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特定産業構造改善臨時措置法

【目次】
  昭和53・5・15・法律 44号==
改正昭和58・5・24・法律 53号--(施行=昭58年5月24日)
改正昭和60・3・30・法律  7号--(施行=昭60年4月1日)
改正昭和62・3・31・法律 14号--(施行=昭62年4月1日)
廃止昭和63・5・31・法律 76号--(施行=昭63年6月30日)
《改題》昭58法053・旧・特定不況産業安定臨時措置法

第1章 総則

(目的)
第1条 この法律は、最近における内外の経済的事情の著しい変化にかんがみ、特定産業について、その実態に即した構造改善基本計画を策定し、計画的な設備の処理及び生産若しくは経営の規模又は生産の方式の適正化の促進等のための措置を講ずることにより、雇用の安定及び関連中小企業者の経営の安定に配慮しつつ特定産業の構造改善を推進し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
《改正》昭58法053
(特定産業)
第2条 この法律において「特定産業」とは、次に掲げる業種に属する製造業であつて、政令で指定するものをいう。
1.電気炉を使用する普通鋼の鋼塊又は鋼材の半製品の製造業
2.アルミニウム製錬業
3.化学繊維製造業
4.化学肥料製造業
5.合金鉄製造業
6.洋紙製造業及び板紙製造業
7.石油化学工業
8.前各号に掲げるもののほか、内外の経済的事情の著しい変化により、その業種に属する事業の目的物たる物品を製造する設備の生産能力が著しく過剰となるとともにその業種に属する事業者の相当部分の生産若しくは経営の規模又は生産の方式が著しく不適当となり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれるため、その業種に属する事業者の相当部分の経営の著しい不安定が長期にわたり継続するおそれがあると認められる業種(その業種に属する事業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)で、設備の処理(廃棄若しくは長期の格納若しくは休止(廃棄に代わるべき設備の生産能力の縮小の態様として妥当なものに限る。)又は譲渡(譲渡された設備が廃棄されることが明らかな場合に限る。)により設備が生産の用に供されないようにすることをいう。以下同じ。)及び生産若しくは経営の規模又は生産の方式の適正化を行うことにより構造改善を推進してその事態を克服することが国民経済の健全な発展を図るため必要であると認められるものとして政令で定めるもの
《改正》昭58法053
 前項各号に掲げる業種に属する製造業を営む者は、主務大臣に対し、当該製造業につき同項の規定による指定をすべき旨の申出をすることができる。
 主務大臣は、前項の申出があつた場合において、その申出をした者の数が当該製造業を営む者のすべての数の大部分を占め、かつ、その申出をした者の事業活動が当該製造業を営む者のすべての事業活動の大部分を占める場合に限り、当該製造業につき第1項の規定による指定をするための手続をとるものとする。
 主務大臣は、一の業種を第1項第8号の業種として同号の政令で定める手続をとるには、その目的からみて適当と認められる審議会(これに該当する審議会がない場合にあつては、産業構造審議会。以下「関係審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
《改正》昭58法053
 第1項第1号から第7号までに掲げるそれぞれの業種又はその業種の一部が経済的事情の変化により同項第8号に規定する要件に該当しなくなつた場合には、当該業種又は当該業種の一部に属する製造業につき同項の規定による指定をすることができず、同項の規定による指定がされている当該製造業につきその指定を取り消すものとする。
《改正》昭58法053
 一の業種を第1項第8号の業種として定めるための同号の政令の制定又は改正は、昭和60年1月1日以後は、行わないものとする。
《改正》昭58法053

