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欧州復興開発銀行を設立する協定

【目次(章)(条)】
第1章目的、任務及び加盟者の地位(第1条〜第3条)
第2章資 本(第4条〜第7条)
第3章業 務(第8条〜第19条)
第4章借入れその他の権限(第20条)
第5章通 貨(第21条)
第6章組織及び運営(第22条〜第36条)
第7章加盟者の脱退及び資格停止並びに業務の一時的停止及び終了(第37条〜第43条)
第8章地位、免除、特権及び課税免除(第44条〜第55条)
第9章改正、解釈及び仲裁(第56条〜第59条)
第10章最終規定(第60条〜第63条)
   附属書 

  平成3・4・2・条約 1号  
発効平成3・4・2・外務省告示192号  
改正平成18・10・13・条約 12号(未)(施行=平18年10月15日)



欧州復興開発銀行を設立する協定をここに公布する。
締約者は、
複数政党制民主主義、法の支配、人権の尊重及び市場経済の基本原則を誓約し、
欧州における安全保障及び協力に関するヘルシンキ会議の最終文書、特にその諸原則に関する宣言を想起し、
中欧及び東欧の諸国が、複数政党制民主主義を現実に実施することを推進し、民主主義的な諸制度、法の支配及び人権の尊重を強化する意図を有すること並びに市場指向型経済に向かって発展するために改革を実施する意思を有することを歓迎し、
中欧及び東欧の諸国の経済的な発展を促進し、これら諸国の経済が国際的により競争力を持つように助力し、これら諸国の復興及び開発を支援し、並びに適当な場合にはこれら諸国の経済に対する融資に関する危険を減少させるため、緊密なかつ調整の図られた協力が重要であることを考慮し、
基本的性格においては欧州的でありかつ加盟については広く国際的である多数国間の金融機関の設立が、これらの目的に役立つものであり、かつ、欧州における新たな独特の協力の体制を形成するものであることを確信して、
次に定めるところにより運営される欧州復興開発銀行(以下「銀行」という。)をここに設立することを協定した。
最初

第1章 目的、任務及び加盟者の地位

(目的)
第1条 銀行は、経済的な発展及び復興に貢献するに当たり、複数政党制民主主義、多元主義及び市場経済の諸原則を誓約しかつ適用している中欧及び東欧の各国における開放された市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動を促進することを目的とする。
(任務)
第2条 
1 銀行は、中欧及び東欧の各国における開放された市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動を促進するという目的を長期的な基礎に立って達成するため、また、これらの国の経済が完全に国際経済に統合されるよう支援することを目的として、受益国が、独占の排除、分権化及び民営化を含む構造的な及び部門別の経済改革を実施することを次の方法によって援助する。
(i) 民間その他の関心を有する投資家を通じ、生産的であり、かつ、競争的である民間の分野の特に中小企業の活動の育成、改善及び拡大を促進すること。
(ii) (i)に定める目的のため、国内及び外国の資本を調達し並びに経験のある経営者を活用すること。
(iii) 生産的な投資(サービス及び金融の部門に対するもの並びに民間及び企業家の自発的活動を支援するために必要な場合には、関連する経済基盤に対するものを含む。)を助長し、これにより競争的な環境を作り並びに生産性、生活水準及び労働条件が向上することを支援すること。
(iv) 関係事業計画(個別のものであるか特定の投資計画に関連するものであるかを問わない。)の準備、資金調達及び実施のための技術援助を供与すること。
(v) 資本市場の発展を促進し及び奨励すること。
(vi) 二以上の受益国に関係する健全なかつ経済的に実行可能な事業を支援すること。
(vii) 銀行の活動のすべての範囲において、環境上健全なかつ持続的な開発を促進すること。
(viii) (i)から(vii)までに定める任務を促進するその他の活動及び役務の提供を行うこと。
2 1に定める任務の遂行に当たり、銀行は、すべての加盟者との間で並びにこの協定の範囲内で銀行が適当と認める方法により、国際通貨基金、国際復興開発銀行、国際金融公社、多数国間投資保証機関及び経済協力開発機構との間で緊密な協力を行うものとし、また、国際連合及びその専門機関並びに他の関連する機関並びに中欧及び東欧の国の経済的な発展及びこれらの国への投資に関係する団体(公的なものであるか私的なものであるかを問わない。)と協力する。
(加盟者の地位)
第3条 
1 銀行の加盟者の地位は、次のものに対して開放する。
(i) 
(1) 欧州の国
(2) 欧州の国以外の国(国際通貨基金の加盟国に限る。)
(ii) 欧州経済共同体及び欧州投資銀行
2 1の規定に基づいて加盟者の地位を得る資格を有する国であって第61条の規定に従って加盟者とならないものは、銀行が決定する条件に従い、かつ、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによる賛成投票により銀行への加盟を承認される。
最初

第2章 資 本

(授権資本)
第4条 
1 当初の授権資本は、100億(10,000,000,000)欧州通貨単位とする。この授権資本は、それぞれ1万(10,000)欧州通貨単位の額面価額を有する100万(1,000,000)株に分け、その株式には、次条の規定に従い加盟者のみが応募することができる。
2 当初の資本は、払込株式と請求払株式とに分ける。当初の払込株式の額面価額の総計は、30億(3,000,000,000)欧州通貨単位とする。
3 総務会は、適当と認める時に、及び適当と認める条件で、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによる投票により授権資本を増額することができる。
(株式の応募)
第5条 
1 各加盟者は、各自の法律の要件を満たすことを条件として、銀行の株式に応募する。当初の授権資本への各加盟者の応募は、払込株式及び請求払株式につき3対7の比率で行う。第61条の規定に従って加盟者となるこの協定の署名者が応募することができる当初の株式数は、附属書Aに掲げる数とする。加盟者が当初に応募する株式数は、100株以上とする。
2 第3条2の規定に従って加盟を承認される国が応募する当初の株式数は、総務会が決定する。ただし、いかなる応募も、欧州経済共同体の加盟国並びに欧州経済共同体及び欧州投資銀行が保有する資本の割合を応募済資本の総額の過半数より減少させることとなるときは、認められない。
3 総務会は、銀行の資本を5年を超えない間隔を置いて検討する。授権資本が増額される場合には、各加盟者は、総務会が決定する一定の条件に従い、資本の増額の直前において自己の応募額が応募済資本の総額に対して占める割合に等しい割合で資本の増額分について応募する適当な機会を与えられる。加盟者は、資本の増額のいかなる部分についても応募の義務を負わない。
4 総務会は、3の規定に従うことを条件として、加盟者の要請に基づき、当該加盟者の応募額を増額すること又は当該加盟者に他の加盟者が引き受けない授権資本の範囲内で株式を割り当てることができる。ただし、いかなる加盟者の応募額の増額も、欧州経済共同体の加盟国並びに欧州経済共同体及び欧州投資銀行が保有する資本の割合を応募済資本の総額の過半数より減少させることとなってはならない。
5 加盟者が当初に応募する株式は、額面で発行する。その他の株式も、総務会が総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものによる投票により他の条件による発行を決定する特別の場合を除くほか、額面で発行する。
6 株式は、方法のいかんを問わず、質に入れ又は担保に供してはならず、また、第7章の規定に従って銀行に譲渡する場合を除くほか、譲渡してはならない。
7 株式に基づく加盟者の責任は、その株式の発行価格の未払込部分相当額を限度とする。加盟者は、加盟者であるという理由によって、銀行の義務に対して責任を負うものではない。
(応募額の払込み)
第6条 
1 第61条の規定に従って加盟者となるこの協定の署名者が当初に応募した額の払込株式の払込みは、その額の20パーセントずつの5回の分割払によって行う。各加盟者は、この協定の効力発生の日の後60日以内の日に又は当該加盟者が第61条の規定に従い批准書、受諾書若しくは承認書を寄託する日がこの協定の効力発生の日より遅い場合には寄託する日の後60日以内の日に最初の分割払の額を払い込む。残りの4回の分割払の額は、順次、前回の分割払の額の払込期限が到来した日から1年後に払込期限が到来し、各加盟者の各自の法律の要件に従って払い込む。
2 1の規定に基づく各分割払の額又は第3条2の規定に基づき加盟を承認された国による各分割払の額の50パーセントは、当該加盟者が発行する欧州通貨単位、合衆国ドル又は日本円により表示される約束手形その他の債務証書によって払い込むことができる。銀行は、その業務の結果支出のための資金が必要となる場合には、これらの約束手形その他の債務証書を引き出す。これらの約束手形その他の債務証書は、譲渡禁止かつ無利子のもので、要求に応じて額面価額で銀行に払い込まれるものでなければならない。これらの約束手形その他の債務証書に対する要求は、各加盟者に対する要求の価額がその要求が行われる時の欧州通貨単位で、これらの約束手形その他の債務証書を寄託した各加盟者が応募し及び保有する払込株式の数に、合理的な期間を通じて比例するように行う。
3 当初の資本の株式への応募に関する加盟者のすべての払込義務は、欧州通貨単位、合衆国ドル又は日本円のいずれかにより、1989年9月30日から1990年3月31日までの間(両日を含む。)の欧州通貨単位に対するそれぞれの通貨の平均為替相場を基準として履行する。
4 銀行の請求払資本に対する応募額の払込みは、銀行の債務を履行するために必要な場合に限り、第17条及び第42条の規定を考慮して払込請求に応じて行う。
5 4に規定する払込請求の場合には、加盟者は、欧州通貨単位、合衆国ドル又は日本円で払い込む。この払込請求は、各請求払株式について当該払込請求時に計算される欧州通貨単位の価額で同一となるように行う。
6 銀行は、この条の規定に基づいて払込みが行われる場所を銀行の総務会の創立総会の後1箇月以内に決定する。ただし、その決定が行われるまでは、1に規定する最初の分割払の払込みは、銀行の受託者としての欧州投資銀行に対して行う。
7 1から3までに規定するもの以外の応募につき、加盟者による授権資本の払込株式に対する応募額の払込みは、現金又は約束手形その他の債務証書のいずれによるかを問わず、欧州通貨単位、合衆国ドル又は日本円で行う。
8 この条の規定の適用上、欧州通貨単位による払込み又は表示には、払込み又は現金化の日において欧州通貨単位による関係債務の価額と等しい価額の完全に交換可能な通貨による払込み又は表示を含む。
(通常資本財源)
第7条 この協定において、銀行の「通常資本財源」には、次のものを含む。
(i) 第5条の規定に基づいて応募された銀行の授権資本(払込株式及び請求払株式を含む。)
(ii) 第20条1(i)の規定によって与えられた権限に基づき銀行が借入れによって調達した資金。前条4に定める払込請求応諾義務は、この資金について適用する。
(iii) (i)及び(ii)に定める財源で行われた貸付け又は保証に係る返済によって得た資金及び当該財源で行われた株式又は持分への投資の処分による収入
(iv) (i)及び(ii)に定める財源で行われた貸付け及び株式又は持分への投資から生ずる収入並びに銀行の特別業務の一部を構成しない保証及び証券の引受けから生ずる収入
(v) 銀行が受領するその他の資金又は収入で第19条に規定する銀行の特別基金財源の一部を構成しないもの
最初

