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北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約

【目次】
  平成5・2・15・条約  1号  
発効平成5・2・16・外務省告示 82号  


北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約をここに公布する。
この条約の締約国は、
北太平洋における溯河性魚類の系群が、主としてカナダ、日本国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国の河川その他の水域に発生することを認め、
これらの系群が、北太平洋の一部の区域で混交していることを認め、溯河性魚類の系群の発生する河川その他の水域の所在する国が、当該系群に関し第一義的利益及び責任を有することを認め、溯河性魚類の系群の漁業が、領海の幅を測定するための基線から200海里以内の水域においてのみ行われるべきであることを認め、溯河性魚類の系群の母川国が、当該系群の保存及び管理のための良好な条件を設けるため、費用を支出し及び経済開発の機会を見送っていることを認め、
北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための科学的調査の重要性を強調し、
北太平洋における溯河性魚類の系群及び生態学上これに関連する種に関する科学的情報の取得、分析及び頒布を促進することを希望し、
北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための努力を調整することを希望し、
北太平洋における溯河性魚類の系群の保存を促進するための効果的な国際協力の機構を設立することを希望して、
次のとおり協定した。
 
第1条 この条約が適用される区域(以下「条約区域」という。)は、北緯33度以北の北太平洋及び接続する諸海の水域であって領海の幅を測定するための基線から200海里の外側に位置する水域とする。この条約の下での活動は、科学的な目的のためには、北太平洋及び接続する諸海であって領海の幅を測定するための基線から200海里の外側に位置する区域において、条約区域の南に及ぶことがあることが了解される。
 
第2条 この条約の適用上、
1 「溯河性魚類」とは、附属書のIに掲げる溯河性魚種の魚類であって条約区域内に回遊するものをいい、また、「溯河性魚類の系群」とは、当該魚類の系群をいう。
2 「魚類」とは、ひれを有する魚類、軟体動物、甲殻類その他のすべての海産動植物(海産哺乳動物及び鳥類を除く。)をいう。
3 「漁獲」とは、次の(a)及び(b)をいう。
(a) 魚類を採捕すること又は魚類を採捕する結果になると合理的に予想し得るその他の活動
(b) (a)に掲げる活動を準備し又は直接に補助するための海上における作業
4 「対象とする漁獲」とは、特定の魚種又は特定の魚類の系群を対象とする漁獲をいう。
5 「混獲」とは、ある魚種又はある魚類の系群を対象とする漁獲を行っている間に、他の魚種又は他の魚類の系群を採捕することをいう。
6 「生態学上関連する種」とは、条約区域に存在する溯河性魚類の系群と関連を有する海産生物の種(当該系群を捕食する生物及び当該系群のえさとなる生物の双方を含むが、これらに限られない。)をいう。
7 「原締約国」とは、第17条1に規定する国をいう。ただし、当該国がこの条約の締約国である場合に限る。
 
第3条 
1 条約区域において、
(a) 溯河性魚類を対象とする漁獲は、禁止する。
(b) 溯河性魚類の混獲は、附属書のIIの規定に従い、可能な最大限度まで最小のものにとどめる。
(c) 溯河性魚類以外の魚類を対象とする漁獲を行っている間に混獲により採捕された溯河性魚類を漁獲を行う船舶上に保持することは、禁止する。また、そのようにして採補された溯河性魚類は、直ちに海に戻されるものとする。
2 1の規定は、第7条の規定に従って行われる科学的調査を目的とする漁獲には、適用しない。
3 締約国は、単独で又は共同して、国際法及びそれぞれの国内法に従い、この条約に規定された禁止事項に違反して採捕された溯河性魚類の取引を防止し、及びそのような取引に関与した者を処罰するため、適切な措置をとる。
 
