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1994年の国際熱帯木材協定

【目次】
前 文
第1章目 的(第1条)
第2章定 義(第2条)
第3章組織及び運営(第3条〜第5条)
第4章国際熱帯木材理事会(第6条〜第16条)
第5章特権及び免除(第17条)
第6章会 計(第18条〜第23条)
第7章機関の活動(第24条〜第27条)
第8章一次産品のための共通基金との関係(第28条)
第9章統計、研究及び情報(第29条〜第30条)
第10章雑 則(第31条〜第36条)
第11章最終規定(第37条〜第48条)

  平成8・12・20・条約 12号  
発効平成9・1・1・外務省告示607号  
延長平成13・3・9・外務省告示 86号(平成15年12月31日まで延長)
延長平成16・5・12・外務省告示202号(平成18年12月31日まで延長)
延長平成18・12・22・外務省告示681号(「2006年の国際熱帯木材協定」が効力を生ずるまで延長)


最初

前 文


この協定の締約国は、
 新たな国際経済秩序の確立に関する宣言及び新たな国際経済秩序の確立のための行動計画、一次産品総合計画、開発のための新たなパートナーシップ(カルタヘナ約束)並びにカルタヘナ精神に定める関連目的を想起し、
 1983年の国際熱帯木材協定を想起し、また、国際熱帯木材機関の設立以来の活動及び成果(熱帯木材の国際貿易を専ら持続可能であるように経営されている供給源からのものについて行うようにするための戦略を含む。)を認め、
 更に、リオ・デ・ジャネイロにおける国際連合環境開発会議で1992年6月に採択された環境及び開発に関するリオ宣言、すべての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的なコンセンサスのための法的拘束力のない権威のある原則声明並びにアジェンダ21の関連する章、気候変動に関する国際連合枠組条約並びに生物の多様性に関する条約を想起し、
 木材生産林を有する諸国の経済に対する木材の重要性を認め、
 更に、すべての種類の木材生産林の経営、保全及び持続可能な開発のための同等のかつ適切な指針及び基準を促進し及び適用する必要性を認め、
 熱帯木材貿易と国際木材市場との間の相互関係及び国際木材市場の透明性を改善するために世界的な展望を持つことの必要性に留意し、
 インドネシアのパリにおいて1990年5月にすべての加盟国が行った約束(熱帯木材産品の輸出を専ら持続可能であるように経営されている供給源からのものについて行うことを2000年までに達成するという約束)に留意し、また、すべての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的なコンセンサスのための法的拘束力のない権威ある原則声明の原則10(開発途上国が、特に造林を通じて並びに森林減少並びに森林及び土地の劣化への対処を通じて、自国の森林を持続可能であるように経営し、保全し及び開発することができるようにするために、新規のかつ追加的な資金が開発途上国に供与されるべきであるとするもの)を認め、
 更に、1983年の国際熱帯木材協定の加盟消費国が同協定に継続する協定の交渉のためのジュネーヴにおける国際連合会議の第4会期において1994年1月21日に行った声明(自国の森林の持続可能な経営を維持し又は2000年までに達成することを約束するもの)に留意し、
 熱帯木材経済が直面している問題の解決を見いだすための加盟国の間の国際協力及び政策立案の枠組みを強化することを希望して、
 次のとおり協定した。
最初

第1章 目 的

(目的)
第1条  加盟国が自国の天然資源に対して有する主権(すべての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的なコンセンサスのための法的拘束力のない権威ある原則声明の原則1(a)に定めるもの)を認め、1994年の国際熱帯木材協定(以下「この協定」という。)の目的は、次のとおりとする。
a.世界の木材経済に関するすべての側面について、すべての加盟国の間の協議、国際協力及び政策立案のための効果的な枠組みを提供すること。
b.非差別的な木材貿易慣行を促進するための協議の場を提供すること。
c.持続可能な開発の過程に寄与すること。
d.熱帯木材及び熱帯木材製品の輸出を専ら持続可能であるように経営されている供給源からのものについて行うことを2000年までに達成するための戦略を実施するための加盟国の能力を高めること。
e.国際市場の構造の改善により、持続可能な供給源からの熱帯木材の国際貿易の拡大及び多様化を促進すること。このため、長期的に消費が増大し及び供給が継続するよう考慮するものとし、また、価格が持続可能な森林経営の費用を反映し及び加盟国にとって採算がとれ、かつ、公平なものであるよう、並びに市場への進出の機会が改善されるよう考慮する。
f.森林経営及び木材利用の劾率を改善するため並びに木材生産熱帯林における木材生産以外の森林の価植を保全し及び高める能力を増大するため、研究及び開発を促進し及び支援すること。
g.この協定の目的を達成するための加盟生産国の能力を高めるために必要な新規のかつ追加的な資金及び専門的知識の供与のための制度を発展させ、並びにその制度に寄与すること。
h.国際木材市場のより一層の透明性を確保するため市場情報を改善すること(貿易されている樹種に関する資料その他の貿易に関連する資料の収集、取りまとめ及び配布を含む。)。
i.加盟生産国の工業化を促進するため、また、それにより当該加盟生産国の雇用の機会及び輸出収入を増加させるため、当該加盟生産国における持続可能な供給源からの熱帯木材の後の段階の加工を促進すること。
j.森林資源に依存する地域社会に十分な考慮を払いつつ、産業用熱帯木材に係る造林及び森林経営活動並びに劣化した林地の復旧を支援し及び発展させるよう加盟国を奨励すること。
k.持続可能であるように経営されている供給源からの熱帯木材輸出品の販売及び流通を改善すること。
l.熱帯木材貿易との関係において、木材生産林及びその遺伝資源の持続可能な利用及び保全並びに関係地域における生態学的均衡の維持を目的とした国内政策を立案するように加盟国を奨励すること。
m.この協定の目的を実施するための技術の取得の機会の提供、技術移転及び技術協力(これらの提供、移転及び協力は、相互に合意する場合には、緩和されたかつ特恵的な条件によるものを含む。)を促進すること。
n.国際木材市場に関する情報の共有を奨励すること。
最初

