深海底鉱業暫定措置法
昭和57・7・16・法律 64号==
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成10・4・24・法律 44号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成12・5・31・法律 91号−−
改正平成16・6・9・法律 94号−−
改正平成17・7・26・法律 87号−−(施行=平18年5月1日)
改正平成23・7・22・法律 84号−−(施行=平24年1月21日)
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成10・4・24・法律 44号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成12・5・31・法律 91号−−
改正平成16・6・9・法律 94号−−
改正平成17・7・26・法律 87号−−(施行=平18年5月1日)
改正平成23・7・22・法律 84号−−(施行=平24年1月21日)
第1章 総 則
第1条 この法律は、最近における新しい海洋秩序への国際社会の急速な歩みその他の深海底鉱業を取り巻く国際環境の著しい変化等に対応し、深海底鉱物資源を合理的に開発することによつて公共の福祉の増進に寄与するため、深海底鉱業の事業活動の調整等に関し必要な暫定措置を定めるものとする。
2 この法律のいかなる規定も、深海底を我が国の主権又は管轄権の下に置こうとするものではなく、また、公海の自由を行使する他国の利益を害するものではない。
第2条 この法律において「深海底鉱物資源」とは、銅鉱、マンガン鉱、ニッケル鉱又はコバルト鉱のうちの一種又は二種以上の鉱物を含む塊状の鉱石をいう。
2 この法律において「深海底鉱業」とは深海底(公海の海底及びその下(鉱物資源の探査又は採鉱に関しいずれの国の管轄権の下にも置かれていない部分に限る。)のうち、深海底鉱物資源が存在し、又は存在する可能性がある区域であつて経済産業省令で定める区域の海底及びその下をいう。)における探査及び採鉱の事業(これに附属する選鉱、製錬その他の事業(以下「附属事業」という。)を含む。)をいう。
3 この法律において「探査」とは、深海底鉱物資源の採鉱(専ら深海底鉱物資源の存在状況の概要を調査するためのものであつて経済産業省令で定める方法によつて行うものを除く。)をすることをいう。
4 この法律において「採鉱」とは、深海底鉱物資源の採掘をすること(これと併せて探査を行うことを含む。)をいう。
第3条 この法律の規定によつてした手続その他の行為は、第4条第1項の許可の申請をした者(以下「申請人」という。)又は関係人の承継人に対しても、その効力を有する。
第2章 深海底鉱業
第4条 深海底鉱業を行おうとする者は、探査又は採鉱を行う区域を定めて、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、採査の事業及び採鉱の事業の区分により行う。
第5条 前条第1項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所
2.深海底鉱業を行う期間
3.探査又は採鉱を行う区域の位置
4.深査又は採鉱を行う区域の面積
2 前項の申請書には、採査又は採鉱を行う区域の図面、事業計画書その他経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
第6条 2人以上共同して第4条第1項の許可の申請をした者(以下「共同申請人」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、そのうちの1人を代表者と定め、これを経済産業大臣に届け出なければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定による届出がないときは、代表者を指定する。
3 代表者の変更は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければ、その効力を生じない。
4 代表者は、国に対して、共同申請人を代表する。
5 共同申請人は、組合契約をしたものとみなす。
第8条 経済産業大臣は、第31条の規定による通知をしたときは、当該申請人に対し、当該申請の区域のうちその重複する部分について重複を解消するための調整のため、その重複する部分を申請している者と協議すべきことその他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による勧告をしたときは、遅滞なく、その旨を外務大臣に通知するものとする。
第9条 経済産業大臣は、前条第1項の規定による勧告をした場合において、当該申請人の申請の区域の位置形状を変更しなければその重複する部分について重複を解消するための調整ができないことが明らかになつたときは、当該申請人に対し、第5条第1項第3号及び第4号の事項の変更を申請すべきことを命ずることができる。
第10条 申請人の名義は、変更することができる。
2 申請人の名義の変更は、相続その他の一般承継又は死亡による共同申請人の脱退の場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければ、その効力を生じない。
3 相続その他の一般承継又は死亡による共同申請人の脱退により申請人の名義の変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第11条 次の各号の一に該当する者は、第4条第1項の許可を受けることができない。
