた賠償金の金額をなんらかの理由により差出人から回収することができないときは、当該賠償金は、仲介郵政庁又は名あて郵政庁の負担とする。

第4章 料金の帰属、継越料

第46条 料金の帰属
 この条約及び約定で別に定める場合を除くほか、各郵政庁は、徴収した料金を収得する。
第47条 継越料
1 第48条の規定を留保して、二郵政庁間又は同一国の二郵便局間で他の郵政庁の業務(第三業務)により交換される閉袋については、各通過国のため又は運送に参加する業務が属する国のため、次の表に掲げる継越料を支払う。この継越料は、閉袋の差立国の郵政庁の負担とする。もつとも、名あて国の二郵便局間の運送の費用は、その国の負担とする。
運送路
総重量1キログラムごとの継越料
一 キロメートルで表示された陸路
フラン サンチーム
300キロメートルまで
0.10
300キロメートルをこえ600キロメートルまで
0.17
600キロメートルをこえ1,000キロメートルまで
0.24
1,000キロメートルをこえ1,500キロメートルまで
0.33
1,500キロメートルをこえ2,000キロメートルまで
0.42
2,000キロメートルをこえ2,500キロメートルまで
0.51
2,500キロメートルをこえ3,000キロメートルまで
0.60
3,000キロメートルをこえ3,800キロメートルまで
0.71
3,800キロメートルをこえ4,600キロメートルまで
0.83
4,600キロメートルをこえ5,500キロメートルまで
0.97
5,500キロメートルをこえ6,500キロメートルまで
1.11
6,500キロメートルをこえ7,500キロメートルまで
1.26
7,500キロメートルをこえる追加の1,000キロメートルごとに
0.15
二 海路
  
a 海里による表示
(b)キロメートルによる表示(1海里を1,852キロメートルとする換算による。)
 
300海里まで
556キロメートルまで0.19
300海里をこえ600海里まで
556キロメートルをこえ1,111キロメートルまで0.27
600海里をこえ1,000海里まで
1,111キロメートルをこえ1,852キロメートルまで0.33
1,00海里をこえ1,500海里まで
1,852キロメートルをこえ2,778キロメートルまで0.38
1,500海里をこえ2,000海里まで
2,778キロメートルをこえ3,704キロメートルまで0.43
2,000海里をこえ2,500海里まで
3,704キロメートルをこえ4,630キロメートルまで0.47
2,500海里をこえ3,000海里まで
4,630キロメートルをこえ5,556キロメートルまで0.50
3,000海里をこえ3,500海里まで
5,556キロメートルをこえ6,482キロメートルまで0.53
3,500海里をこえ4,000海里まで
6,482キロメートルをこえ7,408キロメートルまで0.56
4,000海里をこえ5,000海里まで
7,408キロメートルをこえ9,260キロメートルまで0.60
5,000海里をこえ6,000海里まで
9,260キロメートルをこえ11,112キロメートルまで0.64
6,000海里をこえ7,000海里まで
11,112キロメートルをこえ12,946キロメートルまで0.69
7,000海里をこえ8,000海里まで
12,946キロメートルをこえ14,816キロメートルまで0.72
8,000海里をこえるとき
14,816キロメートルをこえるとき0.76
2 二国間で直接に行なわれる海路運送でその一方の国の船舶によるものは、特別の合意がない限り、第三業務とみなす。
3 1の表による継越料の決定に使用する距離は、陸路については施行規則第112条2(c)に掲げる「継越閉袋の陸路のキロメートルによる距離表」に、海路については施行規則第112条2(d)に掲げる「船舶航路表」による。
4 海路継越しは、閉袋が差立港内の船舶に連絡する岸壁に置かれた時に始まり、名あて港の岸壁に置かれた時に終わる。
5 誤送された閉袋は、継越料の支払に関しては、正常の線路を経由したものとみなす。誤送閉袋の運送に参加した郵政庁は、このために割当金を差立郵政庁から徴収する権利を有しない。もつとも、差立郵政庁は、通常その閉袋の仲介を行なう国に対し、その閉袋に関する継越料を負担するものとする。
第48条 継越料の免除