第2章 定 義

(定義)
第2条  この協定の適用上、
1.「熱帯木材」とは、北回帰線と南回帰線との間に位置する国において生育し又は生産される非球果類の木材であって産業用に使用するものをいい、丸太、製材、単板及び合板を含む。熱帯原産の球果類の木材をある程度含む合板も、この定義に含まれる。
2.「後の段階の加工」とは、丸太を全部又はほとんど全部が熱帯木材から成る一次木材製品、半製品又は完成品に加工することをいう。
3.「加盟国」とは、この協定が暫定的に効力を有しているか確定的に効力を有しているかを問わず、この協定によって拘束されることに同意した政府又は政府間機関(第5条に規定するもの)をいう。
4.「加盟生産国」とは、熱帯森林資源を有する国若しくは数量において熱帯木材の純輸出国である国であって、付表Aに掲げられ、かつ、この協定の締約国となるもの又は熱帯森林資源を有する国若しくは数量において熱帯木材の純輸出国である国であって、同付表に掲げられていないがこの協定の締約国となり、かつ、理事会が当該国の同意を得て加盟生産国であると宣言したものをいう。
5.「加盟消費国」とは、付表Bに掲げられ、かつ、この協定の締約国となる国又は同付表に掲げられていないがこの協定の締約国となり、かつ、理事会が当該国の同意を得て加盟消費国であると宣言した国をいう。
6.「機関」とは、次条の規定により設立される国際熱帯木材機関をいう。
7.「理事会」とは、第6条の規定により設置される国際熱帯木材理事会をいう。
8.「特別多数票」とは、出席しかつ投票する加盟生産国の投ずる票の3分の2以上の票及び出席しかつ投票する加盟消費国の投ずる票の60パーセント以上の票(それぞれ別個に計算する。)をいう。ただし、出席しかつ投票する加盟生産国及び加盟消費国のそれぞれ半数以上がこれらの数の票を投ずる場合に限る。
9.「単純多数票」とは、出席しかつ投票する加盟生産国の投ずる票の過半数の票及び出席しかつ投票する加盟消費国の投ずる票の過半数の票(それぞれ別個に計算する。)をいう。
10.「会計年度」とは、1月1日から12月31日までの期間をいう。
11.「自由利用可能通貨」とは、ドイツ・マルク、フランス・フラン、日本円、スターリング・ポンド、合衆国ドルその他国際取引上の支払を行うため現に広範に使用され、かつ、主要な為替市場において広範に取引されている通貨として、能力を有する国際通貨機関が随時指定する通貨をいう。
最初

第3章 組織及び運営

(国際熱帯木材機関の本部及び構成)
第3条
1.1983年の国際熱帯木材協定によって設立された国際熱帯木材機関は、この協定を運用し、かつ、この協定の実施を監視するため、存続する。
2.機関は、第6条の規定により設置される理事会、第26条に規定する委員会その他の補助機関並びに事務局長及び職員によってその機能を営む。
3.機関の本部は、理事会が特別多数票による議決で別段の決定を行わない限り、横浜に置く。
4.機関の本部は、常に、加盟国の領域に置く。
(機関の加盟国)
第4条 機関の加盟国の区分は、次のとおりとする。
a.加盟生産国
b.加盟消費国
(政府機関の加盟)
第5条
1.この協定において「政府」というときは、欧州共同体並びに国際協定特に商品協定の交渉、締結及び適用について責任能力を有するその他の政府間機関を含む。したがって、この協定において、署名、批准、受諾若しくは承認、暫定的適用の通告又は加入というときは、そのような政府間機関については、政府間機関による署名、批准、受諾若しくは承認、暫定的適用の通告又は加入をいう。
2.1の政府間機関は、その権限内の事項に関して表決が行われる場合には、第10条の規定により当該政府間機関の構成国に配分される票の合計に等しい数の票を投ずる。この場合には、当該政府間機関の構成国は、各自の投票権を行使することができない。
最初

