1 原則
郵政庁は、為替金が正規に払い渡される時まで、払い込まれた金額について責任を負う。
2 例外
郵政庁は、次の場合には、責任を免れる。
(a) 為替の送達及び為替金の払渡しにおける遅延の場合
(b) 不可抗力による業務書類の損傷のために郵政庁が為替金の払渡しについて調査することができない場合。ただし、郵政庁の責任に関して別段の証拠があるときは、この限りでない。
(c) この約定の施行規則第612条に規定する時効期間が満了した場合
(d) 為替金が正規に払い渡されていない旨の異議の申立てが条約第47条1に規定する期間の満了後に行われた場合
3 責任の決定
3.1 3.2から3.5までの規定が適用される場合を除くほか、責任は、振出郵政庁が負う。
3.2 払渡郵政庁が自己の規則により定める条件に従って払い渡したことを立証することができない場合には、払渡郵政庁が責任を負う。
3.3 次の場合には、誤りの生じた国の郵政庁が責任を負う。
(a) 業務上の誤り(換算の誤りを含む。)があった場合
(b) 振出国又は払渡国において電信による送達の誤りがあった場合
3.4 次の場合には、振出郵政庁と払渡郵政庁とが平等に責任を負う。
(a) 誤りが双方の郵政庁の責めに帰せられる場合及び誤りがいずれの国において生じたかを確定することができない場合
(b) 電信による送達の誤りが中継国において生じた場合
(c) 電信による送達の誤りがいずれの国において生じたかを確定することができない場合
3.5 次の場合には、それぞれ次の郵政庁が責任を負う。ただし、3.2の規定が適用されるときは、この限りでない。
(a) 虚偽の為替について為替金が払い渡された場合には、当該為替が業務に受け入れられた領域の属する国の郵政庁
(b) 金額を偽って高額に改変した為替について為替金が払い渡された場合には、改変が行われた国の郵政庁。もっとも、改変が行われた国を決定することができないとき又は改変がこの約定に基づく為替業務に参加していない中継国において行われ、かつ、被害額を回収することができないときは、損害は、振出郵政庁と払渡郵政庁とが平等に分担する。
4 為替金債務の弁済及び求償
4.1 請求人に為替金債務を弁済する義務は、受取人に為替金を払い渡す場合には払渡郵政庁が負い、差出人に為替金を払い戻す場合には振出郵政庁が負う。
4.2 弁済される金額は、理由のいかんを問わず、払い込まれた金額を超えることができない。
4.3 請求人に為替金債務を弁済した郵政庁は、正規でない払渡しについて責任を負う郵政庁に対し求償権を有する。
4.4 最後に為替金債務を負担した郵政庁は、その負担した額を限度として、差出人、受取人又は第三者に対し求償権を有する。
5 弁済期限
5.1 請求人に対する為替金債務の弁済は、できる限り速やかに、遅くとも請求の日の翌日から起算して6箇月以内に行う。
5.2 4.1の規定に基づき請求人に為替金債務を弁済する義務を負う郵政庁は、事案の積極的な調査にもかかわらず5.1に規定する期間が責任を決定するために十分でなかった場合には、例外的に、当該期間を超えて弁済を延期することができる。
5.3 請求を受けた郵政庁は、責任郵政庁が正規に照会を受けた後5箇月を経過する時までに当該請求について最終的に解決しなかった場合には、責任郵政庁に代わって請求人に為替金債務を弁済することができる。
6 為替金債務を弁済した郵政庁に対する償還
6.1 郵政庁は、請求人に対する為替金債務の弁済が自己に代わって行われた場合には、弁済を行った郵政庁に対し、弁済が行われた旨の通告が発送された日から起算して4箇月以内に弁済金の額を償還する。
6.2 6.1の償還は、次のいずれかの方法により、貸方郵政庁に費用を負担させることなく行う。
(a) 条約の施行規則第103条6に規定するいずれかの支払方法
(b) 合意がある場合には、為替計算書において当該貸方郵政庁の貸方に行う記入。この記入は、6.1に規定する期間内に当該合意の請求に対する回答がない場合には、貸方郵政庁の職権により行う。
6.3 6.1に規定する4箇月の期間が満了した後は、貸方郵政庁に償還される金額は、当該期間の満了の日から年6パーセントの割合で利子を生ずる。