日本育英会法
昭和59・8・7・法律 64号
改正平成5・6・14・法律 63号−−
改正平成9・6・24・法律103号−−
改正平成10・3・31・法律 28号−−
改正平成10・6・12・法律101号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成12・5・31・法律 99号−−
廃止平成15・6・18・法律 94号−−
第1条 日本育英会は、優れた学生及び生徒であつて経済的理由により修学に困難があるものに対し、学資の貸与等を行うことにより、国家及び社会に有為な人材の育成に資するとともに、教育の機会均等に寄与することを目的とする。
第2条 日本育英会(以下「育英会」という。)は、法人とする。
2 育英会は、文部科学大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
第4条 育英会の基金は、100万円とし、政府がその全額を出資する。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、育英会に追加して出資することができる。
3 育英会は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により基金を増加するものとする。
第5条 育英会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第6条 育英会でない者は、日本育英会という名称を用いてはならない。
第7条 民法(明治29年法律第89号)
第44条及び
第50条の規定は、育英会について準用する。
第8条 育英会に、役員として、会長1人、理事長1人、理事4人以内及び監事2人以内を置く。
第9条 会長は、育英会を代表し、その業務を総理する。
2 理事長は、育英会を代表し、会長の定めるところにより、会長を補佐して育英会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、会長の定めるところにより、会長及び理事長を補佐して育英会の業務を掌理し、会長及び理事長に事故があるときはその職務を代理し、会長及び理事長が欠員のときはその職務を行う。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、会長又は文部科学大臣に意見を提出することができる。
第10条 会長、理事長及び監事は、文部科学大臣が任命する。
2 理事は、会長が文部科学大臣の認可を受けて任命する。
第11条 会長及び理事長の任期は3年とし、理事及び監事の任期は2年とする。
第12条 政府又は地方公共団体の職員(教育公務員で政令で定めるもの及び非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
第13条 文部科学大臣又は会長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 文部科学大臣又は会長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の−に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
1.心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
2.職務上の義務違反があるとき。
3 会長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、あらかじめ、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
第14条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、文部科学大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第15条 育英会と会長又は理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が育英会を代表する。
第16条 会長及び理事長は、理事又は育英会の職員のうちから、育英会の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
第18条 育英会の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
3 評議員会は、会長の諮問に応じ、育英会の業務の運営に関する重要事項について審議する。
4 評議員会は、育英会の業務の運営につき、会長に対して意見を述べることができる。
第20条 評議員は、育英会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部科学大臣が任命する。
第21条 育英会は、
第1条の目的を達成するため、次の業務を行う。
1.学資の貸与
2.学資の貸与を受ける学生及び生徒の補導
3.修学上必要な施設の設置及び経営
4.前3号の業務に附帯する業務
2 育英会は、文部科学大臣の認可を受けて、前項に規定する業務のほか、
第1条の目的を達成するため必要な業務を行うことができる。
第22条 前条第1項第1号の規定により学資として貸与する資金(以下「学資金」という。)は、無利息の学資金(以下「第1種学資金」という。)及び利息付きの学資金(以下「第2種学資金」という。)とする。
2 第1種学資金は、優れた学生及び生徒であつて経済的理由により修学に困難があるもののうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、特に優れた学生及び生徒であつて経済的理由により著しく修学に困難があるものと認定された者に対して貸与するものとする。
3 第2種学資金は、前項の規定による認定を受けた者以外の者のうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、大学その他政令で定める学校に在学する優れた学生及び生徒であつて経済的理由により修学に困難があるものと認定された者に対して貸与するものとする。
4 第1種学資金の月額並びに第2種学資金の月額及び利率は、学校等の種別その他の事情を考慮して、その学資金の種類ごとに政令で定めるところによる。
5 第3項の大学その他政令で定める学校に在学する学生及び生徒であつて第2項の規定による認定を受けたもののうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、第1種学資金の貸与を受けることによつても、なおその修学を維持することが困難であると認定された者に対しては、第3項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、第1種学資金に併せて前2項の規定による第2種学資金を貸与することができる。
6 前各項に定めるもののほか、学資金の貸与に関し必要な事項は、政令で定める。
第23条 学資金の返還の期限及び返還の方法は、政令で定める。
2 育英会は、学資金の貸与を受けた者が災害又は傷病により学資金を返還することが困難となつたとき、その他政令で定める事由があるときは、その返還の期限を猶予することができる。
3 育英会は、学資金の貸与を受けた者が死亡又は心身障害により学資金を返還することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、その学資金の全部仰又は一部の返還を免除することができる。
第24条 大学院において第1種学資金の貸与を受けた者は、政令で定めるところに従い、修業後政令で定める年数以上継続して小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、大学院、高等専門学校その他の施設の教育又は研究の職にあることにより、その全部又は一部の返還の免除を受けることができる。
第25条 育英会は、業務の開始の際、業務方法書を作成し、文部科学大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、文部科学省令で定める。
