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漁船船主責任保険臨時措置法

  昭和51・6・1・法律 45号==
改正昭和53・7・5・法律 87号--(施行=昭53年7月5日)
失効昭和56・5・1・法律 31号--(昭56年9月30日)

第1章 総 則

(趣旨)
第1条 この法律は、漁船の運航に伴つて生ずることのある漁船の所有者又は借受人の費用及び責任等を漁業経営の安定を図る見地から適切に保険する制度の確立に資するため、漁船保険組合による漁船船主責任保険事業等及び漁船保険中央会によるこれらの事業に係る保険責任についての再保険事業を試験的に実施するための必要な措置を定めるものとする。
(定義)
第2条 この法律において「漁船」とは、漁船損害補償法(昭和27年法律第28号)第3条第1項に規定する漁船をいう。
 この法律において「漁船船主責任保険」とは、戦争、変乱その他農林水産省令で定める特殊な事由によるものを除き、漁船の所有者又は借受人が、その所有し、借り受け、若しくは用船し、若しくは回航を請け負う漁船の運航に伴つて生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、又は当該漁船の運航に伴つて生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害をてん補する保険をいう。
《改正》昭53法087
 この法律において「漁船乗組船主保険」とは、漁船の所有者又は借受人であつてその所有し又は借り受ける漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴つて死亡その他の農林水産省令で定める事故が生じた場合に一定の金額を支払う保険をいう。
《改正》昭53法087