第3章 業 務

(受益国及び財源の使用)
第8条 
1 銀行の財源及び便宜は、専ら、第1条に規定する目的を実施し及び第2条に規定する任務を遂行するために使用する。
2 銀行は、市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動の促進を着実に実行し、かつ、具体的な措置等により第1条に規定する諸原則を適用する中欧及び東欧の国においてその業務を行うことができる。
3 加盟国が第1条の規定と合致しない政策を実施しているおそれがある場合又は例外的な場合には、理事会は、加盟国による銀行の財源の利用を停止し又はその利用につきその他の変更を行うべきであるかないかを検討しなければならず、また、その検討に従い総務会に勧告することができる。これらの問題についてのいかなる決定も、総務会が総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによって行う。
4 
(i) 潜在的な受益国は、この協定の効力発生後に始まる3年の期間は、限定された目的のために財源を利用する機会を提供するよう銀行に対し要請することができる。この要請は、当該要請が行われた後直ちにこの協定の不可分の一部として添付される。
(ii) (i)に規定する期間中、
(a) 銀行は、(i)に規定する要請を行った国又はその領域内の企業に対し、その要請に基づき、第11条3に定める割合に従い、民間部門に対して融資し、国有企業の民間による所有及び支配への移行を容易にし並びに競争的に活動しかつ市場指向型経済への参加へ移行しつつある企業を支援するため、技術援助その他の形態の援助を供与する。
(b) (a)の規定に基づき供与される援助の総額は、当該国がその株式に応じ支払った現金及び発行した約束手形の総額を超えてはならない。
(iii) (i)に規定する期間が経過した時に、当該国に対し(a)及び(b)に定める制限を超える銀行の財源の利用を認める決定は、総務会が総務の総数の4分の3以上の多数であって加盟者の総投票権数の85パーセント以上を代表するものによって行う。
(通常業務及び特別業務)
第9条 銀行の業務は、第7条に規定する銀行の通常資本財源によって賄う通常業務及び第19条に規定する特別基金財源によって賄う特別業務とする。これらの二の業務は、組み合わせることができる。
(業務の分離)
第10条 
1 銀行の通常資本財源及び特別基金財源は、これらの保管、使用、使用約束、投資又は処分に当たり、いかなる時にも、かつ、いかなる点においても、それぞれ完全に別個なものとする。銀行の財務諸表においては、通常業務とともに銀行の準備金を示し、また、これらとは別個に特別業務を示す。
2 銀行の通常資本財源は、いかなる場合にも、特別業務から又は当初に特別基金財源を使用し若しくはその使用を約束した他の活動から生じた損失又は債務を負担してはならず、又はこれらを処理するために用いてはならない。
3 通常業務に直接関係する費用は、銀行の通常資本財源の負担とする。特別業務に直接関係する費用は、特別基金財源の負担とする。その他の費用は、第18条1の規定に従うことを条件として、銀行が決定するところに従って負担される。
(業務の方法)
第11条 
1 銀行は、第1条及び第2条に規定するその目的及び任務を推進するため、次のいずれか又はすべての方法によりその業務を行う。
(i) 民間部門の企業に対し、競争的に活動しかつ市場指向型経済への参加へ移行しつつある国有企業に対し、並びに国有企業の民間による所有及び支配への移行を容易にするため特に民間又は外国の資本の国有企業への参加を容易にし又は拡大するため当該国有企業に対し、貸付けを行い、多数国間機関、商業銀行その他関心を有する者との協調貸付けを行い又は貸付けに参加すること。
(ii) 
(a) 民間部門の企業の株式又は持分への投資を行うこと。
(b) 競争的に活動しかつ市場指向型経済への参加へ移行しつつある国有企業に対し、並びに国有企業の民間による所有及び支配への移行を容易にするため特に民間又は外国の資本の国有企業への参加を容易にし又は拡大するため当該国有企業に対し、株式又は持分への投資を行うこと。
(c) 他に融資の適当な手段がない場合には、民間部門の企業及び、(b)に定める目的のため、(b)に規定する国有企業による株式又は持分に係る証券の発行を引き受けること。
(iii) 他に融資の適当な手段がない場合には保証を行うことにより、及び金融に関する助言その他の援助を行うことにより、民間部門の企業又は、(i)に定める目的のため、その他の(i)に規定する企業による国内資本市場及び国際資本市場の利用を容易にすること。
(iv) 特別基金財源をその使用について定める合意に従って用いること。
(v) 民間部門の発展及び市場指向型経済への移行のために必要な経済基盤の復興又は開発(環境計画を含む。)のため、貸付けを行い又は貸付けに参加し及び技術援助を供与すること。
 この1の規定の適用上、国有企業は、競争的な市場環境において自律的に活動しかつ破産法の適用を受けるものでない限り、競争的に活動しているとは認められない。
2 
(i) 理事会は、各受益国に対する銀行の業務及び貸付方針が第1条及び第2条に規定する銀行の目的及び任務に十分に適合していることを確保するため、少なくとも毎年これらの業務及び貸付方針の見直しを行う。この見直しに基づく決定は、理事の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによって行う。
(ii) 当該見直しには、特に、各受益国の分権化、独占の排除及び民営化に関する進展についての検討並びに銀行の貸付けであって、民間企業に対するもの、市場指向型経済への参加又は民営化へ移行しつつある国有企業に対するもの、経済基盤のためのもの、技術援助のためのもの及び他の目的のためのものの相対的な比率についての検討を含む。
3 
(i) 銀行は、その貸付け、保証及び株式又は持分への投資を、銀行のこれらについての約束額の合計の40パーセントを超えない限度において、また、この条に規定する他の業務を害さない限りにおいて、公的部門に供与するものとする。その比率の制限は、銀行の業務の開始の日から当初の2年間を一の期間として、その後は各会計年度ごとに適用する。
(ii) 銀行は、いずれの国に対しても、銀行の貸付け、保証及び株式又は持分への投資を、5年間を一の期間として、銀行のこれらについての約束額の合計の40パーセントを超えない限度において、また、この条に規定する他の業務を害さない限りにおいて、公的部門に供与するものとする。
(iii) この3の規定の適用上、
(a) 公的部門には、国及び地方の政府、これらの機関並びにこれらのいずれかが所有し又は支配する企業を含む。
(b) 民間による所有及び支配を達成するための計画を実施している国有企業に対する貸付け、保証又は株式若しくは持分への投資は、公的部門に供与されるものと解してはならない。
(c) 金融仲介機関が民間部門に対し転貸を行うための貸付けは、公的部門に供与されるものと解してはならない。
(通常業務に対する制限)
第12条 
1 銀行が通常業務として行った貸付け、株式又は持分への投資及び保証の現在高総額が銀行の通常資本財源に含まれる毀損されていない応募済資本、準備金及び剰余金の合計額を超えることとなる場合には、いかなる時にも当該現在高総額を増額してはならない。
2 株式又は持分への投資の額は、関係企業の資本について理事会が一般規則において適当と決定する比率を通常超えてはならない。銀行は、株式又は持分への投資により当該企業の支配力を取得しようとし、銀行が投資した企業を支配し又は直接その経営の責任を負ってはならない。ただし、当該投資のいずれかに対する債務不履行が現に生じ又は生ずるおそれがある場合、当該投資が行われた企業の支払不能が現に生じ又は生ずるおそれがある場合その他当該投資が危険にさらされるおそれがあると銀行が認める場合には、銀行は、その利益の保護のため、必要と認める措置をとり及び必要と認める権利を行使することができる。
3 銀行の株式又は持分への投資の実行残高は、いかなる時にも、毀損されていない応募済払込資本、剰余金及び一般準備金の合計に相当する額を超えてはならない。
4 銀行は、輸出信用のための保証は行わず、また、保険業務も行わない。
(業務の原則)
第13条 銀行は、次の原則に従って業務を行う。
(i) 銀行は、そのすべての業務について健全な銀行経営の原則を適用する。
(ii) 銀行は、第1条及び第2条に規定するその目的及び任務を達成するため、特定の事業計画(個別のものであるか特定の投資計画に関連するものであるかを問わない。)に対し融資を行うこと及び技術援助を供与することを業務とする。
(iii) 銀行は、加盟国の反対があるときは、その加盟国の領域内の事業に融資してはならない。
(iv) 銀行は、その財源がいずれかの加盟国の利益のために均衡を失するほどに使用されることを認めてはならない。
(v) 銀行は、すべての投資につき合理的な多様性を保つように努めなければならない。
(vi) 申請人は、貸付け、保証又は株式若しくは持分への投資が行われるに先立ち、適切な申請を提出するものとし、また、銀行の総裁は、職員による審査に基づく当該申請に関する報告書を意見を付して理事会に提出する。
(vii) 銀行は、合理的であると認める条件で申請人が第三者から十分な融資又は便宜を受けることができる場合には、いかなる融資又は便宜の供与も行ってはならない。
(viii) 銀行は、融資を行い又は融資を保証するに当たり、借入人及び、保証人がある場合には、保証人が融資契約に基づくその債務を履行することができる見込みにつき、妥当な考慮を払う。
(ix) 銀行は、直接貸付けを行う場合には、支出が実際に生じたときにその支出に充てるためにのみ借入人が資金を引き出すことを認める。
(x) 銀行は、満足すべき条件でその投資を民間投資者に適当に売却することができるときはいつでも、そのような売却を行うことによってその資金を回転させるように努めなければならない。
(xi) 銀行は、個々の企業に投資するに当たり、当該企業の要求、銀行が負担する危険及び民間投資者が類似の融資を行うに際し通常確保する条件を考慮して、銀行が適当と認める条件に従って融資を行う。
(xii) 銀行は、その通常業務又は特別業務として行う貸付け、投資その他の融資に係る資金により行われる物品及び役務のいかなる国からの調達についても制限を課してはならない。また、適当な場合にはいつでも、貸付けその他の業務に関し国際入札を行うことを条件とする。
(xiii) 銀行は、銀行が行い、保証し若しくは参加した貸付けの資金又は株式若しくは持分に投資した資金が、その貸付け又は株式若しくは持分への投資が行われた目的のためにのみ使用されること並びにその使用に当たり経済性及び有効性の問題に妥当な注意が払われることを確保するため、必要な措置をとる。
(貸付け及び保証に関する条件)
第14条 
1 銀行が行い、参加し又は保証する貸付けの場合には、貸付け又は保証に関する条件(貸付け又は保証に関するそれぞれの元本、利子及び貸付手数料又は保証料の支払、他の手数料、償還期限並びに支払日を含む。)は、契約によって定める。銀行は、この条件を定めるに当たり、銀行の収入を確保する必要を十分に考慮に入れる。
2 貸付け又は貸付けの保証の受益人が加盟国自身でなく国有企業である場合には、銀行は、望ましいと認めるときは、民間による所有及び支配に移行しつつある国有企業に対しては適当な他の方法に留意し、当該貸付け又は貸付けの保証の対象となる事業計画が行われる領域の属する加盟国又はその公的機関若しくは下部機関で銀行が受諾することのできるものが貸付けの条件に従った元本の償還並びに利子及び手数料の支払を保証することを要求することができる。理事会は、毎年、銀行の信用力に注意を払い、このような問題に関する銀行の処理について見直しを行う。
3 貸付け又は保証の契約には、銀行に対するすべての支払に用いる一若しくは二以上の通貨又は欧州通貨単位を明示する。
(貸付手数料及び保証料又は引受手数料)
第15条 
1 銀行は、通常業務として行い又は参加した貸付けに対して、利子のほかに、貸付手数料を課する。この貸付手数料の条件は、理事会が決定する。
2 銀行は、通常業務として貸付けの保証を行う場合又は、証券の売却に当たってその引受けを行う場合には、銀行の危険を適切に補うため、理事会が決定する率及び回数によって支払われる保証料又は引受手数料を課する。
3 理事会は、銀行が通常業務に関して課するその他の手数料及び銀行が特別業務に関して課する貸付手数料、保証料、引受手数料又は他の手数料を決定することができる。
(特別準備金)
第16条 
1 銀行が前条の規定に基づいて受領した貸付手数料、保証料及び引受手数料の額は、特別準備金として積み立てるものとし、次条の規定に従って銀行の損失を補填するために保留する。この特別準備金は、銀行が決定するところに従い、流動性のある形態により保有する。
2 理事会は、特別準備金の規模が十分であると決定する場合には、前条に規定する貸付手数料、保証料又は引受手数料の全部又は一部が、以後、銀行の利益の一部となることを決定することができる。
(銀行の損失の補填の方法)
第17条 
1 銀行がその通常業務として行い、参加し又は保証した貸付けに関し債務の履行遅滞その他の債務不履行が生ずる場合並びに証券の引受け及び株式又は持分への投資に関し損失が生ずる場合には、銀行は、適当と認める措置をとる。銀行は、予想される損失に備え適当な引当金を保持する。
2 銀行の通常業務において生ずる損失には、次のものを充てる。
(i) 最初に1に規定する引当金
(ii) 第二に純益
(iii) 第三に前条に規定する特別準備金
(iv) 第四に一般準備金及び剰余金
(v) 第五に毀損されていない払込資本
(vi) 最後に第6条の4及び5の規定に従い払込みを請求される応募済みの請求払資本中の請求未済分の適当な額
(特別基金)
第18条 
1 銀行は、その目的に役立つことを意図しかつ銀行の任務の範囲内に入る特別基金の管理を受諾することができる。特別基金のすべての管理費用は、当該特別基金によって負担される。
2 銀行が管理を受諾した特別基金は、銀行の目的及び任務、その他この協定の関連規定並びに当該特別基金に関する合意に合致するいずれの方法及び条件によっても使用することができる。
3 銀行は、各特別基金の設定、管理及び使用のため必要な規則を採択する。この規則は、明らかに銀行の通常業務にのみ適用される規定を除くほか、この協定の規定に適合しなければならない。
(特別基金財源)
第19条 「特別基金財源」とは、特別基金の財源をいい、次のものを含む。
(i) 銀行がいずれかの特別基金に繰り入れるために受け入れる資金
(ii) いずれかの特別基金の財源から行われた貸付け又は保証に関して返済された資金及び当該財源から行われた株式又は持分への投資からの収入であって、当該特別基金を規制する規則に従って当該特別基金によって受領されたもの
(iii) 特別基金の財源を運用することによって得られる収入
最初

