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特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法

  昭和46・3・31・法律 17号  
失効附則第2項--(施行=昭53年3月31日)
(目的)
第1条 この法律は、特定電子工業及び特定機械工業について、生産技術の向上及び生産の合理化を促進することにより、その振興を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与し、あわせて国民生活の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「電子機器」とは、電子管、半導体素子その他これらに類似する部品を使用することにより電子の運動の特性を応用する機械器具並びに主としてこれに使用される部品及び材料をいう。
 この法律において「機械」とは、機械器具(電子機器であるものを除く。)及び主としてこれに使用される部品(部品の半製品を含む。以下同じ。)をいう。
(高度化計画)
第3条 主務大臣は、次に掲げる事業について、その生産技術の向上又は生産の合理化を促進するうえでの基本となるべき事項に関する計画(以下「高度化計画」という。)を定めなければならない。
一 電子機器を製造する事業のうち、次に掲げるもの(以下「特定電子工業」という。)
イ わが国において生産技術が確立されていないか又はその水準が外国の水準に比べて著しく低い電子機器のうち、生産技術に関する試験研究(試作を含む。以下同じ。)を特に促進する必要があるものであつて政令で定めるものを製造する事業
ロ わが国において工業生産が行なわれていないか又は生産数量が著しく少ない電子機器のうち、工業生産の開始又は生産数量の増加を特に促進する必要があるものであつて政令で定めるものを製造する事業
ハ 性能又は品質の改善、生産費の低下その他生産の合理化を特に促進する必要がある電子機器であつて政令で定めるものを製造する事業
二 機械を製造する事業のうち、次に掲げるもの(以下「特定機械工業」という。)
イ 危害の防止若しくは生活環境の保全若しくは新技術の企業化、省力化その他の事業活動の方式の改善又は機械を製造する事業の基盤の強化(以下「危害の防止等」という。)に資するため、生産技術に関する試験研究を特に促進する必要がある機械であつて政令で定めるものを製造する事業
ロ 危害の防止等に資するため、性能又は品質の改善、生産費の低下その他生産の合理化を特に促進する必要がある機械であつて政令で定めるものを製造する事業
 高度化計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 前項第1号イの特定電子工業及び同項第2号イの特定機械工業にあつては、イの事項及び必要に応じロ又はハの事項
イ 試験研究の内容及びその完成の目標年度
ロ 試験研究に必要な資金に関する事項
ハ その他試験研究の促進に関する重要事項
二 前項第1号ロの特定電子工業にあつては、イの事項及び必要に応じロからニまでの事項
イ 工業生産の開始の目標年度又は目標年度における生産数量
ロ 新たに設置すべき設備の種類及び数量
ハ 工業生産の開始又は生産数量の増加に必要な資金に関する事項
ニ その他工業生産の開始又は生産数量の増加の促進に関する重要事項
三 前項第1号ハの特定電子工業及び同項第2号ロの特定機械工業にあつては、イの事項及び必要に応じロからホまでの事項
イ 目標年度における性能又は品質、生産費その他合理化の目標
ロ 新たに設置すべき設備の種類及び数量
ハ 適正な生産の規模又は事業の共同化若しくは生産すべき品種の専門化に関する事項
ニ 合理化に必要な資金に関する事項
ホ その他合理化の促進に関する重要事項
 高度化計画には、機械に電子計算機その他の電子機器を組み合わせることによる自動制御化その他の機械の性能の向上(以下単に「機械の自動制御化等」という。)の促進について、特に配慮が払われていなければならない。
 主務大臣は、第1項の規定により高度化計画を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
(計画の変更)
第4条 主務大臣は、特定電子工業又は特定機械工業(以下「特定電子工業等」という。)に関する技術の著しい進歩又は生産条件その他経済事情の著しい変動のため特に必要があると認めるときは、高度化計画を変更しなければならない。
 前条第4項の規定は、前項の場合に準用する。
(資金の確保)
第5条 政府は、高度化計画に定める所要の資金について、その確保又は融通のあつせんに努めるものとする。
(共同行為の実施に関する指示)
