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サービスの貿易に関する一般協定の第2議定書

  平成8・8・23・条約  8号  
発効平成8・9・1・外務省告示437号  


 金融サービスに関する自国の特定の約束に係る表又はサービスの貿易に関する一般協定第2条の免除に係る表をこの議定書に附属させる世界貿易機関(WTO)の加盟国(以下「関係加盟国」という。)は、
 1994年4月15日にマラケシュにおいて採択された金融サービスに関する閣僚決定に基づき交渉を行い、
 金融サービスに関する第2附属書及び1995年6月30日にサービスの貿易に関する理事会によって採択された同附属書の適用に関する決定に考慮を払って、次のとおり協定する。
 
 この議定書に附属する金融サービスに関する加盟国の特定の約束に係る表又は第2条の免除に係る表は、この議定書が当該加盟国について効力を生ずる時に、当該加盟国の特定の約束に係る表又は第2条の免除に係る表の金融サービスに関する部分に代わるものとする。
 
 この議定書は、1996年6月30日まで関係加盟国による署名その他の方法によって行う受諾のために開放しておく。
 
 この議定書は、すべての関係加盟国が受諾した日の後30日目の日に効力を生ずる。すべての関係加盟国が1996年7月1日前にこの議定書を受諾しなかった場合には、同日前にこの議定書を受諾した加盟国は、その後30日以内にこの議定書の効力発生に関する決定を行うことができる。
 
 この議定書は、世界貿易機関事務局長に寄託する。世界貿易機関事務局長は、世界貿易機関の各加盟国に対し、この議定書の認証謄本及び3の規定によるこの議定書の受諾に関する通告書を速やかに送付する。
 
 この議定書は、国際連合憲章第102条の規定に従って登録する。
1995年10月6日にジュネーヴで、この議定書に附属する表に関して別段の定めがある場合を除くほか、ひとしく正文である英語、フランス語及びスペイン語により本書一通を作成した。
日本国の特定の約束に係る表

7金融サービス
 日本国は、金融サービスに関し、この協定の第三部及び金融サービスに関する附属書の規定に加えて「金融サービスに係る約束に関する了解」(以下「了解」という。了解は、この約束表に附属するものとし、この約束表の不可分の一部を成す。)に従い、この協定に基づく特定の約束を行う。金融サービスの分野においては、了解に基づく義務をこの協定の第三部及び金融サービスに関する附属書の規定に基づく義務に追加して負うものとする。
 日本国は、金融サービスに関する附属書2(a)の文脈における信用秩序の維持を理由として、業務上の拠点の法的な形態に対する差別的でない制限等の措置をとることを妨げられない。日本国は 同様の理由により、新たな金融サービスの市場への進出に対する差別的でない制限(このような信用秩序の維持の目的を達成するための規則の枠組みに合致するもの)を課することを妨げられない。このこととの関連において、証券会社は、日本国の関係法に定義する有価証券を取り扱うことを認められ、及び銀行は、当該関係法に従って認められる場合を除くほか、当該有価証券を取り扱うことを認められない。
 金融サービスの分野に係る特定の約束に関し、サービス提供者が積極的な勧誘を行なうことなく日本国以外の加盟国の領域内で日本国内のサービス消費者に提供するサービスについては、この協定第1条2(b)の規定に基づいて提供するサービスであると認める。
分野市場アクセスにかかわる制限内国民待遇に係る制限追加的な約束
A 保険及び保険関連のサービス この協定第1条2の(a)及び(b)に規定するサービス提供に関して市場アクセスに係る制限の欄に記載する特定の約束については、それぞれ了解の3及び4の規定に基づきこの分野においてこの協定の第三部及び金融サービスに関する附属書の規定に基づく義務に追加して負う義務を除くほか、約束をしない。了解3及び4の規定に基づく義務については、次の条件及び制限に従う。  
(1) 次に掲げるもの及びこれらのものから生ずる責任に係る保険契約については、原則として業務上の拠点が必要である。
(a) 日本国内で運送される貨物
(b) 日本国籍の船舶及び航空機
国際海上運送に使用される日本国籍の船舶及び日本国籍の航空機に係る国境を越える保険取引については、1996年6月末日までに自由化する。
自動車損害賠償責任保険については、政府が60パーセントの額を強制的に再保険する。
保険サービスについては、日本国内の仲介を通じて提供することが認められない。
(1) 制限しない。 
(2) 次に掲げるもの及びこれらのものから生ずる責任に係る保険契約については、原則として業務上の拠点が必要である。
(a) 日本国内で運送される貨物
(b) 日本国籍の船舶及び航空機
国際海上運送に使用される日本国籍の船舶及び日本国籍の航空機に係る国境を越える保険取引については、1996年6月末日までに自由化する。
自動車損害賠償責任保険については、政府が60パーセントの額を強制的に再保険する。
保険サービスについては、日本国内の仲介を通じて提供することが認められない。
(2) 制限しない。 
(3) 保険仲立人として業務上の拠点を設置することは、1996年6月末日まで認められない。
自動車損害賠償責任保険については、政府が60パーセントの額を強制的に再保険する。
保険仲介サービスについては、日本国内で免許を受けていない保険サービス提供者が行う保険契約のために提供することが認められない。
(3) 外国生命保険会社は、1996年6月末日まで、日本国通貨で表示された保険契約の責任準備金及び支払備金に相当する額を日本国内において日本国通貨建てで保有することが必要である。
各分野に共通の約束における記載のとおり、研究及び開発に係る補助金については、約束しない。
 
