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万国郵便条約

【目次】
  平成2・12・28・条約 11号  
発効平成3・1・1・外務省告示557号  
万国郵便条約をここに公布する。
万国郵便連合加盟国の政府の全権委員である下名は、1964年7月10日にウィーンで作成された万国郵便連合憲章第22条3の規定にかんがみ、合意により、かつ、同憲章第25条3の規定の適用があることを条件として、国際郵便業務に適用される共通の規則及び通常郵便業務に関する規定をこの条約で定めた。

第1部 国際郵便業務に適用される共通の規則

第1章 総 則

第1条 継越しの自由
1 万国郵便連合憲章第1条において継越しの自由の原則が規定されていることにより、郵政庁は、他の郵政庁から引き渡される閉袋及び開袋通常郵便物を、いかなる場合にも、自国内で差し出される郵便物について利用する最も速達の線路によって送達する義務を負う。この義務は、航空通常郵便物についても、その継送に仲介郵政庁が参加するか参加しないかを問わず、適用する。
2 死滅しやすい若しくは変敗しやすい生物学上の材料又は放射性物質を包有する書状の交換に参加しない加盟国は、自国の領域を経由するこれらの書状の開袋継越しを認めない権能を有する。加盟国は、第41条9の規定に該当する郵便物についても、同様の権能を有する。
3 保険付書状業務を行っていない加盟国又は自国の海運業務若しくは航空業務の行う運送に関し保険付書状についての責任を認めていない加盟国であっても、他の郵政庁から引き渡される閉袋であって保険付書状を包有するものを最も速達の線路によって送達する。もっとも、当該加盟国の責任は、書留郵便物について定めるところをもって限度とする。
4 陸路又は海路によって送達される小包郵便物についての継越しの自由は、小包業務に参加する国の領域においてのみ保障される。
5 航空小包についての継越しの自由は、連合の全境域において保障される。ただし、小包郵便物に関する約定の締約国でない加盟国は、航空小包の平面路による送達に参加することを強制されない。
6 小包郵便物に関する約定の締約国である加盟国は、保険付小包業務を行っていない場合又は自国の海運業務若しくは航空業務の行う運送に関し保険付小包についての責任を認めていない場合にも、他の郵政庁から引き渡される閉袋であって保険付小包を包有するものを最も速達の線路によって送達する。もっとも、当該加盟国の責任は、保険付きとされない小包であって当該保険付小包の重量と同一の重量のものについて定めるところをもって限度とする。
第2条 継越しの自由の不遵守
 加盟国が継越しの自由に関する万国郵便連合憲章第1条及び前条の規定を遵守しない場合には、他の加盟国の郵政庁は、当該加盟国との間の郵便業務を廃止する権利を有する。当該他の加盟国の郵政庁は、その廃止につき、電報その他の適当な電気通信手段により関係郵政庁に予告し、かつ、国際事務局に通知する。
第3条 通過国の業務の関与がない陸路継越し
 通過国の業務の関与がない郵便物の継越運送は、通過国の事前の同意を得て行わなければならない。通過国は、このような継越しに関しては、責任を負わない。
第4条 業務の一時停止及び再開
1 郵政庁は、特別の事情により業務の全部又は一部の実施を一時的に停止しなければならなくなった場合には、直ちに、適当な電気通信手段により、関係郵政庁にその旨を通知するとともに、可能な場合には予想される業務の停止期間を明らかにする。郵政庁は、また、停止した業務の再開の際にも、同様の措置をとる義務を負う。
2 全般的に通知することが必要であると認められる場合には、郵政庁は、国際事務局に対し、業務の停止又は再開を通知する。同事務局は、必要に応じ電報又はテレックスにより、郵政庁に通知する。
3 差出郵政庁は、業務が停止されたことにより郵便物の運送業務の一部又は全部が行われなかった場合には、普通料金(第20条)、特別料金(第26条)及び航空増料金(第21条)を差出人に還付する権能を有する。
第5条 郵便物の所属
 郵便物は、名あて国の法令に基づいて差し押さえられた場合を除くほか、権利者に配達される時まで差出人に所属する。
第6条 新規業務の創設
 郵政庁は、合意により、連合の文書に明文の定めのない新規業務を創設することができる。新規業務に関する料金は、関係各郵政庁が当該新規業務の運用に係る費用を参酌して定める。
第7条 郵便物、納器及び関係書類の識別のためのバーコード及び統一識別方式の利用
1 郵政庁は、国際郵便業務において、追跡その他の識別のためコンピュータによるバーコード又は統一された識別の方式を利用する権能を有する。このようなバーコード又は統一識別方式は、例えば次のものを識別するために利用することができる。
個々の郵便物
郵便物の納器(郵袋、コンテナー、書状用容器等)
関係書類(用紙、票札等)
2 国際郵便業務においてバーコードを利用することを選択する郵政庁は、郵便研究諮問理事会が定めた技術上の仕様を尊重すべきものとする。その仕様は、国際事務局がすべての郵政庁に通知する。
3 コンピュータにより処理されるバーコード・システムを利用しない郵政庁は、郵便研究諮問理事会が定めたその仕様を考慮することを要しない。
4 もっとも、コンピュータにより処理されるバーコード・システムを利用しない郵政庁は、郵便研究諮問理事会が定めた郵便物、納器及び関係書類のための統一識別方式を有益と認めるときは、これを採用することができる。この方式は、国際郵便業務において伝統的な手作業により郵便物、納器及び書類に番号を付している国が利用することができる。
5 4の手作業を行っている国であって統一識別方式を利用することを選択する国は、郵便研究諮問理事会が定めたその仕様に従うべきものとする。
第8条 料金
1 各種の国際郵便業務に関する料金は、この条約及び約定により定める。
2 この条約及び約定に規定する料金以外の郵便料金は、種類のいかんを問わず、徴収してはならない。
第9条 基準貨幣及び相当額
1 万国郵便連合憲章第7条に定められており、かつ、この条約及び約定並びにこれらの施行規則において用いる貨幣単位は、特別引出権(SDR)とする。
2 加盟国は、計算書の作成及び勘定の決済のため、合意により、1に規定する貨幣単位以外の貨幣単位又は加盟国の通貨の一を選択する権利を有する。
3 特別引出権に対する自国の通貨の交換割合が国際通貨基金により計算されていない連合加盟国及び国際通貨基金の加盟国でない連合加盟国は、特別引出権に相当する自国の通貨の額を一方的に宣言するよう要請される。
第10条 郵便切手
1 料金納付用の郵便切手は、郵政庁のみが発行する。
2 郵便切手の主題及び意匠は、万国郵便連合憲章前文及び連合の機関が行う決定の精神に従わなければならない。
第11条 用紙
1 用紙に用いる字句並びに用紙の色及び大きさは、この条約及び約定の施行規則に定めるものでなければならない。
2 郵政庁が相互間で使用する用紙は、関係郵政庁が直接の取決めによって別段の決定をしない限り、フランス語を用いて、行間対訳を付して又は付することなく作成する。
3 郵政庁が使用する用紙及びその写しは、記載事項を完全に読み取れるように記入する。1枚目の用紙は、関係郵政庁又は最も関係がある者に送付する。
4 公衆用の用紙であってフランス語を用いて印刷していないものには、フランス語による行間対訳を付する。
第12条 郵便本人票
1 郵政庁は、郵便本人票を認めない旨を通告しなかった加盟国において郵便業務上の証拠書類としての効力を有する郵便本人票を、その請求者に交付することができる。
2 郵便本人票を交付する郵政庁は、その交付につき、1.63SDRを超えない料金を徴収することができる。
3 郵政庁は、郵便物の交付又は金銭業務の証書類についての払渡しが正規の郵便本人票の提示の下に行われたことを立証した場合には、責任を免れる。郵政庁は、正規の郵便本人票の亡失、盗取又は詐欺使用によって生ずる結果についても、責任を負わない。
4 郵便本人票は、発行の日から起算して10年間有効とする。ただし、次の場合には、無効となる。
(a) 本人の容ぼうが写真又は特徴書きに相応しないほど変わった場合
(b) 郵便本人票が本人に関する一定の記入事項を点検することができないほど損傷している場合
(c) 郵便本人票に変造の形跡がある場合
第13条 勘定の決済
 郵便業務から生ずる国際的な勘定の郵政庁間の決済は、これに関する取決めがある場合には、一般の取引とみなし、関係加盟国の通常の国際的な義務に従って行うことができる。このような取決めがない場合には、勘定の決済は、この条約の施行規則の定めるところにより行う。
第14条 処罰に関する約束
 加盟国の政府は、次の目的のために必要な措置をとること又は当該措置を自国の立法機関に提議することを約束する。
(a) 郵便切手(通用が廃止されたものを含む。)、国際返信切手券及び郵便本人票の偽造を処罰すること。
(b) 次のものの使用又は流布を処罰すること。
1.偽造した郵便切手(通用が廃止されたものを含む。)、既に使用した郵便切手及び料金計器又は印刷機による印影であって偽造し又は既に使用したもの
2.偽造した国際返信切手券
3.偽造した郵便本人票
(c) 正規の郵便本人票の詐欺使用を処罰すること。
(d) 加盟国の郵政庁が発行する切手類と混同しやすいような偽造又は模造の郵便業務用の切手類を製造しかつ流布する詐欺行為を禁止しかつ抑圧すること。
(e) 麻薬、向精神薬及び爆発性又は発火性の物質その他危険性のある物質を郵便物に入れることを防止し、かつ、必要があるときは、処罰すること。ただし、この条約及び約定がこれらの物質を郵便物に入れることを明示的に認めている場合は、この限りでない。

第2章 郵便料金の免除

第15条 郵便料金の免除
 郵便料金の免除は、この条約及び約定に明文の定めのある場合に限って行う。
第16条 郵便業務の事務用通常郵便物についての郵便料金の免除
 郵便業務の事務用通常郵便物については、次のことを条件として、第21条1の規定が適用される場合を除くほか、郵便料金を免除する。
(a) 郵政庁又は郵便局が差し出すものであること。
(b) 万国郵便連合の機関と限定連合の機関との間若しくは限定連合の機関の間で交換し又はこれらの機関が郵政庁若しくは郵便局にあてて差し出すものであること。
第17条 捕虜及び抑留された文民に関する郵便物についての郵便料金の免除
1 通常郵便物、小包郵便物及び金銭業務の証書類であって、捕虜が直接又は捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約第122条に規定する情報局若しくは同条約第123条に規定する中央捕虜情報局を通じて発受するものについては、第21条1の規定が適用される場合を除くほか、郵便料金を免除する。中立国内に収容されている交戦者は、この1の規定の適用上、捕虜とみなす。
2 1の規定は、通常郵便物、小包郵便物及び金銭業務の証書類であって、直接又は戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約第136条に規定する情報局若しくは同条約第140条に規定する中央被保護者情報局を通じ、同条約に規定する抑留された文民にあてて他国から発出されるもの又はこれらの者が差し出すものについても適用する。
3 1及び2に規定する情報局及び中央情報局も、1及び2に規定する者に関する通常郵便物、小包郵便物及び金銭業務の証書類であって、これらの情報局又は中央情報局が1及び2に定める条件により直接又は仲介者として発受するものについては、郵便料金の免除の利益を享有する。
4 1から3までの規定により郵便料金を免除される小包郵便物の差出しは、重量5キログラムを超えないものに限り認められる。内容品を分割することのできない小包郵便物及び捕虜に分配するために収容所又はその代表者にあてた小包郵便物の重量の最大限度は、10キログラムとする。
第18条 点字郵便物についての郵便料金の免除
 点字郵便物については、第21条1の規定が適用される場合を除くほか、普通料金、第26条1の表に掲げる特別料金及び代金引換料を免除する。

第2部 通常郵便に関する規定

第1章 総 則

第19条 通常郵便物
1 通常郵便物とは、次のものをいう。
(a) 書状及び郵便葉書(これらを「LC」という。)
(b) 印刷物、点字郵便物及び小形包装物(これらを「AO」という。)
2 「M郵袋」とは、同一名あて地の同一受取人にあてた新聞紙、定期刊行物、書籍その他の印刷物を包有する特別の郵袋をいう。
3 航空路によって優先的に運送される通常郵便物は、「航空通常郵便物」という。
4 航空通常郵便物よりも低い優先度で航空路によって運送される平面路通常郵便物は、「SAL」という。
5 通常郵便物は、その取扱速度に従って次のとおり分けることができる。
(a) 優先郵便物 最も速達の線路(航空路又は平面路)によって優先的に運送される郵便物
(b) 非優先郵便物 差出人の選択により優先郵便物に比較し低い料金が適用されかつその配達に長い時間を要する郵便物
6 継越郵政庁及び名あて郵政庁は、優先郵便物を航空通常郵便物として取り扱う。郵政庁は、差出人に対して平面路のLC郵便物よりも取扱速度の速い業務を提供していない場合には、二国間て定める規則に基づき、平面路のLC郵便物についても同様に取り扱うことができる。また、非優先郵便物と平面路のAO郵便物又は航空通常郵便物よりも低い優先度で航空路によって運送される平面路のAO郵便物(SAL)との間で、これらの取扱いについていかなる差異も設けてはならない。
第20条 普通料金並びに重量及び大きさの制限並びに一般的条件
1 連合の全境域における通常郵便物の運送に係る料金は、そのガイドラインとして次の表の1から3までの欄に掲げるところにより定める。重量及び大きさの制限は、次の表の4及び5の欄に掲げるところにより定める。料金は、第27条6の規定が適用される場合を除くほか、配達業務が名あて国において実施されているときは、郵便物の受取人の住所への配達の費用を含む。
郵便物重量段階基本料金(単位SDR)制限
重量大きさ
書状20グラムまで0.372キログラム
最大限度
 長さと幅と厚さとを合計して900ミリメートルとし、一辺の長さが600ミリメートルを超えないものとする(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)。
 巻物については、長さと直径の2倍とを合計して1,040ミリメートルとし、長さが900ミリメートルを超えないものとする(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)。
最小限度
 長さ140ミリメートル、幅90ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)を下回らない大きさの一面を有するものでなければならない。
 巻物については、長さと直径の2倍とを合計して170ミリメートルとし、長さが100ミリメートルを下回らないものとする。
20グラムを超え100グラムまで0.88
100グラムを超え250グラムまで1.76
250グラムを超え500グラムまで3.38
500グラムを超え1,000グラムまで5.88
1,000グラムを超え2,000グラムまで9.56
郵便葉書 0.26 
最大限度
 長さ148ミリメートル、幅105ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)
最小限度
 長さ140ミリメートル、幅90ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)。長さは、幅に2の平方根(近似値1.4)を乗じたもの以上とする。
印刷物20グラムまで0.182キログラム(書籍及び冊子については、5キログラム。この重量は、関係郵政庁間の合意により10キログラムまで引き上げることができる。)
最大限度
 長さと幅と厚さとを合計して900ミリメートルとし、一辺の長さが600ミリメートルを超えないものとする(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)。
 巻物については、長さと直径の2倍とを合計して1,040ミリメートルとし、長さが900ミリメートルを超えないものとする(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)。
最小限度
 長さ140ミリメートル、幅90ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)を下回らない大きさの一面を有するものでなければならない。
 巻物については、長さと直径の2倍とを合計して170ミリメートルとし、長さが100ミリメートルを下回らないものとする。
20グラムを超え100グラムまで0.40
100グラムを超え250グラムまで0.74
250グラムを超え500グラムまで1.32
500グラムを超え1,000グラムまで2.21
1,000グラムを超え2,000グラムまで3.09
追加の1,000グラムの段階ごとに1.54
点字郵便物第18条参照7キログラム
小形包装物100グラムまで0.402キログラム
100グラムを超え250グラムまで0.74
250グラムを超え500グラムまで1.32
500グラムを超え1,000グラムまで2.21
1,000グラムを超え2,000グラムまで3.09

