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航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定

【目次】
  平成元・7・3・条約  5号  
発効平成元・7・3・外務省告示325号  


航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定をここに分布する。
日本国政府及びオーストリア連邦政府は、
両国の領域の間の及び両国の領域を越えての航空業務を開設しかつ運営するために協定を締結することを希望し、
両国が1944年12月7日にシカゴで署名のために開放された国際民間航空条約の締約国であるので、
次のとおり協定した。
 
第1条 
1 この協定の適用上、文脈により別に開放される場合を除くほか、
(a)「航空当局」とは、日本国にあっては運輸大臣及び同大臣が現在遂行している民間航空に関する任務又はこれに類する任務を遂行する権限を与えられる人又は機関をいい、オーストリア共和国にあっては連邦公共経済運輸大臣又は同大臣が現在遂行している任務を遂行する権限を法律に基づいて与えられる他の当局をいう。
(b)「指定航空企業」とは、第3条の規定に従い、一方の締約国が他方の締約国に対する通告書により当該通告書に定める路線における航空業務の運営のために指定し、かつ、当該他方の締約国が適当な運営許可を与えた航空企業をいう。
(c)「航空業務」とは、旅客、貨物又は郵便物の公衆用の運送のために航空機により行う定期航空業務をいう。
(d)「国際航空業務」とは、二以上の国の領域上の空間にわたって行う航空業務をいう。
(e)「航空企業」とは、国際航空業務を提供し又は運営する航空運送企業をいう。
(f)「運輸以外の目的での着陸」とは、旅客、貨物又は郵便物の積込み又は積卸し以外の目的で着陸することをいう。
(g)「付表」とは、この協定の付表又は第16条の規定による改正後の付表をいう。
(h)「特定路線」とは、付表に定める路線をいう。
(i)「協定業務」とは、特定路線において運営される航空業務をいう。
2 付表は、この協定の不可分の一部を成すものとし、「協定」というときは、別段の定めがある場合を除くほか、付表を含むものとする。
 
第2条 各締約国は、特に、他方の締約国の指定航空企業が協定業務を開設しかつ運営することができるようにするため、当該他方の締約国に対しこの協定に定める権利を許与する。
 
第3条 
1 いずれの特定路線における協定業務も、前条の規定に基づいて権利を許与された締約国の選択により直ちに又は後日開始することができる。ただし、第11条の規定に従うことを条件とし、かつ、次のことが行われた後でなければならない。
(a)権利を許与された締約国が当該路線について一又は二以上の航空企業を指定すること。
(b)権利を許与する締約国が自国の法令に従い当該航空企業に対して適当な運営許可を与えること。当該締約国は、2及び第7条1の規定が適用される場合を除くほか、遅滞なく運営許可を与えなければならない。
2 一方の締約国が指定する各航空企業は、その適用が通常かつ合理的であるとして他方の締約国の航空当局により適用される国際航空業務の運営に関する法令の定める要件を満たすものである旨を、当該他方の締約国の航空当局が要求するときは、立証するものとする。
 
第4条 
1 各締約国の航空企業は、その国際航空業務に関して次の特権を享有する。
(a)他方の締約国の領域を無着陸で横断飛行する特権
(b)他方の締約国の領域に運輸以外の目的での着陸をする特権
2 各締約国の指定航空企業は、この協定の規定に従うことを条件として、特定路線における協定業務を運営する間、国際運輸の対象である旅客、貨物及び郵便物を個別に又は混載で積み卸し及び積み込むため、付表に定める当該特定路線上の他方の締約国の領域内の地点に着陸する特権を享有する。
3 2の規定は、一方の締約国の航空企業に対し、有償又は貸切りで他方の締約国の領域内の別の地点に向けて運送される旅客、貨物又は郵便物をその領域内において積み込む特権を与えるものとみなしてはならない。
 
第5条 一方の締約国がその管理の下にある空港その他の施設の使用につき他方の締約国の指定航空企業に対して課し又は課することを認める料金は、公正かつ合理的なものでなければならず、また、最恵国待遇を与えられた国の航空企業又は国際航空業務に従事する自国の航空企業が当該空港その他の施設の使用について支払う料金よりも高額のものであってはならない。
 
