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郵便為替に関する約定

【目次】
  平成2・12・28・条約 13号  
発効平成3・1・1・外務省告示557号  


郵便為替に関する約定をここに公布する。
万国郵便連合加盟国の政府の全権委員である下名は、1964年7月10日にウィーンで作成された万国郵便連合憲章第22条4の規定にかんがみ、合意により、かつ、同憲章第25条3の規定の適用があることを条件として、次の約定を作成した。
 
第1条 この約定の目的
1 この約定は、締約国が相互間で実施することを合意する郵便為替の交換を規律する。
2 郵政機関以外の機関は、郵政庁を通じ、この約定によって規律される為替の交換に参加することができる。これらの機関は、この約定のすべての規定の完全な実施を確保するため自国の郵政庁と取決めを行うものとし、その取決めの範囲内において、この約定に定める郵政機関としての権利を行使し、及び義務を履行する。当該郵政庁は、これらの機関とこの約定の他の締約国の郵政庁及び国際事務局との間の関係につき、仲介者となる。
 
第2条 郵便為替の種類
1 通常為替
 差出人は、郵便局の窓口において為替金を払い込み、又は自己の郵便振替口座からの払出しを請求することにより、受取人への現金による為替金の払渡しを請求する。通常為替は郵便によって送達し、電信通常為替は電気通信によって送達する。
2 払込為替
 差出人は、郵便局の窓口において為替金を払い込むことにより、郵政庁が所管する受取人の郵便振替口座への為替金の受入登録を請求する。払込為替は郵便によって送達し、電信払込為替は電気通信によって送達する。
3 その他の業務
 郵政庁は、二国間又は多数国間で、その他の業務を実施することを合意することができる。業務の条件は、関係郵政庁の間で定める。
 
第3条 為替の振出し(通貨、換算及び金額)
1 為替の金額は、特別の合意がない限り、払渡国の通貨をもって表示する。
2 振出郵政庁は、払渡国の通貨に対する自国の通貨の換算割合を定める。
3 通常為替一口の最高限度額は、関係郵政庁の間の合意によって定める。
4 払込為替一口の金額は、無制限とする。ただし、郵政庁は、差出人が1日に又は一定の期間内に振り出すことのできる払込為替の金額を制限する権能を有する。
5 国際電気通信条約に附属する電信規則の規定は、電信為替について適用する。
 
第4条 料金
1 振出郵政庁は、2及び3の規定が適用されることを条件として、振出しの際に徴収する料金を任意に定める。振出郵政庁は、特別の取扱い(払渡済通知、登記済通知、速達による為替の交付等)の請求が行われた場合には、当該取扱いに係る料金をこの主要な料金に加える。
2 通常為替一口の主要な料金の額は、22.86SDRを超えることができない。
3 払込為替一口の料金は、同一の金額の通常為替一口の料金よりも低い額のものでなければならない。
4 この約定の締約国の仲介により締約国と締約国でない国との間で交換する為替に対しては、仲介国の郵政庁は、為替の金額の4分の1パーセントに相当する額の料金(ただし、最低限0.82SDRとし、最高限1.63SDRとする。)を追加して課することができるものとし、当該料金は、為替の金額から控除する。もっとも、当該料金は、関係郵政庁が合意する場合には、差出人から徴収して当該仲介国の郵政庁に支払うことができる。
5 次の料金は、受取人から徴収することができる。
(a) 住所において払渡しをする場合には、居宅払料
(b) 為替金を郵便振替口座に受入登記する場合には、受入登記料
(c) 第6条4の日付認証料
(d) 為替証書が留め置きとされている場合には、条約第26条1の表(e)の料金
(e) 速達の補充料金
6 この約定の施行規則に基づく請求に応じて払渡承認書を交付する場合であって、業務上の過失がなかったときは、差出人又は受取人から条約第26条1の表(o)に規定する料金と同様の料金を払渡承認料として徴収することができる。ただし、調査請求又は払渡済通知につき既に料金を徴収している場合は、この限りでない。
7 為替に対しては、振出し又は払渡しの際に、この約定に定める料金を除くほか、いかなる料金及び課金も課することができない。
8 条約第16条に定める条件を満たす郵便業務の事務用為替については、料金を免除する。
 