第2章 特定産業の構造改善

《章名改正》昭58法053
(構造改善基本計画)
第3条 主務大臣は、前条第1項の規定による指定があつたときは、特定産業ごとに、速やかに、関係審議会の意見を聴いて、特定産業における構造改善を図るための基本となるべき計画(以下「構造改善基本計画」という。)を定めなければならない。
《改正》昭58法053
 構造改善基本計画に定める事項は、次のとおりとする。
1.目標年度における構造改善の目標
2.設備の処理を行うべき設備の種類及びその生産能力の合計、当該設備についての設備の処理の方法及び期間その他設備の処理に関する事項
3.前号の設備の処理と併せて行うべき当該設備の新設、増設及び改造の制限又は禁止(当該設備の更新又は改良を妨げるものを除く。以下同じ。)に関する事項
4.生産若しくは経営の規模又は生産の方式の適正化に必要な次に掲げる事項
イ 生産、販売、購入、保管若しくは運送の共同化、生産品種の専門化又は合併若しくは営業の全部若しくは重要部分の譲渡若しくは譲受けその他これに準ずる行為(以下「事業提携」と総称する。)の方式及び実施方法、事業提携に伴い必要となる設備投資その他の事業提携に関する事項(主務大臣があらかじめ広く当該特定産業に属する事業者の意見を聴いて事業提携の実施の大綱を作成する場合には、当該実施の大綱を含む。)
ロ 原材料若しくはエネルギーの消費の節減若しくは転換その他原材料若しくはエネルギーの費用の低減に資する設備投資又は製品の性能若しくは品質の向上のための設備投資に関する事項
ハ 新商品又は新技術の開発に関する事項
5.第2号の設備の処理又は前号イの事業提携と併せて行うべき事業の転換その他の措置(雇用の安定を図るための措置を含む。)に関する事項
《改正》昭58法053
 構造改善基本計で設備の処理について定めることができる設備の種類は、特定産業ごとに、政令で定める。
《改正》昭58法053
 第2項第2号に規定する設備の生産能力の計算の方法は、前項の規定により政令で定める設備の種類ごとに、主務省令で定める。
《改正》昭58法053
 構造改善基本計画は、当該特定産業に属する事業者の雇用する労働者の雇用の安定及び関連中小企業者の経営の安定について、十分な考慮が払われたものでなければならない。
《改正》昭58法053
 関係審議会は、第1項の規定により意見を聴かれた場合において、その意見を定めようとするときは、あらかじめ、当該特定産業に係る主たる事業者団体及び労働組合の意見を聴かなければならない。
《改正》昭58法053
 主務大臣は、第1項の規定により構造改善基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
《改正》昭58法053
 主務大臣は、経済的事情の変化のため必要があると認めるときは、関係審議会の意見を聴いて、構造改善基本計画を変更しなければならない。
《改正》昭58法053
 第6項の規定は前項の規定により関係審議会が意見を聴かれた場合に、第7項の規定は前項の場合に準用する。
(事業者の努力)
第4条 特定産業に属する事業者は、前条第7項の規定により当該特定産業に関する構造改善基本計画が告示されたときは、その構造改善基本計画(同条第8項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に定めるところに従つて、設備の処理、生産若しくは経営の規摸又は生産の方式の適正化その他の措置を自主的に行うよう努めなければならない。
《改正》昭58法053
(共同行為の実施に関する指示)
第5条 主務大臣は、特定産業に属する事業者の自主的な努力のみをもつてしては、当該特定産業に関する構造改善基本計画に定めるところに従つて設備の処理並びに当該設備の処理と併せて行うべき当該設備の新設、増設及び改造の制限又は禁止(以下「設備の処理等」という。)が実施されないと認められる場合において、当該特定産業に属する事業者の相当部分の事業の継続が困難となるに至るおそれがあり、国民経済の健全な発展に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、関係審議会の意見を聴いて、当該特定産業に属する事業者に対し、当該設備について、設備の処理等に係る共同行為を実施すべきことを指示することができる。
《改正》昭58法053
 前項の規定による指示は、共同行為をすべき期間及び共同行為の内容を定めて、告示により行う。
 第3条第6項の規定は、第1項の規定により関係審議会が意見を聴かれた場合に準用する。
(共同行為の内容)
第6条 前条第1項に規定する共同行為の内容は、次の各号に適合するものでなければならない。
1.構造改善基本計画に定めるところに従つて設備の処理等を実施するため必要な程度を超えないこと。
2.一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
3.不当に差別的でないこと。
4.当該共同行為の指示を受けた事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。
《改正》昭58法053
(共同行為の指示の変更等)
第7条 主務大臣は、第5条第1項の規定による指示に係る共同行為の内容が前条各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、その指示を変更し、又は取り消さなければならない。
 第5条第2項の規定は、前項の場合に準用する。
(共同行為の届出)
第8条 第5条第1項の規定による指示(前条第1項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)を受けた者は、その指示に従つて共同行為をしたときは、遅滞なく、主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。
(事業提携計画の承認)
第8条の2 特定産業に属する二以上の事業者であつて当該特定産業に関する構造改善基本計画に定めるところに従つて事業提携を実施しようとするもの(以下「提携事業者」という。)は、共同して、実施しようとする事業提携に関する計画(以下「事業提携計画」という。)を作成し、これを主務大臣に提出して、その事業提携計画が適当である旨の承認を受けることができる。
《追加》昭58法053
 事業提携計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.事業提携により達成しようとする構造改善の目標
2.事業提携を実施する事業者名
3.事業提携の方式及び実施方法
4.事業提携の実施時期
5.事業提携に伴い必要となる設備投資に関する事項
