生産緑地法
昭和49・6・1・法律 68号
改正平成2・6・29・法律 62号−−
改正平成3・4・26・法律 39号−−
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
第1条 この法律は、生産緑地地区に関する都市計画に関し必要な事項を定めることにより、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境の形成に資することを目的とする。
第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1.農地等
現に農業の用に供されている農地若しくは採草放牧地、現に林業の用に供されている森林又は現に漁業の用に供されている池沼(これらに隣接し、かつ、これらと一体となつて農林漁業の用に供されている農業用道路その他の土地を含む。)をいう。
2.公共施設等
公園、線地その他の政令で定める公共の用に供する施設及び学校、病院その他の公益性が高いと認められる施設で政令で定めるものをいう。
3.生産緑地
第3条第1項の規定により定められた生産緑地地区の区域内の土地又は森林をいう。
4.地方公共団体等
地方公共団体及び土地開発公社その他の政令で定める法人をいう。
第2条の2 国及び地方公共団体は、公園、緑地その他の公共空地の整備の現況及び将来の見通しを勘案して、都市における農地等の適正な保全を図ることにより良好な都市環境の形成に資するよう努めなければならない。
第3条 市街化区域(都市計画法(昭和43年法律第100号)
第7条第1項の規定による市街化区域をいう。)内にある農地等で、次に掲げる条件に該当する一団のものの区域については、都市計画に生産緑地地区を定めることができる。
1.公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること。
2.500平方メートル以上の規模の区域であること。
3.用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められるものであること。
2 生産緑地地区に関する都市計画の案については、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)
第106条第3項又は農住組合法(昭和55年法律第86号)
第88条第2項の規定による要請があつた土地の区域に係るものを除き、当該生産緑地地区内の農地等(土地区画整理法(昭和29年法律第119号)
第98条第1項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法
第83条において準用する場合を含む。)の規定により仮換地として指定された農地等にあつては、当該農地等に対応する従前の土地)について所有権、対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権又は登記した永小作権、先取特権、質権若しくは抵当権を有する者及びこれらの権利に関する仮登記、これらの権利に関する差押えの登記又はその農地等に関する買戻しの特約の登記の登記名義人の同意を得なければならない。
3 生産緑地地区に関する都市計画を定めるに当たつては、当該生産緑地地区に係る農地等及びその周辺の地域における幹線街路、下水道等の主要な都市施設の整備に支障を及ぼさないようにし、かつ、当該都市計画区域内における土地利用の動向、人口及び産業の将来の見通し等を勘案して、合理的な土地利用に支障を及ぼさないようにしなければならない。
第6条 市町村は、生産緑地地区に関する都市計画が定められたときは、その地区内に、これを表示する標識を設置しなければならない。
2 当該生産緑地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
3 何人も、第1項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。
4 市町村は、第1項の規定による行為により損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
5 前項の規定による損失の補償については、市町村長と損失を受けた者が協議しなければならない。
6 前項の規定による協議が成立しない場合においては、市町村長又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和26年法律第219号)
第94条第2項の規定による裁決を申請することができる。
第7条 生産緑地について使用又は収益をする権利を有する者は、当該生産緑地を農地等として管理しなければならない。
2 生産緑地について使用又は収益をする権利を有する者は、市町村長に対し、当該生産緑地を農地等として管理するため必要な助言、土地の交換のあつせんその他の援助を求めることができる。
第8条 生産緑地地区内においては、次に掲げる行為は、市町村長の許可を受けなければ、してはならない。ただし、公共施設等の設定若しくは管理に係る行為、当該生産緑地地区に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為又は非常災害のため必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。
1.建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
2.宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更
3.水面の埋立て又は干拓
2 市町村長は、前項各号に掲げる行為のうち、次に掲げる施設で当該生産緑地において農林漁業を営むために必要となるものの設置又は管理に係る行為で生活環境の悪化をもたらすおそれがないと認めるものに限り、同項の許可をすることができる。
1.農産物、林産物又は水産物の生産又は集荷の用に供する施設
2.農林漁業の生産資材の貯蔵又は保管の用に供する施設
3.農産物、林産物又は水産物の処理又は貯蔵に必要な共同利用施設
4.農林漁業に従事する者の休憩施設
5.前各号に掲げるもののほか、政令で定める施設
3 市町村長は、第1項の許可の申請があつた場合において、当該生産緑地の保全のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付けることができる。
4 生産緑地地区内において公共施設等の設定又は管理に係る行為で第1項各号に掲げるものをしようとする者は、あらかじめ、市町村長にその旨を通知しなければならない。
5 生産緑地地区に関する都市計画が定められた際当該生産緑地地区内において既に第1項各号に掲げる行為に着手している者は、その都市計画が定められた日から起算して30日以内に、市町村長にその旨を届け出なければならない。
6 生産緑地地区内において非常災害のため必要な応急措置として第1項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して14日以内に、市町村長にその旨を届け出なければならない。
7 市町村長は、第4項の規定による通知又は第5項若しくは前項の規定による届出があつた場合において、当該生産緑地の保全のため必要があると認めるときは、通知又は届出をした者に対して、必要な助言又は勧告をすることができる。
8 国の機関又は地方公共団体が行う第2項各号に掲げる施設の設置又は管理に係る第1項各号に掲げる行為については、同項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、市町村長に協議しなければならない。
9 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるものについては、第1項から第7項まで及び前項後段の規定は、適用しない。
