振動規制法
昭和51・6・10・法律 64号
改正平成6・6・24・法律 42号−−
改正平成7・4・21・法律 75号−−
改正平成11・5・21・法律 50号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成12・5・31・法律 91号−−
改正平成15・6・18・法律 92号−−
改正平成16・6・9・法律 94号−−
第1条 この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる振動について必要な規制を行うとともに、道路交道振動に係る要請の措置を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。
第2条 この法律において「特定施設」とは、工場又は事業場に設置される施設のうち、著しい振動を発生する施設であつて政令で定めるものをいう。
2 この法律において「規制基準」とは、特定施設を設置する工場又は事業場(以下「特定工場等」という。)において発生する振動の特定工場等の敷地の境界線における大きさの許容限度をいう。
3 この法律において「特定建設作業」とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい振動を発生する作業であつて政令で定めるものをいう。
4 この法律において「道路交通振動」とは、自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)
第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。)が道路を通行することに伴い発生する振動をいう。
第3条 都道府県知事は、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の地域で振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認めるものを指定しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、関係市町村長の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
3 都道府県知事は、第1項の規定による指定をするときは、環境省令で定めるところにより、公示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。
第4条 都道府県知事は、前条第1項の規定による指定をするときは、環境大臣が特定工場等において発生する振動について規制する必要の程度に応じて昼間、夜間その他の時間の区分及び区域の区分ごとに定める基準の範囲内において、当該指定に係る地域について、これらの区分に対応する時間及び区域の区分ごとの規制基準を定めなければならない。
2 市町村は、前条第1項の規定により指定された地域(以下「指定地域」という。)の全部又は一部について、当該地域の自然的、社会的条件に特別の事情があるため、前項の規定により定められた規制基準によつては当該地域の住民の生活環境を保全することが十分でないと認めるときは、条例で、環境大臣の定める範囲内において、同項の規制基準に代えて適用すべき規制基準を定めることができる。
3 前条第3項の規定は、第1項の規定による規制基準の設定並びにその変更及び廃止について準用する。
第5条 指定地域内に特定工場等を設置している者は、当該特定工場等に係る規制基準を遵守しなければならない。
第6条 指定地域内において工場又は事業場(特定施設が設置されていないものに限る。)に特定施設を設置しようとする者は、その特定施設の設置の工事の開始の日の30日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
2.工場又は事業場の名称及び所在地
3.特定施設の種類及び能力ごとの数
4.振動の防止の方法
5.特定施設の使用の方法
6.その他環境省令で定める事項
2 前項の規定による届出には、特定施設の配置図その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
第7条 一の地域が指定地域となつた際現にその地域内において工場若しくは事業場に特定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下この項において同じ。)又は一の施設が特定施設となつた際現に指定地域内において工場若しくは事業場(その施設以外の特定施設が設置されていないものに限る。)にその施設を設置している者は、当該地域が指定地域となつた日又は当該施設が特定施設となつた日から30日以内に、環境省令で定めるところにより、前条第1項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
2 前条第2項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
第8条 第6条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る
第6条第1項第3号から第5号に掲げる事項の変更をしようとするときは、当該事項の変更に係る工事の開始の日の30日前までに、環境省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
2 第6条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、当該特定工場等に設置している特定施設以外の施設が特定施設となつたときは、当該特定施設以外の施設が特定施設となつた日から30日以内に、環境省令で定めるところにより、
第6条第1項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
3 第6条第2項の規定は、前2項の規定による届出について準用する。
第9条 市町村長は、
第6条第1項又は
前条第1項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る特定工場等において発生する振動が規制基準に適合しないことによりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、その届出を受理した日から30日以内に限り、その届出をした者に対し、その事態を除去するために必要な限度において、振動の防止の方法又は特定施設の使用の方法若しくは配置に関する計画を変更すべきことを勧告することができる。
第10条 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る
第6条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又はその届出に係る特定工場等に設置する特定施設のすべての使用を廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。
第11条 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者からその届出に係る特定工場等に設置する特定施設のすべてを譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。
2 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者について相続、合併又は分割(その届出に係る特定工場等に設置する特定施設のすべてを承継させるものに限る。)があつたときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該特定施設のすべてを承継した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
3 前2項の規定により
第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から30日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。
第12条 市町村長は、指定地域内に設置されている特定工場等において発生する振動が規制基準に適合しないことによりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれていると認めるときは、当該特定工場等を設置している者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要を限度において、振動の防止の方法を改善し、又は特定施設の使用の方法若しくは配置を変更すべきことを勧告することができる。
2 市町村長は、
第9条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定施設を設置しているとき、又は前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、期限を定めて、その勧告に従うべきことを命ずることができる。
3 前2項の規定は、
第7条第1項の規定による届出をした者の当該届出に係る特定工場等については、同項に規定する指定地域となつた日又は同項に規定する特定施設となつた日から3年間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、4年間)は、適用しない。ただし、当該地域が指定地域となつた際又は当該施設が特定施設となつた際その者に適用されている地方公共団体の条例の規定で第1項の規定に相当するものがあるとき、及びその者が