第4条 
1 締約国は、この条約の締約国でない国又は団体の国民、住民又は船舶による漁獲の活動に関する事項であって条約区域内での溯河性魚類の系群の保存に不利な影響を与える可能性があるものについて、当該国又は団体の注意を喚起することに同意する。
2 締約国は、この条約の締約国でない国又は団体の国民、住民又は船舶が行う漁獲の活動に関し、当該国又は団体がこの条約の規定に合致する法令を制定し及びこの条約の目的達成に協力することを奨励することに同意する。
3 各締約国は、自国の法令の下で登録された船舶がこの条約の規定の遵守を回避する目的で登録を移転することを防止するため、適切な措置をとる。
4 締約国は、この条約の締約国でない国又は団体がその国民、住民又は船舶による条約区域における溯河性魚類を対象とする漁獲を防止し及び当該魚類の混獲を最小化するように、国際法及びそれぞれの国内法に合致する措置をとることについて協力する。
 
第5条 
1 各締約国は、自国の国民及び自国の旗を掲げる漁獲を行う船舶がこの条約の規定を遵守することを確保するため、すべての必要な措置をとる。
2 いずれの締約国も、条約区域において、次の規定に従い、この条約の規定を実施することができる。
(a) いずれの締約国の正当に権限を有する公務員も、この条約の規定を実施するため、装備、航海日誌、書類、漁獲物その他の物件を検査し、及び船上にある人に対して質問することを目的として、他の締約国の船舶であって溯河性魚類を対象とする漁獲又は当該魚類の混獲に従事していると信ずるに足りる相当の理由があるものに乗船することができる。その検査及び質問に当たっては、当該船舶の被る妨げ及び不便を最小のものにしなければならない。当該公務員は、船長の要求があったときは、各自の政府が発行した身分証明書を提示しなければならない。
(b) (a)に規定する公務員は、前記の人又は船舶が、現にこの条約の規定に違反して操業に従事しているとき又は当該公務員が乗船する前にそのような操業に明らかに従事したと信ずるに足りる相当の理由があるときは、その人を逮捕し、又はその船舶を拿捕することができるものとし、また、必要な場合には、更に状況を調査することができる。当該公務員の所属する締約国は、前記の人又は船舶の所属する締約国にその逮捕又は拿捕を速やかに通告し、かつ、できる限り速やかに、両締約国が相互に合意する場所でその人又は船舶をその所属する締約国の権限を有する公務員に引き渡さなければならない。ただし、その通告を受領した締約国が直ちに引渡しを受けることができないときは、通告を行った締約国は、前記の人又は船舶の所属する締約国の権限を有する公務員が引渡しを受けるまで、条約区域内又はいずれかの適当な港(当該通告を行う締約国がこの条約の他の締約国に対し通報を行うことによって事前に特定した港であって、当該通報の受領の後60日以内に異議が出されなかったものに限る。)において当該逮捕又は拿捕を継続することができる。
(c) (b)の通告を受領した締約国が引渡しを受けたときは、当該締約国の権限を有する公務員は、違反に対する適切な措置(裁判を含むが、これに限られない。)に要する証拠を得るために必要な調査を行うとともに、前記の人又は船舶がこの条約の規定に違反する操業を更に行うことを防止するために、当該漁期の残余の期間につき必要な措置を直ちにとる。当該措置には、当該船舶への取締官の配置、当該船舶が操業を許可されている区域の制限又は当該船舶の条約区域からの排除を含めることができる。
(d) 前記の人又は船舶の所属する締約国の当局のみが、違反を裁判し、かつ、これに対する刑を科することができる。違反を証明するのに必要な証人及び証拠は、この条約の締約国の管轄下にある限り、違反を裁判する裁判管轄権を有する締約国にできる限り速やかに提供されなければならず、また、当該裁判管轄権を有する締約国の行政当局は、これらの証人及び証拠を考慮し及び、適当な場合には、これらを利用しなければならない。この条約の締約国の関係法令に規定される刑は、第9条3の規定により北太平洋溯河性魚類委員会が行う提案を考慮して、違反の重大性に対応するものとしなければならない。
3 締約国は、自国の漁獲を行う船舶が、いずれかの締約国の正当に権限を有する公務員により2の規定に従って行われる当該船舶への乗船及び当該船舶の検査を許容し及び助けること並びに当該公務員による取締行為が行われる場合にはこれに協力することを確保するため、適当な措置をとる。
 
第6条 
1 締約国は、この条約の規定に違反する活動に関する情報の交換について協力する。
2 締約国は、この条約の規定に違反して採捕された溯河性魚類に関する取締行為及び事件の処理に関する情報の交換について協力する。
3 締約国は、この条約の締約国でない国又は団体の国民、住民又は船舶による条約区域における溯河性魚類を対象とする漁獲及び当該魚類の混獲に関する情報の交換について協力する。
 