第6条 
1 一方の締約国の指定航空企業が運営する協定業務に従事する航空機に積載されている燃料、潤滑油、予備部品、正規の装備品及び航空機貯蔵品は、他方の締約国の領域の上空の飛行中に消費され又は使用される場合を含め、当該領域内において関税、消費税及び検査手数料並びにこれらに類する租税その他の課徴金を免除される。
2 一方の締約国の指定航空企業の航空機に他方の締約国の領域内において積み込まれ、かつ、協定業務において使用される燃料、潤滑油、予備部品、正規の装備品及び航空機貯蔵品は、当該他方の締約国の規制に従うことを条件として、関税、消費税及び検査手数料並びにこれらに類する租税その他の課徴金を免除される。
3 一方の締約国の指定航空企業のために持ち込まれ、かつ、当該指定航空企業の航空機の用に供するため他方の締約国の領域内において税関当局の監視の下に保管される燃料、潤滑油、予備部品、正規の装備品及び航空機貯蔵品は、当該他方の締約国の規制に従うことを条件として、税関、消費税及び検査手数料並びにこれらに類する租税その他の課徴金を免除される。
 
第7条 
1 各締約国は、他方の締約国が指定した航空企業の実質的な所有及び実効的な支配が当該他方の締約国又は当該他方の締約国の国民に属していることが立証されない場合には、当該航空企業につき第4条の1及び2に定める特権を与えず若しくはこれらの特権を取り消す権利又は当該航空企業によるこれらの特権の行使につき必要と認める条件を付する権利を留保する。
2 各締約国は、他方の締約国の指定航空企業が1の特権を許与する締約国の法令を遵守しなかった場合又はこの協定に定める条件に従った運営をしなかった場合には、当該航空企業によるこれらの特権の行使を停止し又は当該航空企業によるこれらの特権の行使につき必要と認める条件を付する権利を留保する。ただし、この権利は、直ちに特権の行使を停止し又は直ちにその行使につき条件を付することが当該法令に重ねて違反することを防止するため又は航行の安全上の理由により必要である場合を除くほか、当該他方の締約国と協議した後でなければ行使することができない。その協議は、できる限り速やかに開始する。
 
第8条 両締約国の指定航空企業は、両締約国の領域の間の特定路線において協定業務を運営する公平かつ均等な機会を有する。
 
第9条 一方の締約国の指定航空企業による協定業務の運営に当たっては、他方の締約国の指定航空企業が同一路線の全部又は一部において提供する業務に不当な影響を及ぼさないように、当該他方の締約国の指定航空企業の利益が考慮されるものとする。
 
第10条 
1 両締約国の指定航空企業が提供する協定業務は、公衆の協定業務に対する要求に密接な関連を有するものでなければならない。
2 指定航空企業が提供する協定業務は、当該航空企業を指定した締約国の領域から発し又は当該締約国の領域へ向かう旅客、貨物及び郵便物の運送に対するその時期の需要及び合理的に予測されるその後の需要に適合する輸送力を合理的な利用率で供給することを第一の目的とする。当該航空企業を指定した締約国以外の国の領域内の特定路線上の地点において積み込みかつ積み卸す旅客、貨物及び郵便物の運送については、輸送力が次の事項に関連を有するものでなければならないという一般原則に従って行う。
(a)航空企業を指定した締約国の領域への及び当該締約国の領域からの運輸需要
(b)直通航空路運営の要求
(c)航空企業の路線が経由する地域の地方的及び地域的業務を考慮した上での当該地域の運輸需要
3 両締約国の指定航空企業が提供する協定業務に係る輸送力については、前2条並びにこの条の1及び2に定める原則に従い、両締約国の航空当局の間の協議を通じて合意する。
 
