新幹線鉄道保有機構法
昭和61・12・4・法律 89号
改正平成元・6・28・法律 54号−−
廃止平成3・4・26・法律 45号−−
第1条 新幹線鉄道保有機構は、新幹線鉄道が我が国の基幹的輸送機関として国土の均衛ある発展に果たしている役割にかんがみ、日本国有鉄道が経営していた新幹線鉄道に係る旅客鉄道事業を経営する旅客鉄道株式会社の当該事業に係る経営基盤の均衡化を図るとともに、これによりこれらの施設に係る利用者の負担の適正化を図るため、当該新幹線鉄道に係る鉄道施設を一括して保有し、旅客鉄道株式会社に貸し付けることを目的とする。
第2条 この法律において「新幹線鉄道」とは、次の各号に掲げる新幹線鉄道であつて、当該各号に定める区間において旅客鉄道株式会社により営業が行われるものをいう。
1.東北新幹線
東京から盛岡まで
2.上越新幹線
大宮から新潟まで
3.東海道新幹線
東京から新大阪まで
4.山陽新幹線
新大阪から博多まで
2 この法律において「旅客鉄道株式会社」とは、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社をいう。
第3条 新幹線鉄道保有機構(以下「機構」という。)は、法人とする。
第5条 機構は、新幹線鉄道に係る鉄道施設を保有する。
第6条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第7条 機構でない者は、新幹線鉄道保有機構という名称を用いてはならない。
第8条 民法(明治29年法律第89号)
第44条及び
第50条の規定は、機構について準用する。
第9条 機構に、役員として、理事長1人、理事2人以内及び監事2人以内を置く。
第10条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は運輸大臣に意見を提出することができる。
2 理事は、運輸大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
第12条 理事長の任期は3年とし、理事及び監事の任期は2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
第13条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
1.政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
2.旅客鉄道株式会社の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
3.物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
4.前2号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第14条 運輸大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 運輸大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
1.心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
2.職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
第15条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、運輸大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第16条 機構と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が機構を代表する。
第17条 理事長は、機構の理事又は職員のうちから、機構の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
第19条 機構の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第20条 機構は、
第1条の目的を達成するため、次の業務を行う。
1.その保有する新幹線鉄道に係る鉄道施設を旅客鉄道株式会社に貸し付けること。
2.前号の規定により貸し付けた鉄道施設に係る大規模な災害復旧工事であつて運輸省令で定めるもの(以下「大規模災害復旧工事」という。)を当該旅客鉄道株式会社の申出に基づき行うこと。
3.前2号の業務に附帯する業務を行うこと。
第21条 機構は、その保有する新幹線鉄道に係る鉄道施設を、運輸省令で定めるところにより、旅客鉄道株式会社に対し有償で貸し付けなければならないものとし、当該旅客鉄道株式会社は、これを借り受けなければならないものとする。
2 機構は、前項の規定による貸付けに係る貸付料の年額及び貸付期間について、運輸省令で定めるところにより、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けなければならない。
3 機構は、第1項の規定による貸付けに係る鉄道施設につき、
第24条第1項の規定により大規模災害復旧工事を行う場合を除き、その維持管理を行わない。この場合には、それぞれ当該鉄道施設を借り受ける旅客鉄道株式会社がこれを行うものとする。
4 機構は、第1項の規定による貸付けに係る貸付期間が終了したときは、別に法律で定めるところにより、当該新幹線鉄道に係る鉄道施設を当該旅客鉄道株式会社に譲渡するものとする。
第22条 各旅客鉄道株式会社に対する前条第2項の貸付料の年額は、機構が定める貸付料の概算総計年額を、当該貸付けに係る新幹線鉄道における槍送量、当該新幹線鉄道に係る鉄道施設の価額等に応じて運輸省令で定める方法により配分した額を基準として定めるものとする。
2 前項の貸付料の概算総計年額は、機構が、前条第2項の貸付期間内の各年における貸付料収入により、その債務の償還及び当該債務に係る利子の支払を行い、並びに当該各年における当該貸付けに係るすべての鉄道施設に関する租税公課、管理費、大規模災害復旧工事に係る費用その他の費用を償うことができると見込まれるものとして運輸省令で定める方法により算定した額を基準として定めるものとする。
3 前条第2項の貸付期間は、機構の保有するすべての新幹線鉄道に係る鉄道施設の運輸省令で定める残存耐用年数の平均を考慮して運輸省令で定める方法により算定した期間を基準として定めるものとする。
第23条 機構は、2年ごとに、貸付料の年額及び貸付料の概算総計年額が前条第1項及び第2項の基準に適合するかどうかについて見直しを行い、これらに適合するようこれらの額の変更を行わなければならない。
2 機構は、大規模災害復旧工事を行つた場合その他の貸付料の年額及び貸付料の概算総計年額又は貸付期間の算定の基礎となる事項に運輸省令で定める重大な変更が生じた場合には、機構の保有するすべての新幹線鉄道に係る鉄道施設に係る貸付料の年額及び貸付料の概算総計年額又は貸付期間が前条第1項及び第2項の基準又は同条第3項の基準に適合するかどうかについて見直しを行い、これらに適合するようこれらの額又は貸付期間の変更を行わなければならない。
3 第21条第2項の規定は、前2項の規定による貸付料の年額又は貸付期間の変更について準用する。