2 執行理事会は、大会議から大会議までの間において1回、1の表の3の欄に掲げる基本料金を改正することができる。改正された料金は、加盟国が自国において差し出される国際郵便物について定めた料金の中央値に基づくものとし、執行理事会が定める日に効力を生ずる。
3 加盟国は、例外的に、1の表の重量段階の構成を変更することができる。この場合には、次の条件を満たさなければならない。
(a) 各種類の郵便物につき、最初の重量段階が1の表の最初の重量段階であること。
(b) 各種類の郵便物につき、最後の重量段階の最大重量が1の表の重量の最大限度を超えないこと。
4 内国業務において、通常郵便物の種類としての郵便葉書、印刷物又は小形包装物を廃止した加盟国は、外国あて郵便物についても同様とすることができる。
5 郵政庁は、航空書簡の差出しを認める権能を有する。航空書簡は、航空書状とするものとし、適切に折り畳みかつ四辺が閉じられることとなる1枚の紙から成る。ただし、1の規定にかかわらず、その大きさは、折り畳みかつ四辺を閉じた形態において、長さ220ミリメートル、幅110ミリメートルを超えてはならないものとし、長さは、幅に2の平方根(近似値1.4)を乗じたもの以上でなければならない。
6 1及び3(a)の規定にかかわらず、郵政庁は、印刷物については、50グラムまでを第一重量段階として適用する権能を有する。
7 1に定める制限の範囲内で設定する料金の間には、基本料金の間における割合と同一の割合ができる限り保持されなければならない。郵政庁は、例外的に、郵便葉書、印刷物又は小形包装物の料金につき、1に定める制限の範囲内で、書状の料金について適用する引上げ率又は引下げ率と異なる引上げ率又は引下げ率を適用することができる。
8 郵政庁は、自国内で発行される新聞紙及び定期刊行物については、50パーセントを限度としてこれらが属する通常郵便物の種類について適用する料金を引き下げた料金を適用する権能を有する。もっとも、郵政庁は、その引下げを、新聞紙の料金により運送するために自己の規則が定める条件を満たす新聞紙及び定期刊行物についてのみ行う権利を留保する。目録、目論見書、定価表等の商用印刷物は、その発行が定期的であるかないかを問わず、この引下げから除外するものとし、新聞紙及び定期刊行物に添付する紙片に印刷した広告についても、同様とする。ただし、新聞紙及び定期刊行物の一部と認められる広告のための折り込みについては、この限りでない。
9 郵政庁は、書籍、冊子、楽譜及び地図であってこれらの表紙又は扉に掲げるもの以外に広告類を有しないものについても、8の規定による引下げの率と同率の引下げを許容することができる。
10 同一名あて地の同一受取人にあてた新聞紙、定期刊行物、書籍その他の印刷物は、一又は二以上の特別の郵袋(M郵袋)に納めることができる。M郵袋について適用する料金は、各郵袋の総重量につき1キログラムの段階ごとに計算する。郵政庁は、M郵袋については、20パーセントを限度としてこれらが属する通常郵便物の種類について適用する料金を引き下げることを許容する権能を有する。その引下げは、8及び9に規定する引下げとは別個のものとすることができる。M郵袋については、1に定める重量の制限を適用しない。ただし、郵袋1個の重量は、30キログラムを超えてはならない。
11 差出郵政庁は、1に定める制限の範囲内において、定形外郵便物については、定形郵便物について適用する料金と異なる料金を適用することができる。
12 異なる料金を課される物品をまとめて単一の郵便物とすることは、その総重量が、重量制限の最も高い種類の郵便物の重量の最大限度を超えないことを条件として、認められる。当該単一の郵便物について適用する料金は、差出郵政庁の選択により、料金率が最も高い種類の郵便物の料金又はそれぞれの物品について適用する料金の合計額とする。当該単一の郵便物には、「Envois mixtes」の表示を付する。
13 第16条に規定する郵便業務の事務用通常郵便物については、1に定める重量及び大きさの制限を適用しない。ただし、郵袋1個の重量は、30キログラムを超えてはならない。
14 郵政庁は、自国内で差し出される通常郵便物につき、内国業務の同種の郵便物について定める重量の制限を適用することができる。ただし、当該重量の制限が1に定める重量の制限を超えない場合に限る。
15 郵政庁は、その定めた料金を、自国内で差し出される通常郵便物について、自国の法令の定めるところにより引き下げて適用する権能を有する。郵政庁は、特に、郵便物を多量に差し出す者に対して優遇料金を認めることができる。もっとも、この優遇料金は、同様の性質(種類、数量、処理時間等)を有する郵便物につき内国制度において適用する料金を下回ることができない。
第21条 送達方法又は速度に基づく料金の決定
1 郵政庁は、航空通常郵便物について増料金を徴収することができるものとし、この場合において、前条1に定める重量段階よりも細分された重量段階を適用することができる。航空増料金は、航空運送のための費用と関係を有するものでなければならず、また、利用される送達線路のいかんを問わず、少なくとも、各名あて国の全領域について均一とする。郵政庁は、航空通常郵便物に適用する航空増料金の計算に当たり、公衆用の用紙が添付される場合にはその重量を算入することができる。第16条に規定する郵便業務の事務用通常郵便物(万国郵便連合の機関及び限定連合が差し出すものを除く。)については、航空増料金を徴収しない。
2 郵政庁は、航空通常郵便物よりも低い優先度で航空路によって運送される平面路通常郵便物(SAL)について、航空増料金を徴収する権能を有する。当該航空増料金は、航空通常郵便物につき当該郵政庁が徴収する航空増料金よりも低いものとする。
3 郵政庁は、その選択により、航空通常郵便物及びSAL通常郵便物について適用する料金として、次の費用を考慮に入れて併合料金を定めることができる。
(a) 自己の郵便業務の費用
(b) 航空運送について支払う費用
4 郵政庁は、前条1に定める制限の範囲内で、優先郵便物につき非優先郵便物について適用する料金とは異なる料金を徴収することができる。この場合には、航空運送のための費用は、考慮することができる。
5 前条8から10までの規定に基づく料金の引下げは、航空路によって運送される郵便物にも適用する。ただし、航空運送のための費用に充てられる料金の部分については、いかなる引下げも認められない。
第22条 定形郵便物
1 第20条1の規定に適合する郵便物のうち長さが幅に2の平方根(近似値1.4)を乗じたものを下回らない長方形の郵便物であって形態により次の条件を満たすものは、定形郵便物とする。
(a) 封筒に入れた郵便物
1.普通の封筒に入れた郵便物
大きさの最小限度長さ140ミリメートル、幅90ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメートルとする。)
大きさの最大限度長さ235ミリメートル、幅120ミリメートル(許容差は、それぞれ2ミリメトールとする。)
重量の最大限度20グラム
厚さの最大限度5ミリメートル

 なお、あて名は、封筒の封じ目のない面上の四辺がそれぞれ次の位置にある長方形の部分内に記載されていなければならない。
封筒の上辺から40ミリメートル(許容差は、2ミリメートルとする。)
右辺から15ミリメートル
下辺から15ミリメートル
右辺から140ミリメートル

2.透かし窓のある封筒に入れた郵便物
 普通の封筒に入れた郵便物と同一の大きさ、重量及び厚さ。透かし窓のある封筒に入れた郵便物は、また、この条約の施行規則第124条に定める一般的引受条件のほかに、次の条件を満たさなければならない。
 受取人の住所氏名の見える透かし窓が封筒の四辺から少なくとも次の距離にあること。
封筒の上辺から40ミリメートル(許容差は、2ミリメートルとする。)
右辺から15ミリメートル
左辺から15ミリメートル
下辺から15ミリメートル
窓の縁に色付きの帯又は枠がないこと。
3.封筒に入れたすべての郵便物
 差出人の住所氏名が封筒の表面に記載される場合には、その場所は、上部左隅とすること。この場所は、また、業務上の記載及び票符のために充てるものとし、この場所に差出人の住所氏名が記載されている場合には、業務上の記載及び票符は、差出人の住所氏名の下に位置させることができる。透かし窓のある封筒を使用するときは、業務上の記載は、また、受取人の住所氏名の直上部に位置させることができる。
 書状については、その封筒の封じ目全体を閉じること。
(b) カードの形態の郵便物
 長さ235ミリメートル、幅120ミリメートルまでのカードの形態の郵便物は、支障なく取り扱うことができるように十分な耐力を有する堅固な厚紙で作られていることを条件として、定形郵便物として引き受けることができる。
(c) (a)及び(b)の郵便物
 あて名が長辺に沿って記載されていること、名あて面の上辺から40ミリメートル(許容差は、マイナス2ミリメートルとする。)、右辺から74ミリメートルの長方形の部分が料金納付及び消印のために残されていること並びに郵便切手又は料金納付の印影がこの部分の上部の右隅に付されていること。
 無関係ないかなる記載又は表示も、次の部分に行われていないこと。
あて名の下の部分
あて名の右側で、料金納付及び消印のための部分から下辺までの部分
あて名の左側で、あて名の1行目から下辺までの少なくとも幅15ミリメートルの部分
封筒の下辺から15ミリメートル、右辺から140ミリメートルの部分(この部分は、前記の無関係な記載又は表示を行うことのできない部分と一部重なる。)
2 内国業務において幅162ミリメートル(許容差は、2ミリメートルとする。)を超えない封筒に入れた郵便物を定形郵便物として認める郵政庁は、これを国際業務においても定形郵便物として認めることができる。
3 次の郵便物は、定形郵便物としない。
折り合わせたカード
止め金、金属製のはと目又はかぎホックによって閉じた郵便物
露出したまま(封筒に入れないで)差し出されるせん孔したカード
封筒が、紙と全く異なる物理的特性を有する材料(窓のある封筒の窓を作るために使用する材料を除く。)で作られた郵便物
突起した物品を包有する郵便物
露出したまま(封筒に入れないで)差し出される折り合わせた書状であって、いずれかの辺が閉じてないもの又は機械処理のための十分な耐力を有しないもの
第23条 死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料及び放射性物質
1 この条約の施行規則の定めるところにより包装された死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料及び放射性物質については、書状の料金が適用されるものとし、また、書留とされなければならない。これらの材料又は物質を包有する郵便物の差出しは、当該郵便物を相互に又は一方的に受領することについて郵政庁が同意を表明した加盟国の間においてのみ認められる。当該郵便物は、最も速達の線路(通常の場合には、所要の航空増料金の納付を条件として、航空路)によって送達する。
2 死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料は、適格性のある公認の研究所の間においてのみ交換することができるものとし、放射性物質は、正式に認められた差出人のみが差し出すことができる。
第24条 誤って引き受けられた郵便物
1 この条約及びこの条約の施行規則の認める場合を除くほか、第20条若しくは前条又はこの条約の施行規則に定める条件を満たさない郵便物は、引き受けない。誤って引き受けられた郵便物は、差出郵政庁に返送する。もっとも、名あて郵政庁は、受取人に当該郵便物を配達することができる。この場合において、名あて郵政庁は、必要があるときは、当該郵便物につき、その封かん方法、内容品、重量又は大きさに従って属する通常郵便物の種類について定める料金を適用する。また当該郵便物が第20条1に定める重量の最大限度を超える場合には、名あて郵政庁は、当該郵便物の実際の重量に従って、その超過重量と等しい重量を有する当該郵便物と同一の種類の国際郵便物に適用する料金の額を補充料金として適用の上、料金を課することができる。
2 1の規定は、第41条2又は3の規定に抵触する郵便物について準用する。
3 第41条の規定により禁止されている物品(同条2又は3に規定する物品を除く。)を包有する郵便物であって誤って引き受けられたものは、同条の規定に従って取り扱う。
第25条 外国における通常郵便物の差出し
1 いずれの加盟国も、その領域内に居住する差出人が外国において適用される一層低い料金の利益を受けるために当該外国において差し出し又は差し出させる通常郵便物を送達し又は受取人に配達する義務を負わない。通常郵便物がこれらの差出人により外国において多量に差し出される場合には、その差出しが一層低い料金の利益を受けるために行われるものであるかないかを問わず、同様とする。
2 1の規定は、差出人が居住国において準備した後に国境を越えて搬出した郵便物又は外国において作成された郵便物のいずれについても、区別なく適用する。
3 関係郵政庁は、1及び2に規定する郵便物を差出元に返送し、又はこれに対して内国料金を課する権利を有する。差出人が内国料金の支払を拒否した場合には、当該関係郵政庁は、自国の法令に従って当該郵便物を処分することができる。
4 いずれの加盟国も、差出人が居住国以外の国において多量に差し出し又は差し出させる通常郵便物を引き受け、送達し又は受取人に配達する義務を負わない。関係郵政庁は、当該通常郵便物を、差出元に返送し又は料金を還付することなく差出人に還付する権利を有する。
第26条 特別料金
1 この条約に規定する料金であって第20条の普通料金のほかに徴収するものは、「特別料金」という。その金額は、次の表に従って定める。
料金の名称金額備考
(a) 締切時刻後の差出しの料金(次条1) 内国制度における料金と同額 
(b) 窓口通常取扱時間外の差出しの料金(次条2) 内国制度における料金と同額 
(c) 差出人の住所からの取集めの料金(次条3) 内国制度における料金と同額 
(d) 窓口通常取扱時間外の交付の料金(次条4) 内国制度における料金と同額 
(e) 留め置き料(次条5) 内国制度における料金と同額 
(f) 重量500グラムを超える小形包装物の受取人への配達の料金(次条6) 最高限0.20SDR 住所配達の場合には、この金額に最高限0.10SDRを加えることができる。
(g) 保管料(第28条) 重量500グラムを超える通常郵便物(点字郵便物を除く。)について国内法令により定める料金率による額 
(h) 普通郵便物の料金未納又は料金不足の場合の料金(第32条1及び2) 配達国が採用している第一重量段階の書状の料金に、差出国が採用している当該段階の書状の料金を分母とし、不納額を分子とする分数を乗じて算出した額に最高限0.33SDRの取扱料金又は国内法令により定める料金を加えた額 配達郵政庁は、希望する場合には、上記の取扱料金のみを徴収することができる。
(i) 速達料(第35条2、5及び8) 第一重量段階の普通書状の料金の額を最低限度とし、1.63SDRを最高限度とする額 郵政庁は、第20条10の規定に該当する郵便物を包有する各郵袋については、個別料金に代えて、個別料金の5倍の額を超えない一括料金を徴収する。
 速達による配達が特別の負担を与える場合には、内国制度の同種の郵便物に関する規定に従って補充料金を徴収することができる。
 受取人が速達による配達を請求する場合には、内国制度における料金を徴収することができる。
(j) 取戻請求料、あて名変更請求料又はあて名訂正請求料(第38条2) 最高限1.31SDR 
(k) 転送請求料(第39条7) 内国制度における料金と同額 
(l) 転送料又は返送料(第39条8及び第40条11) 内国制度における料金と同額 
(m) 通関料(第43条) 最高限2.61SDR 郵政庁は、第20条10の規定に該当する郵便物を包有する各郵袋については、個別料金に代えて、最高限3.27SDRの一括料金を徴収する。
(n) 課金別納郵便物の配達について徴収する料金(第45条3から5まで)
1.差出郵政庁が徴収する料金として最高限0.98SDR
2.差出しの後に行われた請求につき差出郵政庁が徴収する追加料金として最高限1.31SDR
3.名あて郵政庁のために徴収する手数料として最高限0.98SDR
 