第4章 国際熱帯木材理事会

(国際熱帯木材理事会の構成)
第6条
1.機関の最高機関は、国際熱帯木材理事会とし、理事会は、機関のすべての加盟国で構成する。
2.加盟国は、理事会において1人の代表により代表されるものとし、また、理事会の会期に出席する代表代理及び顧問を指名することができる。
3.代表代理は、代表が不在である間又は特別な場合において、代表に代わって行動し及び投票する権限を与えられる。
(理事会の権限及び任務)
第7条
1.理事会は、この協定の実施のために必要なすべての権限を行使し、及びその実施のために必要なすべての任務を遂行し又はこれらの任務の遂行のための措置をとる。
2.理事会は、特別多数票による議決で、この協定の実施のために必要な、かつ、この協定に適合するような規則(理事会の手続規則並びに機関の会計に関する規則及び職員に関する規則を含む。)を採択する。会計に関する規則は、特に、運営勘定、特別勘定及びパリ・パートナーシップ基金の資金の収入及び支出を規律する。理事会は、その手続規則において、会合することなく特定の問題について決定を行うための手続を定めることができる。
3.理事会は、この協定に基づく任務の遂行に必要な記録を保管する。
(理事会の議長及び副議長)
第8条
1.理事会は、各暦年につき、議長及び副議長各1人を選出する。議長及び副議長は、機関から報酬を受けない。
2.議長及び副議長のいずれか一方は加盟生産国の代表のうちから、他方は加盟消費国の代表のうちから選出される。これらの職は、両区分の加盟国に毎年交互に振り当てる。ただし、例外的な事態において、理事会が特別多数票による議決で決定する場合には、議長若しくは副議長又は双方の再選を妨げるものではない。
3.議長が一時的に欠けた場合には、副議長が議長の職を代行する。議長及び副議長の双方が一時的に欠けた場合又は議長及び副議長の一方若しくは双方がその任期を残して欠けた場合には、理事会は、場合に応じて、加盟生産国又は加盟消費国の区分のうち該当する区分に属する加盟国の代表のうちから、一時的に又は前任者の任期の残余の期間その職を行う新規の役員を選出することができる。
(理事会の会期)
第9条
1.理事会は、原則として、少なくとも年1回、通常会期を開催する。
2.理事会は、その決定するとき又は次のいずれかによる要請があるときは、特別会期を開催する。
a.事務局長(理事会の議長の同意を得て要請する場合)
b.過半数の加盟生産国又は過半数の加盟消費国
c.500票以上の票を有する加盟国
3.会期は、理事会が特別多数票による議決で別段の決定を行わない限り、機関の本部において開催する。加盟国の招請により理事会が機関の本部以外の場所において会合する場合には、当該加盟国は、本部以外の場所で会議を開催することにより生ずる追加の費用を負担する。
4.会期の通知及び会期における議題は、少なくとも6週前に事務局長が加盟国に送付する。ただし、緊急の場合には、通知は、少なくとも7日前に送付する。
(票の配分)
第10条
1.加盟生産国及び加盟消費国は、それぞれ総体として、1000票ずつを有する。
2.加盟生産国の票は、次のとおり配分する。
a.400票は、アフリカ、アジア=太平洋及びラテン・アメリカの三生産地域の間で平等に配分する。このようにしてこれらの各地域に配分した票は、当該地域の加盟生産国の間で平等に配分する。
b.300票は、加盟生産国の間で、すべての加盟生産国の熱帯森林資源の総計に対する各加盟生産国の熱帯森林資源の割合に従って配分する。
c.300票は、加盟生産国の間で、確定的な数字を入手することのできる最近の3年間の各加盟生産国の熱帯木材の純輸出額の平均に比例して配分する。
3.2の規定にかかわらず、2に定める計算によりアフリカ地域の加盟生産国に割り当てられるすべての票は、アフリカ地域のすべての加盟生産国の間で平等に配分する。残余の票がある場合には、当該残余の各票は、次のとおりアフリカ地域の加盟生産国に配分する。まず、2に定める計算により最大の票数が割り当てられる加盟生産国に配分し、次に、2番目に多い票数が割り当てられる加盟生産国に配分する。残余の票の配分は、このようにして、すべての残余の票が配分されるまで行われる。
4.2(b)の規定による票の配分の計算上、「熱帯森林資源」とは、国際連合食糧農業機関(FAO)が定義する生産可能な閉鎖広葉樹林をいう。
5.加盟消費国の票は、次のとおり配分する。各加盟消費国は、10の基本票を有する。残余の票は、加盟消費国の間で、票の配分が行われる暦年の4暦年前の年以降の3年間における各加盟消費国の熱帯木材の純輸入量の平均に比例して配分する。
6.理事会は、各会計年度の第1回会期の開始時に、この条に定めるところにより当該会計年度について票を配分する。配分は、7に定める場合を除くほか、当該会計年度の残余の期間効力を有する。
7.機関の加盟国の構成に変動がある場合又は加盟国の投票権がこの協定に定めるところにより停止され若しくは回復される場合には、理事会は、この条に定めるところにより、影響を受ける加盟国の区分内で票を再配分する。この場合には、理事会は、票の再配分が効力を生ずる時を決定する。
8.票数は、1未満の端数を伴ってはならない。
(理事会の投票手続)
第11条
1.加盟国は、自国の有するすべての票を投ずる権利を有するが、投票に当たって票を分割してはならない。もっとも、2の規定により委託された票については、加盟国は、自国の有する票と別個に投ずることができる。
2.加盟生産国は他の加盟生産国に対し、また、加盟消費国は他の加盟消費国に対し、理事会の議長に対する書面による通告により、理事会の会合において自国の利益を代表し及び自国の票を投ずることを自国の責任において委託することができる。
3.加盟国は、棄権したときは、投票しなかったものとみなされる。
(理事会の決定及び勧告)
第12条
1.理事会は、コンセンサス方式によりすべての決定及び勧告を行うように努める。理事会は、コンセンサスに達することができない場合には、この協定が特別多数票による議決で行うことを定めている場合を除くほか、単純多数票による議決で、すべての決定及び勧告を行う。
2.加盟国の票が前条2の規定により理事会の会合において投じられた場合には、当該加盟国は、1の規定の適用上、出席しかつ投票したものとみなされる。
(理事会の定足数)
第13条
1.理事会のいかなる会合においても、第4条に規定する各区分の加盟国の過半数であって各区分において総票数の3分の2以上を有するものが出席していなければならない。
2.理事会の会合の日として予定された日及びその翌日において1に定める定足数が得られない場合には、会期のその後の日においては、第4条に規定する各区分の加盟国の過半数であって各区分において総票数の過半数を有するものが出席していなければならない。
3.第11条2の規定に基づいて代表されている加盟国は、出席しているものとみなされる。
(他の機関との協力及び調整)
第14条
1.理事会は、適当な場合には、国際連合及びその諸機関(例えば、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)及び持続可能な開発に関する委員会(CSD))、政府間機関(例えば、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)及び絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES))並びに非政府機関との協講及び協力のための措置をとる。
2.機関は、この協定の目的を達成するための努力の重複を避けるため、並びに既存の政府間機関、政府機関又は非政府機関の活動の補完性及び効率を高めるため、可能な最大限度まで、これらの機関の便宜、役務及び専門的知識を利用する。
(オブザーバーの参加)
第15条  理事会は、機関の活動に関心を有する非加盟国又は前条、第20条若しくは第29条に規定する諸機関に対し、理事会の会合にオブザーバーとして出席するよう招請することができる。
(事務局長及び職員)
第16条
1.理事会は、特別多数票による議決で、事務局長に任命する。
2.事務局長の任用の条件は、理事会が定める。
3.事務局長は、機関の首席の管理職員であるものとし、理事会の決定に従ってこの協定を運用し及び実施することにつき、理事会に対して責任を負う。
4.事務局長は、理事会の定める規則に従って職員を任命する。理事会は、特別多数票による議決で、事務局長が任命することのできる行政職員及び専門職員の数を決定する。その数の変更は、特別多数票による議決で、理事会が決定する。職員は、事務局長に対して責任を負う。
5.事務局長及び職員は、木材産業、木材の取引その他木材に関係する商業活動につきいかなる金銭上の利害関係も有してはならない。
6.事務局長及び職員は、その任務の遂行に当たって、いかなる加盟国からも又は機関外のいかなる当局からも指示を求め又は受けてはならない。事務局長及び職員は、理事会に対して最終的に責任を負う国際公務員としての立場を著しく損なうおそれのあるいかなる行動も慎まなければならない。加盟国は、事務局長及び職員の責任の専ら国際的な性質を尊重するものとし、これらの者が責任を果たすに当たってこれらの者を左右しようとしてはならない。
最初