第8条第1項の規定による届出をした場合において当該届出が受理された日から30日を経過したときは、この限りでない。
第13条 市町村長は、小規模の事業者に対する
第9条又は
前条第1項若しくは第2項の規定の適用に当たつては、その者の事業活動の遂行に著しい支障を生ずることのないよう当該勧告又は命令の内容について特に配置しなければならない。
第14条 指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、この限りでない。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
2.建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類
3.特定建設作業の種類、場所、実施期間及び作業時間
4.振動の防止の方法
5.その他環境省令で定める事項
2 前項ただし書の場合において、当該建設工事を施工する者は、速やかに、同項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
3 前2項の規定による届出には、当該特定建設作業の場所の付近の見取図その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
第15条 市町村長は、指定地域内において行われる特定建設作業に伴つて発生する振動が環境省令で定める基準に適合しないことによりその特定建設作業の場所の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、当該建設工事を施工する者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、振動の防止の方法を改善し、又は特定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告することができる。
2 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定建設作業を行つているときは、期限を定めて、その勧告に従うべきことを命ずることができる。
3 市町村長は、当該施設又は工作物に係る建設工事の工期が遅延することによつて公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのあるときは、当該施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業について前2項の規定による勧告又は命令を行うに当たつては、生活環境の保全に十分留意しつつ、当該建設工事の実施に著しい支障を生じないよう配慮しなければならない。
第16条 市町村長は、
第19条の測定を行つた場合において、指定地域内における道路交通振動が環境省令で定める限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境か著しく損なわれていると認めるときは、道路管理者に対し当該道路の部分につき道路交通振動の防止のための舗装、維持又は修繕の措置を執るべきことを要請し、又は都道府県公安委員会に対し道路交通法(昭和35年法律第105号)の規定による措置を執るべきことを要請するものとする。
2 環境大臣は、前項の環境省令を定めようとするときは、あらかじめ、国家公安委員会に協議しなければならない。
3 道路管理者は、第1項の要請があつた場合において、道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。
第17条 市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定施設を設置する者若しくは特定建設作業を伴う建設工事を施工する者に対し、特定施設の状況、特定建設作業の状況その他必要な事項の報告を求め、又はその職員に、特定施設を設置する者の特定工場等若しくは特定建設作業を伴う建設工事を施工する者の建設工事の場所に立ち入り、特定施設その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第18条 電気事業法(昭和39年法律第170号)
第2条第1項第16号に規定する電気工作物、ガス事業法(昭和29年法律第51号)
第2条第13項に規定するガス工作物又は鉱山保安法(昭和24年法律第70号)第13条第1項の経済産業省令で定める施設(同法第2条第2項ただし書に規定する附属施設に設置されるものを除く。)である特定施設を設置する者については、
第6条から第11条までの規定並びに第12条第2項及び第13条の規定(第9条に係る部分に限る。)を適用せず、電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の相当規定の定めるところによる。
2 前項に規定する法律に基づく権限を有する国の行政機関の長(以下この条において単に「行政機関の長」という。)は、
第6条、
第8条第1項、
第10条又は
第11条第3項の規定に相当する電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の規定による前項に規定する特定施設に係る許可若しくは認可の申請又は届出があつたときは、その許可若しくは認可の申請又は届出に係る事項のうちこれらの規定による届出事項に該当する事項を当該特定施設の所在地を管轄する市町村長に通知するものとする。
3 市町村長は、第1項に規定する特定施設を設置する特定工場等において発生する振動によりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、行政機関の長に対し、当該特定施設について、
第9条又は
第12条第2項(
第9条に係る部分に限る。)の規定に相当する電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の規定による措置を執るべきことを要請することができる。
4 行政機関の長は、前項の規定による要請があつた場合において講じた措置を当該市町村長に通知するものとする。
5 市町村長は、第1項に規定する特定施設について、第12条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による命令(同条第1項の規定による勧告に係るものに限る。)をしようとするときは、あらかじめ、行政機関の長に協議しなければならない。
第19条 市町村長は、指定地域について、振動の大きさを判定するものとする。
第20条 都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、特定施設、特定建設作業又は道路交通振動の状況に関する資料の送付その他の協力を求め、又は振動の防止に関し意見を述べることができる。
第21条 国は、特定工場等において発生する振動及び特定建設作業に伴つて発生する振動の防止のための施設の設置又は改善につき必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。
第22条 国は、振動を発生する施設の改良のための研究、振動の生活環境に及ぼす影響の研究その他振動の防止に関する研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。
第23条 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市(特別区を含む。)の長が行うこととすることができる。
第24条 この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設置される特定工場等において発生する振動に関し、当該地域の自然的、社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。
2 この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設置される工場若しくは事業場であつて特定工場等以外のもの又は指定地域内において建設工事として行われる作業であつて特定建設作業以外のものについて、その工場若しくは事業場において発生する振動又はその作業に伴つて発生する振動に関し、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。
第25条 第12条第2項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第26条 第6条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は
第15条第2項の規定による命令に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
第27条 第7条第1項、
第8条第1項若しくは第2項若しくは
第14条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は
第17条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、10万円以下の罰金に処する。
第28条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第29条 第10条、
第11条第3項又は
第14条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、3万円以下の過料に処する。