3 学資金の回収の業務の方法については、文部科学省令で定める。
第26条 第21条第1項第1号の業務に要する資金は、借入金、寄附金等をもつて充てるものとする。
第27条 育英会の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
第28条 育英会は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第29条 育英会は、毎事業年度の決算を翌年度の5月31日までに完結しなければならない。
第30条 育英会は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の業務報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書(以下この条において「業務報告書等」という。)を添え、監事の意見を付けて、決算完結後2月以内に文部科学大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 会長は、財務諸表及び業務報告書等に監事の意見を付けて、決算完結後1月以内に、これを評議員会に提出しなければならない。
3 育英会は、第1項の規定による文部科学大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表、附属明細書及び業務報告書等並びに同項の監事の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、文部科学省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
第31条 育英会は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失を埋め、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 育英会は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
第32条 育英会は、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は日本育英会債券(以下この条、次条及び
第34条において「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、文部科学大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた定期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
4 第1項の規定による債券の債権者は、育英会の財産について他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の僻位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 育英会は、文部叩大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
8 第1項及び第4項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第33条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和21年法律第24号)
第3条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、育英会の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和28年法律第51号)
第2条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
第34条 育英会は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
第35条 育英会は、次の方法による場合を除き、業務上の余裕金を運用してはならない。
1.国債、地方債又は文部科学大臣の指定する有価証券の取得
2.財政融資資金への預託
3.銀行その他文部科学大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
4.信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
第36条 育英会は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、文部科学大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第37条 この法律に定めるもののほか、育英会の財務及び会計に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
2 文部科学大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、育英会に対してその業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第39条 文部科学大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、育英会に対して業務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、育英会の事務所その他の施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第40条 政府は、毎年度予算の範囲内において、育英会に対し、
第21条第1項第1号の業務(第1種学資金に係るものに限る。)に要する資金を無利息で貸し付けることができる。
2 政府は、育英会が
第23条第3項又は
第24条の規定により第1種学資金の返還を免除したときは、育英会に対し、その免除した金額に相当する額の前項の貸付金の償還を免除することができる。
第41条 政府は、毎年度予算の範囲内において、育英会に対し、
第21条に規定する業務に要する経費の一部を補助することができる。
第42条 育英会の解散については、別に法律で定める。
第43条 文部科学大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
2.
第22条第2項、第3項若しくは第5項、
第25条第2項若しくは第3項又は
第37条の規定により文部科学省令を定めようとするとき。
4.
第35条第1号又は第3号の規定による指定をしようとするとき。
第44条 第39条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした育英会の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
第45条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした育英会の役員は、20万円以下の過料に処する。
1.この法律の規定により文部科学大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
2.
第5条第1項の政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。
3.
第21条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
4.
第35条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
5.
第38条第2項の規定による文部科学大臣の命令に違反したとき。
第46条 第6条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する。
