houko.com 

原子力の安全に関する条約

【目次】
  平成8・10・18・条約 11号  
発効平成8・10・24・外務省告示513号  
訂正平成24・9・25・外務省告示321号−−

前 文

締約国は、
i.原子力の利用が安全であり、十分に規制されており及び環境上適正であることを確保することが国際社会にとって重要であることを認識し、
ii.原子力の安全の水準を世界的に高めていくことを継続する必要性を再確認し、
iii.原子力の安全に関する責任は原子力施設について管轄権を有する国が負うことを再確認し、
iv.原子力安全文化を十分に醸成することを希望し、
v.原子力施設における事故が国境を越えて影響を及ぼすおそれがあることを認識し、
vi.核物質の防護に関する条約(1979年)、原子力事故の早期通報に関する条約(1986年)及び原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約(1986年)に留意し、
vii.既存の二国間及び多数国間の制度を通じ並びに各締約国の取組を奨励するこの条約の作成を通じて原子力の安全を向上させるための国際協力を行うことが重要であることを確認し、
viii.この条約が原子力施設のための安全に関する詳細な基準ではなく基本的な原則の適用についての約束を含むこと及び国際的に作成された安全に関する指針であって随時更新され、それゆえに高い水準の安全を達成するための最新の方法を示し得るものが存在することを認識し、
ix.放射性廃棄物管理の安全に関する原則を定めるために進められている作業の結果、国際的に広範な合意が得られた場合には、放射性廃棄物管理の安全に関する国際条約の作成を速やかに開始することが必要であることを確認し、
x.核燃料サイクルにおけるその他の部分の安全に関する技術的な作業を一層進めることが有用であること及びその作業が現在又は将来の国際文書の作成を促進し得ることとなることを認識して、
次のとおり協定した。

第1章 目的、定義及び適用範囲

第1条 目的
この条約の目的は、次のとおりとする。
i.国内措置及び国際協力(適当な場合には、安全に関する技術協力を含む。)の拡充を通じ、原子力の高い水準の安全を世界的に達成し及び維持すること。
ii.原子力施設に起因する電離放射線による有害な影響から個人、社会及び環境を保護するため、原子力施設において、放射線による潜在的な危険に対する効果的な防護を確立し及び維持すること。
iii.放射線による影響を伴う事故を防止し及び、事故が発生した場合には、その影響を緩和すること。
第2条 定義
この条約の適用上、
i.「原子力施設」とは、各締約国について、その管轄の下にある陸上に設置された民生用の原子力発電所(放射性物質の貯蔵、取扱い及び処理のための施設であって、当該原子力発電所と同一の敷地内にあり、かつ、その運転に直接関係するものを含む。)をいう。原子力発電所は、すべての核燃料要素が原子炉の炉心から永久に除去され、承認された手続に従って安全に貯蔵され、かつ、廃止措置に関する計画が規制機関によって同意された時に原子力施設でなくなる。
ii.「規制機閣」とは、各締約国について、許可を付与し及び原子力施設の立地、設計、建設、試運転、運転又は廃止措置を規制する法的権限を当該締約国によって与えられた機関をいう。
iii.「許可」とは、規制機関が申請者に与える権利であって、当該申請者が自らの責任で原子力施設の立地、設計、建設、試運転、運転又は廃止措置を実施するためのものをいう。
第3条 適用範囲
この条約は、原子力施設の安全について適用する。

第2章 義 務

第1節 (a)一般規定

第4条 実施のための措置
締約国は、自国の国内法の枠組みの中で、この条約に基づく義務を履行するために必要な法令上、行政上その他の措置をとる。
第5条 報告
締約国は、第20条に規定する会合に先立ち、その会合における検討のために、この条約に基づく義務を履行するためにとった措置に関する報告を提出する。
第6条 既存の原子力施設
締約国は、この条約が自国について効力を生じた時に既に存在している原子力施設の安全について可能な限り速やかに検討が行われることを確保するため、適当な措置をとる。締約国は、この条約により必要な場合には、原子力施設の安全性を向上させるためにすべての合理的に実行可能な改善のたあの措置が緊急にとられることを確保するため、適当な措置をとる。当該施設の安全性を向上させることができない場合には、その使用を停止するための計画が実行可能な限り速やかに実施されるべきである。使用の停止の時期を決定するに当たっては、総合的なエネルギー事情、可能な代替エネルギー並びに社会上、環境上及び経済上の影響を考慮に入れることができる。

