熱供給事業法
昭和47・6・22・法律 88号
改正昭和58・12・10・法律 83号−−
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成9・4・9・法律 33号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・8・6・法律121号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成12・5・31・法律 91号−−
改正平成16・6・9・法律 94号−−
改正昭和58・12・10・法律 83号−−
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成9・4・9・法律 33号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・8・6・法律121号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成12・5・31・法律 91号−−
改正平成16・6・9・法律 94号−−
第1章 総 則
第1条 この法律は、熱供給事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、熱供給を受ける者の利益を保護するとともに、熱供給事業の健全な発達を図り、並びに熱供給施設の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保することを目的とする。
第2条 この法律において「熱供給」とは、加熱され、若しくは冷却された水又は蒸気を導管により供給することをいう。
2 この法律において「熱供給事業」とは、一般の需要に応じ熱供給を行なう事業(使用するボイラーその他の政令で定める設備の能力が政令で定める基準以上のものに限り、もつぱら一の建物内の需要に応じ熱供給を行なうものを除く。)をいう。
3 この法律において「熱供給事業者」とは、次条の許可を受けた者をいう。
4 この法律において「熱供給施設」とは、熱供給事業の用に供されるボイラー、冷凍設備、循環ポンプ、整圧器、導管その他の設備であつて、熱供給事業を営む者の管理に属するものをいう。
第2章 事業の許可
第3条 熱供給事業を営もうとする者は、供給区域ごとに、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
第4条 前条の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所
2.供給区域
3.熱供給施設に関する次の事項
イ ボイラー、冷凍設備その他の政令で定める設備にあつては、その設置の場所、種類及び能力
ロ 経済産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内における水又は蒸気の温度及び圧力
2 前項の申請書には、事業計画書その他経済産業省令で定める書類を添附しなければならない。
第5条 経済産業大臣は、第3条の許可の申請が次の各号(その申請が地方公共団体によつてされたものであるときは、第1号第4号及び第5号)に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
1.その熱供給事業の開始が一般の需要に適合すること。
2.その熱供給事業の熱供給施設の能力がその供給区域における熱供給に対する需要に応ずることができるものであること。
3.その熱供給事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
4.その熱供給事業の計画が確実かつ合理的であること。
5.その他その熱供給事業の開始がその供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進のため必要であり、かつ、適切であること。
第6条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、3年以内において経済産業大臣が指定する期間(新住宅市街地開発法(昭和38年法律第134号)による新住宅市街地開発事業の施行に伴い熱供給施設を設置する場合であつて、その設置に特に長期間を要すると認められるときは、経済産業大臣が指定する期間)内に、熱供給施設を設置し、その事業を開始しなければならない。
2 経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、供給区域又は熱供給施設を区分して前項の規定による指定をすることができる。
3 経済産業大臣は、地方公共団体以外の熱供給事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第1項の規定により指定した期間を延長することができる。
4 熱供給事業者は、その事業(第2項の規定により供給区域を区分して第1項の規定による指定があつたときは、その区分に係る事業)を開始したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第7条 熱供給事業者は、第4条第1項第2号又は第3号の事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、同項第3号の事項の変更であつて、経済産業省令で定める軽微なものをしようとするときは、この限りでない。
2 熱供給事業者は、前項ただし書の経済産業省令で定める変更をしたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 第5条の規定は、第1項の許可に準用する。
4 前条の規定は、第1項の場合(供給区域の減少の場合を除く。)に準用する。
第8条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、その氏名若しくは名称又は住所に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第9条 熱供給事業の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 熱供給事業者たる法人(地方公共団体を除く。)の合併及び分割(熱供給事業の全部を承継させるものに限る。次条第1項において同じ。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、熱供給事業者たる法人が熱供給事業者でない法人を合併する場合は、この限りでない。
3 第5条第3号の規定は、前2項の認可に準用する。
第10条 熱供給事業の全部の譲渡しがあり、又は熱供給事業者について相続、合併若しくは分割があつたときは、熱供給事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該熱供給事業の全部を承継した法人は、当該熱供給事業者の地位を承継する。
2 前項の規定により熱供給事業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第11条 熱供給事業者は、経済産業大臣の許可を受けなければ、熱供給事業の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 熱供給事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 経済産業大臣は、熱供給事業の休止若しくは廃止又は熱供給事業者たる法人の解散により当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便が著しく害され、又は害されるおそれがあると認めるときは、第1項の許可又は前項の認可をしてはならない。
4 経済産業大臣は、前3項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその熱供給事業者に送付しなければならない。
第3章 業 務
第13条 熱供給事業者は、正当な理由がなければ、何人に対しても、その供給区域における熱供給を拒んではならない。
2 熱供給事業者は、その供給区域に係る熱供給施設を使用してその供給区域以外の地域において、一般の需要に応じ熱供給を行なつてはならない。
第14条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、熱供給の料金その他の供給条件について供給規程を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 経済産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
1.料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。
2.料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。
3.熱供給事業者及び熱供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、熱量計その他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
4.特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
3 地方公共団体たる熱供給事業者は、熱供給の料金その他の供給条件について供給規程を定め、あらかじめ、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
4 前項の供給規程は、第2項各号に適合するものでなければならない。
5 熱供給事業者は、第1項の認可を受けた供給規程(第16条第2項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)又は第3項の規定による届出をした供給規程をその実施の日までに熱供給を受ける者に周知させる措置をとらなければならない。
第15条 地方公共団体以外の熱供給事業者は、前条第1項の認可を受けた供給規程(次条第2項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)以外の供給条件により熱供給を行なつてはならない。ただし、供給規程により難い特別の事情がある場合において、経済産業大臣の認可を受けた料金その他の供給条件により熱供給を行なうときは、この限りでない。