第5章 特権及び免除

(特権及び免除)
第17条
1.機関は、法人格を有する。機関は、特に契約を締結し、動産及び不動産を取得し及び処分し並びに訴えを提起する能力を有する。
2.機関並びに機関の事務局長、職員及び専門家並びに日本国の領域に滞在する加盟国の代表の地位、特権及び免除については、1988年2月27日に東京で署名された日本国政府と国際熱帯木材機関との間の本部協定が、この協定の適正な実施のために当該本部協定の改正が必要である場合にはその改正を経て、引き続き適用される。
3.機関は、理事会の承認の下に、この協定の機能が適正に営まれるために必要な能力、特権及び免除に関する取極を他の国との間で締結することができる。
4.機関の本部が他の加盟国に移転する場合には、当該他の加盟国は、理事会の承認の下に、できる限り速やかに、本部協定を機関との間で締結する。機関は、その協定が締結されるまでの間、機関がその被用者に支払う報酬及び機関の資産、収入その他の財産に対する課税を新たな接受政府の国の法令の範囲内で免除するよう当該新たな接受政府に要請する。
5.本部協定は、この協定とは別個のものとする。もっとも、本部協定は、次のいずれかの場合に終了する。
a.接受政府と機関との間で合意する場合
b.機関の本部が接受政府の国から移転する場合
c.機関が存在しなくなる場合
最初

第6章 会 計

(勘定)
第18条
1.機関に、次の勘定を置く。
a.運営勘定
b.特別勘定
c.バリ・パートナーシップ基金
d.その他理事会が適当かつ必要と認める勘定
2.事務局長は、これらの勘定の管理につき責任を負う。理事会は、機関の会計に関する規則において、必要な規定を定める。
(運営勘定)
第19条
1.この協定の運用に要する費用は、運営勘定に記帳するものとし、各加盟国の憲法上又は制度上の手続に従って支払われる年次分担金(その額は、3から5までに定めるところにより決定される。)をもって支弁する。
2.理事会及び第26条に規定する委員会その他の補助機関に出席する代表団の費用は、関係加盟国が負担する。加盟国が機関からの特別の役務を要請する場合には、理事会は、当該加盟国に対し当該役務に要する費用の負担を要求する。
3.理事会は、各会計年度の終了前に、次の会計年度の機関の運営予算を承認し、及び当該運営予算に係る各加盟国の分担金の額を決定する。
4.各会計年度の運営予算に係る各加盟国の分担金の額は、当該会計年度の運営予算が承認される時点におけるすべての加盟国の票数の合計に対する当該加盟国の票数の割合に比例する額とする。分担金の額の決定に当たっては、各加盟国の票数は、いずれかの加盟国の投票権の停止又はこれによって生ずる票の再配分を考慮することなく算定する。
5.この協定の効力発生の後に機関に加盟する加盟国の最初の分担金の額は、当該加盟国が有することとなる票数及びその加盟時における会計年度の残余の期間を基礎として、理事会が決定する。この場合において、当該会計年度分の他の加盟国の分担金の額は、変更しない。
6.運営予算に係る分担金の支払の義務は、各会計年度の初日に生ずる。いずれかの会計年度中に機関に加盟した加盟国の当該会計年度に係る分担金の支払の義務は、加盟国となった日に生ずる。
7.加盟国が6の規定により分担金の支払の義務の生ずる日の後4箇月以内に運営予算に係る分担金の全額を支払っていない場合には、事務局長は、当該加盟国に対しできる限り速やかにそれを支払うよう要請する。事務局長の要請の後2箇月以内に当該加盟国がその分担金を支払っていない場合には、当該加盟国は、支払うことができない理由の説明を要請される。分担金の支払の義務の生ずる日から7箇月を経過した時においても当該加盟国がなお分担金を支払っていない場合には、当該加盟国の投票権は、理事会が特別多数票による議決で別段の決定を行わない限り、分担金の全額が支払われる時まで停止される。他方、加盟国が6の規定により運営予算に係る分担金の支払の義務の生ずる日の後4箇月以内に運営予算に係る分担金の全額を支払う場合において、理事会が機関の会計に関する規則において割引を定めているときは、当該加盟国の分担金は、当該割引を受ける。
8.加盟国は、7の規定により権利を停止された場合においても、引き続き、分担金を支払う責任を負う。
(特別勘定)
第20条
1.特別勘定の下に、次の二の勘定を置く。
a.準備事業勘定
b.事業勘定
2.特別勘定のための資金は、次のものから調達することができる。
a.一次産品のための共通基金
b.地域金融機関及び国際金融機関
c.任意拠出
3.特別勘定の資金は、承認された準備事業又は事業にのみ使用する。
4.準備事業勘定から事業に対して支出されたすべての経費は、当該事業がその後理事会で承認されかつそのための資金が確保された場合には、事業勘定から償還される。この協定の効力発生から6箇月以内に理事会に対して準備事業勘定のための資金が提供されない場合には、理事会は、状況を検討し、適当な措置をとる。
5.特別勘定に係る特定の準備事業又は事業に対するものとして受領された収入はすべて、同勘定に記帳する。当該特定の準備事業又は事業に係るすべての費用(コンサルタント及び専門家に対する報酬及び旅費を含む。)は、同勘定から支弁する。
6.加盟国が事業の資金調達のための借入れに係るすべての義務及び責任を任意に負う場合には、理事会は、適当なときは、特別多数票による議決で、当該事業を支援するための条件を定める。機関は、当該借入れについていかなる義務も負わない。
7.理事会は、承認された事業の資金調達のための借入れを行いかつ当該借入れに関するすべての義務を負う主体(加盟国を含む。)を、当該主体の同意を得て、指名し及び推薦することができる。この場合において、機関は、資金の使用の状況を把握する権利及び当該事業の実施を監視する権利を留保する。もっとも、機関は、個々の加盟国その他の主体が任意に与える保証について責任を負わない。
8.いずれの加盟国も、事業に関する他の加盟国又は主体による借入れ又は貸付けから生ずる責任について機関の加盟国であるという理由により責任を負うものではない。
9.用途が特定されていない任意の資金が機関に提供される場合には、理事会は、当該資金を受領することができる。当該資金は、承認された準備事業及び事業のために使用することができる。
10.事務局長は、理事会の定める条件により、理事会によって承認された準備事業及び事業のための適当かつ確実な資金調達に努める。
11.特定の承認された事業のための拠出は、理事会が拠出者の同意を得て別段の決定を行わない限り、当初に拠出の対象とされた特定の事業のためにのみ使用する。機関は、事業の完了後において、当該事業のために当初提供された拠出の総計に対する各拠出者の拠出の割合に応じて残余の資金を各拠出者に返済する。ただし、拠出者が他の方法に同意する場合は、この限りでない。
(パリ・パートナーシップ基金)
第21条
1.第1条(d)に定める目的を達成するために必要な投資を加盟生産国が行うことを支援するために、熱帯木材生産林の持続可能な経営のための基金を設立する。
2.基金は、次のものから成る。
a.援助加盟国から拠出金
b.特別勘定に係る活動の結果取得した収入の50パーセント
c.その他の資金源(公私を問わない。)からの資金であって、機関がその会計に関する規則に従って受け取ることのできるもの
3.基金の資金は、1にいう目的のための準備事業及び事業であって、第25条の規定に従って承認されたものに対してのみ、理事会が配分する。
4.理事会は、基金の資金の配分に当たって、次のニーズを考慮する。
a.熱帯木材及び熱帯木材製品の輸出を専ら持続可能であるように経営されている供給源からのものについて行うことを2000年までに達成するための戦略を実施することにより自国の経済に対する林業分野の貢献が不利な影響を受ける加盟国の特別のニーズ
b.重要な森林地域を有しており、かつ、木材生産林における保全計画を定めている加盟国のニーズ
5.理事会は、基金のために利用し得る資金が十分であるかないかについて毎年検討するものとし、基金の目的を達成するために加盟生産国が必要としている追加的な資金を得るよう努める。4(a)に規定する戦略を実施するための加盟国の能力は、資金の利用可能性により影響を受ける。
6.理事会は、基金の運用のための政策及び会計規則(この協定の終了又はその有効期間の満了の際の会計上の処理に関する規定を含むもの)を定める。
(支払の形式)
第22条
1.運営勘定に対する分担金は、自由利用可能通貨で支払われるものとし、外国為替上の制限を課されない。
2.特別勘定及びバリ・パートナーシップ基金に対する拠出金は、自由利用可能通貨で支払われるものとし、外国為替上の制限を課されない。
3.理事会は、また、承認された事業における必要性に応じ、特別勘定及びパリ・パートナーシップ基金に対する拠出であって拠出金以外の形態のもの(科学的及び技術的機材並びに要員の提供を含む。)を受け入れることを決定することができる。
(会計の検査及び公表)
第23条
1.理事会は、機関の会計検査のため、独立の会計検査専門家を指名する。
2.1の会計検査専門家が独立の立場から会計検査を行った運営勘定、特別勘定及びバリ・パートナーシップ基金の決算書は、各会計年度の終了の後できる限り速やかに、遅くとも6箇月以内に、加盟国が入手することができるようにするものとし、適当な場合には、理事会が、その後開催される最初の会期において検討し、承認する。会計検査を了した決算書及び貸借対照表の概要は、その後に公表する。
最初