(o) 調査請求料(第47条4) 最高限0.65SDR 
(p) 書留料(第50条1(b)及び2並びに第54条1(b)及び2) 最高限1.31SDR
1.郵政庁は、第20条10の規定に該当する郵便物を包有する各郵袋については、個別料金に代えて、個別料金の5倍の額を超えない一括料金を徴収する。
2.郵政庁は、個別料金又は一括料金のほかに、書留郵便物及び保険付書状のためにとった特別の安全措置につき、自国の法令により定める特別の料金を差出人又は受取人から徴収することができる。
(q) 保険料(第54条1(c)) 名あて国のいかんを問わず、最高限、保険金額65.34SDRごとに及びその端数につき0.33SDR又は保険金額の各段階ごとに各段階の金額の2分の1パーセントに相当する額(不可抗力による危険を負担する国においても、同額の料金を適用する。) 
(r) 不可抗力危険負担料(第50条3) 各書留郵便物について最高限0.13SDR 
(s) 受取通知料(第55条1) 最高限0.98SDR 
(t) 受取人本人への手交の料金(第56条1) 最高限0.16SDR 

2 1の表に掲げる金額を超える額の料金を内国業務において適用する加盟国は、国際業務においても当該料金を適用することができる。
第27条 締切時刻後の差出しの料金、窓口通常取扱時間外の差出しの料金、差出人の住所からの取集めの料金、窓口通常取扱時間外の交付の料金、留め置き料及び小形包装物の配達料
1 郵政庁は、締切時刻後にその差立業務に差し出される郵便物については、自国の法令の定めるところにより、差出人から追加料金を徴収することができる。
2 郵政庁は、窓口通常取扱時間外に窓口に差し出される郵便物については、自国の法令の定めるところにより、差出人から追加料金を徴収することができる。
3 郵政庁は、差出人の住所から取り集める郵便物については、自国の法令の定めるところにより、差出人から追加料金を徴収することができる。
4 郵政庁は、窓口通常取扱時間外に窓口において交付する郵便物については、自国の法令の定めるところにより、受取人から追加料金を徴収することができる。
5 名あて国の郵政庁は、留め置き郵便物に対しては、内国制度の同種の郵便物について自国の法令により定める特別料金を課することができる。
6 名あて国の郵政庁は、受取人に配達する重量500グラムを超える小形包装物については、前条1の表(f)の特別料金を徴収することができる。
第28条 保管料
 名あて郵政庁は、重量500グラムを超える通常郵便物であって受取人が無料で引き取ることのできる期間内に引き取らなかったものについては、自国の法令の定めるところにより、保管料を徴収することができる。保管料は、点字郵便物については、徴収しない。
第29条 料金の納付
1 第19条に規定する郵便物(第16条から第18条までの規定に該当する郵便物を除く。)については、原則として、差出人が料金を完全に前納する。
2 差出郵政庁は、料金未納又は料金不足の通常郵便物を、差出人が料金を完全に納付するように、差出人に還付する権能を有する。
3 差出郵政庁は、また、差出人に代わり、料金未納の通常郵便物の料金を納付し又は料金不足の通常郵便物の料金を完全に納付した後、未納又は不足の金額を差出人から徴収することができる。
4 差出郵政庁が2及び3の権能を行使しない場合又は差出人に料金を完全に納付させることができない場合のいずれの場合においても、料金未納又は料金不足の書状及び郵便葉書は、名あて国に送達する。書状及び郵便葉書以外の郵便物であって料金未納又は料金不足のものも、送達することができる。
5 航空増料金のある航空通常郵便物、航空増料金のあるSAL通常郵便物又は優先郵便物であって差出人による料金未納又は料金不足の補正が不可能であるものは、納付された料金の額が航空増料金の額、航空通常郵便物若しくはSAL通常郵便物の料金と平面路通常郵便物の料金との差額又は優先郵便物の料金と非優先郵便物の料金との差額以上であるときは、それぞれ、航空路によって、SALとして又は優先郵便物として送達する。差出郵政庁は、納付された料金の額が航空増料金の額の75パーセント又は併合料金の50パーセントに相当する額以上であるときも、航空路によって又は優先郵便物として送達する権能を有する。納付された料金の額が航空増料金の額の75パーセント又は併合料金の額の50パーセントに相当する額未満であるときは、平面路通常郵便物又は非優先郵便物について通常利用される運送方法によって送達する。
6 最初の運送につき正規に料金が納付され、かつ、料金の補充が転送前に行われた郵便物は、正当に料金が納付されたものとみなす。
第30条 料金納付の方法
1 料金の納付は、次のいずれかによって行う。
(a) 差出国において効力を有する郵便切手であって郵便物に印刷され又ははり付けられたもの
(b) 郵政庁が設置する自動発売機により販売する郵便料金納付の印影
(c) 公に採用されかつ郵政庁の直接の監督の下に使用される料金計器による印影
(d) 印刷機その他の押印機器による印影(差出郵政庁の規則がこのような押印制度を認める場合に限る。)
(e) 料金の全額が納付されていることを示す表示、例えば「Taxe percue」の表示。当該表示は、名あて面の右上の部分に行うものとし、差出局又は、料金未納若しくは料金不足の郵便物の場合には、料金未納の郵便物の料金を納付し若しくは料金不足の郵便物の料金を完全に納付した郵便局の日付印の印影をもって正当なものと証明されなければならない。
2 同一名あて地の同一受取人にあてた印刷物であって特別の郵袋に納められたものの料金の納付は、1(a)から(e)までのいずれかによるものとし、その総額を郵袋の名あて票札上に表示して行う。
第31条 船舶内における通常郵便物の料金の納付
1 航海の始点若しくは終点又は寄港地に停泊中の船舶内で差し出される通常郵便物については、停泊国の郵便切手で当該停泊国の料金率に従って料金を納付する。
2 公海上の船舶内で差し出される通常郵便物にっいては、関係郵政庁の間の特別の合意がない限り、当該船舶の所属している国又は当該船舶を維持している国の郵便切手でこれらの国の料金率に従って料金を納付することができる。このようにして料金が納付された郵便物は、船舶の寄港地への到着の後できる限り速やかに当該寄港地の郵便局に引き渡さなければならない。
第32条 料金未納又は料金不足の場合の料金
1 差出郵政庁は、料金未納又は料金不足の場合において、差出人に代わり料金未納の通常郵便物の料金を納付し又は料金不足の通常郵便物の料金を完全に納付した後未納又は不足の金額を差出人から徴収するときは、第26条1の表(h)に規定する取扱料金を差出人から併せて徴収することができる。
2 1の規定による差出人に代わる料金の納付がされなかった場合には、料金未納又は料金不足の郵便物につき、受取人から、又はこれらの郵便物が返送されたときは差出人から、第26条1の表(h)の特別料金を徴収する。
3 書留郵便物及び保険付書状は、到着したときは、正当に料金が納付されたものとみなす。
第33条 国際郵便料金受取人払業務
1 郵政庁は、相互間で国際郵便料金受取人払業務に参加することを取り決めることができる。
2 1の業務を実施する郵政庁は、執行理事会が定める規則を尊重しなければならない。
3 もっとも、郵政庁は、二国間で2の規則以外の規則を取り決めることができる。
第34条 国際返信切手券
1 郵政庁は、国際事務局の発行する国際返信切手券を販売する権能及び自国の法令に従ってその販売を制限する権能を有する。
2 国際返信切手券の価額は、0.74SDRとする。郵政庁が設定する販売価格は、これを下回ることができない。
3 国際返信切手券は、各加盟国において、優先郵便物又は外国にあてて航空路によって発送する普通書状の最低料金を表示する1枚又は2枚以上の郵便切手と引き換えることができる。引換国の国内法令が認めない場合を除くほか、国際返信切手券は、切手付書簡類又は郵便料金納付の印影とも引き換えることができる。
4 郵政庁は、また、国際返信切手券とその引換えによって料金を納付する郵便物とを同時に差し出すことを要求する権能を有する。
第35条 速達郵便物
1 通常郵便物は、郵政庁が速達の業務を行っている国においては、差出人の請求に応じ、配達局に到着した後できる限り速やかに特別の配達人が配達する。もっとも、郵政庁は、速達の業務を航空通常郵便物、優先郵便物又は、二の郵政庁の間において平面路のみが利用されている場合には、平面路LC郵便物に限定する権利を有する。保険付書状については、名あて郵政庁は、自己の規則により定める場合には、郵便物自体に代えて到着通知書を速達によって配達する権能を有する。
2 1の郵便物は、「速達郵便物」といい、これに対しては、普通料金のほかに第26条1の表(i)の特別料金を課する。この特別料金は、完全に前納しなければならない。
3 速達郵便物は、1に規定する配達方法と異なる方法によって取り扱うことができる。ただし、この異なる方法によって受取人に提供される速達業務の水準が特別の配達人によって得られる水準と少なくとも同等である場合に限る。
4 郵政庁は、速達郵便物を税関検査に付さなければならない場合には、次のことを行わなければならない。
(a) 当該郵便物の到着の後できる限り速やかにこれを税関に提示すること。
(b) 自国の税関当局に対し当該郵便物の検査を速やかに行うよう要請すること。
5 速達による配達が受取人の住所の位置又は名あて局への到着の日及び時刻との関係上名あて郵政庁に対して特別の負担を与える場合には、郵便物の配達及び補充料金の徴収は、内国制度の同種の郵便物に関する規定により規律する。
6 前納しなければならない料金が完全には納付されていない速達郵便物は、差出局が速達郵便物として取り扱ったものでない限り、普通の方法により配達するものとし、差出局が速達郵便物として取り扱ったものである場合には、これに対し第32条の規定に基づいて料金を課する。
7 郵政庁は、速達郵便物としての配達の試みを1回にのみとどめることができる。この試みが目的を達しなかった場合には、当該郵便物は、普通の郵便物として取り扱うことができる。
8 受取人は、名あて郵政庁の規則が認める場合には、自己あての郵便物を到着の後直ちに速達によって配達するよう配達局に請求することができる。この場合には、名あて郵政庁は、内国業務において適用する料金を配達の際に徴収すること」ができる。
第36条 業務の質に関する目標
1 名あて郵政庁は、自国あての優先郵便物及び航空通常郵便物の処理のための時間を定めなければならない。その時間は、内国業務の相当する郵便物について適用される時間よりも不利であってはならない。
2 名あて郵政庁は、また、できる限り、自国あての平面路通常郵便物及び非優先郵便物の処理のための時間を定めなければならない。
3 差出郵政庁は、名あて郵政庁が定める時間を考慮して、外国あての優先郵便物及び航空通常郵便物のための業務の質に関する目標を定めなければならない。
第37条 航空通常郵便物及び優先郵便物の優先的な取扱い
郵政庁は、次の目的のために必要な措置をとる。
(a) 航空通常郵便物又は優先郵便物を包有する閉袋の受領及び継送が最良の状態で行われること
(b) (a)の閉袋の優先的な取扱いに関して運送企業との間で締結した取決めの遵守を確保すること。
(c) 自国あての航空通常郵便物及び優先郵便物の税関検査に関する作業が迅速に行われること。
(d) 自国内で差し出された航空通常郵便物及び優先郵便物を名あて国に送達するために必要な時間並びに外国から到着した航空通常郵便物及び優先郵便物を受取人に配達するために必要な時間をできる限り短縮すること。
第38条 取戻し及び差出人の請求によるあて名の変更又は訂正
1 通常郵便物の差出人は、次の条件を満たす場合に限り、郵便物を取り戻し、又はそのあて名を変更し若しくは訂正することができる。
(a) 郵便物が受取人に配達されていないこと。
(b) 郵便物が第41条の規定に抵触することを理由として権限のある当局によって没収され又は棄却されていないこと。
(c) 郵便物が名あて国の法令に基づいて差し押さえられていないこと。
2 取戻請求又はあて名の変更若しくは訂正の請求は、差出人の費用負担で郵便又は電信その他の適当な電気通信手段によって送達する。差出人は、各請求につき、第26条1の表(j)の特別料金を納付するものとし、請求が電気通信によって送達される場合には、更に、その送達に係る所要の料金を納付する。郵便物が差出国にある間は、取戻請求又はあて名の変更若しくは訂正の請求は、差出国の法令の定めるところにより処理する。
3 郵政庁は、自国の法令が認める場合には、他の郵政庁の業務に差し出された通常郵便物に関する取戻請求又はあて名の変更若しくは訂正の請求を受理する。
4 差出人は、返信料前払を認める二の国の間において、取戻請求又はあて名の変更若しくは訂正の請求について名あて局のとった措置につき電気通信によって通知を受けることを希望する場合には、所要の料金を納付する。電報が利用される場合には、電報料は、15語分として計算する返信料前払電報の料金とする。テレックスが利用される場合には、差出人から徴収する電報料は、原則として、当該請求をテレックスによって送達するために徴収する電報料の額と同額とする。
5 同一差出人から同一受取人にあてて同一郵便局に同時に差し出された2個以上の郵便物に関する取戻請求又はあて名の変更若しくは訂正の請求については、2の規定による料金は、1個分のみを徴収する。
6 受取人の氏名又は身分の変更を伴わない単なるあて名の訂正は、差出人が、名あて局に対して直接、すなわちあて名変更請求のための手続の履行及び2の特別料金の納付をすることなく、請求することができる。
7 取戻請求に基づく郵便物の差出元への返送は、差出人が航空増料金を納付することを約束する場合には、航空路によって行う。あて名の変更又は訂正の請求に基づいて郵便物が航空路によって転送される場合には、新たな航空運送路に係る航空増料金を受取人から徴収し、配達郵政庁がこれを収得する。
第39条 転送
1 受取人がその住所を変更した場合には、通常郵便物は、差出人により名あて国において通用する言語によって転送禁止の記載が名あて面にされており又はそのあて名がこの条約の施行規則第113条1(k)の規定に基づいて記載されているときを除くほか、内国業務において定める条件により、直ちに受取人に転送する。ただし、一国から他国への転送は、郵便物が転送のだめの新たな運送について必要な条件を満たしている場合に限って行う。
2 航空通常郵便物及び優先郵便物は、最も速達の線路(航空路又は平面路)によって新たな名あて地に転送する。
3 2の郵便物以外の通常郵便物は、受取人の明示的な請求がある場合において、受取人が新たな航空運送路又は新たな優先送達に係る航空増料金又は併合料金を納付することを約束するときは、航空路によって転送することができる。この場合には、航空増料金又は併合料金は、原則として当該郵便物の配達の際に徴収され、配達郵政庁が収得する。当該郵便物は、第三者が新たな航空運送路又は新たな優先送達に係る航空増料金又は併合料金を転送局に納付するときも、最も速達の線路によって転送することができる。当該郵便物の名あて国内における最も速達の線路による転送は、名あて国の法令の定めるところにより行う。
4 併合料金を適用する郵政庁は、3に定める条件に基づく航空路による転送又は優先郵便物としての転送につき、併合料金の額を超えない額の特別の料金を定めることができる。
5 通常郵便物の一括転送に使用する特別封筒C6及び郵袋は、個々の郵便物について2及び3に規定する線路によって新たな名あて地に送達する。
6 郵政庁は、転送を行う期間を内国業務における転送を行う期間と一致するように定める権能を有する。
7 内国業務において転送請求料を徴収する郵政庁は、国際業務においてもこれと同額の料金を徴収することができる。
8 通常郵便物の一国から他国への転送については、この条約の施行規則の定めるところにより徴収する料金を除くほか、追加料金を徴収しない。もっとも、内国業務において転送料を徴収する郵政庁は、自己の業務内で転送される国際業務の通常郵便物についても、これと同額の料金を徴収することができる。
9 転送される通常郵便物は、差立て若しくは到着の際に課され又は最初の運送の後に転送のため途中で課された料金の納付と引換えに、受取人に配達するものとし、転送を行った国が徴収を免除しない関税その他の特別の費用は、当該転送を行った国に償還する。
10 留め置き料、通関料、保管料、手数料、速達の補充料金及び小形包装物の受取人への配達の料金は、他国への転送の場合には、徴収を免除する。
第40条 配達不能の郵便物の差出国又は差出人への返送
1 何らかの理由により受取人に配達することのできなかった郵便物は、配達不能の郵便物として取り扱う。
2 配達不能の郵便物は、直ちに差出国に返送する。
3 受取人のために保管される郵便物又は留め置き郵便物の保管期間は、名あて郵政庁の規則により定める。ただし、保管期間は、名あて郵政庁が最長2箇月まで延長することを必要と認める特別の場合を除くほか、原則として、1箇月を超えることができない。差出人が名あて国において通用する言語による名あて面上の記載により請求した場合には、差出国への返送は、一層短い期間内に行う。
4 内国制度の郵便物であって配達不能のものは、当該郵便物が再発送のための新たな運送について必要な条件を満たしている場合に限り、差出人に還付するため、国外に再発送する。
5 差出人の住所氏名の記戴のない郵便葉書は、返送しない。ただし、書留郵便葉書は、必ず返送する。
6 配達不能の印刷物の差出元への返送は、差出人が名あて国において通用する言語による郵便物面上の記載により返送を請求した場合を除くほか、義務的ではない。もっとも、郵政庁は、配達の試みが繰り返しその目的を達しない場合又は郵便物が多量である場合には、差出人に返送を行い又は差出人に対し適当な方法で配達不能である旨を通知するよう努める。書留印刷物及び書籍は、必ず返送する。
7 返送を行う国が平面路を利用していない場合には、当該国は、配達不能の郵便物を自国が利用する最も適当な線路によって送達する義務を負う。
8 航空書状、航空郵便葉書及び優先郵便物を差出元に返送する場合には、最も速達の線路(航空路又は平面路)により行う。
9 航空書状及び航空郵便葉書以外の配達不能の航空通常郵便物は、次の場合を除くほか、航空増料金が徴収されない通常郵便物(平面路通常郵便物及びSALを含む。)について通常利用される運送方法によって差出元に返送する。
(a) 当該運送方法の利用が中断されている場合
(b) 名あて郵政庁が当該郵便物の返送について航空路を利用することとしている場合
10 前条3及び4の規定は、差出人の請求に基づく通常郵便物の差出元への航空路による返送又は優先郵便物としての返送について準用する。
11 差出国に返送された配達不能の通常郵便物は、前条9に定める条件と同一の条件で差出人に還付する。当該通常郵便物については、この条約の施行規則の定めるところにより徴収する料金を除くほか、追加料金を徴収しない。もっとも、内国業務において返送料を徴収する郵政庁は、自国に返送される国際業務の通常郵便物についても、これと同額の料金を徴収することができる。
第41条 禁制
1 その包装のために取扱者に危害を及ぼし又は他の郵便物若しくは郵便設備を汚染し若しくは損傷するおそれのある通常郵便物は、差出しを認められない。郵便物の封をするために使用する止め金は、鋭利なものであってはならず、また、郵便業務の実施を妨げるものであってはならない。
2 封かんした封筒に入れた書留書状及び保険付書状以外の郵便物は、硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工していない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品を包有することができない。
3 印刷物及び点字郵便物は、例外的にこの条約の施行規則に定める場合を除くほか、
(a) 現実的かつ対人的な通信の性質を有する記載をしてはならず、また、このような性質を有する書類を包有してはならない。
(b) 消印した若しくは消印していない郵便切手若しくは料金納付用証票又は証券を包有してはならない。
4 次の物品は通常郵便物に入れてはならない。
(a) 性質上、1にいう危害を及ぼし、汚染し又は損傷を与えるおそれのある物品
(b) 麻薬及び向精神薬
(c) 次に掲げるものを除く生きた動物。ただし、保険付書状には、次に掲げるものも入れることができない。
1.みつばち、水ひる及び蚕
2.害虫の寄生虫及び捕食虫であって、害虫駆除の用に供しかつ公認の施設の間で交換するもの
(d) 爆発性又は発火性の物質その他危険性のある物質。もっとも、第23条に規定する死滅しやすい又は変敗しやすい生物学上の材料及び放射性物質は、この禁制に抵触しない。
(e) わいせつな又は不道徳な物品
(f) 名あて国において輸入又は流布が禁止されている物品
5 郵政庁は、自国における現行の4(f)の禁制に関する情報を、この条約の施行規則の規定に従って国際事務局に明瞭、正確かつ詳細に通報するよう、また、この情報を常に現状に合致させるようできる限り留意する。
6 4に掲げる物品を包有する郵便物であって誤って引き受けられたものは、これらの物品が包有されていることを発見した郵政庁の属する国の法令の定めるところにより取り扱う。書状は、現実的かつ対人的な通信の性質を有する書類であって差出人及び受取人(これらの者の同居人を含む。)以外の者の間で交換されるものを包有することができない。差出国又は名あて国の郵政庁は、このような書類が包有されていることを発見した場合には、当該書類を自国の法令の定めるところにより取り扱う。
7 4(b)、(d)又は(e)に掲げる物品を包有する郵便物は、いかなる場合にも、名あて地に送達せず、受取人に配達せず、また、差出元に返送しない。名あて郵政庁は、内容品のうち禁制に抵触しない部分を受取人に配達することができる。
8 誤って引き受けられた郵便物が差出元に返送されずかつ受取人に配達されない場合には、差出郵政庁は、当該郵便物について適用された取扱いに関し、遅滞なく通報を受ける。この通報には、当該郵便物が抵触した禁制及び差押えの原因となった物品について正確に記載する。誤って引き受けられた郵便物で差出元に返送されるものには、同様の通報を添付する。
9 加盟国は、また、書状、郵便葉書及び点字郵便物以外の通常郵便物であって自国内における発行又は流布の条件を定める法令に抵触するものについては、自国の領域内で開袋継越しの運送を行わない権利を留保する。当該郵便物は、差出郵政庁に返送する。
第42条 税関検査
 差出国の郵政庁及び名あて国の郵政庁は、自国の法令の定めるところにより、通常郵便物を税関検査に付することができる。
第43条 通関料
 差出国又は名あて国において税関検査に付される郵便物に対しては、税関への交付及び通関につき、又は単に税関への交付につき、第26条1の表(m)の特別料金を郵便料金として課することができる。
第44条 関税その他の課金
 郵政庁は、課されることのある関税その他のすべての課金を郵便物の差出人又は受取人から徴収することができる。
第45条 課金別納郵便物
1 郵政庁が同意を表明した加盟国の間の関係においては、差出人は、差出局にあらかじめ申し出ることにより、郵便物の配達の際に課される料金及び課金の全額を負担することができる。差出人は、郵便物の差出しの後においても、当該郵便物が受取人に配達されるまでの間は、当該郵便物が課金別納で配達されることを請求することができる。
2 1の場合には、差出人は、名あて局が請求する金額を納付することを約束し、また、必要があるときは十分な額の保証金を払い込む。
3 差出郵政庁は、第26条1の表(n)一の料金を差出人から徴収し、これを自国内で提供する業務の報酬として収得する。
4 1の請求が差出しの後に行われる場合には、差出郵政庁は、更に、第26条1の表(n)二の追加料金を徴収する。1の請求が電信その他の電気通信手段によって送達される場合には、差出人は、更に、所要の料金を納付する。
5 名あて郵政庁は、郵便物1個につき、第26条1の表(n)三の手数料を課することができる。この手数料は、第43条の料金とは別個のものとし、名あて郵政庁のために差出人から徴収する。
6 郵政庁は、課金別納郵便物の業務を書留郵便物及び保険付書状についてのみ行う権利を有する。
第46条 関税その他の課金の徴収の免除
 郵政庁は、差出元に返送し、内容品の全面的損傷を理由として棄却し又は第三国に転送する郵便物につき、関税その他の課金の徴収が免除されるように自国の関係機関と交渉することを約束する。
第47条 調査請求
1 利用者は、郵便物の差出しの日の翌日から起算して1年以内に限り調査請求を行うことができる。
2 郵政庁は、できる限り速やかに調査請求を処理する。
3 郵政庁は、他の郵政庁の業務に差し出された郵便物に関する調査請求を受理する。
4 調査請求については、差出人が受取通知について既に料金を納付した場合を除くほか、第26条1の表(o)の特別料金を徴収することができる。電信による調査請求の送達を請求された場合には、調査請求料のほかに、調査請求の送達のための電報料及び、返信料前払を認める二の国の間において必要があるときは、返信のための電報料を徴収する。返信のために電報が利用される場合には、電報料は、15語分として計算する返信料前払電報の料金とする。テレックスが利用される場合には、差出人から徴収する電報料は、原則として、当該調査請求をテレックスによって送達するために徴収する電報料の額と同額とする。その他の電気通信手段又はEMS業務による調査請求の送達を請求された場合には、これらの手段又は業務につき通常徴収される料金を請求者から徴収することができる。これらの手段又は業務によって送達される返信の費用については、その回収を相互主義により放棄する。
5 同一差出人から同一受取人にあてて同一郵便局に同時に差し出された2個以上の郵便物に関する調査請求については、1個分のみの料金を徴収する。もっとも、差出人の請求に応じ異なる二以上の線路によって送達しなければならなかった書留郵便物又は保険付書状に関する調査請求については、利用した各線路につき料金を徴収する。
6 調査請求が業務上の過失を起因とするものであった場合には、4の特別料金は、これを徴収した郵政庁が還付する。もっとも、当該郵政庁は、この特別料金を、いかなる場合にも、賠償金の支払の義務を負う郵政庁から取り立てることができない。