第2節 (b)法令

第7条 法令上の枠紙み
 締約国は、原子力施設の安全を規律するため、法令上の枠組みを定め及び維持する。
 法令上の枠組みは、次の事項について定める。
i.国内的な安全に関して適用される要件及び規制
ii.原子力施設に関する許可の制度であって許可を受けることなく原子力施設を運転することを禁止するもの
iii.原子力施設に対する規制として行われる検査及び評価に関する制度であって適用される規制及び許可の条件の遵守を確認するためのもの
iv.適用される規制及び許可の条件の実施方法(停止、変更、取消し等)
第8条 規制機関
 締約国は、前条に定める法令上の枠組みを実施することを任務とする規制機関を設立し又は指定するものとし、当該機関に対し、その任務を遂行するための適当な権限、財源及び人的資源を与える。
 締約国は、規制機関の任務と原子力の利用又はその促進に関することをつかさどるその他の機関又は組織の任務との間の効果的な分離を確保するため、適当な措置をとる。
第9条 許可を受けた者の責任
締約国は、原子力施設の安全のための主要な責任は関係する許可を受けた者が負うことを確保するものとし、また、許可を受けた者がその責任を果たすことを確保するため適当な措置をとる。

第3節 (c)安全に関する一般的な考慮

第10条 安全の優先
締約国は、原子力施設に直接関係する活動に従事するすべての組織が原子力の安全に妥当な優先順位を与える方針を確立することを確保するため、適当な措置をとる。
第11条 財源及び人的資源
 締約国は、原子力施設の安全の確保を支援するために適当な財源が当該施設の供用期間中利用可能であることを確保するため、適当な措置をとる。
 締約国は、適当な教育、訓練及び再訓練を受けた能力を有する十分な数の職員が、原子力施設の供用期間中、当該施設における又は当該施設のための安全に関するすべての活動のために利用可能であることを確保するため、適当な措置をとる。
第12条 人的な要因
締約国は、人間の行動に係る能力及び限界が原子力施設の供用期間中考慮されることを確保するため、適当な措置をとる。
第13条 品質保証
締約国は、原子力の安全にとって重要なすべての活動のための特定の要件が原子力施設の供用期間中満たされていることについて信頼を得るために品質保証に関する計画が作成され及び実施されることを確保するため、適当な措置をとる。
第14条 安全に関する評価及び確認
締約国は、次のことを確保するため、適当な措置をとる。
i.原子力施設の建設前、試運転前及び供用期間中、安全に関する包括的かつ体系的な評価が実施されること。その評価は、十分に記録され、その後運転経験及び重要かつ新たな安全に関する情報に照らして更新され、並びに規制機間の権限の下で検討を受ける。
ii.原子力施設の物理的状態及び運転が当該施設の設計、適用される国内的な安全に関する要件並びに運転上の制限及び条件に継続的に従っていることを確保するため、解析、監視、試験及び検査による確認が実施されること。
第15条 放射線防護
締約国は、作業員及び公衆が原子力施設に起因する放射線にさらされる程度がすべての運転状態において合理的に達成可能な限り低く維持されること並びにいかなる個人も国内で定める線量の限度を超える放射線量にさらされないことを確保するため、適当な措置をとる。
第16条 緊急事態のための準備
 締約国は、原子力施設のための敷地内及び敷地外の緊急事態計画(適当な間隔で試験が行われ、かつ、緊急事態の際に実施される活動を対象とするもの)が準備されることを確保するため、適当な措置をとる。この計画は、新規の原子力施設については、当該施設の運転が規制機関によって同意された低い出力の水準を超える水準で行われる前に、その準備及び試験が行われる。
 締約国は、自国の住民及び原子力施設の近隣にある国の権限のある当局が、放射線緊急事態の影響を受けるおそれがある限りにおいて、緊急事態計画を作成し及び緊急事態に対応するための適当な情報の提供を受けることを確保するため、適当な措置をとる。
 自国の領域内に原子力施設を有しない締約国は、近隣の原子力施設における放射線緊急事態の影響を受けるおそれがある限りにおいて、自国の領域に係る緊急事態計画(緊急事態の際に実施される活動を対象とするもの)を準備し及びその試験を行うため、適当な措置をとる。