6.その他主務省令で定める事項
《追加》昭58法053
 主務大臣は、第1項の承認の申請があつた場合において、その事業提携計画が次の各号に適合するものであると認めるときは、同項の承認をするものとする。
1.構造改善基本計画に定める目標年度における構造改善の目標を達成するために特に必要なものであり、かつ、構造改善基本計画に定める事業提携に関する事項に照らし適切なものであること。
2.当該事業提携計画に係る提携事業者と他の事業者との間の適正な競争が確保されること等により、当該特定産業における構造改善が促進されるものであること。
3.一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
4.当該事業提携計画に係る提携事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。
《追加》昭58法053
(事業提携計画の変更等)
第8条の3 前条第1項の承認を受けた者は、当該承認に係る事業提携計画を変更しようとするときは、主務大臣の承認を受けなければならない。
《追加》昭58法053
 主務大臣は、前条第1項の承認をした事業提携計画(前項の規定による変更の承認があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)が同条第3項各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、当該事業者に対して、当該事業提携計画の変更を指示し、又はその承認を取り消さなければならない。
《追加》昭58法053
 前条第3項の規定は、第1項の承認に準用する。
《追加》昭58法053
(資金の確保)
第9条 国は、構造改善基本計画に定めるところに従つて行われる設備の処理、生産若しくは経営の規模又は生産の方式の適正化その他の措置に必要な資金の確保に努めるものとする。
《改正》昭58法053
(課税の特例)
第9条の2 第8条の2第1項の承認(第8条の3第1項の規定による変更の承認を含む。以下この章において同じ。)を受けた事業者、当該承認に係る合併により設立した法人又は当該承認に係る出資に基づいて設立された法人については、地方税法(昭和25年法律第226号)で定めるところにより、不動産取得税について必要な措置を講ずる。
《追加》昭58法053
《改正》昭62法014
《3項削除》昭62法014
(雇用の安定等)
第10条 特定産業に属する事業者は、当該特定産業に関する構造改善基本計画に定めるところに従つて設備の処理、事業提携その他の措置を行うに当たつては、当該措置に係る事業所における労働組合(当該事業所において、労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者)と協議して、その雇用する労働者について、失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
《改正》昭58法053
 国は、特定産業に属する事業者であつて当該特定産業に関する構造改善基本計画に定めるところに従つて設備の処理、事業提携その他の措置を行うものの雇用する労働者について、失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
《改正》昭58法053
 国及び都道府県は、前項に規定する事業者に雇用されていた労働者について、職業訓練の実施、就職のあつせんその他その者の職業及び生活の安定に資するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
 国及び都道府県は、第2項に規定する事業者の関連中小企業者について、その経営の安定に資するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第11条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)の規定は、第5条第1項の規定による指示を受けた者がその指示に従つてする共同行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるときは、この限りでない。
(公正取引委員会との関係)
第12条 主務大臣は、第5条第1項の規定による指示をしようとするときは、公正取引委員会の同意を得なければならない。
 主務大臣は、第8条の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
 公正取引委員会は、第5条第1項の規定による指示に係る共同行為の内容が第6条第1号から第3号までの規定に適合するものでなくなつたと認めるときは、主務大臣に対し、第7条第1項の規定による変更又は取消しを求めることができる。
 主務大臣は、第8条の2第1項の承認の申請を受理した場合において、必要があると認めるときは、その申請書の写しを公正取引委員会に送付するものとする。
《追加》昭58法053
 主務大臣は、前項の規定により申請書の写しを公正取引委員会に送付した場合において、当該申請に係る事業提携計画について第8条の2第1項の承認をしようとするときは、公正取引委員会に対し、その旨を通知し、並びに当該事業提携計画に係る特定産業に属する事業者の経営の状況その他の事業活動の状況、当該事業提携計画に定める事業提携に係る競争の状況及び当該事業提携の実施が当該競争に及ぼす影響に関する事項について意見を述べるものとする。
《追加》昭58法053
 公正取引委員会は、前項の規定による通知に係る事業提携計画について、主務大臣に対し、必要な意見を述べるものとする。
《追加》昭58法053
 公正取引委員会は、前項の規定により意見を述べた事業提携計画であつて主務大臣が第8条の2第1項の承認をしたものに定めるところに従つてする行為につき当該承認後私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定に違反する事実があると思料するときは、その旨を主務大臣に通知するものとする。
《追加》昭58法053
 主務大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、公正取引委員会に対し、当該承認後の経済的事情の変化に即して第5項に規定する事項について意見を述べることができる。
《追加》昭58法053
 主務大臣は、第7項の規定による通知を受けた場合において、当該通知に係る事業提携計画が第8条の3第2項に規定する場合に該当することとなるときは、当該事業提携計画につき、同項に規定する措置をとるものとする。
《追加》昭58法053