第2章 書留郵便物、配達記録郵便物及び保険付書状

第48条 書留郵便物の引受け
1 第19条に規定する通常郵便物は、書留として発送することができる。
2 書留郵便物の差出人に対しては、差出しの際に無料で受領証を交付する。
3 封かんした封筒に入れた書留書状は、差出国及び名あて国の法令が認める場合には、硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工していない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品を包有することができる。
第49条 配達記録郵便物の引受け
1 第19条に規定する通常郵便物は、配達記録郵便物の引受けを認める郵政庁の間で、配達記録郵便業務によって交換することができる。
2 配達記録郵便物の差出人に対しては、差出しの際に無料で受領証を交付する。
第50条 書留郵便物の料金
1 書留郵便物の料金は、次のものから成るものとし、前納しなければならない。
(a) 郵便物の種類に従って課される普通料金
(b) 第26条1の表(p)の定額の書留料
2 特別の安全措置が必要である場合には、郵政庁は、第26条1の表(p)の備考欄二に規定する特別の料金を徴収することができる。
3 不可抗力による危険を負担する郵政庁は、第26条1の表(r)の特別料金を徴収することができる。
第51条 配達記録郵便物の料金
配達記録郵便物の料金は、次のものから成るものとし、前納しなければならない。
(a) 郵便物の種類に従って課される普通料金
(b) 差出郵政庁が定める配達記録料。ただし、その額は、書留料よりも低い額とする。
第52条 保険付書状の引受け
1 有価証券又は有価の書類若しくは物品を包有し、かつ、差出人の表記する保険金額に従って内容品を保険に付した書状は、「保険付書状」として交換することができる。その交換は、この書状を相互に又は一方的に受領することについて郵政庁が同意を表明した加盟国の間においてのみ行われる。
2 保険付書状の差出人に対しては、差出しの際に無料で受領証を交付する。
3 郵政庁は、保険付書状業務ができる限り自国のすべての郵便局において行われるように必要な措置をとる。
第53条 保険付書状の保険金額
1 保険金額は、原則として無制限とする。
2 もっとも、郵政庁は、保険金額を一定の金額以下に制限する権能を有する。この金額は、3266.91SDR又は、内国業務において採用されている限度額が3266.91SDR未満である場合には、当該限度額を下回ることができない。
3 異なる限度額を採用する国の間においては、最も低い限度額を相互に遵守する。
4 保険金額は、郵便物の内容品の実価を超えるものであってはならない。もっとも、内容品の実価の一部分についてのみ保険を付することは、認められる。書類の価額が当該書類の作成に要する費用に基づいて表される場合には、その保険金額は、当該書類の亡失の際のその代替に要する費用を超えるものであってはならない。
5 郵便物の内容品の実価を超える保険金額の詐欺表記は、差出国の法令により定める司法上の訴追の対象となる。
第54条 保険付書状の料金
1 保険付書状の料金は、次のものから成るものとし、前納しなければならない。
(a) 普通料金
(b) 第26条1の表(p)の定額の書留料
(c) 第26条1の表(q)の保険料
2 特別の安全措置が必要である場合には、郵政庁は、第26条1の表 (p)の備考欄二に規定する特別の料金を徴収することができる。
第55条 受取通知
1 書留郵便物、配達記録郵便物又は保険付書状の差出人は、差出しの際に第26条1の表(s)の料金を納付した上で、受取通知の請求を行うことができる。受取通知は、最も速達の線路(航空路又は平面路)によって差出人に返送する。
2 差出人が通常の期間内に自己に返送されなかった受取通知の請求を行う場合には、新たに料金を徴収せず、また、調査請求について第47条に規定する料金も徴収しない。
第56条 受取人本人への手交
1 書留郵便物、配達記録郵便物及び保険付書状は、合意した郵政庁の間の関係においては、差出人の請求に応じて受取人本人に手交する。郵政庁は、受取人本人への手交の取扱いを受取通知が添付された書留郵便物、配達記録郵便物及び保険付書状についてのみ行うことを取り決めることができる。差出人は、当該請求を行う場合には、第26条1の表(t)の特別料金を納付する。
2 郵政庁は、手交が可能であると考えられる場合において自己の規則が認めるときに限り、1の規定により手交する郵便物の2回目の手交の試みを行う。