第7章 機関の活動

(機関の政策活動)
第24条 機関は、第1条に定める目的を達成するため、経済情報及び市場情報、造林及び森林経営並びに林産業の分野において、政策活動及び事業活動を可能な限り相互に調和させつつ、均衡のとれた形で行う。
(機関の事業活動)
第25条
1.加盟国は、開発途上国のニーズに留意して、研究及び開発、市場情報、加盟生産国における木材の後の段階の加工の促進並びに造林及び森林経営の分野における準備事業計画案及び事業計画案を理事会に提出することができる。準備事業計画及び事業計画は、この協定の1又は2以上の目的の達成に寄与すべきである。
2.理事会は、準備事業計画及び事業計画の承認に当たって、次の事項を考慮する。
a.この協定の目的との関連
b.環境及び社会に及ぼす影響
c.適切な地理的均衡の維持が望ましいこと。
d.各開発途上生産地域の利害及び特質
e.1に規定する分野の間における資金の衡平な配分が望ましいこと。
f.費用対効果
g.努力の重複を避ける必要性
3.理事会は、機関による資金供与を必要とする準備事業計画及び事業計画の提出、審査及び優先順位の決定のため並びにこれらの実施、監視及び評価のための日程及び手続を定める。理事会は、第20条又は第21条の規定に基づき、資金調達又は支援の対象となる準備事業計画及び事業計画の承認について決定を行う。
4.事務局長は、機関の資金が事業計画書に従って使用されていない場合又は不正、浪費、怠慢若しくは不適当な管理がある場合には、当該準備事業又は事業に対する機関の資金の支払を停止することができる。事務局長は、理事会による検討のために、その後開催される最初の理事会の会期において報告を提出する。理事会は、適当な措置をとる。
5.理事会は、特別多数票による議決で、準備事業又は事業に対する支援を打ち切ることができる。
(委員会の設置)
第26条
1.この協定により、機関の委員会として次のものを設置する。
a.経済情報及び市場情報に関する委員会
b.造林及び森林経営に関する委員会
c.林産業に関する委員会
d.財政及び運営に関する委員会
2.理事会は、特別多数票による議決で、適当かつ必要と認めるその他の委員会及び補助機関を設置することができる。
3.各委員会への参加は、すべての加盟国に開放される。委員会の手続規則は、理事会が決定する。
4.1及び2に規定する委員会及び補助機関は、理事会に対して責任を負うものとし、その一般的な指揮の下に活動する。委員会及び補助機関の会合は、理事会が招集する。
(委員会の任務)
第27条
1.経済情報及び市場情報に関する委員会の任務は、次のとおりとする。
a.機関が必要とする統計その他の情報の入手の可能性及び質を検討すること。
b.国際木材貿易の状況を把握するため理事会が決定する統計資料及び特定の指標を分析すること。
c.(b)の資料その他の関連情報(記載されていない木材貿易に関する情報を含む。)に基づき、国際木材市場並びにその現状及び短期の見通しを絶えず検討すること。
d.熱帯木材に関する適切な研究(例えば、価格、市場における弾力性、市場における代替可能性、新しい産品の販売及び国際熱帯木材市場の長期の見通しに関する研究)の必要性及び性質に関し理事会に勧告を行い、並びに理事会が委託する研究の状況を把握し及び検討すること。
e.木材の経済的、技術的及び統計的側面に関するその他の任務であって理事会がこの委員会に委任するものを遂行すること。
f.開発途上加盟国における関係統計業務を改善するため、これらの加盟国に対する技術協力の供与を支援すること。
2.造林及び森林経営に関する委員会の任務は、次のとおりとする。
a.加盟国における森林活動の発展に関して加盟国の間において同等の資格で行われる協力を、特に次の分野において促進すること。
i.造林
ii.林地の復旧
iii.森林経営
b.造林及び森林経営の分野における開発途上国に対する技術援助及び技術移転の増大を奨励すること。
c.この分野において行われている活動の状況を把握し、並びに権限のある機関と協力して問題点及びその可能な解決策を選別し及び検討すること。
d.産業用熱帯木材の国際貿易における将来のニーズを常に検討し、並びにその検討に基づき造林、林地の復旧及び森林経営の分野における適当かつ可能な計画及び措置を確定し及び検討すること。
e.権限のある機関の援助を得て、造林及び森林経営の分野における知識の移転を容易にすること。
f.これらの活動を、造林及び森林経営の分野における協力のため、権限のある機関(例えば、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際連合環境計画(UNEP)、世界銀行、国際連合開発計画(UNDP)及び地域開発銀行)の主催の下に進めら、れている関連する活動と調整しかつ調和させること。
3.林産業に関する委員会の任務は、次のとおりとする。
a.加盟生産国における加工活動の発展に関して加盟国の間において同等の資格で行われる協力を、特に次の分野において促進すること。
i.技術移転を通ずる製品開発
ii.人的資源の開発及び訓練
iii.熱帯木材の名称の標準化
iv.加工製品の仕様の統一
v.投資及び合弁事業の奨励