 郵便料金の免除を受ける第8条、第9条及び第23条に規定する郵便物については、陸路又は海路のすべての継越料を免除する。
第49条 特殊業務
 第47条に掲げる継越料は、郵政庁が他の郵政庁の依頼によつて特に開設し又は維持する特殊業務による運送には、適用しない。この種の運送に関する条件は、関係郵政庁間で協議して定める。
第50条 継越料の差引計算
1 継越料の総差引計算は、十四日の期間につき三年ごとに一回作成する統計資料に基づいて毎年行なう。前記の期間は、いずれかの国の業務により一週六回未満交換される閉袋については、二十八日とする。統計の時期及び適用期間は、施行規則で定める。
2 二郵政庁間の年次差額が二十五フランをこえないときは、借方郵政庁は、すべての支払を免除される。
3 各郵政庁は、実際と著しく相違すると認める統計の結果を仲裁委員会の評価に付託することができる。この仲裁は、一般規則第126条に規定するところに従つて行なわれる。
4 仲裁者は、支払うべき継越料の金額を裁定する権利を有する。
第51条 軍艦又は軍用機との閉袋の交換
1 閉袋は、加盟国の郵便局とその国の外国にある艦隊、航空隊、軍艦若しくは軍用機の指揮官との間で、又はその艦隊、航空隊、軍艦若しくは軍用機の指揮官とその国の他の艦隊、航空隊、軍艦若しくは軍用機の指揮官との間で、他国の陸路又は海路の業務の仲介により、交換することができる。
2 この閉袋に納める通常郵便物は、閉袋があてられ又は差し立てられる各軍艦又は各軍用機の将校及び乗組員が発受するものに限る。この郵便物に適用する料金率及び送達の条件は、軍艦又は軍用機の所属国の郵政庁がその規則に従つて定める。
3 特別の合意がない限り、軍艦又は軍用機の所属国の郵政庁は、仲介郵政庁に対し、第47条の規定に従つて算出する閉袋の継越料を負担する。

第3部 通常郵便物の航空運送

第1章 一般規定

第52条 航空運送を許される郵便物
1 すべての通常郵便物は、航空運送を許される。この場合には、これらの郵便物は、「航空通常郵便物」という。
2 各郵政庁は、さらに、第53条に定める航空書簡について航空運送を許す権能を有する。
第53条 航空書簡
1 航空書簡は、適宜に折りたたみ、かつ、のりづけした一枚の紙から成り、その大きさは、この形態において郵便葉書の大きさと同一でなければならない。このように折りたたんだ紙片の表面となつた部分は、名あてに用い、かつ、必ず「Aerogramme」の印刷した記載を有しなければならない。差出国の言語による類似の記載は、任意とする。航空書簡は、いかなる物品も包有してはならない。航空書簡は、差出国の規則が許すときは、書留として発送することができる。
2 各郵政庁は、1に定める制限内において、航空書簡の発行、製造及び売りさばきの条件を定める。
3 航空書簡として差し出された航空通常郵便物で1及び2に定める条件を満たさないものは、第57条の規定に従つて取り扱う。もつとも、郵政庁は、このような郵便物をすべての場合に平面路で送達する権能を有する。
第54条 増料金のある航空通常郵便物及び増料金のない航空通常郵便物
1 航空通常郵便物は、料金上、さらに、増料金のある航空通常郵便物と増料金のない航空通常郵便物とに分けられる。
2 原則として、航空通常郵便物については、この条約及び約定により許される料金のほかに、航空運送の増料金を支払う。第8条及び第9条に規定する郵便物についても、同一の増料金を課する。これらのすべての通常郵便物は、増料金のある航空通常郵便物という。
3 郵政庁は、名あて国の郵政庁に通報することを条件として、航空運送の増料金を徴収しない権能を有する。この条件で許す通常郵便物は、増料金のない航空通常郵便物という。
4 国際事務局が差し出すものを除くほか、第23条に規定する郵便業務に関する通常郵便物については、航空増料金を支払わない。
5 第53条に規定する航空書簡については、差出国において増料金のない書状の最初の重量段階に適用する料金と少なくとも、同額の料金を支払う。
第55条 増料金又は併合料金
1 郵政庁は、送達のために徴収する航空増料金を定める。郵政庁は、増料金の決定に当たつて、第16条に規定する重量の単位より細分された重量段階を許容する権能を有する。もつとも、増料金は、運送料と密接な関係を有しなければならず、この増料金の総額は、原則として、支払うべき運送料をこえてはならない。