第3章 責 任

第57条 書留郵便物についての郵政庁の責任の原則及び範囲
1 郵政庁は、書留郵便物に関しては、その亡失、盗取又は損傷について責任を負う。この場合には、書留郵便物が開袋によって運送されたか閉袋によって運送されたかを問わない。
2 郵政庁は、また、不可抗力による危険を負担することを約束することができる。当該危険を負担する場合には、郵政庁は、自国内で差し出された書留郵便物の差出人に対し、当該書留郵便物のすべての運送路(転送又は差出元への返送の場合の運送路を含む。)において不可抗力により生ずる亡失について責任を負う。
3 差出人は、書留郵便物の亡失の場合には、郵便物1個につき24.50SDRの賠償金を請求する権利を有する。この金額は、第20条10に規定する印刷物を納めた特別の郵袋であって書留としたものについては、郵袋1個につき122.51SDRとすることができる。
4 書留郵便物の盗取又は損傷の場合には、当該書留郵便物の包装が盗取又は損傷の偶発的な危険から内容品を有効に保護するために十分であったと認められることを条件として、差出人は、原則として損害の実額に相当する賠償金を請求する権利を有する。間接の損害及び実現されなかった利益については、考慮しない。賠償金の額は、いかなる場合にも、3に定める額を超えることができない。
5 差出人は、3及び4に規定する権利を受取人のために放棄することができる。差出人又は受取人は、自国の法令が認める場合には、第三者に対し賠償金の受取を認めることができる。
6 内容品が盗取され又は損傷した郵便物が配達された後は、4の規定にかかわらず、受取人が賠償金を請求する権利を有する。受取人は、当該権利を差出人のために放棄することができる。
7 差出郵政庁は、自国の差出人に対し、書留郵便物について自国の法令により定める賠償金を、その額が3に定める賠償金の額を下回らないことを条件として、支払う権能を有する。名あて郵政庁が6の規定により受取人に対し賠償金を支払う場合にも、同様とする。ただし、次の場合には、3に定める金額を適用する。
1.責任郵政庁に対する求償の場合
2.差出人が自己の権利を受取人のために放棄した場合又は受取人が自己の権利を差出人のために放棄した場合
第58条 配達記録郵便物についての郵政庁の責任の原則及び範囲
1 郵政庁は、配達記録郵便物に関しては、その亡失についてのみ責任を負う。この場合には、配達記録郵便物が開袋によって運送されたか閉袋によって運送されたかを問わない。
2 配達記録郵便物の内容品の全部の盗取又は全面的損傷は、当該配達記録郵便物の包装が盗取又は損傷の危険から内容品を有効に保護するために十分であったと認められることを条件として、亡失とみなす。
3 差出人は、配達記録郵便物の亡失の場合には、納付した料金の還付を請求する権利を有する。
第59条 保険付書状についての郵政庁の責任の原則及び範囲
1 郵政庁は、保険付書状に関しては、第61条に規定する場合を除くほか、亡失、盗取又は損傷について責任を負う。この場合には、保険付書状が開袋によって運送されたか閉袋によって運送されたかを問わない。
2 郵政庁は、また、不可抗力による危険を負担することを約束することができる。当該危険を負担する場合には、郵政庁は、自国内で差し出された保険付書状の差出人に対し、当該保険付書状のすべての運送路(転送又は差出元への返送の場合の運送路を含む。)において不可抗力により生ずる亡失、盗取又は損傷について責任を負う。
3 差出人は、原則として亡失、盗取又は損傷の実額に相当する賠償金を請求する権利を有する。間接の損害及び実現されなかった利益については、考慮しない。賠償金の額は、いかなる場合にも、保険金額のSDRによる額を超えることができない。保険付航空書状が平面路により転送され又は差出元に返送される場合には、責任は、その転送又は返送については、平面路によって送達される郵便物について適用される責任に限定される。
4 内容品が盗取され又は損傷した保険付書状が配達された後は、3の規定にかかわらず、受取人が賠償金を請求する権利を有する。
5 賠償金は、有価物の運送が引き受けられた場所及び時期における当該有価物と同種の有価物のSDRに換算した時価を基礎として計算する。時価がない場合には、賠償金は、当該場所及び時期において評価される当該有価物の通常の価値を基礎として計算する。
6 保険付書状の亡失又はその内容品の全部の盗取若しくは全面的損傷について賠償金が支払われる場合には、差出人(4の規定が適用される場合には、受取人)は、納付した料金(保険料を除く。)の還付を請求する権利を有する。保険料は、いかなる場合にも、差出郵政庁が収得する。
7 差出人は3に規定する権利を受取人のために放棄することができるものとし、受取人は4に規定する権利を差出人のために放棄することができる。差出人又は受取人は、自国の法令が認める場合には、第三者に対し賠償金の受取を認めることができる。
第60条 書留郵便物及び配達記録郵便物についての郵政庁の免責
1 郵政庁は、書留郵便物又は配達記録郵便物であって、これらと同種の郵便物について自己の規則により定める条件又は第12条3に定める条件に従って配達したものについては、責任を負わない。ただし、内容品の盗取若しくは損傷が当該書留郵便物若しくは配達記録郵便物の配達の前に若しくは配達の際に確認されたとき又は、当該郵政庁の規則が認める場合において、内容品が盗取され若しくは損傷した書留郵便物若しくは配達記録郵便物の配達を受ける際に受取人(差出元への返送の場合には、差出人)が留保を付したときは、責任は、存続する。
2 郵政庁は、次の場合には、責任を負わない。
1.書留郵便物又は配達記録郵便物が亡失した場合において、
(a) 亡失が不可抗力によるとき。自己の業務において亡失が生じた郵政庁は、自国の法令の定めるところにより、当該亡失が不可抗力に該当する事情によるものであるかないかを決定するものとし、差出国の郵政庁が請求するときは、当該差出国の郵政庁に対して当該事情を通知する。ただし、書留郵便物の亡失の場合には、第57条2の規定により不可抗力による危険を負担することを受諾した差出国の郵政庁に関しては、責任は、存続する。
(b) 郵政庁の責任に関して別段の証拠がなく、かつ、郵政庁が不可抗力による業務書類の損傷のために当該書留郵便物について調査することができないとき。
(c) 差出人が第47条1に定める期間内に調査請求を行わなかったとき。
2.書留郵便物又は配達記録郵便物が名あて国の法令に基づいて保留され又は差し押さえられた旨を名あて国の郵政庁が通告した場合
3.書留郵便物又は配達記録郵便物が第41条2、3(b)及び4の禁制に抵触する内容品を包有しているために権限のある当局によって没収され又は棄却された場合
4.書留郵便物又は配達記録郵便物の損傷が内容品の性質から生じたものである場合
3 郵政庁は、税関告知書の内容(どのように記載されているかを問わない。)について、及び税関検査に付される通常郵便物の検査の際に第41条4(f)の規定により税関の行った決定について、いかなる責任も負わない。
第61条 保険付書状についての郵政庁の免責
1 郵政庁は、保険付書状であって、これと同種の郵便物について自己の規則により定める条件又は第12条3に定める条件に従って配達したものについては、責任を負わない。ただし、次の場合には、責任は、存続する。
(a) 内容品の盗取若しくは損傷が保険付書状の配達の前に若しくは配達の際に確認されたとき又は、郵政庁の規則が認める場合において、内容品が盗取され若しくは損傷した保険付書状の配達を受ける際に受取人(差出元への返送の場合には、差出人)が留保を付したとき。
(b) 受取人(差出元への返送の場合には、差出人)が、保険付書状を正規に受領した場合においても、当該保険付書状を配達した郵政庁に対し損害を発見した旨を遅滞なく申し出て、内容品の盗取又は損傷が配達の後に生じたものでないことを立証したとき。
2 郵政庁は、次の場合には、責任を負わない。
1.保険付書状が亡失し又はその内容品が盗取され若しくは損傷した場合において、
(a) 亡失、盗取又は損傷が不可抗力によるとき。自己の業務において亡失、盗取又は損傷が生じた郵政庁は、自国の法令の定めるところにより、当該亡失、盗取又は損傷が不可抗力に該当する事情によるものであるかないかを決定するものとし、差出国の郵政庁が請求するときは、当該差出国の郵政庁に対して当該事情を通知する。ただし、第59条2の規定により不可抗力による危険を負担することを受諾した差出国の郵政庁に関しては、責任は、存続する。
(b) 郵政庁の責任に関して別段の証拠がなく、かつ、郵政庁が不可抗力による業務書類の損傷のために当該保険付書状について調査することができないとき。
(c) 損害が差出人の過失若しくは怠慢又は当該保険付書状の内容品の性質から生じたものであるとき。
(d) 当該保険付書状が第41条4の禁制に抵触する内容品を包有しているために権限のある当局によって没収され又は棄却されたとき。
(e) 当該保険付書状につき、内容品の実価を超える保険金額の詐欺表記がされているとき。
(f) 差出人が当該保険付書状の差出しの日の翌日から起算して1年以内に調査請求を行わなかったとき。
2.保険付書状が名あて国の法令に基づいて差し押さえられた場合
3.海路又は航空路による運送に関し、郵政庁が、その利用する船舶内又は航空機内にある保険付書状についての責任を認めない旨を通知した場合。ただし、当該郵政庁は、保険付書状の閉袋継越しについては、書留郵便物について定められている責任を負う。
3 郵政庁は、税関告知書の内容(どのように記載されているかを問わない。)について、及び税関検査に付される保険付書状の検査の際に税関の行った決定についていかなる責任も負わない。
第62条 差出人の責任
1 通常郵便物の差出人は、運送を認められない物品の差出しにより又は郵便物の引受けがされるための条件を遵守しなかったことにより他の郵便物に与えたすべての損害につき、郵政庁が負う責任の限度まで責任を負う。ただし、郵政庁又は運送事業者に過失又は怠慢があった場合は、この限りでない。
2 差出人は、差出局が1に規定する損害を与えた郵便物を引き受けたことによって責任を免れることはない。
3 損害が差出人の過失によるものであることを確認した郵政庁は、その旨を差出郵政庁に通報するものとし、差出郵政庁は、必要があるときは、差出人に対して訴えを提起する。
第63条 書留郵便物についての郵政庁の間における責任の決定
1 書留郵便物を異議なく受け取り、かつ、調査に役立つすべての所定の資料を受領した郵政庁は、当該書留郵便物を受取人に配達し又は他の郵政庁に正規に送達したことを立証することができない場合には、反証が挙げられる時まで当該書留郵便物の亡失について責任を負う。
2 仲介郵政庁又は名あて郵政庁は、次の場合には、4の規定が適用されない限り、反証が挙げられる時まで責任を負わない。
(a) 第4条の規定並びに閉袋の点検及び事故の確認に関する規定を遵守した場合
(b) 調査請求の対象となっている書留郵便物に関する業務書類がこの条約の施行規則第107条に定める保存期間の満了によって棄却された後に当該調査請求を受領したことを立証することができる場合。この(b)の規定は、請求者の権利を害するものではない。
(c) 書留郵便物の個別記入の場合において、差出郵政庁が書状目録C12又は書留目録C13への書留郵便物の詳細な記入に関するこの条約の施行規則第161条1の規定を遵守しなかったため、調査対象となっている書留郵便物を正規に引き渡したことを立証することができないとき。
3 亡失が航空運送企業の業務において生じた場合には、第88条1の規定に基づいて運送料を受領する郵政庁は、差出人に支払われた賠償金の額を差出郵政庁に償還し、責任のある航空運送企業から当該賠償金の額を取り立てる。差出郵政庁は、第88条2の規定に基づいて航空運送企業と運送料の決済を直接行う場合には、当該航空運送企業に対して当該賠償金の額の償還を請求する。
4 亡失が運送中に生じ、その事実がいずれの国の領域又は業務において生じたかを確定することができない場合には、関係郵政庁は、平等に損害を分担する。
5 郵政庁は、書留郵便物が不可抗力によって亡失した場合において、その亡失が自国の領域又は自己の業務において生じたものであるときは、不可抗力による危険を自国及び差出国の双方が負担している場合に限り、差出郵政庁に対して責任を負う。
6 徴収が免除されなかった関税その他の課金は、亡失について責任を負う郵政庁が負担する。
7 賠償金を支払った郵政庁は、受取人、差出人又は第三者に対する求債権につき、当該賠償金の額を限度として、当該賠償金を受け取った者に代位する。
第64条 保険付書状についての郵政庁の間における責任の決定
1 保険付書状を異議なく受け取り、かつ、調査に役立つすべての所定の資料を受領した郵政庁は、当該保険付書状を受取人に配達し又は他の郵政庁に正規に送達したことを立証することができない場合には、反証が挙げられる時まで責任を負う。
2 仲介郵政庁又は名あて郵政庁は、次の場合には、4、7及び8の規定が適用されない限り、反証が挙げられる時まで責任を負わない。
(a) 保険付書状の個別の点検に関するこの条約の施行規則第170条の規定を遵守した場合
(b) 調査請求の対象となっている保険付書状に関する業務書類がこの条約の施行規則第107条に定める保存期間の満了によって棄却された後に当該調査請求を受領したことを立証することができる場合。この(b)の規定は、請求者の権利を害するものではない。
3 保険付書状を他の郵政庁に送達した郵政庁は、当該保険付書状の引渡しを受けた交換局から、点検の後に利用することのできる最初の便により、当該保険付書状の包装物の全体又は当該保険付書状自体の不着又は異状を確認する調書の送付を受けなかった場合には、反証が挙げられる時まで責任を負わない。
4 亡失、盗取又は損傷が運送中に生じ、その事実がいずれの国の領域又は業務において生じたかを確定することができない場合には、関係郵政庁は、平等に損害を分担する。盗取又は損傷の生じていたことが名あて国(差出人への返送の場合には、差出国)において確認された場合には、名あて国(又は差出国)の郵政庁が次のことを証明するものとし、その証明がされたときは、他のいずれの関係郵政庁も、異議の申立てを受けることなく郵便物をその次の郵政庁に引き渡した事実を援用して責任の分担を拒むことができない。
(a) 包装物、封筒又は郵袋及びその封かん並びに郵便物の包装及び封かんに盗取又は損傷の明らかな形跡がなかったこと。
(b) 差出しの際に確認された重量が変化していなかったこと。
5 郵政庁は、いかなる場合にも、自己の採用する保険金額の最高限度額を超えて他の郵政庁に対し責任を負うことはない。
6 郵政庁は、保険付書状が不可抗力によって亡失し又はその内容品が盗取され若しくは損傷した場合において、その亡失、盗取又は損傷が自国の領域又は自己の業務において生じたものであるときは、不可抗力による危険を自己及び差出郵政庁の双方が負担している場合に限り、差出郵政庁に対して責任を負う。
7 亡失、盗取又は損傷が、保険付書状業務を行わない仲介郵政庁若しくは損害額よりも低い保険金額の最高限度額を採用している仲介郵政庁の属する国の領域において又は当該仲介郵政庁の業務において生じた場合には、差出郵政庁は、第1条3又はこの条の5の規定により当該仲介郵政庁が負担しない損害を負担する。
8 7の規定は、第61条2三の規定により船舶内又は航空機内にある保険付書状についての責任を認めない郵政庁の業務において亡失、盗取又は損傷が生じた場合には、海路又は航空路による運送についても適用する。
9 徴収が免除されなかった関税その他の課金は、亡失、盗取又は損傷について責任を負う郵政庁が負担する。
10 賠償金を支払った郵政庁は、受取人、差出人又は第三者に対する求償権につき、当該賠償金の額を限度として、当該賠償金を受け取った者に代位する。
第65条 保険付書状についての郵政庁と航空運送企業との間における責任の決定
 亡失、盗取又は損傷が航空運送企業の業務において生じた場合には、第88条1の規定に基づいて運送料を受領する郵政庁は、第1条3及び前条5の規定の適用があることを条件として、差出人に支払われた賠償金の額を差出郵政庁に償還し、責任のある航空運送企業から当該賠償金の額を取り立てる。差出郵政庁は、第88条2の規定に基づいて航空運送企業と運送料の決済を直接行う場合には、当該航空運送企業に対して当該賠償金の額の償還を請求する。
第66条 書留郵便物及び保険付書状についての賠償金の支払
1 賠償金の支払の義務は、差出郵政庁(第57条5及び第59条7の規定が適用される場合には、名あて郵政庁)が負う。もっとも、責任郵政庁に対する求償権は、害されない。
2 賠償金の支払は、できる限り速やかに、遅くとも請求の日の翌日から起算して4箇月以内に行う。
3 賠償金の支払の義務を負う郵政庁が不可抗力による危険を負担することを受諾していない場合において、郵便物の亡失が不可抗力によるものであるかないかが2に定める期間の満了の時に決定されていないときは、当該支払の義務を負う郵政庁は、例外的に、2に定める賠償金の支払期限を3箇月延期することができる。
4 差出郵政庁又は場合により名あて郵政庁は、運送に参加した郵政庁が正規に照会を受けた後3箇月を経過する時までに次のいずれのことも行わなかった場合には、権利者に対し、当該運送に参加した郵政庁に代わって賠償を行うことができる。
問題を最終的に解決すること。
差出郵政庁又は場合により名あて郵政庁に対し、亡失が不可抗力によるものであると思われる旨又は郵便物がその内容品の性質のために権限のある当局によって保留され、没収され若しくは棄却され、若しくは名あて国の法令に基づいて差し押さえられた旨を通知すること。
5 4の規定に関し、調査請求を受けた事項を3箇月以内に最終的に解決することについては遵守の義務を負わない旨をこの条約の最終議定書において表明した郵政庁は、問題を最終的に解決する期間を通知しなければならない。
6 この条約の施行規則第151条9及び12に定める条件に従った回答が完全にはされていない用紙C9の返送は、最終的な解決とみなされない。
第67条 配達記録郵便物の料金の還付
1 差出郵政庁は、配達記録郵便物の亡失の場合には、料金を還付する義務を負う。
2 料金の還付は、できる限り速やかに、遅くとも請求の翌日から起算して4箇月以内に行う。
第68条 支払を行った郵政庁に対する賠償金の償還
1 責任郵政庁又は第66条の規定により自己に代わって支払がされたこととなる郵政庁は、支払を行った郵政庁(この条において「支払郵政庁」という。)に対し、第57条3に定める賠償金の額を限度として、権利者に支払われた賠償金の額を償還する。その償還は、支払がされた旨の通告の日付の日から起算して4箇月以内に行う。
2 二以上の郵政庁が第63条又は第64条の規定により賠償金を分担する場合には、賠償金の請求に係る郵便物を正当に受領したがこれを相手業務に正規に送達したことを立証することのできない最初の郵政庁が、1に定める期間内に、支払われた賠償金の全額を支払郵政庁に払い込む。当該最初の郵政庁は、他の各責任郵政庁から、権利者に対する損害賠償についてのそれそれの分担額を取り立てる。
3 差出郵政庁及び名あて郵政庁は、権利者に支払を行う郵政庁が賠償金の全額を負担することを取り決めることができる。
4 貸方郵政庁に対する償還は、第13条の支払に関する規則の定めるところにより行う。
5 責任があると認められた場合及び第66条4の場合には、賠償金は、当然のこととして、何らかの差引計算により、直接又は責任郵政庁との差引計算書を定期的に作成する郵政庁を通じ、責任郵政庁から取り立てることができる。
6 支払郵政庁は、賠償金の支払を行った後直ちに責任郵政庁に対しその支払の日及び金額を通告する。責任郵政庁が賠償金の支払の指示を発送した日から1年以内に、支払郵政庁が、支払の日及び金額を通告せす、当該金額の責任郵政庁の借方への記入をもしなかった場合には、当該指示は、無効とみなされ、当該指示を受領した支払郵政庁は、支払った賠償金の償還を請求する権利を失う。
7 責任のあることが正当に立証された郵政庁であって当初に賠償金の支払を拒んだものは、支払の不当な遅延から生ずるすべての付随的な費用を負担する。
8 郵政庁は、権利者に支払った賠償金であって正当な理由があると認めたものについて定期的に清算を行うことを取り決めることができる。
第69条 差出人又は受取人からの賠償金の回収
1 亡失したものとさきに認められた書留郵便物若しくは保険付書状又はこれらの郵便物の一部分が賠償金の支払の後に発見された場合には、差出人(第57条5及び6並びに第59条7の規定が適用される場合には、受取人)に対し、当該郵便物は3箇月間保管され、支払われた賠償金の返付と引換えに当該郵便物を受け取ることができる旨を通知し、同時に、当該郵便物を交付する者について照会する。差出人(又は受取人)が受取を拒絶し又は所定の期間内に回答を行わなかった場合には、受取人(又は差出人)に対して同様の措置をとる。
2 差出人又は受取人が賠償金の返付と引換えに郵便物を受け取った場合には、当該賠償金は、返付の日から起算して1年以内に、損害を負担した郵政庁に返還する。
3 差出人及び受取人が郵便物を受け取ることを放棄した場合には、郵便物は、損害を負担した郵政庁の所有に帰する。
4 第66条4に定める3箇月の期間の後に配達の事実が立証された場合において、支払った賠償金を何らかの理由により差出人から回収することかできないときは、当該賠償金は、仲介郵政庁又は名あて郵政庁が負担する。
5 保険付書状が賠償金の支払の後に発見され、かつ、その内容品が支払われた賠償金の額よりも低い価額のものであると認定された場合には、差出人は、当該保険付書状の交付を受けることと引換えに当該支払われた賠償金を返付する。この場合には、第53条5の規定による保険金額の詐欺表記に対する措置を適用することを妨げない。

