1971年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する1992年の議定書
平成7・9・19・条約 19号==
改正平成15・12・9・外務省告示477号−−
1971年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する1992年の議定書をここに公布する。
この議定書の締約国は、
1971年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約及び同条約の1984年の議定書を考慮し、
適用範囲の拡大及び補償の拡充について定める同議定書が効力を生じていないことに留意し、
油による汚染に関する責任並びに賠償及び補償の国際的な制度を存続させることが重要であることを確認し、
1984年の議定書の内容ができる限り速やかに効力を生ずることを確保することが必要であることを認識し、
この議定書によって改正された条約が経過期間において改正前の条約と共存し、かつ、これを補足するように措置をとることが締約国にとって利益となることを認識し、
船舶によるばら積みの油の海上輸送によって生ずる汚染損害の経済的影響は、引き続き船舶の所有者及び油について利害関係を有する者によって負担されるべきであることを確信し、
1969年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する1992年の議定書が採択されたことに留意して、
次のとおり協定した。
第1条 この議定書が改正する条約は、1971年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約(以下「1971年基金条約」という。)である。1971年基金条約の1976年の議定書の締約国については、「1971年基金条約」というときは、同議定書によって改正された1971年基金条約をいうものとする。
第2条 1971年基金条約第1条を次のように改正する。
1 1を次のように改める。
1 「1992年責任条約」とは、1992年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約をいう。
2 1の次に1の二として次のように加える。
1の二 「1971年基金条約」とは、1971年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約をいう。同条約の1976年の議定書の締約国については、「1971年基金条約」というときは、同議定書によつて改正された1971年基金条約をいうものとする。
3 2を次のように改める。
2 「船舶」、「者」、「所有者」、「油」、「汚染損害」、「防止措置」、「事故」及び「機関」という語は、1992年責任条約第1条において定義されるこれらの語の意味と同一の意味を有する。
4 4を次のように改める。
4 「計算単位」という語は、1992年責任条約第5条9において定義されるこの語の意味と同一の意味を有する。
5 5を次のように改める。
5 「船舶のトン数」という語は、1992年責任条約第5条10において定義されるこの語の意味と同一の意味を有する。
6 7を次のように改める。
7 「保証提供者」とは、1992年責任条約第7条1の規定に従つて所有者の責任を担保するための保険その他の金銭上の保証を提供する者をいう。
第3条 1971年基金条約第2条を次のように改正する。
1を次のように改める。
1 「1992年の油による汚染損害の補償のための国際基金」(以下「基金」という。)と称する汚染損害の補償のための国際基金をこの条約により設立する。基金は、次のことを目的とする。
(a) 1992年責任条約によつて与えられる保護が十分でない範囲において汚染損害の補償を行うこと。
(b) この条約に規定する関連した目的を達成すること。
第4条 1971年基金条約第3条を次のように改める。
第3条 この条約は、次のものについてのみ適用する。
(a) 次の区域において生ずる汚染損害
(i) 締約国の領域(領海を含む。)
(ii) 国際法に従つて設定された締約国の排他的経済水域。排他的経済水域を設定していない締約国については、その締約国の領海に接続しかつその締約国が国際法に従つて決定する水域であつて、領海の幅を測定するための基線から200海里を超えないもの
(b) (a)の汚染損害を防止し又は最小限にするための防止措置(とられた場所のいかんを問わない。)
第5条 1971年基金条約第4条の前の見出し中「及び補てん」を削る。