2 増料金は、利用される送達線路のいかんを問わず、同一名あて国の全領域について均一でなければならない。
3 郵政庁は、航空通常郵便物の料金前納のため、併合料金を定めることができる。
4 増料金は、差出しの際に支払わなければならない。
5 往復郵便葉書の返信部の復路の運送に関する増料金は、返信部の返送の際に支払わなければならない。
6 各郵政庁は、航空通常郵便物に適用する増料金の計算については、添附されることがある公衆用式紙の重量を算入することができる。
第56条 料金前納の方法
 第20条に規定する方法のほかに、航空通常郵便物の料金前納は、たとえば、「Taxepercue:…dollars…cents」の形式により、差出国の通貨で表わされた徴収金額を手書した数字で表示することができる。この記載は、特別の印章内若しくは特別の票符面に行ない、又はなんらかの方法により単に郵便物の表記面に行なうことができる。すべての場合において、この記載は、差出局の日附印によつて証明されなければならない。
第57条 増料金のある航空通常郵便物で料金の未納又は不足のもの
1 料金の未納又は不足の航空通常郵便物で差出人による補正ができないものは、次のように取り扱う。
(a)料金未納の場合には、増料金のある航空通常郵便物は、第19条及び第22条の規定に従つて取り扱う。差出しの際に料金の前納を必要としない郵便物は、普通に利用される運送方法によつて送達する。
(b)料金不足の場合には、増料金のある航空通常郵便物は、支払われた料金が少なくとも航空増料金の金額を表示するときは、航空路によつて送達する。もつとも、差出郵政庁は、支払われた料金が航空増料金の100分の75又は併合料金の100分の75を表示するにすぎないときも、この郵便物を航空路により運送する権能を有する。この限度に達しないときは、第19条及び第22条の規定を適用する。
2 徴収すべき料金の金額が差出郵政庁によつて指示されていない限り、名あて郵政庁は、料金不足の航空通常郵便物であつてその前納料金が少なくとも普通運送の料金を表示しているものを、料金を徴収することなく配達する権能を有する。
第58条 送達
1 自国の航空通常郵便物の運送のために航空交通機関を利用する郵政庁は、他の郵政庁から到着する増料金のある航空通常郵便物をこの交通機関により送達しなければならない。増料金のない航空通常郵便物についても、航空機の積載容量が許し、かつ、差出郵政庁が請求する限り、同様とする。
2 航空業務を実施しない国の郵政庁は、郵便に利用される最も速達の線路により航空通常郵便物を送達する。平面路による送達がなんらかの理由により航空線路の利用に比して有利であるときも、同様とする。
3 航空閉袋は、差立国の郵政庁が請求する線路により送達しなければならない。ただし、この線路が継越国の郵政庁によつて自己の閉袋の運送に利用される場合に限る。この送達が不可能であるとき、又は積換えの時間が十分でないときは、差立国の郵政庁にその旨を通知しなければならない。
第59条 空港における作業の実施
 郵政庁は、自国の空港に送付される航空閉袋の受領及び継送を最良の状態で行なうため必要な措置を執る。
第60条 航空通常郵便物の税関検査
 郵政庁は、自国あての航空通常郵便物の税関検査に関する作業をすみやかに行なわせるため必要なすべての措置を執る。
第61条 配達
 航空通常郵便物は、配達局に到着した後の最初の配達に付さなければならない。
第62条 航空通常郵便物の転送又は差出元への返送
1 住所を変更した名あて人にあてた航空通常郵便物は、原則として、増料金のない通常郵便物について普通に利用される運送方法によつて新名あて地に転送する。これらの運送方法は、配達不能の航空通常郵便物及びなんらかの理由により名あて人に配達されなかつた航空通常郵便物の差出元への返送についても、利用される。
2 名あて人(転送の場合)又は差出人(差出元への返送の場合)の明らかな請求があり、かつ、関係者が新航空路に相当する増料金若しくは併合料金を支払うことを約束する場合又は第三者がこの増料金若しくは併合料金を再発送局に支払う場合には、当該郵便物は、航空路によつて転送し又は返送することができる。関係者が支払う場合には、増料金又は併合料金は、原則として、郵便物の配達の際に徴収され、かつ、配達郵政庁が収得する。