第4章 料金の帰属、継越料及び到着料

第70条 料金の帰属
 この条約及び約定に別段の定めがある場合を除くほか、郵政庁は、徴収した料金を収得する。
第71条 継越料
1 第75条の規定が適用される場合を除くほか、二の郵政庁の間又は同一国の二の郵便局の間で他の郵政庁の業務(第三国業務)の仲介によって交換される閉袋については、陸路継越し及び海路継越しの業務の実施に対する報酬として、継越料を支払う。
2 いずれかの国が、第3条の規定により、自国の業務の関与なしに他国の運送業務に対し自国の領域を通過することを認める場合には、このようにして送達される閉袋について陸路継越料を課さない。
3 二国間で直接行われる海路運送であってその一方の国の船舶によるものは、特別の合意がない限り、第三国業務とみなす。
4 海路継越しは、閉袋が郵政庁の管理の下を離れた時に始まり、名あて郵政庁が海路運送企業から当該閉袋の引渡しが可能である旨を通知された時に終わる。
第72条 継越料率
1 前条1に規定する継越料は、次の表に定める料率を基礎として計算する。
運送路総重量1キログラムごとの継越料(単位SDR)
一 キロメートルで表示された陸路 
 100キロメートルまで0.14
 100キロメートルを超え200キロメートルまで0.17
 200キロメートルを超え300キロメートルまで0.20
 300キロメートルを超え400キロメートルまで0.22
 400キロメートルを超え500キロメートルまで0.24
 500キロメートルを超え600キロメートルまで0.26
 600キロメートルを超え700キロメートルまで0.27
 700キロメートルを超え800キロメートルまで0.29
 800キロメートルを超え900キロメートルまで0.31
 900キロメートルを超え1,000キロメートルまで0.32
 1,000キロメートルを超え1,100キロメートルまで0.34
 1,100キロメートルを超え1,200キロメートルまで0.35
 1,200キロメートルを超え1,300キロメートルまで0.37
 1,300キロメートルを超え1,500キロメートルまで0.39
 1,500キロメートルを超え2,000キロメートルまで0.43
 2,000キロメートルを超え2,500キロメートルまで0.49
 2,500キロメートルを超え2,750キロメートルまで0.53
 2,750キロメートルを超え3,000キロメートルまで0.56
 3,000キロメートルを超え4,000キロメートルまで0.62
 4,000キロメートルを超え5,000キロメートルまで0.72
 5,000キロメートルを超え6,000キロメートルまで0.81
 6,000キロメートルを超え7,000キロメートルまで0.89
 7,000キロメートルを超え8,000キロメートルまで0.97
 8,000キロメートルを超え9,000キロメートルまで1.05
 9,000キロメートルを超え10,000キロメートルまで1.12
 10,000キロメートルを超え11,000キロメートルまで1.19
 11,000キロメートルを超え12,000キロメートルまで1.26
 12,000キロメートルを超え13,000キロメートルまで1.32
 13,000キロメートルを超え14,000キロメートルまで1.39
 14,000キロメートルを超えるとき1.45
二 海路 
 (a) 海里で表示された海路(b)キロメートルで表示された海路(1海里を1.852キロメートルとする換算による。) 
 100海里まで185キロメートルまで、0.17
 100海里を超え200海里まで185キロメートルを超え370キロメートルまで0.19
 200海里を超え300海里まで370キロメートルを超え556キロメートルまで0.21
 300海里を超え400海里まで556キロメートルを超え741キロメートルまで0.22
 400海里を超え500海里まで741キロメートルを超え926キロメートルまで0.23
 500海里を超え600海里まで926キロメートルを超え1,111キロメートルまで0.24
 600海里を超え700海里まで1,111キロメートルを超え1,296キロメートルまで0.24
 700海里を超え800海里まで1,296キロメートルを超え1,482キロメートルまで0.25
 800海里を超え900海里まで1,482キロメートルを超え1,667キロメートルまで0.25
 900海里を超え1,000海里まで1,667キロメートルを超え1,852キロメートルまで0.26
 1,000海里を超え1,100海里まで1,852キロメートルを超え2,037キロメートルまで0.26
 1,100海里を超え1,200海里まで2,037キロメートルを超え2,222キロメートルまで0.27
 1,200海里を超え1,300海里まで2,222キロメートルを超え2,408キロメートルまで0.27
 1,300海里を超え1,500海里まで2,408キロメートルを超え2,778キロメートルまで0.28
 1,500海里を超え2,000海里まで2,778キロメートルを超え3,704キロメートルまで0.29
 2,000海里を超え2,500海里まで3,704キロメートルを超え4,630キロメートルまで0.31
 2,500海里を超え2,750海里まで4,630キロメートルを超え5,093キロメートルまで0.32
 2,750海里を超え3,000海里まで5,093キロメートルを超え5,556キロメートルまで0.32
 3,000海里を超え4,000海里まで5,556キロメートルを超え7,408キロメートルまで0.34
 4,000海里を超え5,000海里まで7,408キロメートルを超え9,260キロメートルまで0.36
 5,000海里を超え6,000海里まで9,260キロメートルを超え12,112キロメートルまで0.38
 6,000海里を超え7,000海里まで11,112キロメートルを超え、12,964キロメートルまで0.40
 7,000海里を超え8,000海里まで12,964キロメートルを超え14,816キロメートルまで0.41
 8,000海里を超え9.000海里まで14,816キロメートルを超え16,668キロメートルまで0.42
 9,000海里を超え10,000海里まで16,668キロメートルを超え18,520キロメートルまで0.43
 10,000海里を超え11,000海里まで18,520キロメートルを超え20,372キロメートルまで0.45
 11,000海里を超え12,000海里まで20,372キロメートルを超え22,224キロメートルまで0.46
 12,000海里を超え13,000海里まで22,224キロメートルを超え24,076キロメートルまで0.47
 13,000海里を超え14,000海里まで24,076キロメートルを超え25,928キロメートルまで0.48
 14,000海里を超えるとき25,928キロメートルを超えるとき0.49

2 陸路につき1の表による継越料の決定に当たり使用する距離は、この条約の施行規則第111条2(c)一の継越閉袋の陸路運送に関するキロメートルによる距離表による。
第73条 到着料
1 第75条の規定が適用される場合を除くほか、他のいずれかの郵政庁との航空路及び平面路による交換において自己の発送した通常郵便物の量を超過する量の通常郵便物を受領した郵政庁は、差出郵政庁から、超過して受領した国際郵便物に係る費用に対する補償金を取り立てる権利を有する。
2 1に規定する補償金の額は、次に定めるところによる。
(a) 二の郵政庁の間の各方向について航空路及び平面路(SALを含む。)によって交換されるLC/AO郵便物の年間総重量が150トン以下である場合には、その重量1キログラムについて適用する料率は、第20条10の規定により特別の郵袋(M郵袋)に納めて発送する印刷物を除くほか、2.940SDR(単一料率)とする。
(b) 2の郵政庁の間の各方向について航空路及び平面路(SALを含む。)によって交換されるLC/AO郵便物の年間総重量が150トンを超える場合には、その重量1キログラムについて適用する料率は、種類ごとに異なるものとし、第20条10の規定により特別の郵袋(M郵袋)に納めて発送する印刷物を除くほか、LC郵便物については8.115SDR、AO郵便物については2.058SDRとする。
(c) LC/AO郵便物の年間総重量が一方向についてのみ150トンを超える場合には、これを受領した郵政庁は、当該郵便物について到着料を計算するため、(a)及び(b)に定める二の補償方式のいずれかを選択する。ただし、二国間の合意がない場合には、年間総重量が150トン以下の発送を行う郵政庁が送達したLC/AO郵便物については、いかなる場合にも、(a)に定める単一料率により計算する。
(d) M郵袋に納めて発送する印刷物について適用する料率は、二の郵政庁の間で交換される通常郵便物の年間総重量のいかんにかかわらず、その重量1キログラムにつき0.653SDRとする。
3 2の規定に基づくLC及びAOについての異なる到着料の料率により補償される郵政庁がその受領した通常郵便物の重量1キログラムに包有される郵便物(LC又はAO)の平均通数が世界の平均通数(LC郵便物については48通、AO郵便物については5.6通)を超えることを確認した場合において、その平均通数が世界の平均通数を次の割合を超えて上回るときは、相当する料率を変更することができる。
LC郵便物の通数については、15パーセント(55通)
AO郵便物の通数については、25パーセント(7通)
 この場合において、借方郵政庁が支払う到着料の額は、それぞれの郵政庁が適当とされる料率の適用により自己の発送した通常郵便物の全体について支払うべき額の間の差額に等しいものとする。その変更は、この条約の施行規則第187条に定める条件に従って行う。
4 郵政庁は、1に規定する補償金の全部又は一部を放棄することができる。
5 関係郵政庁は、二国間又は多数国間の合意により、到着料の勘定の決済につきその他の補償方式を適用することができる。
第74条 優先郵便物、非優先郵便物及び異種合装郵便物の到着料
1 前条2(a)及び(c)の規定に従いLC/AO郵便物につき単一料率を使用する場合には、その単一料率は、また、優先郵便物、非優先郵便物及び異種合装郵便物について適用する。
2 前条2(a)及び(c)の規定に従いLC郵便物及びAO郵便物につき異なる料率を使用する場合には、差出国及び名あて国は、相互の間の合意により、優先郵便物及び非優先郵便物について適用する料率を実際の郵便物の数量の構成に基づいて定めることを決定することができる。その合意がないときは、前条2(a)、2(c)及び3の規定を適用する。この場合には、優先郵便物はLC、非優先郵便物はAOとみなす。
3 第20条12の規定に従って交換する異種合装郵便物の到着料は、関係国間の合意により定める。
4 郵政庁が優先度に基づく分類を実施するために通常郵便物をLCとAOの別に分けることを廃止することを決定する場合であって、その分類が2に定めるところによる到着料に影響を及ぼすときは、新たな分類の採用は、少なくとも3箇月前までにその旨を国際事務局長に通告することを条件として、1月1日又は7月1日にのみ行うことができる。
第75条 継越料及び到着料の免除
 第16条(b)の郵便業務の事務用通常郵便物、差出元に閉袋で返送する配達不能の郵便物及び空郵袋の閉袋については、陸路又は海路の継越料及び到着料を免除する。
第76条 特殊業務及び複合運送
1 第72条に定める継越料は、郵政庁が他の郵政庁の依頼によって特に開設し又は維持する特殊業務による運送については、適用しない。この運送の条件は、関係郵政庁の間の合意によって定める。
2 いずれかの郵政庁の発出した平面路閉袋が陸路と海路とを組み合わせた運送手段によって継送される場合には、その継送の条件は、関係郵政庁の間の特別な合意によって定める。
第77条 継越料の差引計算
1 平面路通常郵便物の継越料の差引計算は、差出郵政庁ごとに、継越郵政庁が年間を通じて受領した継越通常郵便物の開袋の重量を基礎として毎年行うものとし、当該差引計算については第72条の継越料率を適用する。
2 借方郵政庁は、年次差引計算における残高が163.35SDRを超えない場合には、継越料の支払を免除される。
3 郵政庁は、実情と著しく相違すると認める年次計算の結果を仲裁委員会の評価に付することができる。仲裁は、万国郵便連合一般規則第127条の規定に従って行われる。
4 仲裁者は、支払われなければならない継越料の金額を裁定する権利を有する。
第78条 到着料の差引計算
1 到着料の差引計算は、貸方郵政庁が年間を通じて受領した平面路閉袋(SAL閉袋を含む。)及び航空閉袋の実際の重量を基礎として毎年行うものとし、当該差引計算については第73条の料率を適用する。
2 閉袋の差出郵政庁は、年間重量を決定することができるように、各閉袋につきLC/AO郵便物を包有する郵袋の総重量及びM郵袋の総重量を常に記載しなければならない。
3 LC郵便物及びAO郵便物それぞれの重量を別個に決定する必要があると認められる場合には、これらの重量は、この条約の施行規則に規定する統計の方法により統計期間において定まる割合を適用して計算する。
4 郵政庁は、相互の関係においてその他の統計の方法により到着料の差引計算をすることを取り決めることができる。郵政庁は、また、統計期間について、この条約の施行規則に定める期間以外のものを取り決めることができる。
5 借方郵政庁は、年次差引計算における残高が326.70SDRを超えない場合には、到着料の支払を免除される。
6 郵政庁は、実情と著しく相違すると認める年次計算の結果を仲裁委員会の評価に付することができる。仲裁は、万国郵便連合一般規則第127条の規定に従って行われる。
7 仲裁者は、支払われなければならない到着料の金額を裁定する権利を有する。
第79条 継越料の支払
1 継越料は、閉袋の差出郵政庁が負担し、3の規定が適用される場合を除くほか、通過国の郵政庁又は閉袋の陸路運送若しくは海路運送に参加する業務の属する国の郵政庁に支払う。
2 通過国の郵政庁が閉袋の陸路運送又は海路運送に関与しない場合において、閉袋の名あて郵政庁が継越しに係る費用を負担するときは、関係の継越料は、当該名あて郵政庁に支払う。
3 継越閉袋の海路運送料は、関係の船積港が所在する国の郵政庁の事前の同意を得た上、当該閉袋の差出郵政庁と海路運送企業又はその代理店との間で直接決済することができる。
第80条 所定の線路からそれた又は誤送された閉袋の継越料
 所定の線路からそれた又は誤送された閉袋は、継越料の支払に関しては、正常の線路を経由したものとみなされるものとし、当該閉袋の運送に参加した郵政庁は、原則として、差出郵政庁から割当金を取り立てる権利を有せず、また、差出郵政庁は、当該閉袋が正常の線路を経由する場合に仲介業務を行う郵政庁に対し、当該閉袋に係る継越料を支払う義務を負う。ただし、当該閉袋を継送した郵政庁は、希望する場合には、差出郵政庁に対し継越料の支払を請求することができるものとし、差出郵政庁は、送達の過誤を犯した業務の属する郵政庁から償還を受けることができる。
第81条 国際連合の用に供される軍隊又は軍艦若しくは軍用機との閉袋の交換
1 閉袋は、加盟国の郵便局と国際連合の用に供される軍隊の指揮官との間で、及び国際連合の用に供される軍隊の指揮官と国際連合の用に供される他の軍隊の指揮官との間で、他国の陸運業務、海運業務又は航空業務の仲介によって交換することができる。
2 閉袋の交換は、また、加盟国の郵便局と国外にある当該加盟国の艦隊、航空隊、軍艦又は軍用機の指揮官との間で、及び国外にある加盟国の艦隊、航空隊、軍艦又は軍用機の指揮官と当該加盟国の他の艦隊、航空隊、軍艦又は軍用機の指揮官との間で、他国の陸運業務、海運業務又は航空業務の仲介によって行うことができる。
3 1及び2の閉袋に納める通常郵便物は、閉袋があてられ若しくは開袋を差し立てる軍隊の構成員又は閉袋があてられ若しくは閉袋を差し立てる軍艦若しくは軍用機の将校若しくは乗組員が発受するものに限る。当該通常郵便物に適用する料金率及び送達の条件は、軍隊を提供した国又は軍艦若しくは軍用機の所属している国の郵政庁が自己の規則に従って定める。
4 軍隊を提供した国又は軍艦若しくは軍用機の所属している国の郵政庁は、特別の合意がない限り、関係郵政庁に対し、第72条の規定に従って計算される閉袋の継越料、第73条の規定に従って計算される到着料及び第85条の規定に従って計算される航空運送料を支払う義務を負う。