vi.マーケティング(知名度及び利用度の低い樹種の販売促進を含む。)
b.後の段階の加工の促進に伴う構造的変化をすべての加盟国(特に開発途上加盟国)の利益となるよう助長するため、情報の交換を促進すること。
c.この分野において行われている活動の状況を把握し、並びに権限のある機関と協力して問題点及びその可能な解決策を選別し及び検討すること。
d.加盟生産国の利益のために、熱帯木材の加工に関する技術協力の増大を奨励すること。
4.経済情報及び市場情報に関する委員会、造林及び森林経営に関する委員会並びに林産業に関する委員会は、機関の政策活動及び事業活動を均衡のとれた形で促進するために、それぞれ次のことを行う。
a.準備事業及び事業の効果的な審査、監視及び評価を確保することにつき責任を負うこと。
b.理事会に対し準備事業及び事業について勧告すること。
c.準備事業及び事業の実施状況を把握し、並びにすべての加盟国の利益のため、できる限り広範に事業の結果を収集しかつ配布するための措置をとること。
d.政策の構想を立案し、及びその構想を理事会に対して提出すること。
e.事業活動及び政策活動の結果を常に検討し、並びに機関の将来の計画につき理事会に対して勧告すること。
f.機関の行動計画に定める計画立案及び事業活動のための戦略、基準及び優先分野を常に検討し、並びにこれらの修正につき理事会に対して勤告すること。
g.加盟国における能力の構築及び人的資源の開発を強化する必要性を考慮すること。
h.その他この協定の目的に関連する任務であって理事会が各委員会に委任するものを遂行すること。
5.研究及び開発は、1から3までに規定する各委員会の共通の任務とする。
6.財政及び運営に関する委員会の任務は、次のとおりとする。
a.機関の運営予算案の承認及び機関の運営業務を検討し、並びにこれらに関し理事会に対して勧告すること。
b.慎重な資産管理を確保し及び機関がその活動を実施するために十分な準備金を保有することを確保するため、機関の資産を検討すること。
c.機関の年間の活動計画が予算に及ぼす影響及び当該活動計画の実施のために必要な資金を確保するためにとることのできる措置について検討し、並びにこれらに関し理事会に対して勧告すること。
d.独立の会計検査専門家の選定につき理事会に対して勧告し、及び会計検査専門家が独立の立場から会計検査を行った決算書を検討すること。
e.手続規則及び会計に関する規則につき必要と判断する修正を理事会に対して勧告すること。
f.機関の収入及びこれが事務局の作業を制約する程度について検討すること。
最初

第8章 一次産品のための共通基金との関係

(一次産品のための共通基金との関係)
第28条  機関は、一次産品のための共通基金の制度を十分に利用する。
最初

第9章 統計、研究及び情報

(統計、研究及び情報)
第29条
1.理事会は、熱帯木材貿易に関する最新の信頼し得る資料及び情報並びに非熱帯木材及び木材生産林の経営についての関連情報の入手に資するため、関連する政府間機関、政府機関又は非政府機関との間で緊密な関係を確立する。機関は、この協定の運用に必要と認める場合には、これらの関連する機関と協力して、木材の生産、供給、貿易、在庫、消費及び市場価格、木材資源の量並びに木材生産林の経営についての統計上の情報を収集し、取りまとめ及び、適切な場合には、公表する。
2.加盟国は、木材、木材貿易及び木材生産林の持続可能な経営を達成することを目的とする活動に関する統計及び情報並びに理事会が要請するその他の関連情報を、妥当な期間内に、自国の国内法に抵触しない範囲で可能な最大限度まで、提供する。理事会は、この2の規定に従って提供される情報の種類及び提出される報告の様式を決定する。
3.理事会は、国際木材市場の動向、同市場の短期及び長期の問題並びに木材生産林の持続可能な経営の達成に向けての進展について関連する研究が行われるよう措置をとる。
(年次報告及び検討)
第30条
1.理事会は、各暦年の終了後6箇月以内に、その活動その他適当と認める情報に関する年次報告を公表する。
2.理事会は、毎年、次の事項を検討し及び評価する。
a.国際的な木材の状況
b.この協定の目的の達成に関連すると認められる他の要素、事項及び動向
3.2の検討は、次の事項を参考にしつつ行う。
a.加盟国が提供する木材の国内生産、貿易供給、在庫、消費及び価格に関する情報
b.理事会が要請し、加盟国が提供するその他の統計資料及び特定の指標
c.加盟国が提供する自国の木材生産林の持続可能な経営に向けての進展に関する情報
d.その他関連する情報であって、理事会が国際連合の諸機関、政府間機関、政府機関若しくは非政府機関を通じて又は直接に入手することのできるもの
4.理事会は、次の事項に関する加盟国の間の意見の交換を促進する。
a.加盟国における木材生産林の持続可能な経営の状況及び関連事項
b.機関が定めた目的、基準及び指針との関係において、資金の流れ及び必要額
5.理事会は、要請に応じ、適当な情報の共有のために必要な資料を入手するための加盟国(特に開発上加盟国)の技術的能力を高めるよう努める。この努力には、訓練及び設備に必要な資金を加盟国に対して提供することを含む。
6.検討の結果は、理事会の審議の報告書に記載される。
最初