3 最初の運送について平面路により送達された通常郵便物は、2に規定する条件で、航空路により再発送することができる。
4 転送の封筒及び合括の封筒は、あらかじめ増料金又は併合料金が転送局に支払われない限り、又は2の規定に従つて名あて人若しくは、場合に応じ、差出人が新航空路に相当する増料金又は併合料金を負担しない限り、増料金のない通常郵便物について普通に利用される運送方法によつて新名あて地に送達する。

第2章 航空運送に対する報酬

第63条 一般原則
1 航空閉袋の航空運送料は、この閉袋の差立国の郵政庁の負担とする。
2 仲介郵政庁として航空閉袋又は開袋継越航空通常郵便物の空航運送を行なう郵政庁は、この運送に対する報酬を受ける権利を有する。この規則は、誤送された又は継越料を免除される航空閉袋及び開袋継越航空通常郵便物にも適用する。
3 2に規定する運送の報酬は、同一の運送路に関しては、この運送路による航空業務の事業費を分担することなくこれを利用するすべての郵政庁について均一でなければならない。
4 運送料免除につき合意がある場合を除くほか、自国内において郵便物の航空運送を行なう名あて郵政庁は、この運送に対する報酬を受ける権利を有する。この報酬は、外国から到着するすべての航空閉袋について、郵便物が航空路により継送されるかどうかを問わず、均一でなければならない。
5 関係郵政庁間に特別の合意がない限り、第47条の規定は、航空通常郵便物に関しても、当該郵便物が運送されることがある陸路又は海路について適用する。ただし、継越料の支払は、次の事項については、行なわない。
(a)同一都市の二空港間の航空閉袋の積換え
(b)一都市の空港とその都市にある倉庫との間における航空閉袋の往路の運送及び当該閉袋の継送のための復路の運送
第64条 閉袋に関する報酬の基本料金率及び計算
1 航空運送に関する郵政庁間の勘定の決済に適用すべき基本料金率は、総重量1キログラム及び1キロメートルについて定める。この料金率は、次のとおりとし、キログラムの端数には比例的に適用する。
(a)LC郵便物(書状、航空書簡、郵便葉書、郵便為替証書、代金引換為替証書、現金取立証券、価格表記の書状及び箱物、払渡済通知書、登記済通知書及び到達証)については、最高一フランの1000分の3。ただし、この単一料金率は、1952年7月1日現在の運送料金率が一フランの1000分の3をこえる線路により運送されるLC郵便物については、最高一フランの1000分の4とする。
(b)録音郵便物を含むAO郵便物(LC郵便物以外の郵便物)については、最高一フランの1000分の1
2 航空閉袋に対する航空運送の報酬は、現行の基本料金率(1に定める基本料金率の限度内にあるもの)、施行規則第203条1(b)に規定する「航空郵便距離表」に掲げるキロメートルによる距離及び当該閉袋の総重量に従つて計算する。ただし、合装郵袋を使用する場合には、この郵袋の重量は、算入しない。
3 名あて国内における航空運送のために支払うべき報酬は、LC郵便物及びAO郵便物の二種類のそれぞれにつき、単一料金として定める。これらの料金は、1に定める料金率を基礎として、かつ、内国線路網において国際郵便に使用される運送路の加重平均による距離に従つて計算する。この加重平均による距離は、名あて国に到着するすべての航空閉袋(国内において航空路により継送されない郵便物を含む。)の総重量を基礎として決定する。
4 3に規定する報酬の総額は、この運送のために実際に支払うべき報酬をこえることができない。
5 2及び3に規定する報酬の計算に用いるために現行の基本料金率に距離を乗じて算出する国内航空運送料金率及び国際航空運送料金率については、100分の1フランの位及び1000分の1フランの位の数字により構成される数が50をこえるかこえないかによつて、10分の1フランに満たない端数を切り上げ又は切り捨てる。
第65条 開袋継越航空通常郵便物の航空運送に対する報酬の計算及び差引計算
1 開袋継越航空通常郵便物に対する航空運送の報酬は、原則として第64条2に定めるところに準じて計算するが、当該郵便物の純重量に従うものとする。この場合には、運送の報酬の総額は、100分の5引き上げる。ただし、この通常郵便物の名あて国の領域がその領域内に二以上の寄港地を有する一又は二以上の線路により連絡されるときは、運送の報酬は、各寄港地において取り卸す郵便物の重量に従つて決定される加重平均による料金率に基づいて計算する。