第3部 通常郵便物の航空運送

第1編 航空通常郵便物

第1章 総 則

第82条 航空閉袋
 航空路によって優先的に運送される閉袋は、「航空閉袋」という。航空閉袋は、航空通常郵便物及び優先郵便物を包有することができる。航空通常郵便物の航空運送に関する規定は、優先郵便物について準用する。
第83条 継越航空通常郵便物及び継越航空閉袋の送達
1 郵政庁は、自国内で差し出される航空通常郵便物の運送に利用する航空運送機関により、他の郵政庁から到着する航空通常郵便物を送達する。
2 郵政庁は、航空業務を利用することができない場合には、郵便に利用される最も速達の線路によって航空通常郵便物を送達する。平面路による送達が何らかの理由により航空線路の利用による送達に比べて有利である場合にも、同様とする
3 航空閉袋は、差出国の郵政庁の請求する航空便によって送達する。ただし、継越国の郵政庁が当該航空便を自己の閉袋の運送に利用している場合に限る。継越国の郵政庁がその請求に応ずることができない場合又は積換えの時間が十分でない場合には、その旨を差出国の郵政庁に通知する。
4 差出国の郵政庁が希望する場合には、当該郵政庁の閉袋は、継越空港において、二の異なる航空運送企業の間で直接積み換えられる。ただし、関係航空運送企業が積換えを行うことに同意し、かつ、継越国の郵政庁があらかじめ当該積換えについて通報されることを条件とする。

第2章 航空運送料

第84条 一般原則
1 全航空運送路に係る運送料は、
(a) 閉袋については、差出国の郵政庁が負担する。
(b) 開袋継越航空通常郵便物(誤送されたものを含む。)については、これを他の郵政庁に引き渡す郵政庁が負担する。
2 1の規定は、継越料を免除される航空閉袋及び開袋継越航空通常郵便物についても適用する。
3 運送料は、同一の運送路に関しては、当該運送路を利用するすべての郵政庁について均一とする。
4 名あて郵政庁は、自国内で国際郵便物の航空運送を行う場合には、これに利用する運送路の加重平均距離が300キロメートルを超えることを条件として、当該運送に係る追加の費用の償還を請求する権利を有する。当該費用は、その免除について取決めがある場合を除くほか、外国から到着するすべての航空閉袋及び優先閉袋につき、これらの閉袋に包有される郵便物が航空路によって継送されるか継送されないかを問わず、均一とする。
5 第72条の規定は、関係郵政庁の間に特別の取決めがある場合を除くほか、航空通常郵便物につき利用される陸路又は海路の運送についても適用する。ただし、次の運送については、継越料を課さない。
(a) 同一都市の二の空港の間における航空閉袋の積換運送
(b) 航空閉袋の継送のためのいずれかの都市の空港と当該都市にある倉庫との間における当該航空閉袋の往路及び復路の運送
第85条 閉袋の航空運送料の基本料金率及び計算
1 航空運送に関する勘定の郵政庁間の決済について適用する基本料金率は、総重量1キログラム距離1キロメートルごとに最高限1000分の0.568SDRとする。キログラムの端数については、基本料金率を比例的に適用する。
2 航空閉袋の航空運送料は、1に定める基本料金率の最高限度を超えない実際の基本料金率、航空郵便距離表に掲げるキロメートルによる距離及び当該航空閉袋の総重量により計算する。ただし、合装郵袋を使用する場合には、合装郵袋の重量は、総重量に算入しない。
3 名あて国内の航空運送について支払う費用は、単一料金として定める。当該単一料金は、閉袋の到着空港のいかんを問わず、名あて国内における航空運送のためのあらゆる費用を含むものとするが、その費用からは平面路による運送とした場合に要する費用を差し引いたものとし、名あて国内における通常郵便物の運送のための実際の支払料金率(1に定める基本料金率の最高限度を超えるものであってはならない。)及び内国線路網において国際郵便に利用される運送路の加重平均距離を基礎として計算する。当該加重平均距離は、名あて国に到着するすべての航空閉袋(名あて国内で航空路によって継送されない通常郵便物を含む。)の総重量に従って国際事務局が計算する。
4 継越航空閉袋の同一国の二の空港の間における航空運送について支払う費用も、単一料金として定めることができる。当該単一料金は、継越国内における通常郵便物の航空運送のための実際の支払料金率(1に定める基本料金率の最高限度を超えるものであってはならない。)及び継越国の内国航空線路網において国際郵便に利用される運送路の加重平均距離を基礎として計算する。当該加重平均距離は、継越国によって継ぎ越されるすべての航空閉袋の総重量に従って決定する。
5 3及び4の費用のそれぞれの合計額は、運送について実際に支払う費用の額を超えてはならない。
6 2から4までの費用の計算に用いるため実際の基本料金率に距離を乗じて算出する国際航空運送料金及び国内航空運送料金については、小数第2位を四捨五入する。
第86条 開袋継越航空通常郵便物の航空運送料の計算及び差引計算
1 開袋継越航空通常郵便物の航空運送料は、原則として、前条2に定めるところに準じて計算する。この場合において、使用する重量は、当該郵便物の純重量とする。この航空運送料は、名あて国の集団(10を超えないものとする。)ごとに定める平均料金率を基礎として定めるものとし、各平均料金率は、当該集団内の各名あて国において取り卸す郵便物の重量に従って定める。当該航空運送料の合計額は、航空運送について支払う費用の額を超えてはならない。当該航空運送料には、その5パーセントに相当する額を加算する。
2 開袋継越航空通常郵便物の航空運送料の差引計算は、原則として、この条約の施行規則第214条1の規定に従って毎年作成する統計資料に基づいて行う。
3 差引計算は、誤送された通常郵便物、船舶内で差し出された通常郵便物及び送付回数が不規則であり又は数量の変動が激しい通常郵便物については、実際の重量を基礎として行う。もっとも、この差引計算は、仲介郵政庁が当該郵便物の運送について報酬を受けることを請求しない限り、行わない。
第87条 名あて国の国内航空運送料金率及び開袋継越航空通常郵便物の航空運送料金率の変更
 第85条3及び前条の規定による航空運送料金率の変更は、次の要件に適合して行われなければならない。
(a) 1月1日に効力を生ずること。
(b) 3箇月前までに国際事務局に通告されること。国際事務局は、(a)に定める日の2箇月前までに変更につきすべての郵政庁に通知する。
第88条 航空運送料の支払
1 航空閉袋の航空運送料は、2及び4の規定により支払う場合を除くほか、利用された航空業務の属する国の郵政庁に支払う。
2 1の規定にかかわらず、
(a) 運送料は、航空閉袋が航空運送企業によって引き継がれた空港の所在する国の郵政庁に支払うことができる。ただし、当該空港の所在する国の郵政庁と関係航空業務の属する国の郵政庁との間で取決めを行うことを条件とする。
(b) 航空運送企業に航空開袋を引き渡す郵政庁は、運送路の一部又は全部に係る運送料につき、直接当該航空運送企業と決済することができる。
3 開袋継越航空通常郵便物の航空運送料は、当該郵便物の継送を行う郵政庁に支払う。
4 第83条4の規定により二の異なる航空運送企業の間で直接積み換えられる航空通常郵便物の航空運送料については、他の規定が適用される場合を除くほか、差出郵政庁は、最初の航空運送企業(2番目以降の航空運送企業への航空運送料の支払を引き受けるものに限る。)又は積換えに係る各航空運送企業と直接決済することができる。
第89条 所定の線路からそれた又は誤送された閉袋又は郵袋の航空運送料
1 運送の途中で所定の線路からそれた閉袋の差出郵政庁は、当該閉袋の実際に利用された運送路に係る運送料を支払う。
2 運送の途中で所定の線路からそれた閉袋の差出郵政庁は、次のいずれかの場合には、当初の引渡明細表に記載された取卸空港までの当該閉袋の運送料を支払う。
実際の運送線路が不明の場合
実際に利用された運送路に係る運送料の請求を受けていない場合
所定の線路からそれたことが運送を行った航空運送企業の責めに帰せられる場合
3 所定の線路からそれた閉袋の運送に実際に利用された運送路に係る追加の費用は、次に掲げる郵政庁が償還する。
(a) 送達の過誤を犯した業務の属する郵政庁
(b) 引渡明細表AV7に記載された地点以外の地点において取卸しをした航空運送企業に支払われる運送料を取り立てた郵政庁
4 1から3までの規定は、閉袋の一部が引渡明細表AV7に記載された取卸空港と異なる空港において取り卸された場合について準用する。
5 郵袋票札を誤って付したことにより誤送された閉袋又は郵袋の差出郵政庁は、第84条1(a)の規定により、全航空運送路に係る運送料を支払う。
第90条 亡失し又は損傷した郵便物の航空運送料
 郵便物が航空機の事故その他航空運送企業が責任を負うこととなる事由によって亡失し又は損傷した場合には、差出郵政庁は、利用していた航空便の行程のいずれの部分についても、当該郵便物の航空運送料の支払を免除される。

第2編 航空路によって運送される平面路通常郵便物(SAL)

第91条 航空路による平面路閉袋の交換
1 郵政庁は、平面路通常郵便物の閉袋を、航空通常郵便物よりも低い優先度で、航空路により発送する権能を有する。ただし、当該閉袋を受領する郵政庁が自国の空港においてこれを受領することに同意する場合に限る。
2 一の郵政庁が差し立てた平面路閉袋を他のいずれかの郵政庁が航空路により継送する場合には、その継送の条件は、関係郵政庁の間において、特別の合意により定める。
3 航空路によって運送される平面路閉袋は、第83条4に定める条件に従って、二の異なる航空運送企業の間で直接積み換えることができる。

第4部 EMS業務

第92条 EMS業務
1 EMS業務は、物理的手段による郵便業務のうち最も迅速なものでなければならない。EMS業務においては、極めて短い時間で通信文、書類又は物品を取り集め、送達し及び配達する。
2 EMS業務は、できる限り、オレンジ色の翼、EMSという青色の文字及び3本の水平なオレンジ色の筋から成る次の意匠により識別する。この意匠には、EMS業務の国内における名称を付することができる。
(図略)
3 EMS業務の料金は、差出郵政庁が当該業務に係る費用及び市場の要求を参酌して定める。

第5部 最終規定

第93条 この条約及びこの条約の施行規則に関する議案の承認の条件
1 この条約及びこの条約の施行規則に関する議案であって大会議に提出されたものは、実施されるためには、出席しかつ投票する加盟国の過半数による議決で承認されなければならない。投票の際には、大会議に代表を出している加盟国の半数以上が出席していなければならない。
2 この条約の施行規則に関する議案であって、大会議が執行理事会にその決定を付託したもの及び大会議から大会議までの間に提出されたものは、実施されるためには、執行理事会の理事国の過半数による議決で承認されなければならない。
3 この条約に関する議案であって大会議から大会議までの間に提出されたものは、実施されるためには、次の数の賛成票を得なければならない。
(a) 第1部、第2部(第19条から第25条まで「第26条1の表(h)及び(p)から(s)まで、第29条、第32条、第41条2、3、5及び6、第48条から第55条まで並びに第57条から第81条までの規定に限る。)及び第5部並びにこの条約の最終議定書のすべての条の規定の改正に関する議案については、投票の総数
(b) (a)に規定する規定以外の規定の実質的な改正に関する議案については、投票の3分の2以上
(c) 次の議案については、投票の過半数
1.この条約の規定((a)に規定する規定を除く。)の編集上の改正に関する議案
2.この条約及びこの条約の最終議定書の規定の解釈に関する議案
第94条 この条約の効力発生及び有効期間
 この条約は、1991年1月1日に効力を生じ、次回の大会議の文書の効力発生の時まで効力を有する。