第6条 1971年基金条約第4条を次のように改正する。
1 1中「責任条約」を「1992年責任条約」に改める。
2 3を次のように改める。
3 基金は、汚染損害が、専ら又は部分的に、汚染損害を被つた者の作為若しくは不作為(損害をもたらすことを意図したものに限る。)又は過失によつて生じたことを証明した場合には、その者に対する補償の義務の全部又は一部を免れることができる。基金は、いかなる場合にも、船舶の所有者が1992年責任条約第3条3の規定に基づいて責任を免れたときは、その範囲で義務を免れる。ただし、防止措置については、この限りでない。
3 4を次のように改める。
4
(a) (b)及び(c)の規定が適用される場合を除くほか、基金がこの条の規定に基づいて支払う補償の総額は、一の事故について、その額と前条の規定によりこの条約の対象とされている汚染損害につき1992年責任条約に基づいて実際に支払われる賠償額との合計額が2億300万計算単位を超えないように制限される。
(b) (c)の規定が適用される場合を除くほか、例外的、不可避的かつ不可抗力的な性質を有する一の自然現象によつて生じた汚染損害につき基金がこの条の規定に基づいて支払う補償の総額は、2億300万計算単位を超えないものとする。
(c) (a)及び(b)に規定する補償の総額の最高額は、この条約のいずれかの三の締約国の領域内で前暦年中に受け取られた拠出油についてその量が合計6億トン以上となる期間がある場合において、当該期間中に生じた事故については、3億74万計算単位とする。
(d) 1992年責任条約第5条3の規定に従つて形成された基金について生じた利子は、基金がこの条の規定に基づいて支払う補償の総額の算定上考慮に入れないものとする。
(e) この条に規定する金額は、基金の総会が補償の支払の最初の日を決定する日に当該国の通貨が特別引出権に対して有する価値に従つて、当該通貨に換算する。
4 5を次のように改める。
5 基金に対する確定された債権の額が4の規定に基づいて支払われる補償の総額を超える場合には、支払に充てられる金額は、確定された債権の額と債権者に対しこの条約に基づいて実際に支払われる金額との割合がすべての債権者について同一となるような方法で分配する。
5 6を次のように改める。
6 基金の総会は、例外的な場合においては、船舶の所有者が1992年責任条約第5条3に規定する基金を形成していないときであつても、この条約に基づく補償が支払われることを決定することができる。この場合には、4(e)の規定を適用する。
第7条 1971年基金条約第5条を次のように改める。
第8条 1971年基金条約第6条を次のように改正する。
1 1中「1」及び「又は前条の規定に基づく補てん」を削り、「これらの」を「同条の」に改める。
2 2を削る。
第9条 1971年基金条約第7条を次のように改正する。
1 1、3、4及び6中「責任条約」を「1992年責任条約」に改める。
2 1中「又は第5条の規定に基づく補てん」を削る。
3 3前段中「又は第5条の規定に基づく補てん」を削る。
4 3後段中 「又は第5条1」を削る。
第10条 1971年基金条約第8条中「責任条約」を「1992年責任条約」に改める。
第11条 1971年基金条約第9条を次のように改正する。
1 1を次のように改める。
1 基金は、第4条1の規定に従つて基金が支払つた汚染損害の補償の金額に関し、その補償の支払いを受けた者が1992年責任条約に基づき所有者又はその保証提供者に対して有したであろう権利を代位によつて取得する。
2 2中「又は補てん」を削る。
第12条 1971年基金条約第10条を次のように改正する。
1中「拠出金は」を「年次拠出金は」に改め、「当初拠出金については次条1に、年次拠出金については」及び「それぞれ」を削る。
第13条 1971年基金条約第11条を次のように改める。
第14条 1971年基金条約第12条を次のように改正する。
1 1中「第10条に規定するそれぞれの者が支払うべき」を「支払われるべき」に改める。
2 (1)(i)(b)及び(c)中「又は第5条」を削り、「1500万フラン」を「400万計算単位」に改める。
3 1(ii)(b)を削る。
4 1(ii)中(c)を(b)とし、(d)を(c)とする。
5 2(a)及び(b)以外の部分を次のように改める。
総会は、徴収されるべき拠出金の総額を決定する。第10条に規定するそれぞれの者の年次拠出金の額については、事務局長が、その総会の決定に基づき、各締約国に関し、
6 4を次のように改める。