第9条 市町村長は、前条第1項の規定に違反した者又は同条第3項の規定により許可に付けられた条件に違反した者がある場合においては、これらの者又はこれらの者から当該土地若しくは建築物その他の工作物についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、当該生産緑地の保全に対する障害を排除するため必要な限度において、その原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
2 前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、市町村長は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、市町村長又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第10条 生産緑地(生産緑地のうち土地区画整理法
第98条第1項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法
第83条において準用する場合を含む。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地。この項後段において同じ。)の所有者は、当該生産緑地に係る生産緑地地区に関する都市計画についての都市計画法
第20条第1項(同法
第21条第2項において準用する場合を含む。)の規定による告示の日から起算して30年を経過したとき、又は当該告示後に当該生産緑地に係る農林漁業の主たる従事者(当該生産緑地に係る農林漁業の業務に、当該業務につき国土交通省令で定めるところにより算定した割合以上従事している者を含む。)が死亡し、若しくは農林漁業に従事することを不可能にさせる故障として国土交通省令で定めるものを有するに至つたときは、市町村長に対し、国土交通省令で定める様式の書面をもつて、当該生産緑地を時価で買い取るべき旨を申し出ることができる。この場合において、当該生産緑地が他人の権利の目的となつているときは、
第12条第1項又は第2項の規定による買い取る旨の通知書の発送を条件として当該権利を消滅させる昏の当該権利を有する者の書面を添付しなければならない。
第11条 市町村長は、前条の規定による申出があつたときは、次項の規定により買取りの相手方が定められた場合を除き、特別の事情がない限り、当該生産緑地を時価で買い取るものとする。
2 市町村長は、前条の規定による申出があつたときは、当該生産緑地の買取りを希望する地方公共団体等のうちから当該生産緑地の買取りの相手方を定めることができる。この場合において、当該生産緑地の周辺の地域における公園、緑地その他の公共空地の整備の状況及び土地利用の状況を勘案して必要があると認めるときは、公園、緑地その他の公共空地の敷地の用に供することを目的として買取りを希望する者を他の者に優先して定めなければならない。
第12条 市町村長は、前条第2項の規定により買取りの相手方が定められた場合を除き、
第10条の規定による申出があつた日から起算して1月以内に、当該生産緑地を時価で買い取る旨又は買い取らない旨を書面で当該生産緑地の所有者に通知しなければならない。
2 前条第2項の規定により買取りの相手方として定められた者は、前項に規定する期間内に、当該生産緑地を時価で買い取る旨を書面で当該生産緑地の所有者及び市町村長に通知しなければならない。
3 前2項の規定により買い取る旨の通知がされた場合における当該生産緑地の時価については、買い取る旨の通知をした者と生産緑地の所有者とが協議して定める。
4 第6条第6項の規定は、前項の場合について準用する。
第13条 市町村長は、生産緑地について、前条第1項の規定により買い取らない旨の通知をしたときは、当該生産緑地において農林漁業に従事することを希望する者がこれを取得できるようにあつせんすることに努めなければならない。
第14条 第10条の規定による申出があつた場合において、その申出の日から起算して3月以内に当該生産緑地の所有権の移転(相続その他の一般承継による移転を除く。)が行われなかつたときは、当該生産緑地については、
第7条から
第9条までの規定は、適用しない。
第15条 生産緑地の所有者は、
第10条の規定による申出ができない場合であつても、疾病等により農林漁業に従事することが困難である等の特別の事情があるときは、市町村長に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該生産緑地の買取りを申し出ることができる。
2 市町村長は、前項の規定による申出がやむを得ないものであると認めるときは、当該生産緑地を自ら買い取ること又は地有公共団体等若しくは当該生産緑地において農林漁業に従事することを希望する者がこれを取得できるようにあつせ人することに努めなければならない。
第16条 第11条第1項若しくは前条第2項の規定により、又は
第12条第2項の規定により生産緑地を買い取つた市町村長又は地方公共団体等は、当該生産緑地をこの法律の目的に従つて適切に管理しなければならない。
第17条 市町村長は、生産緑地の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、
第8条第1項の許可を受けた者又はその者から当該土地若しくは建築物その他の工作物についての権利を承継した者に対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 市町村長は、
第8条第1項若しくは第3項又は
第9条第1項の規定による処分をするため必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員に、生産緑地若しくは生産緑地地区内の建物に立ち入り、その状況を調査させ、又は
第8条第1項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、若しくはこれらの行為が当該生産緑地の保全に及ぼす影響を調査させることができる。
3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第17条の2 市町村長は、生産緑地(農地又は採草放牧地に限る。以下この条において同じ。)について使用又は収益をする権利を有する者からの求めに応じて当該生産緑地を農地等として管理するため必要な助言、土地の交換のあつせんその他の援助を行う場合及び農業に従事することを希望する者が生産緑地を取得できるようにあつせんを行う場合には、農業委員会に協力を求めることができる。
第17条の3 この法律の規定に基づき政令又は国土交通省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は国土交通省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第18条 第9条第1項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第19条 次の各号の一に該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2.
第8条第3項の規定により許可に付けられた条件に違反した者
第20条 次の各号の一に該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
2.
第17条第1項の規定により報告を求められて、これに従わず、又は虚偽の報告をした者
3.
第17条第2項の規定による立入調査又は立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