2 もつとも、仲介郵政庁は、開袋通常郵便物につき、二十をこえない数の平均料金率に基づいて運送の報酬を計算する権利を有する。各平均料金率は、それぞれ、名あて国の一集団に関するものとし、その集団内の各名あて国において取り卸す郵便物の重量を基礎として定める。その報酬の総額は、この運送のために支払うべき報酬をこえることができない。
3 開袋継越航空通常郵便物の航空運送に対する差引計算は、原則として、十四日の期間につき六箇月ごとに一回作成する統計資料に基づいて行なう。
4 もつとも、仲介郵政庁は、誤送され若しくは船舶内で差し出された通常郵便物に関する場合又は当該郵政庁への通常郵便物の送付回数が不規則であり若しくはその数量の変動が大きい場合には、実際の重量に従つて支払を受ける権利を有する。
第66条 報酬の支払
1 航空閉袋の航空運送のために支払うべき報酬は、2及び3に規定する例外を除くほか、使用された航空業務が属する国の郵政庁に支払う。
2 1の規定にかかわらず、運送の報酬は、航空運送事業により当該閉袋が引き継がれた空港が所在する国の郵政庁に支払うことができる。ただし、この郵政庁と関係航空業務が属する国の郵政庁との間の合意を条件とする。
3 1の規定にかかわらず、航空閉袋を航空運送事業に引き渡す郵政庁は、使用された航空業務が属する国の郵政庁及び必要があるときは仲介郵政庁の同意を得た上、運送路の一部又は全部に対する運送の報酬についてこの事業と直接に決済することができる。
4 開袋継越航空通常郵便物を他の郵政庁に引き渡す郵政庁は、その後の全航空運送路に対する運送の報酬の総額を、この郵便物の引渡しを受ける郵政庁に支払わなければならない。
第67条 所定の線路からそれた閉袋の航空運送に対する報酬
1 運送途中において所定の線路からそれた閉袋の差立郵政庁は、明細表AV7において当初予定されていた取卸空港までの当該閉袋の運送に対する報酬を支払わなければならない。
2 差立郵政庁は、また、閉袋が名あて地に到着するように実際に運送されたその後の運送路に関する継送の費用を支払う。
3 所定の線路からそれた閉袋が運送されたその後の運送路について生ずる追加の費用は、次の郵政庁が償還する。
(a)送達の過誤を犯した業務が属する郵政庁
(b)明細表AV7に記載された地点以外の地点に取卸しをした航空会社に払い込まれる報酬を受領した郵政庁
第68条 亡失し又は損傷した郵便物の航空運送に対する報酬
 航空機の突発事故その他航空運送事業者の責任を生じさせる理由によつて郵便物が亡失し又は損傷した場合には、運送の報酬は、使用線路の行程のいかなる部分についても、亡失し又は損傷した郵便物について支払わない。

第4部 最終規定

第69条 条約及びその施行規則に関する議案の承認の条件
1 この条約及びその施行規則に関する議案で大会議に提出されたものは、実施されるためには、出席しかつ投票する加盟国の過半数によつて承認されなければならない。投票の際には、大会議に代表された加盟国の半数が出席していなければならない。
2 この条約及びその施行規則に関する議案で大会議から大会議までの間において提出されたものは、実施されるためには、次の票数を得なければならない。
(a)(第一部)第1条から第14条まで、(第二部)第15条、第16条、第19条、第22条、第23条、第36条、第37条、第39条から第51条まで、(第四部)第69条及び第70条、最終議定書のすべての条並びに施行規則第102条から第104条まで、第105条1、第127条、第161条、第165条、第175条、第176条及び第204条の規定の改正に関する場合には、投票の総数
(b)(a)に掲げる規定以外の規定の本質的改正に関する場合には、投票の3分の2
(c)次の場合には、投票の過半数
一 条約及び施行規則の規定((a)に掲げる規定を除く。)の編集上の改正に関する場合
二 条約並びにその最終議定書及び施行規則の規定の解釈に関する場合。ただし、憲章第32条に規定する仲裁に付すべき紛議の場合を除く。
第70条 条約の効力発生及び有効期間
 この条約は、1966年1月1日に効力を生じ、次回の大会議の文書が効力を生ずるまで効力を有する。
以上の証拠として、加盟国政府の全権委員は、連合所在国の政府に寄託されるべきこの条約の本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本一通を各当事国に送付する。