4 年次拠出金は、基金の内部規則に定める日に支払うものとする。総会は、これと異なる支払の日を決定することができる。
7 5を次のように改める。
5 総会は、基金の会計規則に定めるところに従い、2(a)の規定に基づいて受け取られた資金と2(b)の規定に基づいて受け取られた資金との間で移転を行うことを決定することができる。
8 6を削る。
第15条 1971年基金条約第13条を次のように改正する。
1 1を次のように改める。
1 前条の規定に基づいて支払われるべき拠出金で支払が遅滞しているものには、基金の内部規則に従つて決定される率で利子を付する。その率は、状況に応じて異なるものとすることができる。
2 3中「第11条」を「前条」に改め、「3箇月を超えて」を削る。
第16条 1971年基金条約第15条に4として次のように加える。
4 締約国が2に定める通知及び送付を事務局長に対して行う義務を履行しない結果として基金に金銭上の損失が生じた場合には、当該締約国は、基金に対し当該損失について賠償を行う責任を負う。総会は、事務局長の勧告に基づき、当該締約国が当該損失について賠償を行うか行わないかを決定する。
第17条 1971年基金条約第16条を次のように改める。
第16条 基金に、総会及び事務局長を長とする事務局を置く。
第18条 1971年基金条約第18条を次のように改正する。
1 1から14まで以外の部分中「第26条の規定が適用される場合を除くほか、」を削る。
2 8を次のように改める。
3 9を次のように改める。
9 必要と認める臨時又は常設の補助機関を設け、それらの機関の付託条項を定め、及びそれらの機関が与えられた任務を遂行するために必要な権限を付与すること。総会は、補助機関の構成員を任命するに当たり、構成員の衡平な地理的配分及び最も多量の拠出油が受け取られている締約国が適切に代表されることを確保するように努めるものとする。総会の手続規則は、補助機関の作業について準用することができる。
4 10中「、理事会」を削る。
5 11中「、理事会」を削る。
6 12を次のように改める。
第19条 1971年基金条約第19条を次のように改正する。
1 1を次のように改める。
1 総会の通常会期は、事務局長の招集により毎暦年1回開催する。
2 2中「理事会の要請又は」 を削る。
第20条 1971年基金条約第21条の前の見出しを削り、同条から第27条までを次のように改める。
第21条 1971年基金条約第29条を次のように改正する。
1 1を次のように改める。
1 事務局長は、基金の首席行政官であるものとし、総会の指示に従うことを条件として、この条約、基金の内部規則及び総会によつて与えられる任務を遂行する。
2 2(e)中「又は理事会」を削る。
3 2(f)中「又は、場合に応じ、理事会」を削る。
4 2(g)を次のように改める。
(g) 前暦年における基金の活動についての報告を総会の議長と協議の上作成し、及びこれを公表すること。
5 2(h)中「、理事会」を削る。
第22条 1971年基金条約第31条1中「並びに理事会」を削る。
第23条 1971年基金条約第32条を次のように改正する。
1 (a)から(d)まで以外の部分中「及び理事会」を削る。
2 (b)中「及び理事会」を削る。
第24条 1971年基金条約第33条を次のように改正する。
1 1を削る。
2 2中「2」を削る。
3 (c)を次のように改める。
(c) 第18条9の規定に基づく補助機関の設置及びその関連事項
第25条 1971年基金条約第35条を次のように改める。
第35条 この条約の効力発生の日の後に生ずる事故に関し第4条の規定に基づいて行われる補償の請求は、その効力発生の日の後120日目の日前に基金に対して行うことができない。
第26条 1971年基金条約第36条の次に次の4条を加える。
第36条の2 この条約が効力を生ずる日から1971年基金条約を改正する1992年の議定書第31条に規定する廃棄が効力を生ずる日までの期間(以下「経過期間」という。)において、次の(a)から(d)までの経過規定を適用する。
(a) 第2条1(a)の規定の適用に当たり、「1992年責任条約」というときは、1969年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(1976年の議定書によつて改正される前の同条約又は同議定書によつて改正された同条約をいうものとし、以下この条において、1969年責任条約」という。)及び1971年基金条約を含めていうものとする。