第6条 主務大臣は、第3条第1項第1号ハの特定電子工業又は同項第2号ロの特定機械工業(以下「合理化関係特定電子工業等」という。)に関して、当該事業に係る高度化計画に定める合理化の目標を達成するため特に必要があると認めるときは、当該事業を営む者に対し、規格の制限又は技術の制限に係る共同行為を実施すべきことを指示することができる。
 主務大臣は、合理化関係特定電子工業等のうち、生産の合理化を促進しなければ国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあるものに関して、当該事業に係る高度化計画に定める合理化の目標を達成するためやむを得ない必要があると認めるときは、当該事業を営む者に対し、次の事項に係る共同行為を実施すべきことを指示することができる。
一 品種の制限(規格の制限を除く。)
二 部品又は原材料の購入方法
三 生産施設の利用
 主務大臣は、第1項に規定する規格の制限に係る共同行為をもつてしては第3条第1項第1号ハの政令で定める電子機器又は同項第2号ロの政令で定める機械(以下「合理化関係電子機器等」という。)の規格の制限をすることが困難である場合において、特に必要があると認めるときは、その合理化関係電子機器等を部品又は材料として使用して電子機器又は機械(以下「電子機器等」という。)を製造する事業(合理化関係特定電子工業等を除く。以下この項及び第16条において同じ。)を営む者に対し、その使用する合理化関係電子機器等の規格の制限に係る共同行為を実施すべきことを指示することができる。ただし、その合理化関係電子機器等を部品又は材料として使用して電子機器等を製造する事業の合理化に資すると認められないときは、この限りでない。
 前3項の規定による指示は、共同行為をすべき期間及び共同行為の内容を定めて、告示により行なう。
(共同行為の内容)
第7条 前条第1項から第3項までに規定する共同行為の内容は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 高度化計画に定める合理化の目標を達成するため必要な程度をこえないこと。
二 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
三 不当に差別的でないこと。
(共同行為の指示の変更等)
第8条 主務大臣は、第6条第1項から第3項までの規定による指示に係る共同行為の内容が前条各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、その指示を変更し、又は取り消さなければならない。
 第6条第4項の規定は、前項の場合に準用する。
(共同行為の届出)
第9条 第6条第1項から第3項までの規定による指示(前条第1項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)を受けた者は、その指示に従つて共同行為をしたときは、遅滞なく、主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。
(規格の制限に関する命令)
第10条 主務大臣は、第6条第1項の規定により規格の制限に係る共同行為を実施すべきことを指示した場合において、次の各号に該当するときは、当該指示に係る合理化関係特定電子工業等を営む者に対し、当該指示の内容に従つて合理化関係電子機器等の規格を制限すべきことを主務省令で命ずることができる。
一 当該指示に従つて共同行為を実施している者の当該合理化関係電子機器等の生産額が当該合理化関係電子機器等の総生産額に対し相当の比率を占めているとき。
二 当該指示に係る合理化関係特定電子工業等を営む者であつて共同行為を実施していないものの事業活動が当該事業に係る高度化計画に定める合理化の目標を達成するのに著しく障害となつているとき。
三 第6条第3項の規定による指示によつては、当該合理化関係電子機器等の規格の制限をすることができないか又は著しく困難であるとき。
四 第2号に規定する状態が継続することは、当該合理化関係特定電子工業等の生産方式の改善に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるとき。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第11条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)の規定は、第6条第1項から第3項までの規定による指示に従つてする共同行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるときは、この限りでない。
(公正取引委員会との関係)
第12条 主務大臣は、第6条第1項から第3項までの規定による指示をしようとするときは、公正取引委員会に協議しなければならない。
 主務大臣は、第8条第1項の規定による処分をしたとき、又は第9条の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
