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賃金の支払の確保等に関する法律

【目次】
  昭和51・5・27・法律 34号==
改正昭和55・11・19・法律 85号--
改正昭和59・5・8・法律 25号--
改正平成10・9・30・法律112号--
改正平成11・7・16・法律 87号--
改正平成11・12・22・法律160号--(施行=平13年1月6日)
改正平成12・11・22・法律124号--
改正平成14・5・31・法律 54号--
改正平成16・6・2・法律 76号--(施行=平17年1月1日)
改正平成19・4・23・法律 30号--(施行=平19年4月23日)
改正平成19・4・23・法律 30号--(施行=平22年1月1日)
改正平成22・3・31・法律 15号--(施行=平22年10月1日)

第1章 総 則

(目的)
第1条 この法律は、景気の変動、産業構造の変化その他の事情により企業経営が安定を欠くに至つた場合及び労働者が事業を退職する場合における賃金の支払等の適正化を図るため、貯蓄金の保全措置及び事業活動に著しい支障を生じたことにより賃金の支払を受けることが困難となつた労働者に対する保護措置その他賃金の支払の確保に関する措置を講じ、もつて労働者の生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「賃金」とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)第11条に規定する賃金をいう。
 この法律において「労働者」とは、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。
《改正》平10法112

第2章 貯蓄金及び賃金に係る保全措置等

(貯蓄金の保全措置)
第3条 事業主(国及び地方公共団体を除く。以下同じ。)は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、厚生労働省令で定める場合を除き、毎年3月31日における受入預金額(当該事業主が受け入れている預金の額をいう。以下この条において同じ。)について、同日後1年間を通ずる貯蓄金の保全措置(労働者ごとの同日における受入預金額につき、その払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約の締結その他の当該受入預金額の払戻しの確保に関する措置で、厚生労働省令で定めるものをいう。)を講じなければならない。
《改正》平11法160
(貯蓄金の保全措置に係る命令)
第4条 労働基準監督署長は、前条の規定に違反して事業主が貯蓄金の保全措置を講じていないときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対して、期限を指定して、その是正を命ずることができる。
《改正》平11法160
(退職手当の保全措置)
第5条 事業主(中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号)第2条第3項に規定する退職金共済契約を締結した事業主その他の厚生労働省令で定める事業主を除く。)は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額について、第3条の厚生労働省令で定める措置に準ずる措置を講ずるようで努めなければならない。
《改正》平11法160
(退職労働者の賃金に係る遅延利息)
第6条 事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。
 前項の規定は、賃金の支払の遅滞が天災地変その他のやむを得ない事由で厚生労働省令で定めるものによるものである場合には、その事由の存する期間について適用しない。
《改正》平11法160

第3章 未払賃金の立替払事業

(未払賃金の立替払)
第7条 政府は、労働者災害補償保険の適用事業に該当する事業(労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第8条の規定の適用を受ける事業にあつては、同条の規定の適用がないものとした場合における事業をいう。以下この条において同じ。)の事業主(厚生労働省令で定める期間以上の期間にわたつて当該事業を行つていたものに限る。)が破産手続開始の決定を受け、その他政令で定める事由に該当することとなつた場合において、当該事業に従事する労働者で政令で定める期間内に当該事業を退職したものに係る未払賃金(支払期日の経過後まだ支払われていない賃金をいう。以下この条及び次条において同じ。)があるときは、民法(明治29年法律第89号)第474条第1項ただし書及び第2項の規定にかかわらず、当該労働者(厚生労働省令で定める者にあつては、厚生労働省令で定めるところにより、未払賃金の額その他の事項について労働基準監督署長の確認を受けた者に限る。)の請求に基づき、当該未払賃金に係る債務のうち政令で定める範囲内のものを当該事業主に代わつて弁済するものとする。
《改正》平11法160
《改正》平16法076
《改正》平19法030
(返還等)
第8条 偽りその他不正の行為により前条の規定による未払賃金に係る債務の弁済を受けた者がある場合には、政府は、その者に対し、弁済を受けた金額の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、当該偽りその他不正の行為により弁済を受けた金額に相当する額以下の金額を納付することを命することができる。
 前項の場合において、事業主が偽りの報告又は証明をしたため当該未払賃金に係る債務が弁済されたものであるときは、政府は、その事業主に対し、当該未払賃金に係る債務の弁済を受けた者と連帯して、同項の規定による返還又は納付を命ぜられた金額の納付を命ずることができる。
 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第27条及び第41条の規定は、前2項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額について準用する。
《改正》平22法015
 政府は、第1項又は第2項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の返還又は納付に係る事務の実施に関して必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、第1項の規定に該当する者(同項の規定に該当すると認められる者を含む。)又は事業主に対し、未払賃金の額、賃金の支払状況その他の事項についての報告又は文書の提出を命ずることができる。
《改正》平11法160
(労働者災害補償保険法との関係)
第9条 この章に規定する事業は、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条第1項第3号に掲げる事業として行う。
《改正》平12法124
《改正》平19法030