(b) 基金は、事故がこの条約の対象とされている汚染損害をもたらした場合であつて、汚染損害を被つた者がその損害につき1969年責任条約、1971年基金条約及び1992年責任条約の下で十分かつ適正な賠償又は補償を受けることができないときにのみ、その範囲でその者に対して補償を行う。ただし、基金は、この条約の対象とされている汚染損害に関し、この条約の締約国であるが1971年基金条約の締約国でない国については、その国がこれらの双方の条約の締約国であつたとしても汚染損害を被つた者が十分かつ適正な賠償又は補償を受けることができなかつたであろう場合にのみ、その範囲でその者に対して補償を行う。
(c) 第4条の規定の適用に当たり、基金が支払う補償の総額を決定する上で考慮する金額には、1969年責任条約に基づいて実際に支払われる賠償額がある場合には当該賠償額、及び1971年基金条約に基づいて実際に支払われる又は支払われたものとみなされる補償の金額を含めるものとする。
(d) 第9条1の規定は、1969年責任条約に基づく権利について準用する。
第36条の3 1 4の規定に従うことを条件として、一の締約国において1暦年中に受け取られた拠出油について支払われる年次拠出金の合計額は、当該暦年についての1971年基金条約を改正する1992年の議定書に基づく年次拠出金の総額の27.5パーセントを超えないものとする。
2 第12条2及び3の規定の適用の結果として、一の締約国における拠出者が1暦年に支払う拠出金の合計額が年次拠出金の総額の27.5パーセントを超える場合には、当該締約国におけるそれぞれの拠出者が支払う拠出金は、その合計額が当該総額の27.5パーセントに等しくなるように、一定の割合で減額する。
3 いずれかの締約国における拠出者が支払う拠出金が2の規定に基づいて減額される場合には、他のすべての締約国における拠出者が支払う拠出金は、当該暦年に基金への拠出をしなければならないすべての者が支払う拠出金の総額が総会の決定する拠出金の総額に達するように、一定の割合で増額する。
4 1から3までの規定は、すべての締約国において一暦年中に受け取られた拠出油の総量が7億5000万トンに達する日又は1992年の議定書が効力を生じた日の後5年の期間が満了する日のいずれか早い日まで適用する。
第36条の4 この条約の規定にかかわらず、1971年基金条約及びこの条約の双方が効力を有している期間、次の(a)から(f)までの規定を基金の管理について適用する。
(a) 1971年基金条約によって設立された基金(以下「1971年基金」という。)の事務局及びその長である事務局長は、基金の事務局及び事務局長として任務を遂行することができる。
(b) 171年基金の事務局及び事務局長が(a)の規定に基づき基金の事務局及び事務局長として任務を遂行する場合であつて、1971年基金と基金との間において利害が異なるときは、基金は、基金の総会の議長によつて代表される。
(c) 事務局長並びに事務局長が任命する職員及び専門家がこの条約及び1971年基金条約に基づいて任務を遂行する場合には、これらの者がこの条の規定に基づいて任務を遂行する限り、第30条の規定に違反するものとはみなされない。
(d) 基金の総会は、1971年基金の総会が行う決定と両立しない決定を行わないように努める。管理上の共通の問題について意見の相違が生ずる場合には、基金の総会は、相互協力の精神に基づき、かつ、双方の基金の共通の目的に留意し、1971年基金の総会と意見の一致に達するように努める。
(e) 基金は、1971年基金の総会が1971年基金条約第44条2の規定に基づいてその旨の決定を行う場合には、1971年基金の権利、義務及び資産を承継することができる。
(f) 基金は、1971年基金が基金に代わつて行う管理上の役務について要するすべての費用及び経費を償還する。
第36条の5 最終規定
1971年基金条約を改正する1992年の議定書第28条から第39条までの規定をこの条約の最終規定とする。この条約において「締約国」というときは、同議定書の締約国をいうものとする。
1 1971年基金条約及びこの議定書は、この議定書の締約国の間において、単一の文書として一括して読まれ、かつ、解釈されるものとする。
2 この議定書によって改正された1971年基金条約第1条から第36条の5までの規定は、1992年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約(1992年基金条約)と称するものとする。
1 この議定書は、1993年1月15日から1994年1月14日まで、ロンドンにおいて、1992年責任条約に署名した国による署名のために開放しておく。
