1 各締約国は、自国の国民及び自国の旗を掲げる漁船がこの条約の規定及びこれに基づいて採択される措置を遵守することを確保するため、すべての必要な措置をとる。この条約の適用上、「漁船」とは、海洋生物資源の商業上の採捕のために使用され又は使用されることを目的とする船舶(母船その他そのような採捕活動に直接従事する船舶を含む。)をいう。
2 各締約国は、次のことを確保する。
(a) 自国の漁船が自国が与える個別の許可に基づいてのみ条約区域においてすけとうだらを採捕すること。
(b) この条約の規定又は(a)の許可に違反する自国の漁船によるすけとうだらの採捕活動が自国の法令違反となること。
3 各締約国は、条約区域においてすけとうだらを採捕する自国の漁船に対して次のことを要求する。
(a) ベーリング海にある間リアルタイム衛星船位測定送信機を使用すること。
(b) 条約区域に入る48時間前までに入域の意図を他の締約国に通報すること(そのための手続は、年次会議が定める。)。
(c) 魚類及びその製品を運搬船に転載する24時間前までにその転載の位置を他の締約国に通報すること。
4
(a) 締約国は、リアルタイム衛星船位測定送信機によって収集した情報を二国間の経路を通じて直ちに交換する。
(b) 締約国は、関係する保存管理措置の効果的な実施を確保するため、年次会議が定める十分な頻度で漁獲データを交換する。
5 締約国は、次の原則に従って中央ベーリング海視察員計画を作成する。
(a) 条約区域においてすけとうだらを採捕する締約国の各漁船は、旗国以外の締約国の要請がある場合には、関係締約国が十分な余裕をもって事前に二国間で定める条件の下で、当該旗国以外の締約国の視察員1人を受け入れる。旗国以外の締約国の視察員がいないときは、当該漁船は、旗国である締約国の視察員1人を乗船させる。
(b) 視察員は、同計画に定める手続に従って訓練されかつ認定される。
(c) 同計画は、旗国以外の締約国の派遣する視察員が相当な割合で乗船することを確保することを目的とする。
(d) 各締約国は、自国の漁船に対し、旗国以外の締約国が派遣する視察員の食事及び居住に係る費用を負担することを要求する。費用に係る他の事項は、関係締約国間で調整する。
(e) 視察員の活動には、この条約に基づいて採択される保存管理措置(例えば、操業及びその位置、混獲並びに漁具に関する措置)の実施状況を監視すること並びにその結果を旗国である締約国及び当該視察員が所属する締約国に対して報告することを含む。
6 各締約国は、条約区域において、次の規定に従い、この条約の規定を実施することができる。
(a) 各締約国は、この条約及びこれに基づいて採択される措置の遵守のため、他の締約国の正当に権限を有する公務員が、条約区域にある自国の旗を掲げる漁船に対して乗船及び検査を行うことに同意する。
(b) (a)の公務員は、船舶(船員室区域及び機関区域を除く。)、漁獲物、漁具、関係書類及び航海日誌を検査し、並びに船上にある船長、漁ろう長及び上級乗組員に対して質問することができる。
(c) (a)の公務員は、検査を行うに当たり、自国政府が発行した身分証明書を提示し、この条約の規定に基づいて行われる漁船の活動に対する妨げ及び不便を最小のものにし、並びに年次会議が採択する手引書に定める手続に従わなければならない。
7 6の規定に基づいて行われた漁船の検査により、この条約の規定及びこれに基づいて採択される措置についての違反の証拠が発見された場合には、次の定めるところによる。
(a) 違反の容疑は、当該漁船の旗国である締約国に対して速やかに通報される。当該締約国は、自国の法令に従って迅速な調査を含む適当な措置をとる。当該締約国は、当該漁船に対し、この条約の規定又はこれに基づいて採択される措置に違反する操業を停止するよう命じ、及び、適当な場合には、条約区域から直ちに離れるよう命ずる。
(b) 次のi、ii又はiiiのいずれかの場合において、当該漁船の旗国である締約国が直ちに当該操業を取り締まることができないとき又はその他の方法によって当該操業に係る責務を遂行できないときは、6の規定に基づいて当該漁船に乗船した公務員は、当該漁船の旗国である締約国の公務員が当該漁船に乗船し又は当該締約国がその他の方法によって当該漁船の操業に係る責務を遂行するまでの間、その乗船を継続することができる。
i 当該漁船が、次のいずれかのときに条約区域においてすけとうだらの採捕(認められた試験的採捕を除く。)に従事した場合
(1) 漁獲可能水準が零である年
(2) 各年においてこの条約の規定に従いすけとうだらの採捕が認められていない期間
(3) 各年において当該漁船の旗国である締約国のすけとうだらの総漁獲量が当該締約国の国別割当量に達した後
ii 当該漁船が、旗国である締約国の個別の許可なく条約区域において操業を行った場合
iii 当該漁船が、年次会議の採択する手引書に定める状況において視察員が乗船することなく又は作動可能なリアルタイム衛星船位測定送信機を備え付けることなく、条約区域において操業を行った場合
この(b)の規定の適用がある場合において、関係締約国は、この条約の規定及びこれに基づいて採択される保存管理措置の十分な遵守を確保するために協力する。関係締約国は、特に、協議を行い、及びそのような遵守を確保するために必要となる実際的な措置をとる。
(c) 旗国である締約国の当局のみが、違反を裁判し、かつ、これに対する刑を科することができる。違反を証明するために必要な証拠は、この条約の締約国の管轄下にある限り、それぞれの締約国の法令に従い、違反を裁判する裁判管轄権を有する締約国にできる限り速やかに提供されなければならず、また、当該裁判管轄権を有する締約国の関係当局は、その証拠を考慮し及び、適当な場合には、これを用いなければならない。
(d) 締約国の関係法令に規定される刑は、違反の重大性を反映するものとしなければならない。