第2章 漁船保険組合の漁船船主責任保険事業等

(漁船船主責任保険事業等)
第3条 漁船保険組合は、漁船損害補償法第4条の規定により漁船保険事業を行うほか、この法律で定めるところにより、漁船船主責任保険事業及び漁船乗組船主保険事業を行うことができる。ただし、漁船乗組船主保険事業は、漁船船主責任保険事業と併せて行うのでなければ、これを行うことができない。
(認可)
第4条 漁船保険組合は漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、事業計画及び漁船船主責任保険約款又は漁船乗組船主保険約款を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
《改正》昭53法087
 漁船保険組合は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その事業計画及び漁船船主責任保険約款又は漁船乗組船主保険約款につき、総会又は総代会の議決を経なければならない。
 第1項の認可は、漁船保険組合が行う漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業が第1条に規定する制度の確立に資することとなるように効率的に行われることを旨としてしなければならない。
(事業計画の遵守)
第5条 前条第1項の認可を受けた漁船保険組合(以下「認可組合」という。)は、その事業計画に従つて漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業を行わなければならない。
(事業計画等の変更)
第6条 認可組合は、その事業計画又は漁船船主責任保険約款若しくは漁船乗組船主保険約款を変更しようとするときは、その変更につき、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
《改正》昭53法087
 第4条第2項及び第3項の規定は、前項の認可について準用する。
(認可の取消し)
第7条 農林水産大臣は、認可組合が漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業に係る業務又は会計につき法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は漁船船主責任保険約款若しくは漁船船主責任保険約款に違反したときは、第4条第1項の認可を取り消すことができる。
《改正》昭53法087
(被保険者の資格)
第8条 漁船船主責任保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は借受人(これらの者が当該漁船以外の漁船を用船し又は当該漁船以外の漁船につき回航を請け負う者であるときは、漁船船主責任保険約款で定める要件に該当する場合に限る。)とする。
 漁船乗組船主保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は借受人であつてその所有し又は借り受ける漁船の乗組員であるものとする。
(保険契約者の資格)
第9条 漁船船主責任保険の保険契約を認可組合との間に締結することができる者は、漁船の所有者又は借受人であつて次の各号のいずれかに該当する者であるものとし、当該保険契約の成立によつて被保険者となる者に限るものとする。
1.当該認可組合の組合員(漁船損害補償法第96条第2項(同条第3項及び同法第96条の2第3項において準用する場合を含む。)又は同法第96条の3第2項の規定により組合員とみなされる者を含む。次号において同じ。)
2.当該認可組合の組合員以外の者であって、当該認可組合の区域内にその者の住所又は当該漁船の主たる根拠地があるもの
 漁船乗組船主保険の保険契約を認可組合との間に締結することができる者は、漁船乗組船主保険の被保険者たる資格を有する者であつて前項各号のいずれかに該当する者であるものとし、当該保険契約の成立によって被保険者となる者に限るものとする。
(漁船乗組船主保険の保険契約の締結の制限)
第10条 認可組合は、漁船船主責任保険を申し込む者が併せて漁船乗組船主保険を申し込む場合又は漁船船主責任保険を当該認可組合との間で締結している者(第12条の規定によりその者の当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者を含む。)が漁船乗組船主保険を申し込む場合でなければ、その者と漁船乗組船主保険の保険契約を締結してはならない。
(保険契約の成立)
第11条 漁船船主責任保険の保険契約又は漁船乗組船主保険の保険契約は、当該保険契約を認可組合との間に締結することができる者から当該認可組合が保険料(漁船船主責任保険約款又は漁船乗組船主保険約款の定めるところに従い保険料の分割支払がされる場合にあつては、保険料のうちその第1回の支払に係るもの)を受け取つた時に成立する。
(漁船船主責任保険の保険関係に関する権利義務の承継)
第12条 漁船船主責任保険の保険契約に係る漁船の譲受人は、認可組合に通知して、譲渡人が当該漁船に係る当該保険関係に関して有する権利義務を承継することができる。,ただし、認可組合が、正当な事由により、当該通知を受けた後直ちに当該譲受人に通知してその承継を拒んだときは、この限りでない。
 前項の規定は、漁船船主責任保険の保険契約に係る漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があつた場合について準用する。
(保険期間)
第13条 漁船船主責任保険の保険期間及び漁船乗組船主保険の保険期間は、それぞれ1年とする。ただし、認可組合は、農林水産省令で定めるところにより、漁船船主責任保険約款又は漁船乗組船主保険約款で別段の定めをすることができる。
《改正》昭53法087
(純保険料率)
第14条 漁船船主責任保険の純保険料率及び漁船乗組船主保険の純保険料率は、認可組合が、漁船船主責任保険の保険責任及び漁船乗組船主保険の保険責任に係る危険の態様を勘案して、漁船船主責任保険約款及び漁船乗組船主保険約款でそれぞれ定める割合とする。
(認可組合の責任)
第15条 認可組合は、漁船船主責任保険においては、戦争、変乱その他第2条第2項の農林水産省令で定める特殊な事由によるものを除き、漁船の所有者又は借受人が、その所有し、借り受け、若しくは用船し、若しくは回航を請け負う漁船の運航に伴つて生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、又は当該漁船の運航に伴つて生じた損害つき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害をてん補する。
《改正》昭53法087
 認可組合は、漁船乗組船主保険においては、漁船の所有者又は借受人であつてその所有し又は借り受ける漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴つて死亡その他の第2条第3項の農林水産省令で定める事故が生じた場合に一定の金額を支払う。
《改正》昭53法087
 前2項の規定によりてん補すべき損害の範囲及び支払うべき金額の基準に関して必要な事項は、農林水産省令で定める。
《改正》昭53法087
(経理の区分)
第16条 認可組合は、漁船損害補償法第105条の2の規定によるほか、漁船船主責任保険事業と漁船乗組船主保険事業とを区分して経理するとともに、これらの事業を他の事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第17条 漁船損害補償法第44条第内項及び第5項の規定は、漁船船主責任保険約款一又は漁船乗組船主保険約款について準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
 漁船損害補償法第51条、第93条から第95条まで、第97条から第104条まで及び第107条から第109条まで並びに商法、(明治32年法律第48号)第644条、第645条、第647条、第648条、第652条、第662条及び第663条の規定は、漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業について準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
 認可組合が漁船船主責任保険事業又は漁船乗組船主保険事業を行う場合における漁船損害補償法第85条及び第86条第1項の規定の適用については、同法第85条第1項中「又は定款」とあるのは「、定款、漁船船主責任保険約款又は漁船乗組船主保険約款」と、同条第2項及び同法第86条第1項中「若しくは定款」とあるのは「、定款、漁船船主責任保険約款若しくは漁船乗組船主保険約款」とする。