第4節 (d)施設の安全

第17条 立地
締約国は、次のことについて適当な手続が定められ及び実施されることを確保するため、適当な措置をとる。
i.原子力施設の計画された供用期間中その安全に影響を及ぼすおそれのある立地に関するすべての関連要因が評価されること。
ii.計画されている原子力施設が個人、社会及び環境に対して及ぼすおそれのある安全上の影響が評価されること。
iii.原子力施設が継続的に安全上許容され得るものであることを確保するため、必要に応じ、(i)及び(ii)に定めるすべての関連要因が再評価されること。
iv.計画されている原子力施設がその近隣にある締約国の領域に及ぼすおそれのある安全上の影響について、当該締約国が独自に評価することを可能とするため、当該締約国がそのような影響を受けるおそれのある限りにおいて当該締約国との間で協議が行われ及び、要請に応じ、当該締約国に対して必要な情報が提供されること。
第18条 設計及び建設
締約国は、次のことを確保するため、適当な措置をとる。
i.原子力施設の設計及び建設に当たり、事故の発生を防止し及び事故が発生した場合における放射線による影響を緩和するため、放射性物質の放出に対する信頼し得る多重の段階及び方法による防護(深層防護)が講じられること。
ii.原子力施設の設計及び建設に用いられた技術が適切なものであることが、経験上明らかであるか又は試験若しくは解析により認められること。
iii.原子力施設の設計が、特に人的な要因及び人間と機械との接点(マン・マシン・インターフェース)に配慮しつつ、当該施設の運転の信頼性、安定性及び容易性を考慮したものとなっていること。
第19条 運転
締約国は、次のことを確保するため、適当な措置をとる。
i.原子力施設を運転するための最初の許可が、適切な安全解析及び試運転計画であって建設された当該施設が設計及び安全に関する要件に合致していることを示すものに基づいて与えられること。
ii.運転のための安全上の限界を明示するため、必要に応じ、安全解析、試験及び運転経験から得られる運転上の制限及び条件が定められ及び修正されること。
iii.原子力施設の運転、保守、検査及び試験が承認された手続に従って行われること。
iv.事故及び運転上予想される安全上の事象に対応するための手続が定められること。
v.原子力施設の供用期間中、安全に関するすべての分野における必要な工学的及び技術的な支援が利用可能であること。
vi.関係する許可を受けた者が安全上重大な事象につき規制機関に対し時宜を失することなく報告すること。
vii.運転経験についての情報を蓄積し及び解析するための計画が作成され、得られた結果及び結論に基づいて行動がとられ、並びに国際的な団体、運転を行う他の組織及び規制機関との間で重要な経験を共有するため既存の制度が利用されること。
viii.原子力施設の運転による放射性廃棄物の発生が、関係する過程においてその放射能及び分量の双方について実行可能な最小限にとどめられ、並びに当該運転に直接関係し、かつ、当該施設と同一の敷地内で行われる使用済燃料及び廃棄物の必要な処理及び貯蔵が、調整及び処分を考慮して行われること。