第11条 
1 いずれの協定業務に対する運賃も、運営の経費、合理的な利潤、業務の特性(例えば、速力及び設備の程度)、当該特定路線のいずれかの区間について適用される他の航空企業の運賃その他すべての関係要素を十分に考慮して、合理的な水準に定める。
2 1の運賃は、次の規定に従って決定するものとし、また、各締約国の航空当局は、指定航空企業が決定された運賃を遵守することを自国の手続の適用を通じて確保する。
(a)運賃に関する合意は、可能なときは、関係指定航空企業が国際航空運送協会の運賃決定機関を通じて行う。それが不可能なときは、各特定路線及びその各区間について適用される運賃は、関係指定航空企業の間で合意する。運賃は、いかなる場合にも、認可を受けるため両締約国の航空当局に対し各締約国の関係手続に従って提出される。
(b)関係指定航空企業が運賃に関して(a)の合意をすることができなかった場合又はいずれか一方の締約国の航空当局が提出された運賃について(a)の認可をしなかった場合には、両締約国の航空当局は、適当な運賃について合意するよう努める。
(c)航空当局の間で(b)の合意をすることができなかった場合には、紛争は、第15条の規定に従って解決する。
(d)新たな運賃は、いずれか一方の締約国の航空当局が当該運賃について満足しない場合には、第15条3の規定が適用される場合を除くほか、実施してはならない。この条の規定に従い運賃が定められるまでの間は、既に実施されている運賃が適用される。
 
第12条 一方の締約国の航空当局は、他方の締約国の航空当局に対し、要請により、自国の指定航空企業が協定業務において当該他方の締約国の領域へ及び当該他方の締約国の領域から運送する貨客に関する情報及び統計であって通常自国の指定航空企業が公表のため作成して自己に提出するものを提供する。一方の締約国の航空当局が他方の締約国の航空当局に対して要求することのある貨客に関する追加の統計資料については、要請により、両締約国の航空当局の間で討議する。
 
第13条 
1 両締約国は、国際法に基づく権利及び義務に従い、不法な妨害行為から民間航空の安全を保護する相互の義務が、この協定の不可分の一部を成すことを再確認する。両締約国は、国際法に基づく権利及び義務を害することなく、特に、1963年9月14日に東京で作成された航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約、1970年12月16日にヘーグで作成された航空機の不法な奪取の防止に関する条約及び1971年9月23日にモントリオールで作成された民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約の規定に従って行動する。
2 両締約国は、民間航空機の不法な奪取行為、民間航空機、その旅客及び乗組員、空港並びに航空保安施設の安全に対するその他の不法な行為並びに民間航空の安全に対する他の脅迫行為を防止するため、要請があったときは、それぞれ自国の法令に従い相互にすべての必要な援助を提供する。
3 両締約国は、相互の関係において、国際民間航空機関が作成し、国際民間航空条約の附属書とされる航空保安規定が両締約国に適用される範囲内で、当該航空保安規定に従って行動するものとし、自国の航空企業及び自国の領域内の空港の運営者が、当該航空保安規定に従って行動することを要求するものとする。
4 各締約国は、他方の締約国の領域への入国、当該領域からの出国又は当該領域における滞在について、当該他方の締約国が実施する3の航空保安規定の遵守を、自国の航空企業が要求されることに同意する。各締約国は、航空機を保護し、旅客、乗組員、機内持込手荷物、手荷物、貨物及び航空機貯蔵品を搭乗又は積込みの前及び搭乗又は積込みの間に検査するため、自国の領域内において適当な措置を講ずるものとする。各締約国は、また、特定の脅迫行為に対処するための合理的かつ特別の保安措置を求める他方の締約国からのいずれの要請に対しても好意的な考慮を払う。
5 民間航空機の不法な奪取若しくはそのおそれ又は民間航空機、旅客、乗組員、空港若しくは航空保安施設の安全に対する他の不法な行為若しくはそのおそれが生じた場合には、両締約国は、これらの行為又はそのおそれを迅速かつ安全に終結させるための連絡を円滑にすることその他の適当な措置により、相互に援助する。
 