(4) 各分野に共通の約束における記載を除くほか、約束しない。
(4) 各分野に共通の約束における記載を除くほか、約束しない。 
B  銀行サービスその他の金融サービス(保険及び保険関連のサービスを除く。)
 この協定第1条2の(a)及び(b)に規定するサービスの提供に関して市場アクセスに係る制限の欄に記載する特定の約束については、それぞれ、了解の3及び4の規定に基づきこの分野においてこの協定の第三部及び金融サービスに関する附属書の規定に基づく義務に追加して負う義務を除くほか、約束しない。了解の3及び4の規定に基づく義務については、次の条件及び制限に従う。  
(1) 投資一任に係るサービスについては、業務上の拠点が必要である。
(1) 制限しない。 
(2) 外国通貨で表示された日本国外における預金又は信託契約であって、これらの合計額が1億円相当額を超えるもの及び日本国通貨で表示された日本国外における預金又は信託契約については、許可が必要である。営業を行う法人のうち、大蔵省が定める法務、リスク管理及び財務管理に関する体制の基準を満たすものは、ポートフォリオ投資のための1億円相当額を超える外国通貨で表示された日本国外における預金について、期限を定めない許可を与えられる。当該預金については、事後の報告のみを行う。
次の資本取引に係るサービスについては、日本国内の外国為替公認銀行を通じて提供を受けることができ、当該外国為替公認銀行を通じて提供を受けない場合には、原則として許可が必要である。
(a)
(i)小切手、手形等の支払手段の取引
(ii) 外国為替の取引
(iii) 現物決済が行われる外国為替取引を伴う派生商品(例えば、通貨の現物オプション)の取引
営業を行う法人は、許可を受けることなく,自己の勘定において、日本国外の取引所に上場されている全ての証券派生商品に投資することができる。当該投資については、事後の報告のみを行う。
営業を行う法人のうち、大蔵省が定める法務、リスク管理及び財務管理に関する体制の基準を満たすものは、許可を受けることなく、自己の勘定において、日本国外の取引所に上場されている金融の先物又はオプションに投資することができる。当該投資については、事後の報告のみを行う。
(b) 相殺、居住者が非居住者のために行う他の居住者に対する支払、居住者が非居住者のために行う他の居住者による支払の受領等の特殊な方法による決済
(c) スワップ
(2) 制限しない。 
(3) 投資信託の委託サービスの業務上の拠点については、日本国内で設立された法人でなければならない。
(3) 預金保険制度は、外国銀行の支店が扱う預金を対象としない。
各分野に共通の約束における記載のとおり、研究及び開発に係る補助金については、約束しない。
(3) 日本国は、投資一任契約を行うサービス提供者が運用することを厚生大臣によって認定された厚生年金基金の資産に関し、ニュー・マネー(注)とニュー・マネー以外の資産の区分を使用しない。
注 「ニュー・マネー」とは厚生大臣が厚生年金基金の資産運用の方法を拡大して投資一任に係るサービスを含めることにつき適格であることを認定した日以後に当該基金が徴収した掛金の累積により主として構成される資産をいう。
(4) 各分野に共通の約束における記載を除くほか、約束しない。
(4) 各分野に共通の約束における記載を除くほか、約束しない。
 