2 4の規定に従うことを条件として、この議定書は、これに署名した国によって批准され、受諾され又は承認されなければならない。
3 4の規定に従うことを条件として、この議定書は、これに署名しなかった国による加入のために開放しておく。
4 1992年責任条約を批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入している国のみが、この議定書を批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入することができる。
5 批准、受諾、承認又は加入は、そのための正式の文書を機関の事務局長に寄託することによって行う。
6 この議定書の締約国であるが1971年基金条約の締約国でない国は、この議定書の他の締約国との関係においてはこの議定書によって改正された同条約によって拘束されるが、同条約の締約国との関係においては同条約によって拘束されない。
7 この議定書によって改正された1971年基金条約についてその後改正が行われた場合には、当該その後の改正が効力を生じた後に寄託される批准書、受諾書、承認書又は加入書は、この議定書によって改正され、かつ、当該その後の改正が行われた同条約に係るものとみなす。
1 いずれの国も、この議定書が当該国について効力を生ずる前は、前条5に規定する文書を寄託する時及びその後毎年機関の事務局長が決定する日に、同事務局長に対し、当該国に関しこの議定書によって改正された1971年基金条約第10条の規定に従い基金への拠出をしなければならないであろう者の氏名又は名称及び住所を通知し、並びにその者が前暦年中に当該国の領域内で受け取った拠出油の量に関する資料を送付する。
2 事務局長は、経過期間中毎年機関の事務局長に対し、締約国に代わり、この議定書によって改正された1971年基金条約第10条の規定に従い基金への拠出をしなければならない者が受け取った拠出油の量に関する資料を送付する。
1 この議定書は、次の(a)及び(b)の要件が満たされた日の後12箇月で効力を生ずる。
(a) 少なくとも八の国が批准書、受諾書、承認書又は加入書を機関の事務局長に寄託すること。
(b) 機関の事務局長が、前条の規定に基づき、この議定書によって改正された1971年基金条約第10条の規定に従って拠出をしなければならないであろう者が前暦年中に総量において少なくとも4億5000万トンの拠出油を受け取った旨の情報を受領すること。
2 もっとも、この議定書は、1992年責任条約の効力発生前に効力を生ずることはない。
3 この議定書は、1に規定する効力発生の要件が満たされた後にこれを批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入する国については、その国が該当する文書を寄託した日の後12箇月で効力を生ずる。
4 いずれの国も、この議定書の批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託の際に、これらの文書がこの条の規定の適用上次条に規定する6箇月の期間の満了の時まで効力を有しないことを宣言することができる。
5 4の規定に基づいて宣言を行った国は、機関の事務局長にあてた通告により、いつでもその宣言を撤回することができる。撤回は、通告が受領された日に効力を生ずるものとし、また、撤回を行った国は、その撤回が効力を生じた日にこの議定書の批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託したものとみなされる。
6 1969年責任条約を改正する1992年の議定書第13条2の規定に基づいて宣言を行った国は、4の規定に基づいて宣言を行ったものとみなされる。同条2の規定に基づく宣言の撤回は、5の規定に基づく宣言の撤回とみなされる。
第31条 1969年責任条約及び1971年基金条約の廃棄
前条の規定に従うことを条件として、この議定書の締約国及び批准書、受諾書、承認書又は加入書(これらの文書について同条4の規定の適用があるかないかを問わない。)を寄託した国は、1971年基金条約及び1969年責任条約の締約国である場合には、次の(a)及び(b)の要件が満たされた日の後6箇月の期間内に、その6箇月の期間の満了の後12箇月で効力を生ずるように、これらの条約を廃棄しなければならない。
(a) 少なくとも8の国がこの議定書の締約国となり又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書(これらの文書について前条4の規定の適用があるかないかを問わない。)を機関の事務局長に寄託すること。
