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平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定

  平成7・7・20・条約 11号  
発効平成7・7・30・外務省告示432号  


平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定をここに公布する。
平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、
平和的目的のための宇宙の探査及び利用における共同活動について適用される損害賠償責任に係る相互放棄に関する協定を締結することを希望し、
次のとおり協定した。
 
第1条 この協定は、平和的目的のための宇宙の探査及び利用における共同活動に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協力を促進するため、損害賠償責任に係る相互放棄に関する枠組みを確立することを目的とする。この目的を達成するため、この相互放棄は、広く解釈するものとする。
 
第2条 この協定は、附属書に掲げる共同活動であって、この協定の効力の発生の時に既に実施されているもの又はこの協定の有効期間中に開始されるものについて適用する。日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、附属書に掲げる共同活動の一覧表の見直しを行うために定期的に協議するものとし、また、合意により当該附属書を修正することができる。この協定は、1988年9月29日にワシントンで作成された常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定(以下「宇宙基地協力協定」という。)又は宇宙基地協力協定の後に効力を生ずる協定であって宇宙基地協力協定を修正し若しくはそれに代わるものに従って行われる活動については、適用しない。
 
第3条 
 この条の規定の適用上、
(a)「当事者」とは、日本国政府及びアメリカ合衆国政府並びにこれらの機関をいい、それぞれの国の宇宙開発計画を実施するために日本国又はアメリカ合衆国の法令により設置された団体その他附属書において特定の共同活動に関して指定される者を含む。
(b)「関係者」とは、当事者との関係において次の(1)から(3)までのいずれかに該当する者をいう。
(1)契約者又はその下請契約者(あらゆる段階のもの)
(2) あらゆる段階の利用者又は顧客
(3) あらゆる段階の利用者若しくは顧客の契約者又はその下請契約者(あらゆる段階のもの)
 日本国及びアメリカ合衆国以外のいずれかの国又はその政府機関若しくは団体が、当事者との関係において(1)から(3)までのいずれかに該当する者である場合又はその他の形態により附属書に掲げる共同活動に関係する場合には、「関係者」には、当該いずれかの国又はその政府機関若しくは団体を含める。
 「契約者」及び「下請契約者」には、あらゆる種類の供給者を含む。
(c) 「損害」とは、次のものをいう。
(1) 人の傷害、健康障害又は死亡
(2) 財産の損傷若しくは滅失又はその利用価値の喪失
(3) 収入又は収益の喪失
(4) その他の直接的、間接的又は2次的な損害
(d)「打上げ機」とは、搭載物若しくは人を運ぶ物体若しくはその一部であって、打上げ予定のもの、地球から打ち上げられたもの又は地球に帰還しつつあるものをいう。
(e)「搭載物」とは、打上げ機に搭載され又は打上げ機で使用されるすべての財産をいう。
(f)「保護される宇宙作業」とは、地球上若しくは宇宙空間で行われ又は地球と宇宙空間との間を移動中に行われる打上げ機及び搭載物に係る活動その他附属書に掲げる共同活動の下で行われるすべての活動をいい、少なくとも次の活動を含む。
(1)打上げ機、移動機、搭載物、機器又はこれらに関連する支援のための装置、設備若しくは役務に係る研究、設計、開発、試験、製造、組立て、統合、運用又は利用
(2)地上支援、試験、訓練、模擬実験、誘導・制御装置又はこれらに関連する設備若しくは役務に係るすべての活動
 「保護される宇宙作業」には、宇宙から帰還した後に地上で行われる活動であって、関係共同活動以外の活動における使用を目的として搭載物の生産物又は搭載物に係る作業方法を更に開発するために行われるものを含めない。
 
(a)当事者は、損害賠償責任に係る相互放棄に同意し、これによって、保護される宇宙作業から生ずる損害についての請求であって、次の(1)から(3)までに掲げる者に対するものをすべて放棄する。この相互放棄は、損害を引き起こした者又は財産が保護される宇宙作業に関係しており、かつ、損害を受けた者又は財産が保護される宇宙作業に関係していたために当該損害を受けた場合に限り適用する。この相互放棄は、次の(1)から(3)までに掲げる者に対する損害賠償請求について適用し、当該損害賠償請求の法的基礎が不正行為(あらゆる程度及び種類の過失によるものを含む。)、契約その他いかなるものであるかを問わない。
(1) 他方の当事者
(2) 他方の当事者の関係者
(3) (1)又は(2)に掲げる者の被雇用者
(b)更に、当事者は、自己の関係者に対し、契約その他の方法により(a)の(1)から(3)までに掲げる者に対するすべての請求の放棄に同意するよう要求することにより、(a)に規定する損害賠償責任に係る相互放棄を自己の関係者に及ぼす。
(c)この相互放棄は、損害を引き起こした者又は財産が保護される宇宙作業に関係しており、かつ、損害を受けた者又は財産が保護される宇宙作業に関係していたために当該損害を受けた場合において、1972年3月29日にワシントン、ロンドン及びモスクワで作成された宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約から生ずる責任についても、適用する。
(d)この相互放棄は、この条の他の規定にかかわらず、次に掲げる請求については、適用しない。
(1)当事者とその関係者との間又は一の当事者の関係者の間の請求
(2)自然人の傷害、健康障害又は死亡について当該自然人又はその遺産管理人、遺族若しくは代位権者によって行われる請求
(3)悪意によって引き起こされた損害についての請求
(4) 知的所有権に係る請求
(5) 当事者又は関係者が損害賠償責任に係る請求の相互放棄を(b)に定めるところにより直接又は間接に自己の関係者に及ぼすことができなかったことから生ずる損害についての請求
(6) 当事者間の契約の明示の規定に基づく請求
(e) この条のいかなる規定も、請求又は訴えの基礎を創設するものと解してはならない。
 
第4条 前条の規定にかかわらず、同条に規定する相互放棄は、附属書に掲げる共同活動の特性を考慮して両政府間の合意により制限することができる。
 
第5条 
 この協定は、日本国政府及びアメリカ合衆国政府が、この協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の手続を完了した旨を相互に通告する公文を交換した日に効力を生ずる。この協定は、5年間効力を有するものとし、その後は、一方の政府が6箇月前に他方の政府に対して文書による通告を行うことにより終了させない限り、引き続き効力を有する。
 この協定の終了は、附属書に掲げる共同活動がこの協定の終了の時までに完了しているかしていないかを問わず、当該共同活動から生ずる請求についてのこの協定の適用に影響を及ぼすものではない。

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。
1995年4月24日にワシントンで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書2通を作成した。
附属書

第2条の規定に従い協定が適用される共同活動第3条1(a)にいう機関、団体又はその他の者
日本米国
1 地球観測ブラットフォーム技術街星(ADEOS)計画
宇宙開発事業団航空宇宙局
2 宇宙飛行士訓練計画
宇宙開発事業団航空宇宙局
3 マニビュレーター飛行実証試験計画
宇宙開発事業団航空宇宙局
4 熱帯降雨観測衛星(TRMM)計画
宇宙開発事業団航空宇宙局
5 環境観測技術衛星(ADEOS−II)計画
宇宙開発事業団航空宇宙局
海洋大気局
6 資源探査用将来型センサー(ASTER)計画
通商産業省航空宇宙局
7 超長基線電波干渉計宇宙天文合計画(VSOP)
宇宙科学研究所航空宇宙局

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