第3章 締約国の会合

第20条 検討会合
 締約国は、第22条の規定に従って採択された手続により、第5条の規定に従って提出された報告を検討するための会合(以下「検討会合」という。)を開催する。
 報告に記載された特定の事項を検討するため、必要と認められる場合には、第24条の規定による締約国の代表で構成される部会を設置することができるものとし、当該部会は、検討会合の期間中機能することができる。
 締約国は、他の締約国が提出した報告を討議し及び当該報告に関する説明を求めるための妥当な機会を与えられる。
第21条 日程
 この条約の効力発生の日の後6箇月以内に、締約国の準備会合が開催される。
 締約国は、準備会合において、第1回の検討会合の日を決定する。当該検討会合は、この条約の効力発生の日の後、できる限り速やかに、少なくとも30箇月以内に、開催される。
 締約国は、各検討会合において、次回の検討会合の日を決定する。検討会合の間隔は、3年を超えてはならない。
第22条 手続に関する取決め
 締約国は、前条の規定に従って開催される準備会合において、手続規則及び財政規則を作成し、コンセンサス方式によって採択する。締約国は、特に、手続規則に従い、次の事項に関する規則を定める。
i.第5条の規定に従って提出される報告の形式及び構成に関する指針
ii.報告の提出の日
iii.報告の検討のための手続
 締約国は、検討会合において、必要な場合には、1の(@)から(B)までの事項に関する規則を再検討することができるものとし、手続規則に別段の定めがある場合を除くほか、コンセンサス方式によりその改正を採択することができる。締約国は、また、コンセンサス方式により手続規則及び財政規則を改正することができる。
第23条 特別会合
締約国の特別会合は、次のいずれかの場合に開催される。
i.会合に出席しかつ投票する締約国の過半数が同意する場合。この場合において、棄権は、投票したものとみなす。
ii.締約国の書面による要請がある場合であって、第28条に規定する事務局が当該要請を締約国に通報し、かつ、締約国の過半数が当該要請を支持する旨事務局に通知したとき。この場合において、特別会合は、その通知の後6箇月以内に開催される。
第24条 出席
 締約国は、締約国の会合に出席するものとし、その代表団は、1人の代表並びに自国が必要と認める代表代理、専門家及び顧問によって構成される。
 締約国は、この条約が規律する事項に関して権限を有する政府間機関がオブザーバーとして会合又はその一部に出席することをコンセンサス方式による決定によって招請することができる。オブザーバーは、第27条の規定を書面によって、かつ、事前に受諾することを要求される。
第25条 概要についての報告
締約国は、会合の期間中に討議された事項及び得られた結論について記載した文書をコンセンサス方式によって採択し、及び公衆が利用可能なものとする。
第26条 言語
 締約国の会合の言語は、手続規則に別段の定めがある場合を除くほか、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語とする。
 第5条の規定に従って提出される報告は、提出する締約国の国語又は手続規則において合意される単一の指定された言語(以下「指定言語」という。)で作成される。報告を指定言語以外の国語で提出する締約国は、当該報告の指定言語への翻訳を提供する。
 2の規定にかかわらず、費用が負担される場合には、事務局は、1に定める会合の言語(指定言語を除く。)で提出された報告を指定言語に翻訳する。
第27条 秘密性
 この条約のいずれの規定も、情報の秘密を保護する国内法に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。この条の規定の適用上、「情報」には、特に、(i)個人情報、(ii)知的所有権又は産業上若しくは商業上の秘密であることを理由として保護される情報及び(iii)国家の安全保障又は核物質若しくは原子力施設の防護に関する情報を含む。
 締約国が、この条約により、情報を提供し、かつ、当該情報が1の規定に従って保護されるべきである旨を明示する場合には、当該情報は、これが提供された目的のためにのみ利用されるものとし、その秘密性は、尊重される。
 各会合において締約国が報告の検討を行っている間の議論の内容は、秘密とされる。
第28条 事務局
 国際原子力機関(以下「機関」という。)は、締約国の会合のために事務局としての機能を提供する。
 事務局の任務は、次のとおりとし、機関は、当該任務の遂行中に要した経費をその通常予算の一部として負担する。
i.締約国の会合を招集し、準備し及びそのための役務を提供すること。
ii.この条約により受領し又は取りまとめた情報を締約国に送付すること。
 締約国は、機関に対し、締約国の会合を支援するための他の役務を提供することをコンセンサス方式による決定によって要請することができる。当該役務の提供は、機関がその計画及び通常予算の範囲内で行うことが可能である場合に限る。ただし、そのような提供が可能でない場合であっても、他の財源から任意の拠出が行われるときは、当該役務を提供することができる。