第4章 借入れその他の権限

(一般的権限)
第20条 
1 銀行は、この協定において別に規定する権限のほか、次の権限を有する。
(i) 加盟国内又は加盟国外において資金を借り入れること。もっとも、常に次のことを条件とする。
(a) 銀行は、その債務証書をいずれかの国の領域において売却するに先立ち、その国の承認を得なければならない。
(b) 銀行は、その債務証書がいずれかの加盟国の通貨で表示される場合には、その加盟国の承認を得なければならない。
(ii) 業務上必要としない資金を投資し又は預金すること。
(iii) 銀行が発行し、保証し又は投資した証券を流通市場において売買すること。
(iv) 銀行が投資している証券の売却を容易にするためその証券を保証すること。
(v) 銀行の目的及び任務に合致する目的のためいずれかの企業が発行する証券を引き受け又はその引受けに参加すること。
(vi) 銀行の目的に役立ちかつ銀行の任務の範囲内に入る技術的な助言及び援助を行うこと。
(vii) この協定の規定に従い、銀行の目的及び任務を推進するため必要な又は適当な範囲内で、その他の権限を行使し及び規則を採択すること。
(viii) いずれかの公的又は私的な団体と協力に関する取決めを締結すること。
2 銀行が発行し又は保証する各証券には、いかなる政府又は加盟者の債務でもない旨の目につきやすい記載をその証券面に行う。ただし、実際にいずれか特定の政府又は加盟者の債務である場合には、この限りではないものとし、この場合には、その旨を記載する。
最初

第5章 通 貨

(通貨の決定及び使用)
第21条 
1 この協定の適用上、いずれかの通貨が完全に交換可能であるかないかを決定することがこの協定の下で必要となる場合には、銀行は、その財務上の利益を保全することが最も必要であることを考慮に入れ、必要なときは国際通貨基金と協議した後に、当該決定を行う。
2 加盟者は、銀行による次のものの受領、保有、使用又は移転に関し、いかなる制限も課してはならない。
(i) 第6条の規定に従い、銀行の資本への応募額の払込みとして銀行が受領する通貨又は欧州通貨単位
(ii) 銀行が借入れによって取得する通貨
(iii) 特別基金への拠出として銀行が管理する通貨その他の財源
(iv) (i)から(iii)までに定めるいずれかの資金から行われた貸付け若しくは投資に係る元本、利子、配当若しくは手数料のための支払として、その投資の処分による収入のための支払として又は貸付手数料、保証料、引受手数料若しくは他の手数料のための支払として銀行が受領する通貨
最初