第4章 雑 則

(労働基準監督署長及び労働基準監督官)
第10条 労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる
《改正》平11法160
第11条 労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の規定による司法警察員の職務を行う。
(報告等)
第12条 都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、別に定めるものを除くほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業主、労働者その他の関係者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
《改正》平11法087
《改正》平11法160
(資料の提供等)
第12条の2 都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、この法律の施行に関し、関係行政機関又は公私の団体に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
《追加》平19法030
 前項の規定による協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は、できるだけその求めに応じなければならない。
《追加》平19法030
(立入検査)
第13条 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
 労働基準監督署長は、第7条の確認をするため必要があると認めるときは、その職員に同条の事業主の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件の検査をさせることができる。
 前2項の場合において、労働基準監督官及び前項の職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 第1項及び第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(労働者の申告)
第14条 労働者は、事業主にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。
《改正》平11法087
 事業主は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
(厚生労働省令への委任)
第15条 この法律に定めるもののほか、第7条の請求の手続その他この法律の施行に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
《改正》平11法160
(船員に関する特例)
第16条 船員法(昭和22年法律第100号)の適用を受ける船員に関しては、この法律に規定する都道府県労働局長若しくは労働基準監督署長又は労働基準監督官の権限に属する事項は、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)又は船員労務官が行うものとし、この法律(第7条第8条第4項及び前条の規定を除く。)中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省」と、第7条中「厚生労働省令で定める者」とあるのは「厚生労働省令・国土交通省令で定める者」と、「厚生労働省令で定めるところにより」とあるのは「厚生労働省令・国土交通省令で定めるところにより」と、前条中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令(前章に規定する事項については、厚生労働省令)」とする。
《改正》平11法087
《改正》平11法160
《改正》平12法124
《改正》平14法054
《改正》平19法030
《改正》平19法030

第5章 罰 則

第17条 事業主が第14条第2項の規定に違反したときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
第18条 事業主が第4条の規定による命令に違反したときは、30万円以下の罰金に処する。
第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
1.第8条第4項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した者
2.第12条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
3.第13条第1項又は第2項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第20条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第17条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

附 則

(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日から施行する。ただし、第3章の規定並びに附則第3条及び附則第8条の規定並びにこの法律(第2章、第3章及び次条から附則第8条までを除く。)の規定中第3章に係る部分は、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(昭和51年法律第32号)附則第1条第1項第3号に定める日から施行する。
昭和51年10月1日・昭和52年4月1日(昭51政237)
(遅延利息に関する経過措置)
第2条 第6条の規定は、同条の規定の施行の日以後に労働者が退職した場合について適用する。
(未払賃金の立替払に関する経過措置)
第3条 第7条の規定は、附則第1条ただし書に規定する日以後に第7条の事業主が破産の宣告を受け、その他同条の政令で定める事由に該当することとなつた場合について適用する。
(労働基準法の一部改正)
第4条 労働基準法の一部を次のように改正する。
第15条第1項に後段として次のように加える。
この場合において、賃金に関する事項については、命令で定める方法により明示しなければならない。

第118条の次に次の1条を加える。
第118条の2 第18条第1項又は第37条の規定に違反した者は、6箇月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第119条中
「左の」を「次の」に改め、
同条第1号中
「、第18条第1項」を削り、
「第36条但書、第37条」を「第36条ただし書」に、
「第61条乃至第63条」を「第61条から第63条まで」に、
「第75条乃至第77条」を「第75条から第77条まで」に改め、
同条第3号及び第4号中
「基いて」を「基づいて」に改め、
同条の次に次の1条を加える。
第119条の2 第18条第7項、第23条(賃金の支払及び貯蓄金の返還に係る部分に限る。)又は第24条から第26条までの規定に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。