第12条 経済産業大臣は、第4条第1項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
第13条 経済産業大臣は、第4条第1項の許可をしたときは、許可証を交付する。
2 許可証には、次の事項を記載しなければならない。
1.事業の区分
2.許可の年月日及び許可の番号
3.氏名又は名称及び住所
4.深海底鉱業を行う期間
5.採査又は採鉱を行う区域(以下「深海底鉱区」という。)の位置
6.深海底鉱区の面積
第14条 第4条第1項の許可を受けた者(以下「深海底鉱業者」という。)は、前条第2項第4号から第6号までの事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
第15条 深海底鉱業者は、第13条第2項第3号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第16条 共同して第4条第1項の許可を受けた者(以下「共同深海底鉱業者」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、そのうちの一人を代表者と定め、これを経済産業大臣に届け出なければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定による届出がないときは、代表者を指定する。
3 代表者の変更は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければ、その効力を生じない。
4 代表者は、国に対して、共同深海底鉱業者を代表する。
5 共同深海底鉱業者は、組合契約をしたものとみなす。
第17条 経済産業大臣は、第4条第1項の規定による探査の事業の許可を受けた深海底鉱業者に対し、当該許可を受けた深海底鉱区における深海底鉱物資源の存在が明らかであると認められ、かつ、採鉱に関する技術の開発の状況及び深海底鉱物資源の鉱量、品位等にかんがみ、その深海底鉱区について採鉱の事業を行うことが適当であると認められるときは、3月以内に同項の規定による採鉱の事業の許可の申請をすべきことを命ずることができる。
第18条 深海底鉱業の全部又は一部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 深海底鉱業者たる法人の合併は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。深海底鉱業者を分割をする法人とする分割でその深海底鉱業の全部若しくは一部を承継させるもの又は深海底鉱業者を分割により事業を承継する法人とする吸収分割についても、同様とする。
第19条 一の深海底鉱区につき深海底鉱業の全部の譲渡しがあり、又は深海底鉱業者について相続、合併若しくは分割(一の深海底鉱区につき深海底鉱業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、当該深海底鉱業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該深海底鉱業の全部を承継した法人は、深海底鉱業者の地位を承継する。
2 前項の規定により深海底鉱業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第20条 経済産業大臣は、深海底鉱業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第4条第1項の許可を取り消し、又は1年以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その理由を記載した文書を当該深海底鉱業者に送付しなければならない。
第21条 深海底鉱業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第23条 深海底鉱業者は、第4条第1項の許可を受けた日から6月以内にその事業に着手しなければならない。
2 経済産業大臣は、深海底鉱業者の申請により、やむを得ない事由により前項の期限までにその事業に着手することができないと認めるときは、その期限を延長することができる。
3 深海底鉱業者は、引き続き6月以上その事業を休止してはならない。ただし、やむを得ない事由により引き続き6月以上その事業を休止する場合において、期間を定めて経済産業大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
第24条 深海底鉱業者は、その事業に着手する前に、経済産業省令で定めるところにより、施業案を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
2 深海底鉱業者は、前項の認可を受けた施業実によるのでなければ、その事業を行つてはならない。
第25条 経済産業大臣は、深海底鉱業者の施業案を変更しなければ深海底鉱区における深海底鉱物資源の合理的な開発ができないと認めるときは、深海底鉱業者に対し、施業案を変更すべきことを勧告することができる。
2 経済産業大臣は、深海底鉱業者が前項の規定による勧告を受けた日から60日以内に施業案を変更しないときは、施業案の変更を命ずることができる。
第3章 損害の賠償
第27条 日本国内において深海底鉱業を行うことに伴う廃水の放流、捨石若しくは鉱さいのたい積又は鉱煙の排出によつて他人に損害を与えたときは、損害の発生の時における当該深海底鉱業者(損害の発生の時既に第4条第1項の許可が失効しているときは、その失効の時における当該深海底鉱業者)が、その損害を賠償する責めに任ずる。