第7条 
1 締約国は、溯河性魚類の系群の保存の目的のために、北太平洋及び接続する諸海であって領海の幅を測定するための基線から200海里の外側に位置する区域における科学的調査(適当な場合には、他の生態学上関連する種の科学的調査を含む。)の実施について協力する。
2 条約区域における漁業及び科学的調査に関し、締約国は、適当な場合には、生物統計情報、漁業資料(漁獲量及び漁獲努力に係る統計を含む。)、生物学標本及びこの条約の目的に関係する他の関連資料の収集、報告及び交換について協力する。
3 第1条の規定にかかわらず、締約国は、北太平洋溯河性魚類委員会の要請があるときは、当該委員会に対し、条約区域に接続する区域(当該区域から溯河性魚類の系群が条約区域内に回遊する場合に限る。)について採捕及び増殖に係る情報、生物学標本等の資料並びに溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種に係る他の技術的資料又は情報を提供する。
4 締約国は、溯河性魚類の系群及び適当な場合には生態学上関連する種の科学的調査を目的として条約区域における漁獲情報を収集するため、科学視察員計画を含む適当な協力計画を策定する。
5 締約国は、セミナー、研修会及び適当な場合には科学者の交換等この条約の目的を達成するために必要な科学的交流について協力するよう努める。
6 締約国は、条約区域において自国の国民又は船舶が溯河性魚類を対象とする漁獲又は当該魚類の高い水準の混獲を伴う科学的調査計画を実施する場合には、すべての締約国が適当な科学的検討を行えるように、当該調査の実施の前に十分な時間的余裕をもって当該計画を北太平洋溯河性魚類委員会に提出する。母川国であるすべての締約国(当該計画を提出した締約国を除く。)が当該委員会から当該計画を受領した後30日以内に、当該計画に伴う漁獲を第3条1(a)又は(b)の規定の違反とみなすことを当該委員会に通告した場合には、当該委員会が別段の決定を行うまでの間、当該計画は、実施してはならない。
7 締約国は、科学的調査を目的とする溯河性魚類の採捕が科学的計画の必要性及びこの条約の規定に合致するものでなければならないことに同意する。条約区域における科学的調査に関連して採捕された溯河性魚類の漁獲量は、9箇月以内に北太平洋溯河性魚類委員会に報告されるべきである。
 
第8条 
1 北太平洋溯河性魚類委員会(以下「委員会」という。)と称する国際機関を設立する。
2 委員会は、条約区域における溯河性魚類の系群の保存を促進することを目的とする。
3 委員会は、条約区域における生態学上関連する種の保存に関連する事項を審議することができる。
4 委員会は、法人格を有するものとし、他の国際機関との関係において及び締約国の領域において、その任務の遂行及びその目的の達成のために必要な法律上の能力を有する。締約国の領域における委員会及びその職員の特権及び免除は、委員会と関係締約国との間で合意するところによる。
5 委員会の本部は、カナダのヴァンクーヴァー又は委員会の決定する他の場所に置く。
6 委員会の公用語は、英語、日本語及びロシア語とする。
7 各締約国は、委員会の構成国となるものとし、委員会に対し3名以下の代表を任命することができる。これらの代表は、委員会の会合に専門家及び顧問を同伴することができる。
8 委員会は、必要と認める補助的機関を設置する。
9 委員会は、事務局長及び適当な職員から成る事務局を設置する。
10 各締約国は、委員会において一の票を有する。
(a) すべての重要事項に関する委員会の決定は、条約区域内に回遊する溯河性魚類の系群の母川国であるすべての締約国の意見の一致によって行う。
(b) 他のすべての事項に関する委員会の決定は、賛成又は反対の投票を行うすべての締約国の票の単純多数による議決によって行う。
(c) 条約区域内に回遊する溯河性魚類の系群の母川国であるいずれかの締約国が重要であると認める事項は、重要事項とされる。
11 委員会は、議長及び副議長を選出する。議長及び副議長は、それぞれ2年の任期で在任するものとし、再選される資格を有するが4年を超える期間継続して在任してはならない。議長及び副議長は、同一の締約国の代表であってはならない。
12 委員会の議長は、委員会の本部又は委員会が決定する他の場所において委員会の通常年次会合を招集する。
13 委員会は、委員会が決定する時期及び場所において少なくとも毎年1回会合する。
14 通常年次会合以外の委員会の会合は、いずれかの締約国が他の一の締約国の同意を得て要請する場合には、議長が決定する時期及び場所において招集することができる。ただし、これら二の締約国のうち少なくとも一箇国が原締約国であることを条件とする。
15 委員会は、その手続規則を採択する。
16 委員会は、その財政規則を採択する。
 