第5条 交換方式
1 郵便による交換は、郵政庁の選択に従い、振出局と払渡局との間で直接に通常為替証書若しくは払込為替証書によって又は当該郵政庁が指定する局(以下「交換局」という。)を通じ目録によって行う。
2 電信による交換は、払渡局に直接送付される為替電報によって行う。もっとも、関係郵政庁は、電信為替の送達のために電報以外の電気通信の方式を利用することについても取り決めることができる。
3 郵政庁は、それぞれの業務の実施上必要とされる場合には、複合交換方式についても取り決めることができる。この方式による交換は、一方の郵政庁の郵便局と他方の郵政庁の交換局との間において直接に為替証書によって行う。
4 1及び3の為替は、磁気テープその他の媒体であって郵政庁間で合意するものによっても名あて国に送付することができる。名あて郵政庁は、振り出された為替を表示するため内国業務の用紙を使用することができる。磁気テープその他の媒体による交換の条件は、関係郵政庁の間の特別の取決めにより定める。
5 郵政庁は、1から4までに規定する方式以外の交換方式を利用することについて取り決めることができる。
 
第6条 為替金の払渡し
1 為替証書の有効期間は、次のとおりとする。
(a) 原則として、振出しの月の翌月の末日までの期間
(b) 関係郵政庁の間の合意がある場合には、振出しの月の後3箇月目の月の末日までの期間
2 払渡局に直接送付される為替証書については、1に定める有効期間の満了後は、振出郵政庁の指定する部局が払渡局の請求に応じて与える日付認証がない限り、為替金を払い渡さない。前条4の規定により名あて郵政庁に送付される為替については、日付認証を与えない。
3 日付認証を受けた為替証書は、日付認証を受けた日から新たな効力を付与されるものとし、その有効期間は、当該日付認証を受けた日に発行される為替証書の有効期間と同一とする。
4 有効期間の満了前に払渡しをしなかったことが業務上の過失によるものでない場合には、条約第26条1の表(o)に規定する料金と同様の料金を日付認証料として徴収することができる。
5 同一差出人から同一受取人にあてた二口以上の為替が同一日に振り出された場合において、その金額の合計額が払渡郵政庁の採用する最高限度額を超えるときは、払渡郵政庁は、受取人に対する1日の払渡金額が当該最高限度額を超えないように、為替金の分割払をすることができる。
6 為替金の払渡しは、払渡国の法令の定めるところにより行う。
 
第7条 転送
1 為替は、受取人の住所変更の場合には、転送国と新たな名あて国との間における為替業務の取扱範囲内で、差出人又は受取人の請求に応じ郵便又は電信によって転送することができる。この場合には、条約第39条1、6及び7の規定を準用する。
2 転送の場合における留め置き料及び速達の補充料金は、条約第39条10の規定に従って徴収を免除する。
3 払込為替を名あて国以外の国に転送することは、認めない。
 
