1 この条約の適用上、「恒久的施設」とは、事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部又は一部を行っている場所をいう。
2 「恒久的施設」には、特に、次のものを含む。
(a)事業の管理の場所
(b)支店
(c)事務所
(d)工場
(e)作業場
(f)鉱山、石油又は天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所
(g)保管のための施設を他の者に提供する者に係る倉庫
(h)農業、林業、栽培又はこれらに関連した活動を行う農場、栽培場その他の場所
(i)店舗その他の販売所
(j)天然資源の探査のために使用する設備又は構築物(6箇月を超える期間使用する場合に限る。)
3 建築工事現場又は建設、据付若しくは組立工事は、6箇月を超える期間存続する場合に限り、「恒久的施設」とする。
4 企業が一方の締約国内における建築工事現場又は建設、据付若しくは組立工事に関連して、6箇月を超える期間、当該一方の締約国内において監督活動を行う場合には、当該企業は、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有し、当該「恒久的施設」を通じて事業を行うものとされる。
5 3及び4の規定にかかわらず、企業が一方の締約国内における石油の探査、開発又は採取に関連して、6箇月を超える期間、当該一方の締約国内において役務又は施設を提供する場合には、当該企業は、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有し、当該「恒久的施設」を通じて事業を行うものとされる。
6 1から5までの規定にかかわらず、「恒久的施設」には、次のことは、含まれないものとする。
(a)企業に属する物品又は商品の保管又は展示のためにのみ施設を使用すること。
(b)企業に属する物品又は商品の在庫を保管又は展示のためにのみ保有すること。
(c)企業に属する物品又は商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有すること。
(d)企業のために物品若しくは商品を購入し又は情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
(e)企業のためにその他の準備的又は補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。
7 1及び2の規定にかかわらず、一方の締約国内において他方の締約国の企業に代わって行動する者(8の規定が適用される独立の地位を有する代理人を除く。)が次のいずれかの活動を行う場合には、当該企業は、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされる。
(a)当該一方の締約国内で、当該企業に代わって契約を締結する権限を有し、かつ、この権限を反復して行使すること。ただし、その活動が6に掲げる活動(事業を行う一定の場所で行われたとしても、6の規定により当該一定の場所が「恒久的施設」とされない活動)のみである場合は、この限りでない。
(b)(a)の権限は有しないが、当該一方の締約国内で、物品又は商品の在庫を反復して保有し、かつ、当該在庫により当該企業に代わって物品又は商品を規則的に引き渡すこと。
(c)当該一方の締約国内で、専ら又は主として当該企業自体のため又は当該企業及び当該企業を支配し、当該企業により支配され若しくは同一の共通の支配下に当該企業と共に置かれている他の企業のため、反復して注文を取得すること。
8 企業は、通常の方法でその業務を行う仲立人、問屋その他の独立の地位を有する代理人を通じて一方の締約国内で事業活動を行っているという理由のみでは、当該一方の締約国内に「恒久的施設」を有するものとされない。
9 一方の締約国の居住者である法人が、他方の締約国の居住者である法人若しくは他方の締約国内において事業(「恒久的施設」を通じて行われるものであるかないかを問わない。)を行う法人を支配し、又はこれらに支配されているという事実のみによっては、いずれの一方の法人も、他方の法人の「恒久的施設」とはされない。