第3章 特定産業信用基金

《章名改正》昭58法053

第1節 総則

(目的)
第13条 特定産業信用基金は、特定産業における計画的な設備の処理を促進するため、これに必要な資金等の借入れに係る債務を保証して、その資金等の融通を円滑にすることを目的とする。
《改正》昭58法053
(法人格)
第14条 特定産業信用基金(以下「基金」という。)は、法人とする。
《改正》昭58法053
(数)
第15条 基金は、一を限り、設立されるものとする。
(資本金)
第16条 基金の資本金は、その設立に際し、日本開発銀行及び日本開発銀行以外の者が出資する額の合計額とする。
 基金は、必要があるときは、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
(持分の払戻し等の禁止)
第17条 基金は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
 基金は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
(持分の譲渡等)
第18条 日本開発銀行以外の出資者は、その持分を譲渡することができる。
 日本開発銀行以外の出資者の持分の移転は、譲受者について第52条第2項各号に掲げる事項を出資者原簿に記載した後でなければ、基金その他の第三者に対抗することができない。
(名称)
第19条 基金は、その名称中に特定産業信用基金という文字を用いなければならない。
《改正》昭58法053
 基金でない者は、その名称中に特定産業信用基金という文字を用いてはならない。
《改正》昭58法053
(登記)
第20条 基金は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第21条 民法(明治29年法律第89号)第44条(法人の不法行為能力)及び第50条(法人の住所)の規定は、基金について準用する。