第9条 委員会は、次に掲げる権限を有する。
1 条約区域における溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種の保存のための措置を締約国に勧告すること。
2 この条約の規定に違反する活動、特に、第3条の規定に違反する溯河性魚類の漁獲及び取引に関する活動並びにそのような活動に対してとられた措置であって締約国及び適当な場合にはこの条約の締約国でない国又は団体によってとられたものに関する情報交換を促進すること。
3 この条約の規定に違反する活動に対する同等の刑の細目の制定について審議し及び締約国に提案すること。
4 この条約の規定に違反する漁獲の結果、母川国が被ることのある損害を救済するための可能な手段を審議し、及びこのためにこの条約の規定に違反して採捕されることのある魚類の発生地を特定する方法を開発すること。
5 第5条の規定に従って締約国によりとられた取締行為について検討し及び評価すること並びにこの条約の規定の実効的かつ積極的な実施を確保するために締約国がとるべき追加的な措置を勧告すること。
6 溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種に関する科学的調査を実施し並びに当該系群及び当該種に関する科学的資料(当該系群の発生地を特定する資料を含む。)の収集、交換及び分析を調整するために、締約国及び適当な場合にはこの条約の締約国でない国又は団体の活動について漁獲量及び漁獲努力に係る情報の交換を促進し、並びに溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種に関し締約国間の協力のための場を設けること。
7 溯河性魚類の製品が合法的に採捕された魚類に由来するものであることを証明する原産地証明書に係る計画の制定について審議し及び締約国に提案すること。
8 溯河性魚類の系群及び適当な場合には生態学上関連する種に関する条約区域における科学的調査活動に関し、締約国に勧告すること。
9 適当な場合には、この条約の目的の達成を促進するため、特に、科学的助言を含む入手可能な最善の情報を取得することを目的として、関係国際機関と協力すること。
10 適当な場合には、条約区域における溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種の保存に関する事項について委員会と協議を行うため、この条約の締約国でない国又は団体を招請すること。
11 この条約及びこの条約の附属書の改正を勧告すること。
12 条約区域における溯河性魚類の混獲を回避し又は減少させるための措置を勧告すること。
13 この条約の目的の達成を促進するために必要な措置を締約国に勧告すること。
 
第10条 
1 事務局長は、委員会により任命され、事務局の業務を監督する。
2 事務局は、次に掲げる任務を行う。
(a) 委員会に対して事務的役務を提供すること。
(b) この条約に係る溯河性魚類の系群及び生態学上関連する種に関する統計及び報告を編集し及び頒布すること。
(c) この条約の他の規定に基づく職務又は委員会が決定することのある職務を遂行すること。
3 事務局長及び職員の雇用条件は、委員会が決定する。
4 事務局長は、委員会が承認する職務要件に従って事務局職員を任命する。
 
第11条 
1 各締約国は、自国の代表、専門家及び顧問のために要する費用を支払う。委員会に要する費用は、締約国が負担する分担金により、委員会が支払う。
2 委員会は、年次予算を採択する。事務局長は、予算案が審議される委員会の会合の60日前までに、分担金の額の表とともに予算案を締約国に送付する。
3 予算は、締約国の間に均等に割り当てる。
4 事務局長は、各締約国に分担金の額を通告する。分担金は、当該通告が行われた日の後4箇月以内に、委員会の本部が所在する国の通貨で支払う。
5 連続した2年の間分担金を支払わない締約国は、その義務を履行するまでの間、第8条10の決定に参加する権利を有しない。
6 委員会の会計は、委員会の選任する独立の会計検査専門家が、毎年、検査する。
 