2 前項の規定により損害を賠償する責めに任ずる深海底鉱業者が損害の発生の後に深海底鉱業の全部を譲り渡したときは、深海底鉱業の全部を譲り受けた者は、同項の規定により損害を賠償する責めに任ずる深海底鉱業者と連帯して損害を賠償する義務を負う。
3 前2項の規定による賠償については、共同深海底鉱業者の義務は、連帯とする。
4 第2項に規定する場合において、深海底鉱業の全部を譲り受けた者が賠償の義務を履行したときは、第1項の規定により損害を賠償する責めに任ずる深海底鉱業者に対し、償還を請求することができる。
第4章 深海底鉱業国
第29条 経済産業大臣は、深海底鉱物資源の合理的かつ円滑な開発に資するため、その国民又は法人が深海底鉱物資源の開発の事業を行う国であつて、当該事業に関しこの法律と著しく異ならない方法による規制をしている国を深海底鉱業国として指定することができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、外務大臣に協議しなければならない。
第30条 経済産業大臣は、第4条第1項又は第14条第1項の規定による許可の申請があつたときは、前条第1項の規定により深海底鉱業国として指定した国(以下「深海底鉱業国」という。)につき次の各号に掲げる事項についてその事実を確認するものとする。
1.深海底鉱業国に対する深海底鉱物資源の開発の事業の許可の申請又は変更の許可の申請
2.深海底鉱業国がした深海底鉱物資源の開発の事業の許可若しくは変更の許可又はその失効
2 外務大臣は、前項の規定により経済産業大臣が確認をするに当たつては、深海底鉱業国につき同項各号に掲げる事項について必要な調査を行うものとする。
第32条 経済産業大臣は、深海底鉱業国が第29条第1項の規定による指定の要件に該当しなくなつたと認めるときは、同項の指定を取り消すことができる。
2 第29条第2項の規定は、前項の規定による指定の取消しに準用する。
第5章 雑 則
第33条 許可又は認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、この法律の円滑な実施を図り、又は許可若しくは認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最少限度のものに限り、かつ、許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
第34条 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
第35条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、深海底鉱業者に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、深海底鉱業者の事業所若しくは事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の規定により指定した期限までに修正又は補充が行われないときは、当該申請を却下しなければならない。
3 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法第17条第1項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
第38条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分についての異議申立てに対する決定は、その処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による意見の聴取をした後にしなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 第1項の意見の聴取に際しては、その処分に係る者及び利害関係人に対し、当該事案について、証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第39条 深海底鉱業を行うことに伴う保安の確保については、鉱山保安法の規定(第33条第1項、第51条及び第53条から第57条までの規定を除く。)を準用する。この場合において、同法の規定(第2条第1項及び第11条の規定を除く。)中「鉱業権者」とあるのは「深海底鉱業暫定措置法第14条第1項に規定する深海底鉱業者」と、「経済産業大臣又は産業保安監督部長」とあるのは「経済産業大臣」と、「鉱区外又は租鉱区外」とあるのは「同法第13条第2項第5号に規定する深海底鉱区外」と、同法第13条第1項及び第3項から第5項までの規定、第15条、第22条第4項、第23条第1項、第24条第1項、第31条第1項、第33条第2項、第35条から第38条までの規定、第39条第1項、第41条、第42条、第44条第1項及び第3項、第45条第1号及び第2号並びに第48条中「産業保安監督部長」とあるのは「経済産業大臣」と、同法第17条第2項中「鉱業権の移転があつたとき」とあるのは「深海底鉱業暫定措置法第14条第1項に規定する深海底鉱業者の地位の承継があつたとき」と、同法第33条第2項中「施業案」とあるのは「深海底鉱業暫定措置法第24条第1項の規定による施業案」と、同法第39条第1項中「鉱業権が消滅した」とあるのは「深海底鉱業暫定措置法第4条第1項の許可が効力を失つた」と、同法第42条中「鉱業事務所」とあるのは「経済産業省令で定める場所」と読み替えるものとする。