第8条 調査請求
 条約第47条の規定は、調査請求について準用する。
 
第9条 責任
1 原則
 郵政庁は、為替金が正規に払い渡される時まで、払い込まれた金額について責任を負う。
2 例外
 郵政庁は、次の場合には、責任を免れる。
(a) 為替の送達及び為替金の払渡しにおける遅延の場合
(b) 不可抗力による業務書類の損傷のために郵政庁が為替金の払渡しについて調査することができない場合。ただし、郵政庁の責任に関して別段の証拠があるときは、この限りでない。
(c) この約定の施行規則第612条に規定する時効期間が満了した場合
(d) 為替金が正規に払い渡されていない旨の異議の申立てが条約第47条1に規定する期間の満了後に行われた場合
3 責任の決定
3.1 3.2から3.5までの規定が適用される場合を除くほか、責任は、振出郵政庁が負う。
3.2 払渡郵政庁が自己の規則により定める条件に従って払い渡したことを立証することができない場合には、払渡郵政庁が責任を負う。
3.3 次の場合には、誤りの生じた国の郵政庁が責任を負う。
(a) 業務上の誤り(換算の誤りを含む。)があった場合
(b) 振出国又は払渡国において電信による送達の誤りがあった場合
3.4 次の場合には、振出郵政庁と払渡郵政庁とが平等に責任を負う。
(a) 誤りが双方の郵政庁の責めに帰せられる場合及び誤りがいずれの国において生じたかを確定することができない場合
(b) 電信による送達の誤りが中継国において生じた場合
(c) 電信による送達の誤りがいずれの国において生じたかを確定することができない場合
3.5 次の場合には、それぞれ次の郵政庁が責任を負う。ただし、3.2の規定が適用されるときは、この限りでない。
(a) 虚偽の為替について為替金が払い渡された場合には、当該為替が業務に受け入れられた領域の属する国の郵政庁
(b) 金額を偽って高額に改変した為替について為替金が払い渡された場合には、改変が行われた国の郵政庁。もっとも、改変が行われた国を決定することができないとき又は改変がこの約定に基づく為替業務に参加していない中継国において行われ、かつ、被害額を回収することができないときは、損害は、振出郵政庁と払渡郵政庁とが平等に分担する。
4 為替金債務の弁済及び求償
4.1 請求人に為替金債務を弁済する義務は、受取人に為替金を払い渡す場合には払渡郵政庁が負い、差出人に為替金を払い戻す場合には振出郵政庁が負う。
4.2 弁済される金額は、理由のいかんを問わず、払い込まれた金額を超えることができない。
4.3 請求人に為替金債務を弁済した郵政庁は、正規でない払渡しについて責任を負う郵政庁に対し求償権を有する。
4.4 最後に為替金債務を負担した郵政庁は、その負担した額を限度として、差出人、受取人又は第三者に対し求償権を有する。
5 弁済期限
5.1 請求人に対する為替金債務の弁済は、できる限り速やかに、遅くとも請求の日の翌日から起算して6箇月以内に行う。
5.2 4.1の規定に基づき請求人に為替金債務を弁済する義務を負う郵政庁は、事案の積極的な調査にもかかわらず5.1に規定する期間が責任を決定するために十分でなかった場合には、例外的に、当該期間を超えて弁済を延期することができる。
5.3 請求を受けた郵政庁は、責任郵政庁が正規に照会を受けた後5箇月を経過する時までに当該請求について最終的に解決しなかった場合には、責任郵政庁に代わって請求人に為替金債務を弁済することができる。
6 為替金債務を弁済した郵政庁に対する償還
6.1 郵政庁は、請求人に対する為替金債務の弁済が自己に代わって行われた場合には、弁済を行った郵政庁に対し、弁済が行われた旨の通告が発送された日から起算して4箇月以内に弁済金の額を償還する。
6.2 6.1の償還は、次のいずれかの方法により、貸方郵政庁に費用を負担させることなく行う。
(a) 条約の施行規則第103条6に規定するいずれかの支払方法
(b) 合意がある場合には、為替計算書において当該貸方郵政庁の貸方に行う記入。この記入は、6.1に規定する期間内に当該合意の請求に対する回答がない場合には、貸方郵政庁の職権により行う。
6.3 6.1に規定する4箇月の期間が満了した後は、貸方郵政庁に償還される金額は、当該期間の満了の日から年6パーセントの割合で利子を生ずる。
 
第10条 払渡郵政庁に対する払渡手数料
1 振出郵政庁は、払渡郵政庁に対し、月次計算書に集記された払渡済みの通常為替のそれぞれにつき、当該払渡済みの通常為替の金額の当該月の平均額に従って次に定める率の払渡手数料を支払う。
 平均額65.34SDRまで0.65SDR
 平均額65.34SDRを超え130.68SDRまで0.82SDR
 平均額130.68SDRを超え196.01SDRまで0.98SDR
 平均額196.01SDRを超え261.35SDRまで1.21SDR
 平均額261.35SDRを超え326.69SDRまで1.47SDR
 平均額326.69SDRを超えるとき1.73SDR