第14条 両締約国の航空当局がこの協定の実施に関するあらゆる事項について緊密な協力を確保するため定期的にしばしば協議することは、両締約国の意図するところである。
 
第15条 
1 この協定の解釈又は適用に関して両締約国の間に紛争が生じた場合には、両締約国は、まず、両締約国間の交渉による紛争の解決に努める。
2 両締約国が交渉により紛争を解決することができなかった場合には、紛争は、いずれか一方の締約国の要請により、各締約国が指名する各1人の仲裁人とこのようにして選定された2人の仲裁人が合意する第三の仲裁人(締約国の国民でない者に限る。)との3人の仲裁人から成る仲裁裁判所に決定のため付託することができる。各締約国は、紛争の仲裁を要請する外交上の公文を一方の締約国が他方の締約国から受領した日から60日内に仲裁人を指名するものとし、第三の仲裁人は、その後の60日の期間内に合意されるものとする。いずれか一方の締約国が60日の期間内に自国の仲裁人を指名しなかった場合又は第三の仲裁人につき所定の期間内に合意が得られなかった場合には、いずれの一方の締約国も、国際民間航空機関の理事会の議長に対し、これらの仲裁人の任命を要請することができる。
3 両締約国は、2の規定に基づいて行われた決定に従うことを約束する。
 
第16条 
1 いずれの一方の締約国も、この協定を改正するため、いつでも他方の締約国との協議を要請することができる。この協議は、要請の受領の日から60日内に開始する。
2 改正がこの協定(付表を除く。)の規定について行われる場合には、当該改正は、各締約国によりその憲法上の手続に従って承認されるものとし、その承認を通知する外交上の公文が交換された日に効力を生ずる。
3 改正が付表についてのみ行われる場合には、協議は、両締約国の航空当局の間で行う。両締約国の航空当局が新たな又は修正された付表について合意したときは、その合意された改正は、外交上の公文の交換によって確認された後に効力を生ずる。
 
第17条 航空運送に関する一般的な多数国間条約が両締約国について効力を生じた場合には、この協定は、当該多数国間条約に適合するように改正する。
 
第18条 いずれの一方の締約国も、他方の締約国に対し、この協定を終了させる意思をいつでも通告することができる。通告の写しは、国際民間航空機関に対して同時に送付する。通告があったときは、この協定は、当該他方の締約国が通告を受領した日の後1年で終了する。ただし、通告が両締約国の間の合意により当該1年の期間の満了前に取り消された場合は、この限りでない。通告は、当該他方の締約国がその受領を確認しなかった場合には、国際民間航空機関がその写しを受領した日の後14日を経過した時に受領されたものとみなす。
 
第19条 この協定及びその改正は、国際民間航空機関に登録する。
 
第20条 この協定は、各締約国によりその憲法上の手続に従って承認されるものとし、その承認を通知する外交上の公文が交換された日に効力を生ずる。

以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
1989年3月7日にウィーンで、英語により本書二通を作成した。
付表

1 日本国の一又は二以上の指定航空企業が両方向に運営する路線
(a)日本国内の地点−アラスカ内の一地点−ヨーロッパ内の一地点−ウィーン−ヨーロッパ内の以遠の一地点
(b)日本国内地点−ギリシャ、トルコ共和国、中東及びアジア(中華人民共和国内の地点を除く。)内の四地点−ウィーン−ヨーロッパ内の以遠の一地点
(c)日本国内の地点−モスクワ−ウィーン−ヨーロッパ内の以遠の二地点
2 オーストリア共和国の一又は二以上の指定航空企業が両方向に運営する路線
(a)オーストリア内の地点−ヨーロッパ内の一地点−アラスカ内の一地点−東京
(b)オーストリア内の地点−ギリシャ、トルコ共和国、中東及びアジア(中華人民共和国内の地点を除く。)内の四地点−東京
(c)オーストリア内の地点−モスクワ−東京
3 いずれの締約国の一又は二以上の指定航空企業が提供する協定業務も、当該締約国の領域内の一地点をその起点としなければならないが、特定路線上の他の地点は、いずれかの又はすべての飛行に当たり当該指定航空企業の選択によって省略することができる。

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