金融サービスに係る約束に関する了解

 ウルグァイラウンドの参加国は、金融サービスに関し、サービスの貿易に関する一般協定(以下「協定」という。)に基づく特定の約束を協定第三部に定める方法に代わる方法に基づいて行うことができる。この方法については次の了解に従って適用することが合意された。
(i)当該方法は、協定の規定に抵触しないものとする。
(ii)当該方法は、協定第三部に定める方法に従って特定の約束を記載する加盟国の権利を害さないものとする。
(iii)当該方法に基づいて行われた特定の約束は、最恵国待遇に基づいて適用する。
(vi)加盟国が協定に基づいて約束する自由化の程度について、予断を生ぜしめない。関心を有する加盟国は、次に規定する方法に適合する特定の約束を、交渉に基づき、かつ特定した条件及び制限を付して自国の約束表に記載する。

A 現状維持
次のB及びCの約束に対して課される条件及び制限は、当該約束に適合しない現行の措置に限る。
B 市場アクセス
独占権
1 協定第8条の規定に加えて、次の規定を適用する。
加盟国は、金融サービスに係る自国の約束表に現行の独占権を掲げるものとし、当該独占権を撤廃し又は当該独占権の範囲を縮小するよう努める。この1の規定は、金融サービスに関する附属書1(b)の規定にかかわらず、同附属書1(b)(iii)に規定する活動について適用する。
公的機関が購入する金融サービス
2 加盟国は、協定第13条の規定にかかわらず、自国の公的機関が自国の領域内で金融サービスを購入し又は取得するに当たり、当該領域内で設立された他の加盟国の金融サービス提供者に対し最恵国待遇及び内国民待遇を与えることを確保する。
国境を越える取引
3 加盟国は、非居住者である金融サービス提供者に対し、内国民待遇を確保しつつ本人として又は仲介により若しくは仲介者として次のサービスを提供することを許可する。
(a)次の事項に関連する危険に対する保険
(i)海上運送、商業航空並びに宇宙空間への打上げ及び運送貨物(衛星を含む。)。当該保険は、運送される貨物及び貨物を運送する手段並びにこれらのものから生ずる責任のいずれか又はすべてを対象とする。
(ii)国際間の運送中の貨物
(b)再保険及び再々保険並びに金融サービスに関する附属書5(a)(iv)に規定する保険の補助的なサービス
(c)金融サービスに関する附属書5(a)(xv)に規定する金融情報の提供、金融情報の移転及び金融データの処理並びに同附属書5(a)(xvi)に規定する銀行サービスその他の金融サービスについての助言その他の補助的な金融サービス(仲介を除く。)
4 加盟国は、自国の居住者が他の加盟国の領域内で次の金融サービスを購入することを許可する。
(a)3(a)に規定する金融サービス
(b)3(b)に規定する金融サービス
(c)金融サービスに関する附属書5(a)の(v)から(xvi)までに規定する金融サービス
業務上の拠点
5 加盟国は、他の加盟国の金融サービス提供者に対し、自国の領域内で業務上の拠点を設け又は拡張する権利(既存の企業の取得により業務上の拠点を設け又は拡張する権利を含む。)を与える。
6 加盟国は、5の規定に基づく自国の義務を回避せず、かつ、協定に定めるその他の義務に適合する場合には、業務上の拠点を設け又は拡張することを許可するための条件及び手続を課することができる。
新たな金融サービス
7 加盟国は、自国の領域内で設立された他の加盟国の金融サービス提供者に対し、新たな金融サービスを当該領域内で提供することを許可する。
情報の移転及び処理
8 いかなる加盟国も、電磁的手段によるデータの移転を含む情報の移転若しくは金融情報の処理又は機器の移転が金融サービス提供者の通常の業務の遂行にとって必要である場合には、当該情報の移転又は金融情報の処理を妨げる措置をとってはならず、また、国際協定に適合する輸入規則に基づく場合を除くほか、当該機器の移転を妨げる措置をとってはならない。この8の規定は、個人の情報、私生活並びに個人の記録及び勘定の秘密を保護する加盟国の権利を制限するものではない。ただし、当該権利が協定の規定を回避するために行使されないことを条件とする。
人員の一時的な入国