1964年7月10日にウィーンで作成した。
(署名欄・略)
万国郵便条約の最終議定書
下名の全権委員は、本日付けで締結された万国郵便条約に署名するに際し、次のとおり協定した。
第1条 郵便物の所属
1 条約第4条の規定は、オーストラリア連邦、カナダ、サイプラス共和国、ガーナ、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府が国際関係を処理する海外領土、アイルランド、ジャマイカ、クウェイト、マレイシア、ナイジェリア連邦共和国、ニュー・ジーランド、ウガンダ、アラブ連合共和国、シエラ・レオーネ、タンガニイカ・ザンジバル連合共和国、トリニダッド・トバゴ、イエメン・アラブ共和国及びユーゴースラヴィア社会主義連邦共和国には、適用しない。
2 同条の規定は、名あて人が自己あてに郵便物が到着する旨の通知を受けた後においては差出人の請求による通常郵便物の取りもどし又は名あて変更が許されないことを法令で定めているデンマークにも、適用しない。
第2条 点字郵便物の郵便料金の免除に対する例外
 条約第9条及び第16条の規定にかかわらず、自国の内国業務において点字郵便物につき郵便料金の免除を認めない加盟国は、条約第9条に掲げる料金を徴収する権能を有する。ただし、これらの料金は、自国の内国業務の料金をこえることができない。
第3条 相当額、最高限及び最低限
1 各加盟国は、条約第16条1に定める料金を、次の表に示すところに従つて、100分の60を限度として引き上げ、又は100分の20を限度として引き下げる権能を有する。
郵便物
料金
最高限
最低限
  サンチームサンチーム
書状最初の重量段階4020
追加の各段階2412
郵便葉書通常2412
往復4824
印刷物最初の重量段階19.29.6
追加の各段階9.64.8
点字郵便物 
商品見本最初の重量段階19.29.6
追加の各段階9.64.8
最低料金 4020
小形包装物50グラムごとに19.29.6
最低料金 8040
録音郵便物50グラムごとに3216
2 選定した料金は、それらの間に基本料金の間における割合と同一の割合をできる限り保持しなければならない。各郵政庁は、その料金につき、場合に応じ、自国の貨幣制度の便宜に従つて端数を切り上げ又は切り捨てる権能を有する。
第4条 印刷物及び商品見本の料金率の適用に対する例外
1 条約第16条の規定にかかわらず、各加盟国は、印刷物及び商品見本に対し、最初の重量段階につき定める料金を適用せず、この段階について六サンチームの料金を適用する権利を有し、また、商品見本に対しては最低料金を十二サンチームとすることができる。印刷物と商品見本とが単一の郵便物として合括されるときは、支払われる料金は、商品見本の最低料金でなければならない。
2 例外として、加盟国は、印刷物及び商品見本に対する国際料金を内国業務の同種類の郵便物について自国の法令で定める率まで引き上げることができる。
第5条 常衡オンス
 条約第16条1の表にかかわらず、内国制度によりメートル法重量制を採用することができない加盟国は、これに代えて常衡オンス(28.3465グラム)を使用し、書状については一オンスを20グラムとみなし、また、印刷物、商品見本、小形包装物及び録音郵便物については二オンスを50グラムとみなす権能を有する。
第6条 小形包装物
 小形包装物の業務を実施する義務は、この業務を行なうことができない加盟国には、適用しない。
第7条 印刷物に関する規定に対する例外
 条約第16条2及び3、第20条2並びに第39条2の規定にかかわらず、内国業務において3キログラム又は5キログラムの重量制限をこえる印刷物を許さないエティオピアにおいては、この種の郵便物は、通常郵便の国際業務においても、差立方法が普通の郵袋によると特別の票札を附した郵袋によるとを問わず、許されない。
第8条 貴重品の書留書状への封入に対する例外
 条約第16条8の規定にかかわらず、アルゼンティン共和国、ブラジル合衆国、チリ、エル・サルヴァドル、インド、メキシコ、パキスタン、ペルー、アラブ連合共和国及びヴェネズエラ共和国の郵政庁は、同規定に掲げる貴重品の書留書状への封入を許さないことができる。
第9条 外国における通常郵便物の差出し