第2節 設立

(発起人)
第22条 基金を設立するには、産業又は金融に関し学識経験を有する者15人以上が発起人となることを必要とする。
 発起人は、定款及び事業計画書を作成し、日本開発銀行以外の者に対し基金に対する出資を募集しなければならない。
 前項の事業計画書に記載すべき事項は、大蔵省令・通商産業省令で定める。
(設立の認可等)
第23条 発起人は、前条第2項の規定による募集が終わつたときは、定款及び事業計画書を大蔵大臣及び通商産業大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
第24条 大蔵大臣及び通商産業大臣は、設立の認可をしようとするときは、前条の規定による認可の申請が次の各号に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
1.設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合するものであること。
2.定款又は事業計画書に虚偽の記載がないこと。
3.事業の運営が健全に行われ、製造業における計画的な設備の処理の促進に寄与することが確実であると認められること。
 大蔵大臣及び通商産業大臣は、前項の規定により認可をしたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、基金の理事長又は監事となるべき者を指名する。
 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、基金の設立の時において、それぞれ第30条第1項の規定により理事長又は監事に任命されたものとする。
(事務の引継ぎ)
第25条 前条第2項の規定により理事長となるべき者が指名されたときは、発起人は、遅滞なく、その事務を理事長となるべき者に引き継がなければならない。
 理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、日本開発銀行及び出資の募集に応じた日本開発銀行以外の者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
(設立の登記)
第26条 理事長となるべき者は、前条第2項の規定による出資金の払込みがあつたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
 基金は、設立の登記をすることによつて成立する。

第3節 管理

(定款記載事項)
第27条 基金の定款には、次の事項を記載しなければならない。
1.目的
2.名称
3.事務所の所在地
4.資本金、出資及び資産に関する事項
5.役員に関する事項
6.評議員会に関する事項
7.業務及びその執行に関する事項
8.財務及び会計に関する事項
9.定款の変更に関する事項
10.公告の方法
 基金の定款の変更は、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員)
第28条 基金に、役員として、理事長1人、理事3人以内及び監事2人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第29条 理事長は、基金を代表し、その業務を総理する。
 理事は、定款で定めるところにより、理事長を補佐して基金の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
 監事は、基金の業務を監査する。
(役員の任命)
第30条 理事長及び監事は、大蔵大臣及び通商産業大臣が任命する。
 理事は、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
(役員の任期)
第31条 役員の任期は、3年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第32条 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
(役員の解任)
第33条 大蔵大臣及び通商産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
 大蔵大臣及び通商産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
1.心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
2.職務上の義務違反があるとき。
 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第34条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、大蔵大臣及び通商産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第35条 基金と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が基金を代表する。
(評議員会)
第36条 基金に、その運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置く。
 評議員会は、評議員20人以内で組織する。
 評議員は、産業又は金融に関し学識経験を有する者のうちから、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
(職員の任命)
第37条 基金の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第38条 基金の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第4節 業務

(業務)
第39条 基金は、第13条の目的を達成するため、次の業務を行う。
1.特定産業における計画的な設備の処理のため必要な資金及び当該設備の処理に伴つて必要となる資金の借入れに係る債務の保証
2.前号の業務に附帯する業務
《改正》昭58法053
 前項第1号の債務の保証は、特定産業に属する事業者が構造改善基本計画に従つて行う設備の処理のため必要な資金及び当該設備の処理に伴つて必要となる資金並びに当該設備の処理を行う事業者に対し支払う補償金の支払に必要な資金(当該資金を負担する者がある場合における当該負担金の拠出に必要な資金を含む。)の借入れについて行う。
《改正》昭58法053
 基金は、第16条第1項の規定により出資された金額及び同条第2項の認可を受けた場合において出資された金額と基金が負担する保証債務の弁済に充てることを条件として日本開発銀行以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額(大蔵省令・通商産業省令で定めるところにより、毎事業年度の損益計算上利益又は損失を生じたときは、その利益又は損失の額により増加し又は減少した金額)をもつて第1項第1号の業務の資金に充てるものとする。
(業務の委託)
第40条 基金は、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、その業務(債務の保証の決定を除く。)の一部を日本開発銀行その他の金融機関に委託することができる。
 日本開発銀行その他の金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
 第1項の規定により業務の委託を受けた金融機関の役員又は職員で、当該委託業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(業務方法書)
第41条 基金は、業務の開始前に、業務方法書を作成し、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 前項の業務方法書には、第39条第1項第1号の業務の方法その他の大蔵省令・通商産業省令で定める事項を定めておかなければならない。