第12条 
1 いずれの締約国も、附属書を除くこの条約の改正をいつでも提案することができる。
2 3分の1以上の締約国が1の規定により提案された改正につき協議するための会合を要請する場合には、寄託政府は、会合を招集する。
3 改正は、寄託政府がすべての締約国から改正の批准書、受諾書又は承認書を受領した時に、効力を生ずる。
 
第13条 
1 この条約の附属書は、この条約の不可分の一部を成す。すべて「この条約」というときは、附属書を含むものと了解する。
2 この条約の附属書は、第9条11の規定により委員会が行った附属書の改正の勧告を、条約区域内に回遊する溯河性魚類の系群の母川国であるすべての締約国の政府が受諾することにより改正されたものと認める。
(a) 附属書の改正は、条約区域内に回遊する溯河性魚類の系群の母川国である締約国については、委員会が当該系群の母川国であるすべての締約国から改正に関する受諾の通告を受領した日に効力を生ずる。
(b) 母川国でない締約国が附属書の改正を(a)に規定する日以前に受諾した場合には、当該改正は、当該(a)に規定する日に当該締約国について効力を生ずる。母川国でない締約国が附属書の改正を(a)に規定する日の後に受諾する場合には、当該改正は、委員会が当該締約国から改正に関する受諾の通告を受領した日に当該締約国について効力を生ずる。
3 委員会は、附属書の改正に関する受諾の通告を受領した日をすべての締約国に通報する。
 
第14条 いずれの締約国も、この条約から脱退する意図を寄託政府に公式に通告した日の後12箇月でこの条約から脱退することができる。
 
第15条 この条約のいかなる規定も、この条約の締約国が締約国となっている条約その他の国際的な合意に基づく権利及び義務に関する当該締約国の立場又は見解並びに海洋法の諸問題に関する当該締約国の立場又は見解を害するものとみなしてはならない。
 
第16条 この条約の原本は、寄託政府であるロシア連邦政府に寄託する。寄託政府は、その認証謄本を他のすべての署名国及び加入国に送付する。
 
第17条 
1 この条約は、条約区域内に回遊する溯河性魚類の系群の主要な母川国であるカナダ、日本国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国による署名のために開放しておく。
2 この条約は、前記の4箇国により各自の国内法上の手続に従い批准され、受託され又は承認されなければならず、4番目の批准書、受託書又は承認書が寄託された日の後90日目の日に効力を生ずる。
 
第18条 この条約の効力発生後、他の国は、原締約国の全会一致の招請によりこの条約に加入することができる。この条約は、当該他の国に対しては、当該他の国の加入書の寄託の日に効力を生ずる。

以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。
1992年2月11日にモスクワで、ひとしく正文である英語、フランス語、日本語及びロシア語により原本1通を作成した。
附属書

I 魚種
しろざけ(オンコリンカス・ケタ)
ぎんざけ(オンコリンカス・キジューチ)
からふとます(オンコリンカス・ガルブーシャ)
べにざけ(オンコリンカス・ネルカ)
ますのすけ(オンコリンカス・チャウィーチャ)
さくらます(オンコリンカス・マソウ)
スチール・ヘッド(オンコリンカス・ミキス)

II 混獲
1 溯河性魚類以外の魚類の漁業は、溯河性魚類の混獲を相当に低い水準に減少させるため、当該混獲を可能な最大限度まで最小なものとするような時期、区域及び態様で行う。
2 二又は三以上の締約国が第8条の規定に基づき設立された委員会に対して、他の締約国の国民又は船舶がこの附属書の規定に違反して条約区域で漁業を行っていると信ずる旨を通告した場合には、委員会は、できる限り速やかに通告された事項につき審議するための特別会合を招集する。委員会に通告を行った締約国は、当該通告の基礎となった情報を提示する責任を有する。通告の対象となった漁業を行っている国民又は船舶が所属する締約国は、当該漁業がこの附属書の規定に違反して行われているものではないことを立証する責任を有する。満足する立証が行われなかったと委員会が決定する場合には、当該漁業は、この附属書の規定に合致して行われることが立証されるまでの間、停止される。

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