第10章 雑 則

(苦情及び紛争)
第31条  いずれかの加盟国がこの協定に基づく義務を履行しなかった旨の苦情及びこの協定の解釈又は適用に関する紛争は、理事会に対し決定のため付託される。当該苦情及び当該紛争に係る事案についての理事会の決定は、最終的なものであり、かつ、拘束力を有する。
(加盟国の一般的義務)
第32条
1.加盟国は、この協定の有効期間中、この協定の目的の達成を促進するため、また、この協定の目的に反する行動をとらないようにするため、最善の努力を払い及び協力する。
2.加盟国は、この協定に基づく理事会の決定を受諾し及び実施することを約束するものとし、決定を制限する効果又は決定に反する効果を有することとなる措置をとることを差し控える。
(義務の免除)
第33条
1.理事会は、この協定に明示的に定められていない例外的な若しくは緊急の事態又は不可抗力のためこの協定に基づく加盟国の義務を免除する必要がある場合において、当該義務の履行が不可能であることに関する当該加盟国の説明に満足するときは、特別多数票による議決で、当該義務を免除することができる。
2.理事会は、1の規定に基づく加盟国の義務の免除に当たって、義務の免除の条件、期間及び理由を明示する。
(特別の救済措置及び特別措置)
第34条
1.開発途上加盟輸入国は、この協定の下でとられた措置により自国の利益が著しく害される場合には、理事会に対し、適当な特別の救済措置をとるよう要請することができる。理事会は、国際連合貿易開発会議決議第93号(第4回会期)III3及び4に定めるところにより適当な特別の救済措置をとることを検討する。
2.国際連合が定義する後発開発途上国に該当する加盟国は、理事会に対し、国際連合貿易開発会議決議第93号(第4回会期)III4並びに1990年代における後発開発途上国のためのパリ宣言及び行動計画56及び57に定めるところにより特別措置をとるよう要請することができる。
(検討)
第35条  理事会は、この協定の効力発生の4年後にその適用範囲を検討する。
(無差別待遇)
第36条  この協定のいかなる規定も、木材及び木材製品の国際貿易を制限し又は禁止するための措置(特に、木材及び木材製品の輸入及び利用に関係するもの)をとることを認めるものではない。
最初