第5節 財務及び会計

(事業年度)
第42条 基金の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
(予算等の認可)
第43条 基金は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表)
第44条 基金は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に大蔵大臣及び通商産業大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
 基金は、前項の規定により財務諸表を大蔵大臣及び通商産業大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
(書類の送付)
第45条 基金は、第43条又は前条第1項に規定する認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る予算、事業計画及び資金計画に関する書類又は財務諸表を出資者に送付しなければならない。
(借入金)
第46条 基金は、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
(余裕金の運用)
第47条 基金は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
1.国債その他大蔵大臣及び通商産業大臣の指定する有価証券の保有
2.資金運用部への預託
3.第39条第1項第1号の資金の貸付けを行う金融機関(大蔵大臣及び通商産業大臣の指定するものに限る。)で基金との契約に従つて大蔵大臣及び通商産業大臣の指定する条件で当該貸付けを行うものへの預金
4.前号に掲げるもののほか、銀行その他大蔵大臣及び通商産業大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
5.信託業務を行う銀行又は信託会社への金銭信託
《改正》昭58法053
(給与及び退職手当の支給の基準)
第48条 基金は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、大蔵大臣及び通商産業大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(省令への委任)
第49条 この法律に規定するもののほか、基金の財務及び会計に関し必要な事項は、大蔵省令・通商産業省令で定める。

第6節 監督

(監督)
第50条 基金は、大蔵大臣及び通商産業大臣が監督する。
 大蔵大臣及び通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、基金に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第51条 大蔵大臣又は通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、基金に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に基金の事務所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 大蔵大臣又は通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、基金から業務の委託を受けた者(以下「受託者」という。)に対し、その委託を受けた業務に関し、報告をさせ、又はその職員に受託者の事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前2項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
 第1項又は第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第7節 補則

(出資者原簿)
第52条 基金は、出資者原簿を備えて置かなければならない。
 出資者原簿には、各出資者について次の事項を記載しなければならない。
1.氏名又は名称及び住所
2.出資の引受け及び出資金の払込みの年月日又は出資者の持分の譲受けの年月日
3.出資額又は出資者の持分の譲受け額(以下「出資額」という。)
 出資者は、出資者原簿の閲覧を求めることができる。
(解散)
第53条 基金は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額に応じて分配しなければならない。
 前項の規定により各出資者に分配することができる金額は、その出資額を限度とする。
 第1項の規定による分配の結果なお残余財産があるときは、その財産は、国庫に帰属する。
 前3項に規定するもののほか、基金の解散については、別に法律で定める。
(主務大臣との協議)
第54条 大蔵大臣及び通商産業大臣は、次の場合には、主務大臣(大蔵大臣及び通商産業大臣を除く。)に協議しなければならない。
1.第41条第1項の認可をしようとするとき。
2.第43条の認可をしようとするとき。

第4章 雑則

(報告の徴収)
第55条 主務大臣は、第1章又は第2章の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定産業に属する事業者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
《改正》昭58法053
(都道府県知事の意見の申出)
第56条 都道府県知事は、構造改善基本計画に従つて行われる設備の処理、事業提携その他の措置が当該都道府県における地域経済に著しい悪影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認められるときは、主務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
《改正》昭58法053
(連絡及び協力)
第57条 主務大臣及び労働大臣は、第2章の規定の施行に当たつては、特定産業に係る労働者の雇用に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
《改正》昭58法053
(主務大臣等)
第58条 この法律における主務大臣は、当該特定産業を所管する大臣とする。ただし、第2条第2項から第4項までの規定における主務大臣は、当該製造業を所管する大臣とする。
《改正》昭58法053
 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