第3章 漁船保険中央会の再保険事業

(再保険事業)
第18条 漁船保険中央会(以下「中央会」という。)は、漁船損害補償法第132条に規定する事業のほか、この法律で定めるところにより、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険に係る再保険事業を行うことができる。
(認可)
第19条 中央会は、前条の再保険事業を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、再保険約款を定め、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
《改正》昭53法087
 中央会は、前項の認可の申請をするには、あらかじめ、その再保険約款につき、総会の議決を経なければならない。
 第6条第1項及び前項の規定は再保険約款の変更について、第7条の規定は第1項の認可の取消しについて、それぞれ準用する。
(再保険契約の当然成立)
第20条 漁船船主責任保険の保険契約又は漁船乗組船主保険の保険契約が認可組合と保険契約者との間に成立したときは、中央会と当該認可組合との間に、当該保険契約により認可組合が負う保険責任を再保険する再保険契約が成立するものとする。
(純再保険料)
第21条 純再保険料率は、中央会がその再保険責任に係る危険の態様を勘案して再保険約款で定める割合とする。
(経理の区分)
第22条 中央会は、第18条の再保険事業につき漁船船主責任保険に係るものと漁船乗組船主保険に係るものとを区分して経理するとともに、その再保険事業を他の事業と区分して経理しなければならない。
(漁船損害補償法及び商法の準用等)
第23条 漁船損害補償法第44条第4項及び第5項の規定は、再保険約款について準用する。この場合において「これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
 漁船損害補償法第51条、第107条第1項、第108条、第109条、第118条及び第119条から第121条まで並びに商法第662条及び第663条の規定は、第18条の再保険事業について準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
 中央会が第18条の再保険事業を行う場合における漁船損害補償法第138条第7項において準用する同法第85条及び第86条第1項の規定の適用については、同法第85条第1項中「又は定款」とあるのは「、定款又は再保険約款」と、同条第2項及び同法第86条第1項中「若しくは定款」とあるのは「、定款若しくは再保険約款」とする。

第4章 雑則

(国の援助)
第24条 国は、この法律による漁船船主責任保険事業及び漁船乗組船主保険事業並びに再保険事業の適切な実施を確保するため、認可組合及び中央会に対し、必要な助言、指導その他の援助を行うように努めるものとする。
(報告の徴収)
第25条 農林水産大臣は、この法律の施行の状況を明らかにするため必要があると認めるときは、認可組合又は中央会から報告を徴収することができる。
《改正》昭53法087
(印紙税の非課税)
第26条 この法律による漁船船主責任保険及び漁船船主責任保険に係る再保険に関する書類には、印紙税を課さない。

第5章 罰則

第27条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした認可組合又は中央会の役員は、1万円以下の過料に処する。
1.第16条又は第22条の規定に違反したとき。
2.第17条第2項又は第23条第2項において準用する漁船損害補償法第108条又は第109条の規定に違反したとき。

附 則

 この法律は、昭和51年10月1日から施行する。
 この法律は、施行の日から起算して5年を超えない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。
 この法律の失効に伴い必要な経過措置は、別に法律で定める。
 農林省設置法(昭和24年法律第153号)の一部を次のように改正する。
第77条第8号中
「及び漁船積荷保険」を「、漁船積荷保険、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険」に改める。
 船主相互保険組合法(昭和25年法律第177号)の一部を次のように改正する。
第8条本文中
「基いて」を「基づいて」に改め、
同項ただし書中
「但し、」を「ただし、特別の法律に基づいて設立された法人で特別の法律の規定に基づいてこれを行うもの及び」に、
「基いて」を「基づいて」に改める。