(b) 機関の事務局長が、第29条の規定に基づき、この議定書によって改正された1971年基金条約第10条の規定に従って拠出をしなければならない者又は拠出をしなければならないであろう者が前暦年中に総量において少なくとも7億5000万トンの拠出油を受け取った旨の情報を受領すること。
1 機関は、1992年基金条約の改正のための会議を招集することができる。
2 機関は、すべての締約国の3分の1以上からの要請がある場合には、1992年基金条約の改正のための締約国会議を招集する。
1 事務局長は、締約国の少なくとも4分の1の要請がある場合には、この議定書によって改正された1971年基金条約第4条4に規定する補償の限度額の改正案を機関のすべての加盟国及びすべての締約国に送付する。
2 1の規定により提案されかつ送付された改正案は、送付された日の後6箇月目の日以後に行われる審議のため機関の法律委員会に付託する。
3 この議定書によって改正された1971年基金条約のすべての締約国は、機関の加盟国であるかないかを問わず、改正案の審議及び採択のため法律委員会の審議に参加する権利を有する。
4 改正案は、3の規定により拡大された法律委員会に出席しかつ投票する締約国の3分の2以上の多数による議決で採択する。ただし、投票の際に締約国の少なくとも2分の1が出席していることを条件とする。
5 法律委員会は、限度額の改正案について決定を行う場合には、事故の経験、特にそれらの事故によって生じた損害の額及び貨幣価値の変動を考慮する。法律委員会は、また、この議定書によって改正された1971年基金条約第4条4に規定する限度額と1992年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約第5条1に規定する限度額との関係を考慮する。
6
(a) この条の規定に基づいて行われる限度額の改正は、1998年1月15日前に審議することはできず、また、この条の規定に基づいて先に行われた改正が効力を生じた日から5年を経過する時まで審議することはできない。この条の規定に基づく改正は、この議定書が効力を生ずる前に審議することはできない。
(b) 限度額については、この議定書によって改正された1971年基金条約に定める限度額につき1993年1月15日から年6パーセントの複利による計算をして得た増額分と当該限度額との合計額を超えるような引上げを行うことはできない。
(c) 限度額については、この議定書によって改正された1971年基金条約に定める限度額に3を乗じた額を超えるような引上げを行うことはできない。
7 機関は、4の規定に従って採択された改正をすべての締約国に通告する。改正は、通告の日の後18箇月の期間が満了した時に受諾されたものとみなされる。ただし、その期間内に、法律委員会における改正の採択の時に締約国であった国の4分の1以上が機関に対しその改正を受諾しない旨の通知を行った場合には、その改正は、受諾されず、効力を生じない。
8 7の規定により受諾されたものとみなされる改正は、その受諾の後18箇月で効力を生ずる。
9 すべての締約国は、改正が効力を生ずる日の少なくとも6箇月前に次条1及び2の規定に基づいてこの議定書を廃棄しない限り、その改正によって拘束される。その廃棄は、その改正が効力を生ずる時に効力を生ずる。
10 法律委員会が改正を採択した後受諾のための18箇月の期間が満了するまでの間にこの議定書の締約国となった国は、その改正が効力を生ずる場合には、その改正によって拘束される。その期間が満了した後に締約国となる国は、7の規定により受諾された改正によって拘束される。これらの場合において、当該国は、改正が効力を生ずる時に、又はこの議定書が当該国について効力を生ずる時がそれよりも遅いときはその時に、その改正によって拘束される。
1 締約国は、この議定書が自国について効力を生じた日の後は、いつでもこれを廃棄することができる。
2 廃棄は、機関の事務局長に廃棄書を寄託することによって行う。
3 廃棄は、機関の事務局長への廃棄書の寄託の後12箇月で、又は廃棄書に明記するこれよりも長い期間の後に、効力を生ずる。
4 1992年責任条約の廃棄は、この議定書の廃棄とみなす。その廃棄は、1969年責任条約を改正する1992年の議定書の廃棄が同議定書第16条の規定に従って効力を生ずる日に効力を生ずる。