第5章 罰則

第59条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした基金又は受託者の役員又は職員は、100,000円以下の罰金に処する。
1.第51条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
2.第51条第2項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第60条 第55条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、100,000円以下の罰金に処する。
第61条 第8条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、100,000円以下の罰金に処する。
第62条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。
第63条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした基金の役員は、100,000円以下の過料に処する。
1.第3章の規定により大蔵大臣及び通商産業大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
2.第20条第1項の規定による政令に違反して登記することを怠つたとき。
3.第39条第1項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
4.第47条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
5.第50条第2項の規定による大蔵大臣及び通商産業大臣の命令に違反したとき。
第64条 第19条第2項の規定に違反した者は、50,000円以下の過料に処する。

附 則

(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(この法律の廃止)
第2条 この法律は、昭和63年6月30日までに廃止するものとする。
《改正》昭58法053
(経過措置)
第3条 この法律の施行の際現にその名称中に特定不況産業信用基金という文字を用いている者については、第19条第2項の規定は、この法律の施行後6月間は、適用しない。
第4条 基金の最初の事業年度は、第42条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。
第5条 基金の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第43条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「基金の成立後遅滞なく」とする。
(基金に対する日本開発銀行の出資)
第6条 日本開発銀行は、日本開発銀行法(昭和26年法律第108号)第18条第1項の規定にかかわらず、大蔵大臣の認可を受けて、基金に出資することができる。
 前項の規定により日本開発銀行が出資する場合における日本開発銀行法第18条の2第2項並びに第51条第2号及び第4号の規定の適用については、同法第18条の2第2項中「出資」とあるのは「出資及び特定産業構造改善臨時措置法(以下「構造改善法」という。)附則第6条第1項の規定により行う出資」と、同法第51条第2号中「場合」とあるのは「場合及び構造改善法附則第6条第1項の規定により大蔵大臣の認可を受けなければならない場合」と、同条第4号中「規定する業務」とあるのは「規定する業務並びに構造改善法附則第6条第1項の規定による出資」とする。
《改正》昭58法053
(地方税法の一部改正)
第7条 地方税法(昭和25年法律第226号)の一部を次のように改正する。
第72条の5第1項第4号中
「林業信用基金」の下に「、特定不況産業信用基金」を加える。
(所得税法の一部改正)
第8条 所得税法(昭和40年法律第33号)の一部を次のように改正する。
別表第1号の表中特定業種退職金共済組合の項の次に次のように加える。
特定不況産業信用基金特定不況産業安定臨時措置法(昭和53年法律第44号)
(法人税法の一部改正)
第9条 法人税法(昭和40年法律第34号)の一部を次のように改正する。
別表第2第1号の表中特定業種退職金共済組合の項の次に次のように加える。
特定不況産業信用基金特定不況産業安定臨時措置法(昭和53年法律第44号)
(印紙税法の一部改正)
第10条 印紙税法(昭和42年法律第23号)の一部を次のように改正する。
別表第3中情報処理振興事業協会等に関する法律(昭和45年法律第90号)第28条第1項第4号及び第5号(業務の範囲)の業務に関する文書の項の次に次のように加える。
特定不況産業安定臨時措置法(昭和53年法律第44号)第39条第1項第1号(業務)の業務に関する文書特定不況産業信用基金
(大蔵省設置法の一部改正)
第11条 大蔵省設置法(昭和24年法律第144号)の一部を次のように改正する。
第12条第1項第9号中
「中央漁業信用基金」の下に「、特定不況産業信用基金」を加える。
(通商産業省設置法の一部改正)
第12条 通商産業省設置法(昭和27年法律第275号)の一部を次のように改正する。
第9条第3号の次に次の1号を加える。
3の2.特定不況産業信用基金に関すること。