2 前項の規定は、地方公共団体たる熱供給事業者に準用する。この場合において、同項ただし書中「経済産業大臣の認可を受けた」とあるのは、「あらかじめ、経済産業大臣に届け出たJと読み替えるものとする。
第16条 経済産業大臣は、熱供給の料金その他の供給条件が社会的経済的事情により著しく不適当となり、当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進に支障があると認めるときは、地方公共団体以外の熱供給事業者に対し、相当の期限を定め、第14条第1項の認可を受けた供給規程(次項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、供給規程を変更することができる。
第17条 熱供給事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その供給する水又は蒸気の温度及び圧力を測定し、その結果を記録しておかなければならない。
第18条 経済産業大臣は、第14条第5項の規定による供給規程の周知の措置が適切でないときその他地方公共団体以外の熱供給事業者の業務の方法が適切でないため、当該供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進に支障があると認めるときは、その熱供給事業者に対し、業務の方法を改善すべきことを命ずることができる。
第19条 熱供給事業者は、勘定科目の分類その他の会計に関する手続について経済産業省令で定めるところにより、その会計を整理しなければならない。
第4章 保 安
第20条 熱供給事業者は、熱供給施設を経済産業省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
2 経済産業大臣は、熱供給施設が前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、当該熱供給事業者に対し、その技術上の基準に適合するように熱供給施設を修理し、改造し、若しくは移転すべきことを命じ、又はその熱供給施設の使用の一時停止若しくは使用の制限を命ずることができる。
第21条 熱供給事業者は、熱供給事業の用に供する導管の設置又は変更の工事であつて経済産業省令で定めるものをしようとするときは、その工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該導管が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 前項の規定は、同項の規定による届出をした工事の計画の変更(経済産業省令で定める軽微なものを除く。)をしようとする場合に準用する。
3 第1項(前項において準用する場合を含む、)の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から30日を経過した後でなければ、その届出に係る工事を開始してはならない。
4 経済産業大臣は、第1項(第2項において準用する場合を含む。)の規定による届出のあつた工事の計画が次項各号の規定に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
5 経済産業大臣は、第1項(第2項において準用する場合を含む。)の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号に適合していないと認めるときは、その届出を受理した日から30日以内に限り、当該熱供給事業者に対し、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。
第22条 熱供給事業者は、前条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定による届出をして設置又は変更の工事をする導管(その工事の計画について、同条第5項の規定による命令があった場合において同条第2項において準用する同条第1項の規定による届出をしていないものを除く。)について、経済産業省令で定めるところにより、その使用の開始前に、自主検査を行い、その結果を記録しておかなければならない。
2 前項の検査においては、その導管が次の各号のいずれにも適合していることを確認しなければならない。
1.その工事が前条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定による届出をした工事の計画(同条第2項の経済産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
2.第20条第1項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
第23条 熱供給事業者は、熱供給施設の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、経済産業省令で定めるところにより、保安規程を定め、事業(第21条第1項に規定する工事を伴うものにあつては、その工事)の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 熱供給事業者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、熱供給施設の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、熱供給事業者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。
4 熱供給事業者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。
第5章 雑 則
第25条 許可又は認可には、条件を附し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
第26条 削除
第27条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、熱供給事業者に対しその業務に関し、第24条に規定する者に対し同条の経済産業省令で定める場所に設置される同条に規定する導管の保安に関し、それそれ報告をさせることができる。
第28条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に熱供給事業者又は第24条に規定する者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、熱供給施設、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第29条 第12条第1項から第3項までの規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
2 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法(平成5年法律第88号)第17条第1項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
第30条 この法律の規定による処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定は、その処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による意見の聴取をした後にしなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事実の内容を示さなければならない。
3 第1項の意見の聴取に際しては、その処分に係る者及び利害関係人に対し、その事実について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第31条 熱供給事業者の熱供給に関し苦情のある者は、経済産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。
2 経済産業大臣は、前項の申出があつたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない。
第32条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第33条 この法律に規定する経済産業大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第33条の2 この法律の規定により経済産業大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、経済産業局長又は産業保安監督部長に委任することができる。
第6章 罰 則
第34条 熱供給施設を損壊し、その他熱供給施設の機能に障害を与えて熱供給を妨害した者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 みだりに熱供給施設を操作して熱供給を妨害した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3 熱供給事業に従事する者が正当な理由がないのに熱供給施設の維持又は運行の業務を取り扱わず、熱供給に障害を生ぜしめたときも、前項と同様とする。
4 第1項及び第2項の未遂罪は、罰する。
第35条 第3条の規定に違反して熱供給事業を営んだ者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第36条 次の各号の一に該当する者は、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第37条 次の各号の一に該当する者は、300万円以下の罰金に処する。
第38条 次の各号の一に該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
第39条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
第40条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第35条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。