第6章 組織及び運営

(機構)
第22条 銀行に、総務会、理事会、総裁、1人又は2人以上の副総裁並びに必要と認めるその他の役員及び職員を置く。
(総務会の構成)
第23条 
1 各加盟者は、総務会に代表者を出すものとし、総務1人及び代理1人を任命する。総務及び代理は、任命した加盟者が任意に定めるところに従って勤務する。代理は、総務が不在である場合を除くほか、投票することができない。総務会は、毎年の年次会合において総務のうちの1人を議長に選出するものとし、議長は、次の議長が選出されるまで在任する。
2 総務及び代理は、その資格においては、銀行から報酬を受けないで勤務する。
(総務会の権限)
第24条 
1 銀行のすべての権限は、総務会に属する。
2 総務会は、その権限の一部又は全部を理事会に委任することができる。ただし、次の権限を除く。
(i) 新たな加盟国の加盟を承認し及びその加盟の承認の条件を決定すること。
(ii) 銀行の授権資本を増額し又は減額すること。
(iii) 加盟者の資格停止を行うこと。
(iv) 理事会が行ったこの協定の解釈又は適用に関する異議の申立てを裁決すること。
(v) 他の国際機関との協力のための一般的な協定の締結を許可すること。
(vi) 銀行の理事及び総裁を選出すること。
(vii) 理事及びその代理の報酬並びに総裁の給料その他勤務に関する契約の条件を定めること。
(viii) 銀行の貸借対照表及び損益計算書を、監査人の報告を審査した上で承認すること。
(ix) 銀行の純益の留保並びに割当て及び分配を決定すること。
(x) この協定を改正すること。
(xi) 銀行の業務を終了させることを決定し及びその資産を分配することを決定すること。
(xii) この協定において明示的に総務会に付与されたその他の権限を行使すること。
3 総務会は、2の規定又はこの協定の他の規定に基づき理事会に委任され又は付与されたいかなる事項についても指揮監督を行う完全な権限を保有する。
(総務会の手続)
第25条 
1 総務会は、年次会合のほか、総務会が定め又は理事会が招集する会合を開催する。理事会は、銀行の五以上の加盟者又は加盟者の総投票権数の4分の1以上の投票権を有する加盟者が要請したときは、総務会を招集する。
2 総務会の会合の定足数は、総務の総数の3分の2以上であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものとする。
3 総務会は、規則を設けることにより、理事会が望ましいと認めるときに総務会の会合を招集することなく特定の問題に関する総務による投票を得る手続を定めることができる。
4 総務会及び権限を与えられた範囲内で理事会は、銀行の業務を運営するために必要な又は適当な規則及び補助機関を採択し及び設置することができる。
(理事会の構成)
第26条 
1 理事会は、23人の理事で構成するものとし、これらの理事は、総務会の構成員であってはならない。そのうち、
(i) 11人は、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ連邦共和国、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン、連合王国、欧州経済共同体及び欧州投資銀行を代表する総務が選出する。
(ii) 12人は、その他の加盟国を代表する総務が選出する。そのうち、
(a) 4人は、附属書Aに銀行からの援助を受ける資格を有する中欧及び東欧の国として掲げられる国を代表する総務が選出する。
(b) 4人は、附属書Aにその他の欧州の国として掲げられる国を代表する総務が選出する。
(c) 4人は、附属書Aに欧州の国以外の国として掲げられる国を代表する総務が選出する。
 理事は、自己を選出した総務が属する加盟者を代表するとともに、投票を自己に委任した加盟者も代表することができる。
2 理事は、経済及び金融に関する問題について有能な者でなければならず、附属書Bに従って選出される。
3 総務会は、銀行の加盟者の数の変動に考慮を払うため、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによる賛成投票により、理事会の規模を拡大し若しくは縮小し又はその構成を修正することができる。総務会がその後の選挙に関しこの権限を行使できることを条件として、第一二次の理事会の規模及び構成については、1に定めるところによる。
4 各理事は、不在のときに自己に代わって行動する完全な権限を有する代理を任命する。理事及び代理は、加盟国の国民でなければならない。いかなる加盟者も、2人以上の理事によって代表されてはならない。代理は、理事会の会合に参加することはできるが、理事に代わって行動しているときでなければ、投票することはできない。
5 理事は、3年間在任し、再選されることができる。ただし、最初の理事会の理事は、総務会によりその創立総会において選出され、その直後の総務会の第1回年次会合まで(総務会が当該年次会合においてその次の年次会合までと決定した場合には、その時まで)在任する。理事は、後任者が選出され、かつ、着任するまで在任する。理事が任期の満了前180日を超える期間欠員となった場合には、前任の理事を選出した総務は、この協定の附属書Bに従い残任期間のため後任者を選出する。選出には、当該総務による投票の過半数を必要とする。理事が任期の満了前180日を超えない期間欠員となった場合にも、同様に、前任の理事を選出した総務による投票により残任期間のため後任者を選出することができる。選出には、当該総務による投票の過半数を必要とする。欠員の間は、前任の理事の代理は、代理を任命する権限を除くほか、理事の権限を行使する。
(理事会の権限)
第27条 理事会は、第24条に規定する総務会の権限を害することなく、銀行の業務全般を運営する責任を有し、このため、この協定により明示的に与えられる権限のほか、総務会から委任されたすべての権限を行使する。特に、次の権限を有する。
(i) 総務会の作業を準備すること。
(ii) 総務会の一般的な指示に従い、貸付け、保証、株式又は持分への投資、銀行の借入れ、技術援助の供与その他の銀行の業務に関する政策を定め及びこれらの業務に関する決定を行うこと。
(iii) 各年次会合において総務会の承認を得るため各会計年度の監査済みの決算書を提出すること。
(iv) 銀行の予算を承認すること。
(理事会の手続)
第28条 
1 理事会は、銀行の主たる事務所で通常その職務を行い、銀行の業務の必要に応じて会合する。
2 理事会の会合の定足数は、理事の過半数であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものとする。
3 総務会は、いずれの加盟国も、自国の国籍を有する理事がいない場合において自国に特に関係のある事項について審議が行われているときは、理事会の会合に投票権を有しないで出席する代表者1人を送ることができるよう、規則を採択する。
(投票)
第29条 
1 各加盟者の投票権数は、銀行の資本における当該加盟者の応募済株式数に等しいものとする。加盟者が第6条の規定に基づく払込株式に係る当該加盟者の義務に関し、払込期限が到来した額のいずれかの部分を払い込んでいない場合には、当該加盟者は、その未払が継続する限り、払込期限の到来した未払額が銀行の資本における当該加盟者の応募済払込株式の総額に対して占める割合に相当する割合の投票権数を、行使することができない。
2 各総務は、総務会における投票において、自己が代表する加盟者の票を投ずる資格を有する。この協定に別段の明文の規定がある場合を除くほか、総務会が決定すべきすべての事項は、投票した加盟者の投票権数の過半数によって決定する。
3 各理事は、理事会における投票において、自己を選出した総務が資格を有する票数及び附属書BのDの規定に基づき自己に投票を委任した総務が資格を有する票数を投票する資格を有する。二以上の加盟者を代表する理事は、自己が代表する二以上の加盟者の票を分割して投ずることができる。この協定に別段の明文の規定がある場合を除くほか、また、投票した加盟者の総投票権数の3分の2以上の多数による決定を必要とする一般的な政策に関する決定を除くほか、理事会が決定すべきすべての事項は、投票した加盟者の投票権数の過半数によって決定する。
(総裁)
第30条 
1 総務会は、総務の総数の過半数であって加盟者の総投票権数の過半数を代表するものによる投票により銀行の総裁1人を選出する。総裁は、在任期間中、総務、理事、総務代理又は理事代理であってはならない。
2 総裁の任期は、4年とする。総裁は、再選されることができる。ただし、総裁は、総務会が総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものによる賛成投票によって決定する場合には、退任する。総裁がいずれかの理由により欠員となったときは、総務会は、1の規定に従い4年を限度とする期間で後任者を選出する。
3 総裁は、可否同数の場合の決定投票を除くほか、投票してはならない。総裁は、総務会の会合に参加することができるものとし、また、理事会の会合の議長となる。
4 総裁は、銀行の法律上の代表者とする。
5 総裁は、銀行の職員の長とする。総裁は、理事会が採択した規則に従い、役員及び職員の組織及び任免の責任を負う。役員及び職員の任命に当たっては、能率及び技術的能力が最も重要であるが、総裁は、加盟国間の広範な地理的基礎に基づいて採用することについても妥当な考慮を払う。
6 総裁は、理事会の指揮の下に、銀行の経常的業務を行う。
(副総裁)
第31条 
1 理事会は、総裁の勧告に基づき、1人又は2人以上の副総裁を任命する。副総裁は、理事会が定める期間在任し、かつ、理事会が決定するところに従い、権限を行使し、及び銀行の管理の任務を遂行する。総裁の不在又は心身の故障の場合には、副総裁は、総裁の権限及び任務を代行する。
2 副総裁は、理事会の会合に参加することはできるが、その会合における投票権を有しない。ただし、副総裁は、総裁に代わって行動するときは、決定投票を行うことができる。
(銀行の国際的性格)
第32条 
1 銀行は、その目的又は任務を阻害し、ゆがめ又はその他の方法で変更するおそれのある特別基金又は他の貸付け若しくは援助を受け入れてはならない。
2 銀行、総裁、副総裁並びに役員及び職員は、決定を行うに当たっては、この協定に規定する銀行の目的、任務及び業務に関連した考慮にのみ基づいて行う。これらの考慮に当たっては、銀行の目的及び任務を達成し及び遂行するため、公平に比較衡量を行う。
3 銀行の総裁、副総裁並びに役員及び職員は、職務の遂行に当たり、銀行に対してのみ責任を負い、その他の当局に対しては責任を負わない。銀行の各加盟者は、この責任の国際的性格を尊重し、これらの者の職務の遂行に影響を及ぼすすべての企図を差し控えなければならない。
(事務所の所在地)
第33条 
1 銀行の主たる事務所は、ロンドンに置く。
2 銀行は、代理事務所又は支所を銀行の加盟国の領域内に設けることができる。
(寄託所及び連絡経路)
第34条 
1 各加盟者は、銀行が保有する当該加盟者の通貨その他の銀行の資産の寄託所として、その中央銀行又は銀行との合意によって定める他の機関を指定する。
2 各加盟者は、銀行がこの協定の下で生ずる事項に関して連絡することができる適当な公的機関を指定する。
(報告書の公表及び情報の提供)
第35条 
1 銀行は、監査済みの決算書を含む年次報告書を公表し、また、財務状況の概要書及び業務の結果を示す損益計算書を3箇月以内の期間ごとに加盟者に送付する。財務会計に係る記録は、欧州通貨単位で行う。
2 銀行は、毎年、その活動による環境への影響について報告するものとし、銀行の目的を推進するために望ましいと認めるその他の報告書を公表することができる。
3 この条に定めるすべての報告書、文書及び刊行物は、銀行の加盟者に配布する。
(純益の割当て及び分配)
第36条 
1 総務会は、少なくとも毎年、銀行の純益から、準備金のための控除及び必要な場合には第17条1に規定する予想される損失に備えるための控除を行ったものについて、剰余金に繰り入れ又は他の目的のために割り当てる額及び分配が行われるときは分配額を、決定する。銀行の純益の他の目的のための割当てについては、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものによって決定する。いかなる割当て及び分配も、一般準備金が授権資本の少なくとも10パーセントに達するまでは行ってはならない。
2 1に規定する分配は、各加盟者が保有する払込株式の数に比例して行う。ただし、その払込株式数の計算においては、当該分配に係る会計年度の終了する時までに当該株式に関し現金によって受領した払込み及び約束手形によって受領した払込みで現金化されたもののみを考慮する。
3 各加盟者に対する支払は、総務会が決定する方法により行う。当該支払及び受領国によるその使用は、いかなる加盟者からも制限を受けない。
最初