(a)加盟国は、自国の領域内に業務上の拠点を設けている他の加盟国の金融サービス提供者の次の人員が自国の領域へ一時的に入国することを許可する。
(i)金融サービス提供者のサービスの開設、管理又は営業にとって重要な専有の情報を有している上級の管理職員
(ii)金融サービス提供者の業務上の専門家
(b)加盟国は、他の加盟国の金融サービス提供者の業務上の拠点に関連する次の人員が自国の領域内で有資格者として利用可能であることを条件として、自国の領域へ一時的に入国することを許可する。
(i)金融サービス提供者の会計、電子計算機サービス又は電気通信サービスの専門家
(ii)保険数理又は法律の専門家
差別的でない措置
10 加盟国は、次の措置が他の加盟国の金融サービス提供者に及ぼす著しい悪影響を除去し又は限定するよう努める。
(a)金融サービス提供者が当該加盟国の領域内で当該加盟国が定める形態により金融サービスを提供するに当たり、当該加盟国が許容するすべての金融サービスを提供することを妨げる差別的でない措置
(b)金融サービス提供者の活動が当該加盟国の領域全体に拡張することを制限する差別的でない措置
(c)当該加盟国が銀行サービス及び証券サービスの双方の提供について同一の措置をとる場合において、他の加盟国の金融サービス提供者が自己の活動を証券サービスの提供に集中しているときは、当該措置
(d)他の加盟国の金融サービス提供者が業務を行い、競争し又は当該加盟国の市場に進出する能力に対し、協定の規定を尊重する措置であっても悪影響を及ぼす他の措置ただし、この10の規定に基づいてとられる措置は、当該措置をとる加盟国の金融サービス提供者を不当に差別しないものとする。
11 加盟国は、10の(a)及び(b)に規定する差別的でない措置に関し、市場への進出の機会の現在の程度及び他のすべての加盟国の金融サービス提供者が自国の領域内で一の階級として既に享受している利益を限定し又は制限しないよう努める。ただし、この約束が当該措置をとる加盟国の金融サービス提供者を結果として不当に差別することとならないことを条件とする。
C 内国民待遇
1 加盟国は、内国民待遇を確保しつつ、自国の領域内で設立された他の加盟国の金融サービス提供者に対し、公的機関が運用する支払及び清算の制度並びに通常の業務において利用可能な公的な資金供与及びリファイナンスの制度の利用を認める。この1の規定は、加盟国の最終的な決済手段の貸手の利用を認めることを意図するものではない。
2 加盟国は、他の加盟国の金融サービス提供者が自国の金融サービス提供者と平等に金融サービスを提供するため自主規則団体、有価証券若しくは先物の取引所若しくは市場、清算機関その他の組織若しくは団体の構成員となり、これらに参加し若しくはこれらを利用することを要求している場合又は金融サービスの提供に当たりこれらの組織若しくは団体に対し直接若しくは間接に特権若しくは利益を与えている場合には、当該組織又は団体が自国の領域内に居住している他の加盟国の金融サービス提供者に対し内国民待遇を与えることを確保する。
D 定義
この方法の適用上、
1 「非居住者である金融サービス提供者」とは、加盟国の領域へ他の加盟国の領域内に所在する事業所から金融サービスを提供する当該加盟国以外の加盟国の金融サービス提供者をいう。この場合において、当該金融サービス提供者が金融サービスを提供する当該加盟国の領域内に業務上の拠点を有するか有しないかを問わない。
2 「業務上の拠点」とは、金融サービスを提供するための加盟国の領域内の企業をいい、子会社(その全部又は一部が所有されているもの)、合弁企業、組合、個人企業、フランチャイズ経営、支店、代理店、代表事務所その他の組織を含む。
3 「新たな金融サービス」とは、金融の性格を有するサービス(既存の又は新たな商品に関連するサービス及び商品が納入される態様を含む。)であって、金融サービス提供者によって当該加盟国の領域内では提供されていないが他の加盟国の領域内では提供されているものをいう。
(我が国以外の特定の約束に係る表及び第2条の免除に係る表は省略)

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