第120条中
「左の」を「次の」に改め、
同条第1号中
「、第18条第7項」を削り、
「第23条乃至」を「第23条(賃金の支払及び貯蓄金の返還に係る部分を除く。)、」に、
「第33条第1項但書、第57条乃至第59条」を「第33条第1項ただし書、第57条から第59条まで」に、
「第106条乃至第109条」を「第106条から第109条まで」に改め、
同条第2号中
「基いて」を「基づいて」に改める。
(労働基準法の一部改正に伴う経過措置)
第5条 前条の規定の施行の日前にした同条の規定による改正前の労働基準法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(船員法の一部改正)
第6条 船員法の一部を次のように改正する。
第129条の次に次の1条を加える。
第129条の2 船舶所有者が第34条第1項又は第67条第2項の規定に違反したときは、6箇月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第130条中
「、第34条第1項」を削り、
「第44条の2第1項第2項、第44条の3第1項第3項、第45条乃至第47条」を「第44条の2第1項若しくは第2項、第44条の3第1項若しくは第3項、第45条から第47条まで」に改め、
「、第67条第2項」を削り、
「第81条第1項乃至第3項」を「第81条第1項から第3項まで」に、
「第91条乃至第94条」を「第91条から第94条まで」に、
「基いて」を「基づいて」に改め、
同条の次に次の1条を加える。
第130条の2 船舶所有者が次の各号の一に該当する場合には、10万円以下の罰金に処する。
1.第34条第2項、第53条、第54条又は第56条の規定に違反したとき。
2.第34条第4項の規定による船員の請求にかかわらず、貯蓄金を返還しなかつたとき。

第131条中
「左の」を「次の」に改め、
同条第1号中
「、第34条第2項、第53条、第54条、第56条」を削り、
「第83条第1項第2項」を「第83条第1項若しくは第2項」に改め、
同条第2号を削り、
同条第3号を同条第2号とする。
(船員法の一部改正に伴う経過措置)
第7条 前条の規定の施行の日前にした同条の規定による改正前の船員法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(労働福祉事業団法の一部改正)
第8条 労働福祉事業団法(昭和32年法律第126号)の一部を次のように改正する。
第19条第1項第1号中
「設置及び運営」の下に「、賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)第3章に規定する事業(同法第8条に規定する業務を除く。)」を加え、
同条第2項中
「に掲げる施設」を「に規定する施設その他同号に規定する事業に係る施設」に改める。
(社会保険労務士法の一部改正)
第9条 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)の一部を次のように改正する。
別表第1第21号の前に次の1号を加える。
20の9.賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)
(運輸省設置法の一部改正)
第10条 運輸省設置法(昭和24年法律第157号)の一部を次のように改正する。
第57条に次の1項を加える。
 前項に定めるもののほか、船員労働委員会は、運輸大臣の諮問に応じて賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)の施行又は改正に関する事項(船員に係るものに限る。)を調査審議する。
(労働省設置法の一部改正)
第11条 労働省設置法(昭和24年法律第162号)の一部を次のように改正する。
第4条第24号の次に次の1号を加える。
24の2.賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)に基づいて、事業主、労働者その他の関係者に必要な事項を報告させ、又は出頭させること。

第8条第1項第14号中
「ものの外」を「もののほか」に改め、
「労働基準法」の下に「、賃金の支払の確保等に関する法律」を加え、
同条第3項中
「同項第14号に掲げる事務のうち」の下に「賃金の支払の確保等に関する法律(第3条及び第4条の規定を除く。)、」を加える。

第13条第1項の表中央労働基準審議会の項中
「労働基準法」の下に「、賃金の支払の確保等に関する法律」を加える。

第15条第1項中
「労働安全衛生法」を「賃金の支払の確保等に関する法律(これに基づく命令を含む。)、労働安全衛生法」に改める。

第16条第1項の表地方労働基準審議会の項中
「労働基準法」の下に「、賃金の支払の確保等に関する法律」を加える。

第17条第1項中
「労働安全衛生法」を「賃金の支払の確保等に関する法律(これに基づく命令を含む。)、労働安全衛生法」に改める。