第7章 加盟者の脱退及び資格停止並びに業務の一時的停止及び終了

(加盟者の脱退の権利)
第37条 
1 加盟者は、銀行に対する書面による通告を主たる事務所に送付することにより、いつでも銀行から脱退することができる。
2 加盟者による脱退は、通告に明記する日に効力を生ずるものとし、加盟者は、同日にその資格を失う。ただし、この日は、いかなる場合にも、銀行が当該通告を受領する日から少なくとも6箇月後の日でなければならない。もっとも、加盟者は、脱退が最終的に効力を生ずる前は、いつでも、脱退の意思の通告を取り消すことを書面により銀行に通告することができる。
(資格停止)
第38条 
1 加盟者が銀行に対するいずれかの義務を履行しない場合には、銀行は、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の3分の2以上を代表するものによる決定により、当該加盟者の資格を停止することができる。資格停止を受けた加盟者は、その資格停止の日から1年で自動的に銀行の加盟者でなくなる。ただし、資格停止に必要な多数と同様の多数により当該加盟者の資格を回復することが決定される場合は、この限りではない。
2 加盟者は、資格停止中は、脱退する権利を除くほか、この協定に基づくいかなる権利も行使することはできないが、引き続きすべての義務には服さなければならない。
(旧加盟者との勘定の決済)
第39条 
1 いずれかの加盟者が加盟者でなくなった日の後は、その旧加盟者は、加盟者でなくなる前に契約された貸付け、株式若しくは持分への投資又は保証の一部に残高がある間は、銀行に対する直接の債務及び銀行に対する偶発債務について引き続いて責任を負うが、その後に銀行が新たに契約した貸付け、株式又は持分への投資及び保証についてはこのような責任を負わないものとし、また、銀行の収入にあずからず、かつ、銀行の経費を負担しない。
2 いずれかの加盟者が加盟者でなくなった場合には、銀行は、この条の規定に伴い、その旧加盟者との間の勘定の決済の一部として当該旧加盟者の株式を買い戻すための措置をとる。この場合において、その株式の買戻価格は、当該旧加盟者が加盟者でなくなった日における銀行の帳簿価額とし、当初の各株式の購入価格を上限価額とする。
3 この条の規定に基づいて銀行が買い戻す株式の代金の支払は、次の条件によるものとする。
(i) 旧加盟者に対してその株式の代金として支払うべき額は、当該旧加盟者、その中央銀行又は当該旧加盟者のいずれかの機関若しくは下部機関が、借入人又は保証人として銀行に対し引き続いて責任を負う間は、その支払を保留するものとし、かつ、銀行の選択によりこの責任に係る債務にその期限が到来したときに充てることができる。第6条の4、5及び7の規定に基づく株式の応募から生ずる当該旧加盟者の責任を理由としては、いかなる額についてもその支払を保留してはならない。加盟者の株式の代金としてその加盟者に支払うべき額は、いかなる場合にも、その加.盟者が加盟者でなくなった日から6箇月後までは支払わない。
(ii) 株式の代金の支払は、旧加盟者が買戻価格の全額を受領するまで、当該旧加盟者が株式を引き渡す都度、2の買戻価格として支払うべき額が(i)に定める貸付け、株式又は持分への投資及び保証に対する責任額の総計を超える額の範囲内で行うことができる。
(iii) 支払は、銀行が定める条件で、銀行が定める完全に交換可能な通貨又は欧州通貨単位により銀行が定める期日に行う。
(iv) いずれかの加盟者が加盟者でなくなった日に残高がある保証、貸付けへの参加若しくは貸付けにつき銀行が損失を受けた場合又は銀行が保有する株式若しくは持分への投資について同日に銀行が純損失を被っている場合において、損失の額が同日における損失引当準備金の額を超えるときは、当該旧加盟者は、株式の買戻価格の決定の際にその損失が考慮されていたとすれば株式の買戻価格から減額されていたはずである額を要求に応じて払い戻す。更に、旧加盟者は、第6条4の規定に基づく未払込応募額に係る払込請求につき、株式の買戻価格の決定の際に資本に毀損が生じていて払込請求がされていたとすれば要求されていたはずである額の範囲内で引き続き責任を負う。
4 いずれかの加盟者が加盟者でなくなった日から6箇月以内に銀行が第41条の規定に基づきその業務を終了する場合には、当該旧加盟者のすべての権利は、第41条から第43条までの規定に従って定める。
(業務の一時的停止)
第40条 理事会は、緊急の場合には、総務会が検討して措置をとるまでの間、新規の貸付け、保証、証券の引受け、技術援助及び株式又は持分への投資について業務を一時的に停止することができる。
(業務の終了)
第41条 銀行は、総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによる賛成投票により業務を終了することができる。銀行は、業務の終了に当たり、その資産の秩序ある換価、保全及び管理並びにその債務の決済に付随する活動を除くほか、すべての活動を直ちに停止する。
(加盟者の責任及び請求権の弁済)
第42条 
1 銀行の業務を終了する場合には、すべての加盟者が銀行の資本に対する払込請求未済の応募額について有する責任は、すべての偶発的な請求権を含む債権者のすべての請求権の履行が完了するまでの間、継続する。
2 直接の請求権を有する通常業務に係る債権者に対しては、最初に銀行の資産から、第二に払い込まれていない払込株式に係る銀行への払込金から、次に請求払資本に係る銀行への払込金から弁済する。直接の請求権を有する債権者に対する支払に先立って、理事会は、直接の請求権を有する者と偶発的な請求権を有する者との間に比例的な分配を確保するため必要と認める措置をとる。
(資産の分配)
第43条 
1 銀行の資本に対する応募を理由とする加盟者へのこの章に基づく分配は、次の要件を満たすまでは行わない。
(i) 債権者に対するすべての債務を履行し又は履行する用意を完了すること。
(ii) 総務会が総務の総数の3分の2以上の多数であって加盟者の総投票権数の4分の3以上を代表するものによる投票により分配することを決定すること。
2 銀行の資産は、各加盟者が有する資本に比例して、銀行が公正かつ衡平と認める時期及び条件により加盟者に分配する。分配される資産の各加盟者の取り分は、資産の種類について画一的であることを必要としない。いかなる加盟者も、銀行に対するすべての債務を決済するまでは、資産の分配において自己の取り分を受け取る資格を有しない。
3 この条の規定に従って分配される資産を受け取った加盟者は、銀行がその資産について分配前に有していた権利と同一の権利を有する。
最初