以上の証拠として、加盟国政府の全権委員は、国際事務局長に寄託されるこの条約の本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本1通を各締約国に送付する。
1989年12月14日にワシントンで作成した。

万国郵便条約の最終議定書

下名の全権委員は、本日付けで作成された万国郵便条約に署名するに当たり、次のとおり協定した。
第1条 郵便物の所属
1 条約第5条の規定は、オーストラリア、バハレーン、バルバドス、ベリーズ、ボツワナ、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、ドミニカ、エジプト、フィジー、ガンビア、ガーナ、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、連合王国の海外領土、グレナダ、ガイアナ、アイルランド、ジャマイカ、ケニア、キリバス、クウェイト、レソト、マレイシア、マラウイ、モーリシァス、ナウル、ナイジェリア、ニュー・ジーランド、ウガンダ、パプア・ニューギニア、セント・クリストファー・ネイヴィース、セント・ルシア、セント・ヴィンセント及びグレナディーン諸島、ソロモン諸島、西サモア、セイシェル、シエラ・レオーネ、シンガポール、スワジランド、タンザニア連合共和国、トリニダッド・トバゴ、トゥヴァル、ヴァヌアツ、イエメン・アラブ共和国、ザンビア及びジンバブエについては適用しない。
2 条約第5条の規定は、受取人が自己あての郵便物の到着の通知を受けた後においては差出人の請求による通常郵便物の取戻し又はあて名変更を認めないことを法令により定めているデンマークについても、適用しない。
第2条 点字郵便物についての郵便料金の免除に対する例外
1 セント・ヴィンセント及びグレナディーン諸島及びトルコの郵政庁は、内国業務において点字郵便物につき郵便料金の免除を認めていないので、条約第18条の規定にかかわらず、同条に規定する普通料金及び特別料金を徴収する権能を有する。ただし、当該普通料金及び特別料金の額は、自国の内国業務におけるこれらの料金の額を超えることができない。
2 ドイツ連邦共和国、アメリカ合衆国、カナダ、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及び日本国の郵政庁は、条約第18条の規定にかかわらず、自国の内国業務において点字郵便物につき適用している特別料金(条約第26条1の表に掲げるものに相当するもの)及び代金引換料を徴収する権能を有する。
3 白ロシア、インド、インドネシア、レバノン、ネパール、ウクライナ、ソヴィエト社会主義共和国連邦、イエメン・アラブ共和国及びジンバブエの郵政庁は、条約第18条及び第20条並びに条約の施行規則第131条2の規定にかかわらず、録音物については、公認の盲人協会から差し出し又はこれにあてられた場合に限り、点字郵便物として差し出すことを認める。
第3条 相当額、特別料金及び最高限度額
 加盟国は、自国の料金をその業務の運用の費用に関連させるために必要である場合には、内国制度において適用されているかいないかにかかわらず、例外的に、条約第26条1に定める最高限度額を超える特別料金を適用することができる。この条の規定の適用を希望する加盟国は、できる限り速やかにその旨を国際事務局に通報する。
第4条 常衡オンス及び常衡ポンド
 内国制度によりメートル法重量制を採用することのできない加盟国は、条約第20条1の表にかかわらず、同表の重量段階に代えて、これに相当する次の重量段階を採用する権能を有する。
20グラムまで1オンス
50グラムまで2オンス
100グラムまで4オンス
250グラムまで8オンス
500グラムまで1ポンド
1,000グラムまで2ポンド
追加の1,000グラムごとに2ポンド
第5条 封筒に入れた郵便物の大きさに対する例外
1 アメリカ合衆国、カナダ、ケニア、ウガンダ及びタンザニア連合共和国の郵政庁は、勧奨される大きさを超える型の封筒が自国において広く使用されている限り、その使用を抑制する義務を負わない。
2 インドの郵政庁は、勧奨される大きさを超える型又は下回る型の封筒が自国において広く使用されている限り、その使用を抑制する義務を負わない。
第6条 小形包装物
1 重量500グラムを超える小形包装物の交換に参加する義務は、その交換を行うことのできないオーストラリア、キューバ、ミャンマー及びパプア・ニューギニアの郵政庁については、適用しない。
2 重量1キログラムを超える小形包装物の交換に参加する義務は、その交換を行うことのできないイタリアの郵政庁については、適用しない。
第7条 誤って引き受けられた郵便物
 ブラジルの郵政庁は、条約第19条及び第20条の規定に適合しない郵便物を受領した場合には、条約第24条1の規定にかかわらず、当該郵便物を自国の法令の定めるところにより取り扱うことができる。
第8条 外国における通常郵便物の差出し
 グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国の郵政庁は、自己が差し立てなかった郵便物を条約第25条4の規定により自己に返送する郵政庁から、関連する作業に係る費用に相当する金額を取り立てる権利を留保する。
第9条 1975年1月1日前に発行された国際返信切手券
 1975年1月1日前に発行された国際返信切手券については、特別の合意がない限り、1979年1月1日以後は、郵政庁の間における決済を行わない。
第10条 取戻し及びあて名の変更又は訂正
1 条約第38条の規定は、差出人の請求による通常郵便物の取戻し又はあて名変更を認めないことを法令により定めているバハマ、バハレーン、バルバドス、ベリーズ、ボツワナ、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、ドミニカ、フィジー、ガンビア、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、連合王国の海外領土、グレナダ、ガイアナ、イラク、アイルランド、ジャマイカ、ケニア、キリバス、クウェイト、レソト、マレイシア、マラウイ、ミャンマー、ナウル、ナイジェリア、ニュー・ジーランド、ウガンダ、パプア・ニューギニア、朝鮮民主主義人民共和国、セント・クリストファー・ネイヴィース、セント・ルシア、セント・ヴィンセント及びグレナディーン諸島、ソロモソ諸島、西サモア、セイシェル、シエラ・レオーネ、シンガポール、スワジランド、タンザニア連合共和国、チェッコスロヴァキア、トリニダッド・トバゴ、トゥヴァル、ヴァヌアツ及びザンビアについは、適用しない。
2 オーストラリアは、自国の法令に適合する場合に限り、条約第38条の規定を適用する。
第11条 特別料金
 加盟国は、保険付書状につき、条約第54条1(b)に規定する書留料に代えて、自国の内国業務における対応する料金又は例外的に3.27SDRを最高限度額とする料金を適用する権能を有する。
第12条 禁制
1 アフガニスタン、アンゴラ、キューバ、ジブティ、メキシコ及びパキスタンの郵政庁は、条約第41条8中段の規定(「この通報には、当該郵便物が抵触した禁制及び差押えの原因となった物品について正確に記載する。」)の遵守の義務を負わない。
2 アフガニスタン、アンゴラ、白ロシア、ブルガリア人民共和国、キューバ、ジブティ、ポーランド人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、スーダン、ウクライナ、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びイエメン民主人民共和国の代表団は、自国の郵政庁のために、税関当局から得る情報の範囲内でない限り、また、自国の法令に基づかない限り、郵便物の差押えの理由に関する情報を提供しない権利を留保する。
3 レバノンの郵政庁は、例外的に、硬貨、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工していない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品を包有する書留書状を認めない。同郵政庁は、また、ガラス製品又はぜい弱な物品を包有する郵便物の盗取又は損傷の場合の責任に関しては、条約第60条1の規定を厳格に遵守する義務を負わない。
4 ボリヴィア、中華人民共和国、イラク及びネパールの郵政庁は、例外的に、硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工していない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品を包有する書留書状を認めない。
第13条 関税を課される物品
1 バングラデシュ及びエル・サルヴァドルの郵政庁は、条約第41条の規定に関連して、関税を課される物品を包有する保険付書状を認めない。
2 アフガニスタン、アルバニア、サウディ・アラビア、白ロシア、ブラジル、ブルガリア人民共和国、中央アフリカ、チリ、コロンビア、エル・サルヴァドル、エティオピア、イタリア、民主カンボディア、ネパール、パナマ共和国、ペルー、ドイツ民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国、サン・マリノ、ウクライナ、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びヴェネズエラの郵政庁は、条約第41条の規定に関連して、関税を課される物品を包有する普通書状及び書留書状を認めない。
3 ベナン、ブルキナ・ファソ、象牙海岸共和国、ジブティ、マリ、モーリタニア、ニジェール、オマーン、セネガル及びイエメン・アラブ共和国の郵政庁は、条約第41条の規定に関連して、関税を課される物品を包有する普通書状を認めない。
4 1から3までの規定にかかわらず、血清、ワクチン及び緊急な必要性がありかつ入手が困難な医薬品を包有する郵便物は、いかなる場合にも差出しを認められる。
5 ネパールの郵政庁は、条約第41条の規定に関連して、特別の取決めがない限り、紙幣及び硬貨を包有する書留書状又は保険付書状を認めない。
第14条 郵政庁の責任の範囲
1 バングラデシュ、ベルギー、ベナン、ブルキナ・ファソ、チリ、コロンビア、象牙海岸共和国、ジブティ、インド、レバノン、マダガスカル、マリ、モーリタニア、メキシコ、ネパール、ニジェール、セネガル、トーゴー及びトルコの郵政庁は、一部の盗取又は損傷の場合の責任に関しては、条約第57条の規定を適用しないことを認められる。
2 ブラジルの郵政庁は、損傷の場合の責任に関しては、条約第57条及び第60条の規定を適用しないことを認められる。これらの条の規定は、また、前条2の規定に違反して差し出された郵便物の盗取についても、適用しない。
3 中華人民共和国の郵政庁は、条約第57条1の規定にかかわらず、書留郵便物の亡失及びその内容品の全部の盗取又は全面的損傷についてのみ責任を負う。
第15条 書留郵便物についての郵政庁の免責
 ボリヴィア、インドネシア及びメキシコの郵政庁は、条約第60条1の規定に関し、全部の盗取又は全面的損傷の場合の責任の存続については、遵守の義務を負わない。
第16条 賠償金の支払
1 バングラデシュ、ボリヴィア、ガボン、ギニア、イラク、メキシコ、ネパール及びナイジェリアの郵政庁は、条約第66条4の規定に関し、3箇月以内に問題を最終的に解決すること及び、差出郵政庁又は場合により名あて郵政庁に対し、郵便物がその内容品の性質のために権限のある当局によって保留され、没収され若しくは棄却され又は名あて国の法令に基づいて差し押さえられた旨を通知することについては、遵守の義務を負わない。
2 ジブティ、ガボン、ギニア、イラク、レバノン、マダガスカル及びモーリタニアの郵政庁は、条約第66条4の規定に関し、調査請求を受けた事項を3箇月以内に最終的に解決することについては、遵守の義務を負わないものとし、また、3箇月の期間を経過した後にこれらの郵政庁に代わって他のいずれかの郵政庁が権利者に対して賠償を行うことも認めない。
第17条 シベリア横断鉄道及びナセル湖経由の特別の継越料
1 ソヴィエト社会主義共和国連邦の郵政庁は、シベリア横断鉄道によって継越運送される通常郵便物に対しては、条約第72条1の表一の陸路継越料に加えて1キログラムごとに0.65SDRの特別の継越料を課することができる。
2 エジプト・アラブ共和国及びスーダン共和国の郵政庁は、シャラール(エジプト)とワディ・ハルファ(スーダン)との間でナセル湖を経由して継越運送される通常郵便物の郵袋に対しては、条約第72条1の表の継越料に加えて1個ごとに0.16SDRの特別の継越料を課することができる。
第18条 パナマ共和国に関する継越しの特別条件
 パナマ共和国の郵政庁は、太平洋側のバルボア港と大西洋側のクリストバル港との間でパナマ地峡を経由して継越運送される通常郵便物の郵袋に対しては、条約第72条1の表の継越料に加えて1個ごとに0.98SDRの特別の継越料を課することができる。
第19条 アフガニスタンに関する継越しの特別条件
 アフガニスタンの郵政庁は、条約第72条1の規定にかかわらず、運輸及び通信の手段についての特別の困難のため、暫定的に、閉袋及び開袋通常郵便物の自国を経由する継越しを関係郵政庁との間で特別に取り決める条件に従って行うことができる。
第20条 パナマにおける特別保管料
 パナマ共和国の郵政庁は、バルボア港又はクリストバル港において倉庫に入れられ又は積み換えられるすべての閉袋に対して、陸路又は海路の継越料を受領していない限り、例外的に、郵袋1個ごとに0.65SDRの特別保管料を課することができる。
第21条 特殊業務
 特別の継越料の課される特殊業務は、シリア・イラク自動車業務のみとする。
第22条 差立国の指示する線路による送達の強制
 白ロシア、ボリヴィア、ウクライナ及びソヴィエト社会主義共和国連邦の郵政庁は、航空閉袋の郵袋票札AV8及び引渡明細表AV7に記載する線路に関する指示に従って行われた運送の費用のみを認める。
第23条 航空閉袋の送達
 フランス、ギリシャ、イタリア、セネガル及びタイの郵政庁は、前条の規定に関連して、条約第83条3に定める条件によってのみ航空閉袋の送達を行う。
第24条 印刷物に認められる記載事項及び添付物
 カナダ及びアメリカ合衆国の郵政庁は、二国間の合意がない限り、条約の施行規則第129条5の規定にかかわらず、印刷物の差出人又はその代理人の名あて国における住所氏名が記載されたカード、封筒又は包装紙を添付して当該印刷物を発送することを認めない、
第25条 印刷物に認められる添付物
 フランス及びイラクの郵政庁は、二国間の合意がない限り、条約の施行規則第129条5の規定にかかわらず、多量に差し出される印刷物については、差出国以外の国におけるその差出人の住所が記載されたカード、封筒又は包装紙を当該印刷物に添付することを認めない。
第26条 同一受取人にあてた印刷物の送達
 アメリカ合衆国及びカナダの郵政庁は、条約の施行規則第166条の規定にかかわらず、同一受取人にあてた印刷物の書留の特別郵袋を引き受けないこと及び他国が発出するこのような特別郵袋を書留郵便物として取り扱わないことを認められる。
第27条 同一受取人にあてた印刷物の特別郵袋の重量の最小限度
 オーストラリア、ブラジル、アメリカ合衆国及びフランスの郵政庁は、二国間の合意がない限り、条約第20条1及び10の規定にかかわらず、同一受取人にあてた印刷物の特別郵袋であってその重量が5キログラム未満のものを受領することを認めない。
第28条 航空運送料の支払
 ブラジル、ドイツ民主共和国及びチェッコスロヴァキアの郵政庁は、条約第88条2(b)の規定にかかわらず、自国の航空業務に支払われる航空運送料の支払につき自己の同意を与える権利を留保する。
第29条 国内航空運送料
 ドミニカ共和国、エル・サルヴァドル、グァテマラ、パプア・ニューギニア及びヴァヌアツの郵政庁は、条約第84条4の規定にかかわらず、自国内での国際閉袋の航空路による送達について支払う費用を徴収する権利を留保する。

以上の証拠として、下名の全権委員は、これらの規定が条約中にある場合と同一の効力及び同一の価値を有するものとしてこの最終議定書を作成し、国際事務局長に寄託される本書一通に署名した。大会議開催国の政府は、その謄本1通を各締約国に送付する。
1989年12月14日にワシントンで作成した。