第11章 最終規定

(寄託者)
第37条  国際連合事務総長は、ここに、この協定の寄託者として指名される。
(署名、批准、受諾及び承認)
第38条
1.この協定は、1994年4月1日から効力発生の日の後1箇月が経過するまで、国際連合本部において、1983年の国際熱帯木材協定に継続する協定の交渉のための国際連合会議に招請された政府による署名のために開放しておく。
2.1に規定する政府は、次のいずれかのことを行うことができる。
a.この協定に署名する際に、署名によってこの協定に拘束されることに同意する旨の宣言を行うこと(確定的な署名)。
b.この協定に署名した後、寄託者に批准書、受諾書又は承認書を寄託することによってこの協定を批准し、受諾し又は承認すること。
(加入)
第39条
1.この協定は、理事会の定める条件に基づくすべての国の政府による加入のために開放しておく。この条件には、加入書の寄託の期限を含む。もっとも、理事会は、この条件に定める期限までに加入することができない政府に対し、期限の延長を認めることができる。
2.加入は、寄託者に加入書を寄託することによって行う。
(暫定的適用の通告)
第40条  この協定を批准し、受諾し若しくは承認する意思を有する署名政府又は加入のための条件が理事会によって定められているが加入書を寄託することのできない政府は、この協定が次条の規定に従って効力を生ずる日から又は、この協定が既に効力を生じている場合には、当該政府の特定する日からこの協定を暫定的に適用する旨をいつでも寄託者に通告することができる。
(効力発生)
第41条
1.この協定は、付表Aに掲げるところにより総票数の55パーセント以上を有する12以上の生産国の政府及び付表Bに掲げるところにより総票数の70パーセント以上を有する16以上の消費国の政府が、第38条2の規定に基づき、確定的な署名を行い、批准し、受諾し若しくは承認し又は第39条の規定に基づき加入した場合には、1995年2月1日又はその後のいずれかの日に確定的に効力を生ずる。
2.この協定が1995年2月1日に確定的に効力を生じなかった場合であっても、同日又はその後の7箇月以内のいずれかの日に、付表Aに掲げるところにより総票数の50パーセント以上を有する10以上の生産国の政府及び付表Bに掲げるところにより総票数の65パーセント以上を有する14以上の消費国の政府が、第38条2の規定に基づき、確定的な署名を行い、批准し、受諾し若しくは承認し又は前条の規定に基づきこの協定を暫定的に適用する旨を寄託者に通告した場合には、同年2月1日又は当該その後の7箇月以内のいずれかの日に暫定的に効力を生ずる。
3.国際連合事務総長は、1又は2に定める効力発生の要件が1995年9月1日までに満たされなかった場合には、第38条2の規定に基づき、確定的な署名を行い、批准し、受諾し若しくは承認し又はこの協定を暫定的に適用する旨を寄託者に通告した政府が実行可能な最も早い時に会合しこの協定の全部又は一部をこれらの政府の間で暫定的に発効させるか又は確定的に発効させるかを決定するため、これらの政府を招集する。この協定をこれらの政府の間で暫定的に発効されることを決定した場合には、これらの政府は、事態を検討するため随時会合し、この協定をこれらの政府の間で確定的に発効させるかさせないかを決定することができる。
4.この協定は、寄託者に対し前条の規定に基づく暫定的適用の通告を行わなかった政府で、この協定の効力発生の後、批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託するものについては、その寄託の日に効力を生ずる。
5.機関の事務局長は、この協定の効力発生の後できる限り速やかに、理事会を招集する。
(改正)
第42条
1.理事会は、特別多数票による議決で、加盟国に対しこの協定の改正を勧告することができる。
2.理事会は、加盟国が寄託者に対して改正の受諾を通告する期限について定める。
3.改正は、3分の2以上の加盟生産国であって加盟生産国の総票数の75パーセント以上を有するもの及び3分の2以上の加盟消費国であって加盟消費国の総票数の75パーセント以上を有するものから寄託者が受諾の通告を受領した後90日で、効力を生ずる。
4.改正の効力発生の要件が満たされた旨を寄託者が理事会に通報した後は、理事会の定める期限に関する2の規定にかかわらず、加盟国は、改正の効力発生までの間、寄託者に対し改正の受諾を通告することができる。
5.加盟国は、改正の効力発生の日までに改正の受諾を通告しなかった場合には、同日に締約国でなくなる。ただし、憲法上又は制度上の手続を完了することが困難なため改正の効力発生の日までに受諾することができなかったことを当該加盟国が理事会に対して証明し、かつ、当該加盟国のために改正の受諾の期限を延長することを理事会が決定する場合は、この限りでない。当該加盟国は、改正の受諾を通告する時まで改正に拘束されない。
6.改正の効力発生の要件が2の規定の基づいて理事会が定めた期限までに満たされなかった場合には、改正は、撒回されたものとみなす。
(脱退)
第43条
1.加盟国は、寄託者に対して書面による脱退の通告を行うことにより、この協定の効力発生の後いつでも、この協定から脱退することができる。脱退の通告を行った加盟国は、同時にその旨を理事会に通報する。
2.脱退は、寄託者が1の通告を受領した後90日で効力を生ずる。
3.加盟国がこの協定に基づき機関に対して負っている会計上の義務は、当該加盟国の脱退によって終了しない。
(除名)
第44条  理事会は、加盟国がこの協定に基づく義務に違反していると認定し、かつ、その違反がこの協定の実施を著しく妨げていると決定する場合には、特別多数票による議決で、当該加盟国をこの協定から除名することができる。理事会は、その旨を寄託者に直ちに通告する。当該加盟国は、理事会の決定の日の後6箇月で、締約国でなくなる。
(脱退し若しくは除名される加盟国又は改正を受諾することができない加盟国に係る会計上の処理)
第45条
1.理事会は、次の理由によりこの協定の締約国でなくなる加盟国について会計上の処理を行う。
a.第42条の規定によるこの協定の改正の受諾を行わないこと。
b.第43条の規定に基づきこの協定から脱退すること。
c.前条の規定に基づきこの協定から除名されること。
2.理事会は、この協定の締約国でなくなる加盟国が運営勘定、特別勘定及びバリ・パートナーシップ基金に対して支払った分担金及び拠出金の払戻しを行わない。
3.この協定の締約国でなくなった加盟国は、機関の清算によって得られる収益その他の機関の資産の持分に係る権利を有しない。当該加盟国は、また、この協定の終了の際に機関に損失があっても、当該損失のいずれの部分の支払についても責任を負わない。
(有効期間、延長及び終了)
第46条
1.この協定は、効力発生の後4年間効力を有する。ただし、理事会が、この条に定めるところにより、特別多数票による議決で、この協定について有効期間を延長し、再交渉し又は終了されることを決定する場合は、この限りでない。
2.理事会は、特別多数票による議決で、この協定の有効期間を2回(それぞれ3年間)延長することを決定することができる。
3.1に規定する4年の期間の満了前又は2に規定する延長期間の満了前のいずれかにおいて、この協定に代わる新たな協定についての交渉が行われたが、その新たな協定が確定的にもまた暫定的にも効力を生じていない場合には、理事会は、特別多数票による議決で、その新たな協定が暫定的又は確定的に効力を生ずる時までこの協定の有効期間を延長することができる。
4.新たな協定についての交渉が行われ、2又は3の規定に基づくこの協定の延長期間内にその新たな協定が効力を生ずる場合には、延長されたこの協定は、その新たな協定が効力を生ずる時に終了する。
5.理事会は、いつでも、特別多数票による議決で、その定める日にこの協定を終了させることを決定することができる。
6.理事会は、この協定の終了の後も、機関の清算(会計上の処理を含む。)を行うため、18箇月を超えない期間存続するものとし、当該期間中、特別多数票による清算に関する決定に従って清算に必要な権限及び任務を有する。
7.理事会は、この条に定めるところにより行われた決定を寄託者に通告する。
(留保)
第47条  留保は、この協定のいかなる規定についても付することができない。
(補足規定及び経過規定)
第48条
1.この協定は、1983年の国際熱帯木材協定に継続する協定とする。
2.1983年の国際熱帯木材協定に基づいて機関若しくはその内部機関により又はこれらの名においてとられた措置であって、この協定が効力を生ずる日に有効であり、かつ、同日に満了する旨の定めのないものは、この協定に基づく変更がない限り、引き続き効力を有する。


以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて、それぞれ明記する日にこの協定に署名した。
1994年1月26日にジュネーヴで、ひとしく正文であるアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語によりこの協定を作成した。
付表A 熱帯森林資源を有する生産国又は数量において熱帯木材の純輸出国である国及び第41条の規定の適用のための票の配分の一覧表

ボリヴィア21
ブラジル133
カメルーン23
コロンビア24
コンゴー23
コスタ・リカ
象牙海岸23
ドミニカ共和国
エクアドル14
エル・サルヴァドル
赤道ギニア23
ガボン23
ガーナ23
ガイアナ14
ホンデュラス
インド34
インドネシア170
リベリア23
マレイシア139
メキシコ14
ミャンマー133
パナマ10
パプア・ニューギニア28
パラグァイ11
ペルー25
フィリピン25
タンザニア連合共和国23
タイ20
トーゴー23
トリニダッド・トバゴ
ヴェネズエラ10
ザイール23
総計1,000
付表B 消費国及び第41条の規定の適用のための票の配分の一覧表

アフガニスタン10
アルジェリア13
オーストラリア18
オーストリア11
バハレーン11
ブルガリア10
カナダ12
チリ10
中国36
エジプト14
欧州共同体(302)
 ベルギー=ルクセンブルグ26
 デンマーク11
 フランス44
 ドイツ35
 ギリシャ13
 アイルランド13
 イタリア35
 オランダ40
 ポルトガル18
 スペイン25
 連合王国42
フィンランド10
日本国320
ネパール10
ニュージーランド10
ノールウェー10
大韓民国97
ロシア連邦13
スロヴァキア11
スウェーデン10
スイス11
アメリカ合衆国51
総計1,000

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