第8章 地位、免除、特権及び課税免除

(この章の目的)
第44条 銀行がその目的及び与えられた任務を達成することができるようにするため、銀行に対し、この章に規定する地位、免除、特権及び課税免除を各加盟国の領域において与える。
(銀行の地位)
第45条 銀行は、完全な法人格を有し、特に、次のことを行う完全な法的能力を有する。
(i) 契約をすること。
(ii) 動産及び不動産を取得し及び処分すること。
(iii) 訴えを提起すること。
(訴訟手続に関する銀行の地位)
第46条 銀行に対する訴えは、銀行の事務所がある国、銀行が訴訟に関する送達若しくは告知を受けるため代理人を任命している国又は銀行が証券の発行若しくは保証を行っている国の領域内の管轄裁判所にのみ提起することができる。ただし、加盟者又はその代理人若しくは加盟者から請求権を承継した者は、訴えを提起してはならない。銀行の財産及び資産は、所在地及び占有者のいかんを問わず、銀行に対する裁判の確定前は、あらゆる形式の押収、差押え又は強制執行を免除される。
(資産に対する強制処分の免除)
第47条 銀行の財産及び資産は、所在地及び占有者のいかんを問わず、行政上又は立法上の措置による捜索、徴発、没収、収用その他あらゆる形式の強制処分を免除される。
(文書に関する免除)
第48条 銀行の文書及び一般に銀行が所有し又は保管する文書は、不可侵とする。
(資産に対する制限からの自由)
第49条 銀行のすべての財産及び資産は、銀行の目的及び任務を遂行するために必要な範囲内で、かつ、この協定の規定に従うことを条件として、いかなる性質の制限、規制、管理及びモラトリアムをも課されない。
(通信に関する特権)
第50条 各加盟者は、銀行の公用通信に対し、他の加盟者の公用通信に対して与える待遇と同一の待遇を与える。
(役員及び使用人の免除)
第51条 銀行の総務、理事、代理、役員及び使用人並びに銀行のための任務を遂行する専門家は、銀行が当該免除を放棄する場合を除くほか、公的資格で行う行為について訴訟手続から免除され、また、これらの者の公用の書類及び文書は、不可侵とする。ただし、当該免除は、これらの総務、理事、代理、役員、使用人又は専門家が引き起こした道路交通事故から生ずる損害の場合における民事責任については、適用しない。
(役員及び使用人の特権)
第52条 
1 銀行の総務、理事、代理、役員及び使用人並びに銀行のための任務を遂行する専門家は、次の免除及び特権を享受する。
(i) これらの者が当該加盟国の国民でない場合には、当該加盟国が他の加盟国の同等の地位の代表者、公務員及び使用人に対して与える出入国制限、外国人登録義務及び国民的服役義務の免除並びに為替制限に関する便宜と同一の免除及び便宜
(ii) 加盟国が他の加盟国の同等の地位の代表者、公務員及び使用人に対して与える旅行上の便宜に関する待遇と同一の待遇
2 銀行の主たる事務所が置かれる国に居住する理事、理事代理、役員、使用人及び銀行の専門家の配偶者及び直接の被扶養者は、当該国で就職する機会を与えられる。銀行の代理事務所又は支所が置かれる国に居住する理事、理事代理、一役員、使用人及び銀行の専門家の配偶者及び直接の被扶養者は、可能な限り、当該国の国内法に従い、当該国で同様の機会を与えられるものとする。銀行は、主たる事務所が置かれる国及び適当な場合には他の関係国とこの2の規定を実施するための具体的な協定について交渉する。
(課税の免除)
第53条 
1 銀行並びにその資産、財産及び収入は、銀行の公的活動の範囲内において、すべての直接税を免除される。
2 銀行がその公的活動を遂行するために必要な相当の価額の物品又は役務を購入し又は使用する場合において、当該物品又は役務の価格に税が含まれ、その税が識別できるときは、当該税を課した加盟国は、これを免除し又は還付するための適当な措置をとる。
3 銀行が輸入する物品でその公的活動の遂行に必要なものは、すべての輸入に関する税並びにすべての輸入に関する禁止及び制限を免除される。同様に、銀行が輸出する物品でその公的活動の遂行に必要なものは、すべての輸出に関する税並びにすべての輸出に関する禁止及び制限を免除される。
4 銀行が取得し又は輸入した物品でこの条の規定に基づく免除を受けたものは、免除又は還付を行った加盟国が定めた条件に従って行う場合を除くほか、売却し、賃貸し、貸与し又は有償若しくは無償で譲渡してはならない。
5 この条の規定は、公益事業の使用料にすぎない税については、適用しない。
6 銀行の理事、理事代理、役員及び使用人は、この協定の効力発生の日から1年以内に総務会が定める条件及び採択する規則に従い、銀行が支払う給料その他の給与に関し銀行の利益のために事実上の内部税を課される。この税が適用される日から、当該給料その他の給与は、国内の所得税を免除される。ただし、加盟国は、他の源泉からの所得に対して課する租税の額を算定するときは、このように免除された給料その他の給与を考慮に入れることができる。
7 6の規定にかかわらず、加盟国は、自国の市民又は国民に銀行が支払う給料その他の給与に対し、自国又はその行政区画若しくは地方政府が課税する権利を留保する旨の宣言を批准書、受諾書又は承認書とともに寄託することができる。銀行は、このような租税の納付、源泉徴収又は徴収の義務を免除される。銀行は、当該租税のためのいかなる補償も行わない。
8 6の規定は、銀行が支払う年金については、適用しない。
9 銀行が発行する債務証書その他の証書(その配当又は利子を含む。)に対しては、保有者のいかんを問わず、次の課税のいずれも行ってはならない。
(i) 銀行が発行したことのみを理由として債務証書その他の証書に対して不利な差別を設ける課税
(ii) 債務証書その他の証書の発行、支払予定若しくは支払実施の場所若しくは通貨又は銀行が維持する事務所若しくは業務所の位置を唯一の法律上の基準とする課税
10 銀行が保証する債務証書その他の証書(その配当又は利子を含む。)に対しては、保有者のいかんを問わず、次の課税のいずれも行ってはならない。
(i) 銀行が保証したことのみを理由として債務証書その他の証書に対して不利な差別を設ける課税
(ii) 銀行が維持する事務所又は業務所の位置を唯一の法律上の基準とする課税
(この章の規定の実施)
第54条 加盟者は、この章の規定を実施するために速やかに必要な措置をとり、その措置の詳細を銀行に通報する。
(免除、特権及び課税免除の放棄)
第55条 この章の規定に基づいて与えられる免除、特権及び課税免除は、銀行の利益のために与えられる。理事会は、銀行の利益にとって最も適当であると認める場合には、この章の規定に基づいて与えられる免除、特権及び課税免除を理事会が決定する範囲内及び条件で放棄することができる。総裁は、自己及び副総裁以外の役員、使用人又は銀行の専門家に関する免除、特権及び課税免除が正義の実現を阻害するものであり、かつ、銀行の利益を害することなくこれを放棄することができると認める場合には、当該免除、特権及び課税免除を放棄する権利及び義務を有する。これと同様の状況の下において及び同一の条件により、理事会は、総裁及び副総裁に関する免除、特権又は課税免除を放棄する権利及び義務を有する。
最初

第9章 改正、解釈及び仲裁

(改正)
第56条 
1 この協定を改正する提案は、加盟者、総務又は理事会のいずれから提議されたものであっても、総務会の議長に送付し、議長は、この提案を総務会に提出する。総務会が改正案を承認したときは、銀行は、すべての加盟者に対し、改正案を受諾するか受諾しないかについて迅速な通報の手段により照会する。加盟者の4分の3以上の多数(附属書Aに掲げる中欧及び東欧の国の少なくとも二の国を含むことを要する。)であって加盟者の総投票権数の5分の4以上を有するものが改正案を受諾したときは、銀行は、すべての加盟者にあてた公式の通報によってその事実を確認する。
2 1の規定にかかわらず、
(i) 次の事項を変更する改正の場合には、すべての加盟者の受諾を必要とする。
(a) 銀行から脱退する権利
(b) 第5条3に定める株式の買入れに関する権利
(c) 第5条7に定める責任の限度
(d)  第1条及び第2条に規定する銀行の目的及び任務
(ii) 第8条4の規定を変更する改正の場合には、加盟者の4分の3以上の多数であって加盟者の総投票権数の85パーセント以上を有するものによる受諾を必要とする。
 (i)及び(ii)に定める改正案の受諾に関する要件が満たされたときは、銀行は、すべての加盟者にあてた公式の通報によってその事実を確認する。
3 改正は、1及び2に規定する公式の通報の日の後3箇月ですべての加盟者について効力を生ずる。ただし、総務会が異なる期間を明示する場合は、この限りでない。
(解釈及び適用)
第57条 
1 この協定の規定の解釈又は適用について加盟者と銀行との間又は加盟者相互の間に生ずる疑義は、理事会に対しその決定のため提出する。審議される疑義につき特に関係を有する加盟国は、理事会に自国の国籍を有する理事がいない場合には、当該審議が行われる間理事会の会合に自国を直接代表する者を出席させる権利を有するが、このような代表者は、投票権を有しない。代表者を出席させるこの権利については、総務会が定めるところによる。
2 理事会がの規定に基づいて決定を行ったときは、いずれの加盟者も、その疑義を総務会に付託することを要求することができるものとし、総務会の裁決は、最終的なものとする。銀行は、総務会が裁決を行うまでの間、必要と認める限り、理事会の決定に基づいて行動することができる。
(仲裁)
第58条 銀行と加盟者でなくなった者との間又は銀行の業務を終了する決定を採択した後において銀行と加盟者との間に意見の相違が生じた場合には、この意見の相違は、3人の仲裁人による仲裁に付する。仲裁人の1人は銀行が任命し、他の1人は当該加盟者又は当該旧加盟者が任命し、第三の仲裁人は当事者が別段の合意をしない限り国際司法裁判所長又は総務会が採択した規則で定める他の当局が任命する。最終的であり、かつ、当事者を拘束する決定は、仲裁人の過半数の投票によって行うことができる。第三の仲裁人は、手続問題に関して当事者の意見が相違する場合には、その問題を解決する完全な権限を有する。
(承認とみなされる場合)
第59条 銀行が行為をする前に加盟者の承認又は受諾を必要とする場合には、第56条の規定に基づく場合を除くほか、銀行が当該行為の提案を当該加盟者に通知するに当たって定める相当の期間内に当該加盟者が異議を申し立てないときは、承認又は受諾が与えられたものとみなす。
最初