2 もっとも、関係郵政庁は、振出しの際に徴収する料金が8.17SDRを超える場合には、払渡郵政庁の請求により、1の規定による払渡手数料よりも高い額の払渡手数料を取り決めることができる。
3 払込為替及び無料で振り出された為替については、払渡手数料を支払わない。
4 目録によって交換される為替については、1の規定による払渡手数料のほかに、0.16SDRの追加払渡手数料を払渡郵政庁に支払う。2の規定は、目録によって交換される為替についても適用する。
5 振出郵政庁は、払渡済みの本人払の為替一口につき、0.13SDRの追加払渡手数料を払渡郵政庁に支払う。
 
第11条 計算書の作成
1 払渡郵政庁は、振出郵政庁ごとに、通常為替証書については払い渡した金額の月次計算書であってこの約定の施行規則に附属する様式MP5に適合するものを作成し、目録によって交換される為替については各月ごとに受領した為替目録の金額の月次計算書であってこの約定の施行規則に附属する様式MP15に適合するものを作成する。月次計算書は、差引計算における残高を決定するための総計算書に定期的に取りまとめる。
2 この約定の施行規則第503条に規定する複合交換方式による為替については、払渡郵政庁は、自国の払渡局に振出郵政庁から直接送付される場合には払い渡した金額の月次計算書を、自国の交換局に振出郵政庁の郵便局から送付される場合には各月ごとに受領した為替の金額の月次計算書を作成する。
3 為替金の払渡しが異なる二以上の通貨で行われた場合には、総計算書の対象となる期間における借方郵政庁の属する国の公定為替相場の平均値を基礎として、少額の貸高を多額の貸高の通貨に換算する。当該平均値は、いずれも少数第4位まで計算する。
4 勘定の決済は、相殺によることなく月次計算書に基づいても行うことができる。
 
第12条 勘定の決済
1 総計算書の残高又は月次計算書の金額の支払は、特別の合意がない限り、貸方郵政庁が為替金の払渡しに使用する通貨で行う。
2 郵政庁は、相手国の郵政庁に、債務額を控除するための資金を保有することができる。
3 郵政庁は、この約定の施行規則に定める限度額を超える債権を他の郵政庁に対して有する場合には、内払金の払込みを請求する権利を有する。
4 決済される金額は、この約定の施行規則に定める期間内に弁済されない場合には、当該期間の満了の日から弁済の日まで年6パーセントの割合で利子を生ずる。
5 計算書の作成及び決済に関するこの約定及びこの約定の施行規則は、モラトリアム、送金禁止その他の一方的措置によって効力を害されることはない。
 
第13条 最終規定
1 条約の規定は、この約定に明文の定めのない事項について適用し、又は準用する。
2 憲章第4条の規定は、この約定については、適用しない。
3 この約定に関する議案の承認の条件
3.1 この約定及びこの約定の施行規則に関する議案であって大会議に提出されたものは、実施されるためには、この約定の締約国である加盟国であって出席しかつ投票するものの過半数による議決で承認されなければならない。投票の際には、この約定の締約国である加盟国であって大会議に代表を出しているものの半数以上が出席していなければならない。
3.2 この約定の施行規則に関する議案であって、大会議が執行理事会にその決定を付託したもの及び大会議から大会議までの間に提出されたものは、実施されるためには、この約定の締約国である執行理事会の理事国の過半数による議決で承認されなければならない。
3.3 この約定に関する議案であって大会議から大会議までの間に提出されたものは、実施されるためには、次の数の賛成票を得なければならない。
(a) 規定の追加に関する議案については、投票の総数
(b) この約定の規定の改正に関する議案については、投票の3分の2以上
(c) この約定の規定の解釈に関する議案については、投票の過半数
4 この約定は、1991年1月1日に効力を生じ、次回の大会議の文書の効力発生の時まで効力を有する。

以上の証拠として、締約国政府の全権委員は、国際事務局長に寄託されるこの約定の本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本一通を各締約国に送付する。
1989年12月14日にワシントンで作成した。

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