第4章 最終条項その他の規定

第29条 意見の相違の解決
この条約の解釈又は適用について二以上の締約国の間で意見の相違がある場合には、締約国は、その意見の相違を解決するため、締約国の会合の枠組みの中で協議する。
第30条 署名、批准、受諾、承認及び加入
 この条約は、1994年9月20日からその効力発生までの期間、ウィーンにある機関本部において、すべての国による署名のために開放しておく。
 この条約は、署名国によって批准され、受諾され又は承認されなければならない。
 この条約は、その効力発生の後、すべての国による加入のために開放しておく。
i.この条約は、地域的な統合のための機関その他の地域的な機関による署名又は加入のために開放しておく。ただし、当該機関が主権国家によって構成され、かつ、この条約の対象となっている事項に関する国際協定の交渉、締結及び適用を行う権限を有する場合に限る。
ii.(i)に規定する機関は、その権限の範囲内の事項に関し、当該機関のために、この条約により締約国に帰せられる権利を行使し、及び責任を果たす。
iii.当該機関は、この条約の締約国となる際に、第34条に規定する寄託者に対し、当該機関の加盟国、当該機関に適用されるこの条約の条項及びこれらの条項が対象とする分野における当該機関の権限の範囲を示す宣言書を送付する。
iv.当該機関は、その加盟国が有する投票権のほか、いかなる投票権も有しない。
 批准書、受諾書、承認書又は加入書は、寄託者に寄託する。
第31条 効力発生
 この条約は、22の批准書、受諾書又は承認書(原子炉の炉心において臨界を達成したことのある少なくとも一の原子力施設を有する17の国の文書を含むことを要する。)が寄託者に寄託された日の後90日目の日に効力を生ずる。
 1に定める条件を満たすために必要とされる最後の文書が寄託された日の後にこの条約を批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入する国及び地域的な統合のための機関その他の地域的な機関については、この条約は、当該国又は当該機関により適当な文書が寄託者に寄託された日の後90日目の日に効力を生ずる。
第32条 この条約の改正
 締約国は、この条約の改正を提案することができる。改正案は、検討会合又は特別会合において審議される。
 改正案及び改正の理由は、寄託者に提出されるものとし、寄託者は、この提案を速やかに、少なくとも当該提案が審議のために提出される会合の90日前に、締約国に通報する。寄託者は、当該提案について受領した意見を締約国に送付する。
 締約国は、改正案の審議の後、コンセンサス方式により当該改正案の採択に係る決定を行うものとし、コンセンサスに達しない場合には、当該改正案を外交会議に送付するかしないかを決定する。改正案の外交会議への送付に係る決定には、会合に出席しかつ投票する締約国の3分の2以上の多数による議決を必要とする。この場合において、締約国の少なくとも半数が投票の時に出席していなければならず、棄権は、投票したものとみなされる。
 この条約の改正を審議し及び採択する外交会議は、3の規定に従って適当な決定が行われた後1年以内に寄託者によって招集される。外交会議は、改正がコンセンサス方式によって採択されることを確保するためあらゆる努力を払う。そのような採択が可能でない場合には、改正は、すべての締約国の3分の2以上の多数による議決で採択される。
 3及び4の規定に従って採択されたこの条約の改正は、締約国によって批准され、受諾され、承認され又は確認されなければならない。改正は、少なくとも4分の3の締約国の関係文書を寄託者が受領した後90日目の日に、当該改正を批准し、受諾し、承認し又は確認した締約国について効力を生ずる。改正は、その後当該改正を批准し、受諾し、承認し又は確認する締約国については、当該締約国が関係文書を寄託した後90日目の日に効力を生ずる。
第33条 廃棄
 締約国は、寄託者に対して書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。
 廃棄は、寄託者が1の通告を受領した日の後1年を経過した日又はそれよりも遅い日であって当該通告において指定されている日に効力を生ずる。
第34条 寄託者
 この条約の寄託者は、国際原子力機関事務局長とする。
 寄託者は、締約国に対し、次の事項を通報する。
i.第30条の規定によるこの条約の署名及び批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託
ii.第31条の規定によりこの条約が効力を生ずる日
iii.前条の規定により行われるこの条約の廃棄及びその廃棄の日の通告
iv.第32条の規定により、締約国によって提出されたこの条約の改正案、関係する外交会議又は締約国の会合によって採択された改正及びその改正が効力を生ずる日。
第35条 正文
この条約は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とし、その原本は、寄託者に寄託される。寄託者は、その認証謄本を締約国に送付する。

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。
1994年6月17日にウィーンで作成された。