第10章 最終規定

(署名及び寄託)
第60条 
1 この協定は、フランス共和国政府(以下「寄託者」という。)に寄託するものとし、1990年12月31日まで、附属書Aに掲げる加盟予定者による署名のために開放しておく。
2 寄託者は、すべての署名者にこの協定の認証謄本を送付する。
(批准、受諾又は承認)
第61条 
1 この協定は、署名者によって批准され、受諾され又は承認されなければならない。批准書、受諾書又は承認書は、2の規定の適用があることを条件として、1991年3月31日以前に寄託者に寄託されなければならない。寄託者は、他の署名者に批准書、受諾書又は承認書の各寄託及び当該寄託の日付を通告する。
2 いずれの署名者も、この協定の効力発生の日の後1年以内に、又は必要な場合には総務の総数の過半数であって加盟者の総投票権数の過半数を代表するものによって決定される更に遅い日までに、批准書、受諾書又は承認書を寄託することによりこの協定の締約者となることができる。
3 この協定の効力発生の日前に「に規定する批准書、受諾書又は承認書を寄託した署名者は、効力発生の日に銀行の加盟者となる。その他の署名者で2の規定に従い批准書、受諾書又は承認書を寄託したものは、その寄託の日に銀行の加盟者となる。
(効力発生)
第62条 
1 この協定は、附属書Aに掲げる当初の応募額の総額の3分の2以上を代表する署名者(附属書Aに掲げる中欧及び東欧の国の少なくとも二の国を含むことを要する。)がそれぞれの批准書、受諾書又は承認書の寄託を完了した時に、効力を生ずる。
2 この協定が1991年3月31日までに効力を生じない場合には、寄託者は、将来の行動方針を決定し及び批准書、受諾書又は承認書が寄託される新たな期日を決定するため、関心を有する加盟予定者の会議を招集することができる。
(創立総会及び業務の開始)
第63条 
1 この協定が前条の規定に基づき効力を生じたときは直ちに、各加盟者は、総務を任命する。寄託者は、前条の規定に基づくこの協定の効力発生の日から60日以内に、又はその後できる限り速やかに総務会の第1回会合を招集する。
2 総務会は、その第1回会合において、次のことを行う。
(i) 総裁を選出すること。
(ii) 第26条の規定に従い銀行の理事を選出すること。
(iii) 銀行の業務の開始の日を決定するための措置をとること。
(iv) 銀行の業務の開始の準備のために必要と認められるその他の措置をとること。
3 銀行は、その業務の開始の日を加盟者に通告する。

1990年5月29日にパリで、ひとしく正文である英語、フランス語、ドイツ語及びロシア語により原本一通を作成した。この原本は、寄託者に寄託する。寄託者は、その認証謄本をこの協定の附属書Aに掲げる他の加盟予定者に送付する。
最初

附属書

附属書A 第61条の規定に従って加盟者となる加盟予定者の授権資本への当初の応募額

 株式数資本への応募額(百万欧州通貨単位)
A 欧州共同体  
 (a)  
ヘルギー
22,800228.00
デンマーク
12,000120.00
フランス
85,175851.75
ドイツ連邦共和国
85,175851.75
ギリシャ
6,50065.00
アイルランド
3,00030.00
イタリア
85,175851.75
ルクセンブルグ
2,00020.00
オランダ
24,800248.00
ポルトガル
4,20042.00
スペイン
34,000340.00
連合王国
85,175851.75
 (b)  
欧州経済共同体
30,000300.00
欧州投資銀行
30,000300.00
B その他の欧州の国  
オーストリア
22,800228.00
サイプラス
1,00010.00
フィンランド
12,500125.00
アイスランド
1,00010.00
イスラエル
6,50065.00
リヒテンシュタイン
2002.00
マルタ
1001.00
ノールウェー
12,500125.00
スウェーデン
22,800228.00
スイス
22,800228.00
トルコ
11,500115.00
C 受益国  
ブルガリア
7,90079.00
チェッコ・スロヴァキア
12,80018.00
ドイツ民主共和国
15,500155.00
ハンガリー
7,90079.00
ポーランド
12,800128.00
ルーマニア
4,80048.00
ソヴィエト社会主義共和国連邦
60,000600.00
ユーゴースラヴィア
12,80018.00
D 欧州の国以外の国  
オーストラリア
10,000100.00
カナダ
34,000340.00
エジプト
1,00010.00
日本国
85,175851.75
大韓民国
6,50065.00
メキシコ
3,00030.00
モロッコ
1,00010.00
ニュー・ジーランド
1,00010.00
アメリカ合衆国
100,0001,000.00
E 未割当株1251.25
合計1,000,00010,000.00