第24条 旅客鉄道株式会社は、機構から借り受けている新幹線鉄道に係る鉄道施設について大規模災害復旧工事を行う必要が生じた場合には、自らこれを行うこととする場合を除き、運輸省令で定めるところにより、機構に対し、当該大規模災害復旧工事を行うよう申し出ることができる。
2 機構は、前項の規定による申出に係る大規模災害復旧工事を行おうとするときは、運輸省令で定めるところにより、工事実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 機構は、前項の規定により工事実施計画を作成し、又は変更しようとするときは、機構が新幹線鉄道に係る鉄道施設を貸し付けているすべての旅客鉄道株式会社の意見を聴かなければならない。
4 機構は、第2項の認可を受けたときは、工事実施計画に関する書類を、前項の旅客鉄道株式会社に送付しなければならない。
5 機構は、第2項の認可を受けた工事実施計画に係る大規模災害復旧工事については、運輸省令で定めるところにより、その工事の管理に関する業務を第1項の規定による申出をした旅客鉄道株式会社に委託することができる。
第25条 機構は、業務開始の際、業務方法書を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。
第26条 機構の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
第27条 機構は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第28条 機構は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に運輸大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表を運輸大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見を付けなければならない。
3 機構は、第1項の規定による運輸大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、事務所に備えて置かなければならない。
第29条 機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残金があるときは、その残金の額は、積立金として整理しなければならない。
2 機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
第30条 機構は、運輸大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は新幹線鉄道保有機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、運輸大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
4 第1項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 機構は、運輸大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 商法(明治32年法律第48号)
第309条から
第311条までの規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第1項及び第4項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第31条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和21年法律第24号)
第3条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和28年法律第51号)
第2条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
第32条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、運輸大臣の認可を受けなければならない。
第33条 機構は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
1.国債、地方債その他運輸大臣の指定する有価証券の取得
2.資金運用部への預託
3.銀行その他運輸大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
4.信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
第34条 機構は、
第21条第1項の規定により貸し付けている新幹線鉄道に係る鉄道施設を譲渡し、交換し、又は担保に供することができない。
2 機構は、運輸省令で定める重要な財産(前項に規定するものを除く。)を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
第35条 機構は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、運輸大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第36条 この法律及びこれに基づく命令に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
2 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第38条 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を務帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第39条 機構の解散については、別に法律で定める。
第40条 運輸大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
4.
第33条第1号又は第3号の規定による指定をしようとするとき。
第41条 不動産登記法(明治32年法律第24号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第42条 第38条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、20万円以下の罰金に処する。
第43条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員員は、10万円以下の過料に処する。
1.この法律の規定により運輸大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
2.
第6条第1項の政令又は附則第6条の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
3.
第20条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
4.
第33条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
5.
第37条第2項の規定による運輸大臣の命令に違反したとき。
第44条 第7条の規定に違反した者は、5万円以下の過料に処する。