5 第31条の規定によって要求される1971年基金条約及び1969年責任条約の廃棄を行わなかったこの議定書の締約国は、同条に規定する6箇月の期間の満了の後12箇月で効力が生ずるようにこの議定書を廃棄したものとみなす。同条に規定する廃棄が効力を生じた日以後においては、1969年責任条約の批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託するこの議定書の締約国は、その寄託により同条約が効力を生ずる日に効力が生ずるようにこの議定書を廃棄したものとみなす。
6 この議定書のいずれかの締約国が1971年基金条約第41条の規定に基づいて行う同条約の廃棄は、この議定書の締約国の間においては、いかなる場合にも、この議定書によって改正された1971年基金条約の廃棄と解してはならない。
7 いずれかの締約国がこの条の規定に基づいてこの議定書の廃棄を行った場合においても、この議定書によって改正された1971年基金条約第12条(b)にいう事故でその廃棄が効力を生ずる前に生じたものにつきこの議定書によって改正された同条約第10条の規定に基づいて拠出をする義務に関するこの議定書の規定は、引き続き適用する。
1 締約国は、いずれかの締約国による廃棄書の寄託がその結果として残余の締約国に関する拠出金の水準を著しく引き上げることとなると認める場合には、その寄託の後90日以内に、事務局長に対し、総会の臨時会期を招集するよう要請することができる。事務局長は、その要請を受領した後60日以内に総会を招集する。
2 事務局長は、いずれかの締約国による廃棄書の寄託がその結果として残余の締約国に関する拠出金の水準を著しく引き上げることとなると認める場合には、自己の発議により、その寄託の後60日以内に総会の臨時会期を招集することができる。
3 1又は2の規定に従って招集された臨時会期において、総会が、当該廃棄が残余の締約国に関する拠出金の水準を著しく引き上げるものであると決定した場合には、いずれの締約国も、当該廃棄が効力を生ずる日の120日前までに、この議定書を廃棄することができるものとし、その廃棄は、同じ日に効力を生ずる。
1 この議定書は、締約国の数が3未満になった日に効力を失う。
2 この議定書が効力を失う日の前日にこの議定書によって拘束されている締約国は、基金が次条の任務を遂行することができるようにするため必要な措置をとるものとし、その目的のためにのみ、引き続きこの議定書によって拘束される。
1 基金は この議定書が効力を失う場合にも、
(a) この議定書が効力を失う前に生じた事故に関する義務を負うものとし、また、
(b) (a)に規定する義務の履行(そのために必要な基金の管理の経費の支出を含む。)のために必要な範囲内で拠出金の徴収に関する権利を行使することができる。
2 総会は、基金の清算のため、基金への拠出をした者の間における残余の資産の公平な方法による分配を含むすべての適当な措置をとる。
3 この条の規定の適用上、基金は、法人として存続する。
1 この議定書及び第33条の規定により受諾された改正は、機関の事務局長に寄託する。
2 機関の事務局長は、次のことを行う。
(a) 署名国又は加入国に対して次の事項を通知すること。
(i) 新たに行われた署名又は文書の寄託及びその署名又は寄託の日
(ii) 第30条の規定に基づく宣言及び通告(同条の規定により行われたものとみなされる宣言及び撤回を含む。)
(iii) この議定書の効力発生の日
(iv) 第31条に規定する廃棄を行う必要がある期限
(v) 第33条1の規定により提案された補償の限度額の改正案
(vi) 第33条4の規定に従って採択された改正
(vii) 第33条7の規定により受諾されたものとみなされる改正並びにその改正が同条8及び9の規定により効力を生ずる日
(viii) この議定書の廃棄書の寄託、その寄託の日及びその廃棄が効力を生ずる日
(ix) 第34条5の規定により行われたものとみなされる廃棄
(x) この議定書に定めるところにより必要とされる通知
(b) すべての署名国及びこの議定書に加入するすべての国に対し、この議定書の認証謄本を送付すること。
3 機関の事務局長は、この議定書が効力を生じたときは直ちに、国際連合憲章第102条の規定に従い、その条約文を登録及び公表のため国際連合事務局に送付する。
第39条 言語
この議定書は、ひとしく正文であるアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語により原本1通を作成する。
1992年11月27日にロンドンで作成した。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの議定書に署名した。