注 加盟予定者は、この協定のためにのみこの附属書Aの区分の下に掲げられる。受益国は、この協定の他の規定においては、中欧及び東欧の国という。
附属書B

A ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ連邦共和国、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン、連合王国、欧州経済共同体及び欧州投資銀行を代表する総務(以下「Aの総務」という。)による理事の選挙
1 以下に定めるこのAの規定は、このAについてのみ適用する。
2 理事の候補者は、Aの総務が指名する。ただし、各総務は、1人のみを指名することができる。理事の選挙は、Aの総務が投票によって行う。
3 投票する資格を有する各総務は、自己を任命した加盟者がこの協定第29条の1及び2の規定に基づいて有するすべての票を1人に対して投ずる。
4 10の規定に従うことを条件として、最も多数の票を得た11人は、理事となる。ただし、得票数がこのAにおける投票可能な票数(有権票数)の総数の4.5パーセントに達しなかった者は、選出されなかったものとする。
5 10の規定に従うことを条件として、第1回の投票において11人が選出されなかった場合には、第2回の投票を行う。この投票においては、第1回の投票において最も少数の票を得た者は、候補者が11人を超えていなかった場合を除くほか選出される資格がないものとし、次の者のみが投票する。
(a)第1回の投票において選出されなかった者に投票した総務
(b)第1回の投票において選出された者に投票した総務であって自己が投じた票によって当該者の得票数が有権票数の5.5パーセントを超えることとなったと6及び7の規定によってみなされるもの
6 いずれの総務が投じた票によってある者の得票数が有権票数の5.5パーセントを超えることとなったとみなすかを決定するに当たっては、この5.5パーセントには、最初に、当該者に対して最も多数の票を投じた総務の票数が、次に、これに次ぐ数の票を投じた総務の票数が、以下順次5.5パーセントに達するまでの票数が含まれるものとみなす。
7 ある者の得票数が4.5パーセントを超えることとなるためにいずれかの総務の票の一部が計上されなければならない場合には、その総務のすべての票は、当該者の得票数がこれにより5.5パーセントを超えるときでも、当該者に投じられたものとみなされ、その後の投票においては投票する資格を有しない。
8 10の規定に従うことを条件として、第2回の投票の後11人が選出されなかった場合には、このAに定める原則及び手続に従い11人が選出されるまで更に投票を行う。ただし、10人が選出された場合には、11番目の者は、4の規定にかかわらず、残余の票数の単純多数で選出することができる。
9 総務会は、Aの総務が選出する理事の数が増加し又は減少する場合には、4から7までに定める百分率の下限及び上限を適当に調整する。
10 附属書Aにおいて資本への応募額の割合が2.4パーセントを超える署名者又は署名者の集団が批准書、承認書又は受諾書を寄託しないときは、当該署名者又は署名者の集団ごとにそれぞれ1人の理事の選挙は、行わない。当該署名者又は署名者の集団を代表する総務は、当該署名者又は署名者の集団が加盟した後直ちに、それぞれに係る理事を選出する。当該理事は、最初の理事会の理事が在任している間に選出された場合には、この協定第26条3の規定に従い、総務会の創立総会において選出されたものとみなす。
B その他の国を代表する総務による理事の選挙
B(i) 附属書Aに中欧及び東欧の国(受益国)として掲げられる国を代表する総務(以下「B(i)の総務」という。)による理事の選挙
1 以下に定めるこのB(i)の規定は、このB(i)についてのみ適用する。
2 理事の候補者は、B(i)の総務が指名する。ただし、各総務は、1人のみを指名することができる。理事の選挙は、B(i)の総務が投票によって行う。
3 投票する資格を有する各総務は、自己を任命した加盟者がこの協定第29条の1及び2の規定に基づいて有するすべての票を1人に対して投ずる。
4 10の規定に従うことを条件として、最も多数の票を得た4人は、理事となる。ただし、得票数がこのB(i)における投票可能な票数(有権票数)の総数の12パーセントに達しなかった者は、選出されなかったものとする。
5 10の規定に従うことを条件として、第1回の投票において4人が選出されなかった場合には、第2回の投票を行う。この投票においては、第1回の投票において最も少数の票を得た者は、候補者が4人を超えていなかった場合を除くほか選出される資格がないものとし、次の者のみが投票する。
(a)第1回の投票において選出されなかった者に投票した総務
(b)第1回の投票において選出された者に投票した総務であって自己が投じた票によって当該者の得票数が有権票数の13パーセントを超えることとなったと6及び7の規定によってみなされるもの
6 いずれの総務が投じた票によってある者の得票数が有権票数の13パーセントを超えることとなったとみなすかを決定するに当たっては、この13パーセントには、最初に、当該者に対して最も多数の票を投じた総務の票数が、次に、これに次ぐ数の票を投じた総務の票数が、以下順次13パーセントに達するまでの票数が含まれるものとみなす。
7 ある者の得票数が12パーセントを超えることとなるためにいずれかの総務の票の一部が計上されなければならない場合には、その総務のすべての票は、当該者の得票数がこれにより13パーセントを超えるときでも、当該者に投じられたものとみなされ、その後の投票においては投票する資格を有しない。
8 10の規定に従うことを条件として、第2回の投票の後4人が選出されなかった場合には、このB(i)に定める原則及び手続に従い4人が選出されるまで更に投票を行う。ただし、3人が選出された場合には、4番目の者は、4の規定にかかわらず、残余の票数の単純多数で選出することができる。
9 総務会は、B(i)の総務が選出する理事の数が増加し又は減少する場合には、4から7までに定める百分率の下限及び上限を適当に調整する。
10 附属書Aにおいて資本への応募額の割合が2.8パーセントを超える署名者又は署名者の集団が批准書、承認書又は受諾書を寄託しないときは、当該署名者又は署名者の集団ごとにそれぞれ1人の理事の選出は、行わない。当該署名者又は署名者の集団を代表する総務は、当該署名者又は署名者の集団が加盟した後直ちに、それぞれに係る理事を選出する。当該理事は、最初の理事会の理事が在任している間に選出された場合には、この協定第26条3の規定に従い、総務会の創立総会において選出されたものとみなす。
B(ii) 附属書Aにその他の欧州の国として掲げられる国を代表する総務(以下「B(ii)の総務」という。)による理事の選挙
1 以下に定めるこのB(ii)の規定は、このB(ii)についてのみ適用する。
2 理事の候補者は、B(ii)の総務が指名する。ただし、各総務は、1人のみを指名することができる。理事の選挙は、B(ii)の総務が投票によって行う。
3 投票する資格を有する各総務は、自己を任命した加盟者がこの協定第29条の1及び2の規定に基づいて有するすべての票を1人に対して投ずる。
4 10の規定に従うことを条件として、最も多数の票を得た4人は、理事となる。ただし、得票数がこのB(ii)における投票可能な票数(有権票数)の総数の20.5パーセントに達しなかった者は、選出されなかったものとする。
5 10の規定に従うことを条件として、第1回の投票において4人が選出されなかった場合には、第2回の投票を行う。この投票においては、第1回の投票において最も少数の票を得た者は、候補者が4人を超えていなかった場合を除くほか選出される資格がないものとし、次の者のみが投票する。
(a)第1回の投票において選出されなかった者に投票した総務
(b)第1回の投票において選出された者に投票した総務であって自己が投じた票によって当該者の得票数が有権票数の21.5パーセントを超えることとなったと6及び7の規定によってみなされるもの
6 いずれの総務が投じた票によってある者の得票数が有権票数の21.5パーセントを超えることとなったとみなすかを決定するに当たっては、この21.5パーセントには、最初に、当該者に対して最も多数の票を投じた総務の票数が、次に、これに次ぐ数の票を投じた総務の票数が以下順次21.5パーセントに達するまでの票数が含まれるものとみなす。
7 ある者の得票数が20.5パーセントを超えることとなるためにいずれかの総務の票の一部が計上されなければならない場合には、その総務のすべての票は、当該者の得票数がこれにより21.5パーセントを超えるときでも、当該者に投じられたものとみなされ、その後の投票においては投票する資格を有しない。
8 10の規定に従うことを条件として、第2回の投票の後4人が選出されなかった場合には、このB(ii)に定める原則及び手続に従い4人が選出されるまで更に投票を行う。ただし、3人が選出された場合には、4番目の者は、4の規定にかかわらず、残余の票数の単純多数で選出することができる。
9 総務会は、B(ii)の総務が選出する理事の数が増加し又は減少する場合には、4から7までに定める百分率の下限及び上限を適当に調整する。
10 附属書Aにおいて資本への応募額の割合が2.8パーセントを超える署名者又は署名者の集団が批准書、承認書又は受諾書を寄託しないときは、当該署名者又は署名者の集団ごとにそれぞれ1人の理事の選挙は、行わない。当該署名者又は署名者の集団を代表する総務は、当該署名者又は署名者の集団が加盟した後直ちに、それぞれに係る理事を選出する。当該理事は、最初の理事会の理事が在任している間に選出された場合には、この協定第26条3の規定に従い、総務会の創立総会において選出されたものとみなす。
B(iii) 附属書Aに欧州の国以外の国として掲げられる国を代表する総務(以下「B(iii)の総務」という。)による理事の選挙
1 以下に定めるこのB(iii)の規定は、このB(iii)についてのみ適用する。
2 理事の候補者は、B(iii)の総務が指名する。ただし、各総務は、1人のみを指名することができる。理事の選挙は、B(iii)の総務が投票によって行う。
3 投票する資格を有する各総務は、自己を任命した加盟者がこの協定第29条の1及び2の規定に基づいて有するすべての票を1人に対して投ずる。
4 10の規定に従うことを条件として、最も多数の票を得た4人は、理事となる。ただし、得票数がこのB(iii)における投票可能な票数(有権票数)の総数の8パーセントに達しなかった者は、選出されなかったものとする。
5 10の規定に従うことを条件として、第1回の投票において4人が選出されなかった場合には、第2回の投票を行う。この投票においては、第1回の投票において最も少数の票を得た者は、候補者が4人を超えていなかった場合を除くほか選出される資格がないものとし、次の者のみが投票する。
(a)第1回の投票において選出されなかった者に投票した総務
(b)第1回の投票において選出された者に投票した総務であって自己が投じた票によって当該者の得票数が有権票数の9パーセントを超えることとなったと6及び7の規定によってみなされるもの
6 いずれの総務が投じた票によってある者の得票数が有権票数の9パーセントを超えることとなったとみなすかを決定するに当たっては、この9パーセントには、最初に、当該者に対して最も多数の票を投じた総務の票数が、次に、これに次ぐ数の票を投じた総務の票数が、以下順次9パーセントに達するまでの票数が含まれるものとみなす。
7 ある者の得票数が8パーセントを超えることとなるためにいずれかの総務の票の一部が計上されなければならない場合には、その総務のすべての票は、当該者の得票数がこれにより9パーセントを超えるときでも、当該者に投じられたものとみなされ、その後の投票においては投票する資格を有しない。
8 10の規定に従うことを条件として、第2回の投票の後4人が選出されなかった場合には、このB(iii)に定める原則及び手続に従い4人が選出されるまで更に投票を行う。ただし、3人が選出された場合には、4番目の者は、4の規定にかかわらず、残余の票数の単純多数で選出することができる。
9 総務会は、B(iii)の総務が選出する理事の数が増加し又は減少する場合には、4から7までに定める百分率の下限及び上限を適当に調整する。
10 附属書Aにおいて資本への応募額の割合が5パーセントを超える署名者又は署名者の集団が批准書、承認書又は受諾書を寄託しないときは、当該署名者又は署名者の集団ごとにそれぞれ1人の理事の選挙は、行わない。当該署名者又は署名者の集団を代表する総務は、当該署名者又は署名者の集団が加盟した後直ちに、それぞれに係る理事を選出する。当該理事は、最初の理事会の理事が在任している間に選出された場合には、この協定第26条3の規定に従い、総務会の創立総会において選出されたものとみなす。
C 附属書Aに掲げられていない国を代表する理事の選挙のための措置
 総務会が、この協定第26条3の規定に従い、銀行の加盟者の数の変動に考慮を払うため理事会の規模の拡大若しくは縮小又はその構成の修正を決定する場合には、総務会は、最初にこの附属書Bの改正が必要であるかないかを検討しなければならず、必要と認めるときは、当該決定の一部として当該改正を行うことができる。
D 投票の委任
 この附属書BのA、B(i)、B(ii)又はB(iii)に基づく理事の選挙において投票に参加しない総務又は自己の票が選挙にいかなる貢献もしない総務は、選出された理事のいずれか1人に対し自己が資格を有する投票を委任することができる。ただし、当該総務は、当該委任に関し当該理事を選出したすべての総務の同意を事前に得なければならない。理事の選挙の投票に参加しないという総務の決定は、この附属書BのA、B(i)、B(ii)又はB(iii)の有権票数の計算に影響を及ぼすものではない。

(ソヴィエト社会主義共和国連邦の書簡)
 書簡をもって啓上いたします。貴官も御承知のとおり、ソヴィエト連邦の当局は、中欧及び東欧の国における市場指向型経済への移行を促進することを目的とした欧州復興開発銀行を設立するためのフランスのF・ミッテラン大統領の提案に理解を示し、これを支持してきました。ソヴィエト連邦の代表団は、同銀行を設立するための文書の起草に関する会議に参加しました。その結果、当該会議の構成国により、欧州復興開発銀行を設立する協定の起草に関し相当の進展が遂げられました。
 同時に、ソヴィエト連邦がその経済の規模により同銀行の融資の主要な受益国となり、その結果、同銀行が他の中欧及び東欧の国に援助を行う能力が制限されるとの危惧を多くの国が有しており、そのことを主たる原因として困難な問題が生じています。
 この関連において、本官は、同銀行の平等な加盟国になるというソヴィエト連邦の意向が、主として、欧州大陸における歴史的な改革を助長するために多数国間の協力のための新たな機関を設立するという意思に基づくものであることを、貴官に保証します。
 本官は、我が国政府が、同銀行を設立する協定の第8条4の規定に従い、この協定の効力発生から3年の期間、自らによる同銀行の財源の利用を制限する用意があることを貴官に伝達します。
 当該期間中、ソヴィエト連邦は、同銀行が当該協定の第11条3に定める割合に従い、民間部門に融資し、国有企業の民間部門による所有及び支配への移行を容易にし並びに競争的に活動しかつ市場指向型経済への参加へ移行しつつある企業を支援するため、技術援助その他の形態の援助をソヴィエト連邦に対し供与することを希望します。同銀行がこのようにして供与する援助の総額は、ソヴィエト連邦がその株式に応じ支払った現金及び発行した約束手形の総額を超えないものとします。
 本官は、ソヴィエト連邦における経済の改革が継続することにより、同銀行の活動のソヴィエト連邦の領域への拡大が必ず促進されることを確信します。もっとも、ソヴィエト連邦は、同銀行が多数国間の機関としての性格を確保することに関心を有しており、ソヴィエト連邦の借入れが、同銀行の業務において必要な多様性を維持し、かつ、同銀行の実行残高に関する慎重な制限を維持するために要請される額を超えるようなことを将来のいかなる時においても求めません。
 本官は、以上を申し進めるに際し、ここに貴官に向かって敬意を表します。

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