 いかなる加盟国も、その領域内に居住する差出人が外国で定められた一層低い料金の利益を受けるためその外国において差し出し又は差し出させる通常郵便物を送達し、又は名あて人に配達する業務を有しない。一層低い料金の利益を受けるための差出しであるかどうかを問わず、多量に差し出されるこのような郵便物についても、同様とする。この規則は、差出人が居住国において準備した上で国境を越え搬出した郵便物及び外国において作成した郵便物に対し、差別なく適用する。関係郵政庁は、当該郵便物を差出元へ返送し、又はこれに内国料金を課する権利を有する。料金徴収の方法は、関係郵政庁の選択にゆだねる。
第10条 国際返信切手券
 条約第24条1の規定にかかわらず、郵政庁は、国際返信切手券を発売せず、又はその売りさばきを制限する権能を有する。
第11条 取りもどし、名あての変更又は訂正
 条約第26条の規定は、法令が差出人の請求による通常郵便物の取りもどし又は名あて変更を許さない南アフリカ共和国、オーストラリア連邦、ビルマ、カナダ、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府が国際関係を処理する海外領土の一部、アイルランド、ジャマイカ、クウエイト、マレイシア、ナイジェリア連邦共和国、ニュー・ジーランド、ウガンダ、シエラ・レオーネ、タンガニイカ・ザンジバル連合共和国及びトリニダッド・トバゴには、適用しない。同条の規定は、通常郵便物の名あて変更については、インドにも、適用しない。また、アルゼンティン共和国は、条約第26条に対して留保を行なつた国から発する取りもどし又は名あて変更の請求に応じない。
第12条 前納料金以外の料金
1 条約第16条の前納料金以外の料金に相当する内国業務の料金が条約に規定する料金をこえる加盟国は、国際業務においてもこの内国料金を適用することができる。
2 条約第36条3の規定にかかわらず、アルゼンティン共和国、キューバ共和国、ペルー及びフィリピンの郵政庁は、書留とする特別の郵袋により差し出す印刷物を引き受けないことができる。したがつて、これらの郵便物について条約第39条2に規定する特別の賠償金は、これらの郵政庁に請求することができない。
第13条 シベリア横断鉄道及びアンデス横断鉄道経由の特別継越料
1 ソヴィエト社会主義共和国連邦の郵政庁は、シベリア横断鉄道を経由して継越運送される通常郵便物1キログラムごとに一フラン30サンチームの補充料を、条約第47条1(一 陸路)に掲げる継越料に加えて、徴収することができる。
2 アルゼンティン共和国の郵政庁は、アンデス横断鉄道のアルゼンティンに属する区間を経由して継越運送される通常郵便物1キログラムごとに30サンチームの補充料を、条約第47条1(一 陸路)に掲げる継越料に加えて、徴収することができる。
第14条 アフガニスタンのための特別の継越条件
 条約第47条1の規定にかかわらず、アフガニスタンの郵政庁は、運輸及び通信手段についての特別の困難により、暫定的に、閉袋及び開袋通常郵便物の同国を経由する継越しを同郵政庁と関係郵政庁との間で特別に合意する条件に従つて行なうことができる。
第15条 アデンにおける特別保管料
 例外として、アデンの郵政庁は、アデンにおいて保管するすべての閉袋に対し、同郵政庁が当該閉袋につき陸路又は海路の継越しの報酬を受けないときは、郵袋一個につき40サンチームの料金を徴収することができる。
第16条 例外的航空増料金
 ソヴィエト社会主義共和国連邦の特殊な地理的位置にかんがみ、同国の郵政庁は、世界のすべての国に対し、ソヴィエト社会主義共和国連邦の全領域において均一の増料金を適用する権利を留保する。この増料金は、航空路による通常郵便物の運送から生ずる実費をこえないものとする。
第17条 差出国が指示した送達線路の強制
 ユーゴースラヴィア社会主義連邦共和国は、航空閉袋の郵袋票札(AV8)に記載した線路に関する指示に従つて行なわれた運送の費用のみを認める。
以上の証拠として、下名の全権委員は、規定が条約の本文中にある場合と同一の効力及び同一の価値を有するこの議定書を作成し、連合所在国の政府に寄託されるべき本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本一通を各当事国に送付する。
1964年7月10日にウィーンで作成した。
(署名欄・略)