(勧告)
第13条 主務大臣は、合理化関係特定電子工業等を営む者が当該事業に係る高度化計画に定めるところに従つて事業の共同化又は生産すべき品種の専門化(以下「事業共同化等」という。)を実施していると認められ、かつ、その事業共同化等を実施している者の当該合理化関係電子機器等の生産額が当該合理化関係電子機器等の総生産額に対し相当の比率を占めている場合において、その事業共同化等を実施している者以外の者が大規模な当該事業の開始又は当該事業の大規模な拡大をすることがその事業共同化等の実施に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認めるときは、当該事業の開始又は拡大をしようとする者に対し、その事業共同化等に参加し、又は事業の開始の時期、事業の拡大の時期若しくは事業の規模を変更すべきことを勧告することができる。
 前項の規定による勧告の内容は、当該事業に係る高度化計画に定める合理化の目標を達成するため必要な程度をこえないものであり、かつ、一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないものでなければならない。
 主務大臣は、第1項の規定による勧告をしようとするときは、当該事業の開始又は拡大をしようとする者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(合併等の場合の課税の特例)
第14条 主務大臣は、特定電子工業等を営む者に対し、次の各号の一に該当するときは、政令で定めるところにより、当該各号に規定する合併、出資又は法人の設立が当該特定電子工業等を営む者の生産規模の拡大、生産方式の改善、生産技術の著しい向上又は機械の自動制御化等に関する技術的能力の向上に寄与するものであり、かつ、当該特定電子工業等に係る高度化計画に定める目標を達成するため必要なものである旨の承認をすることができる。
一 特定電子工業等を営む者が電子機器等を製造する事業を営む他の法人と合併するとき。
二 特定電子工業等を営む者が特定電子工業等を営む他の法人に対して出資するとき。
三 特定電子工業等を営む者が電子機器等を製造する事業を営む他の者とともに出資して特定電子工業等を営む法人を設立するとき。
 主務大臣は、前項第2号又は第3号に規定する出資をする特定電子工業等を営む法人に対し同項の承認をする場合には、政令で定めるところにより、当該法人に対し、当該出資に係る資産が当該出資を受ける法人又は当該出資に基づいて設立される法人の営む特定電子工業等の用に供するため必要なものである旨の承認をあわせてすることができる。
 第1項の承認を受けた法人が政令で定める期間内に当該承認を受けたところに従つて合併した場合には、当該法人の当該合併に係る清算所得については、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)で定めるところにより、法人税を軽減し、又は免除する。
 第1項及び第2項の承認を受けた法人が政令で定める期間内に第2項の承認に係る資産を出資した場合には、当該出資に係る益金の額に相当する金額は、租税特別措置法で定めるところにより、当該出資の日を含む事業年度の法人税法(昭和40年法律第34号)の規定による所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
 第1項の承認に係る合併後存続する法人若しくは当該合併により設立した法人又は当該承認に係る出資を受けた法人若しくは当該出資に基づいて設立された法人が当該承認に係る次の事項について受ける登記については、租税特別措置法で定めるところにより、登録免許税を軽減する。
一 会社の設立又は資本若しくは出資の増加
二 法人の設立又は資本若しくは出資の増加の場合における不動産の取得
(審議会への諮問)
第15条 主務大臣は、次に掲げる場合には、電子・機械工業審議会に諮問しなければならない。
一 第3条第1項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。
二 第3条第1項の規定により高度化計画を定め、又は第4条第1項の規定により高度化計画を変更しようとするとき。
三 第6条第1項から第3項までの規定による指示、第10条の規定による命令又は第13条第1項の規定による勧告をしようとするとき。
(報告の徴収)
第16条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定電子工業等を営む者又は合理化関係電子機器等を部品若しくは材料として使用して電子機器等を製造する事業を営む者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(主務大臣)
第17条 この法律において主務大臣は、特定電子工業については通商産業大臣とし、特定機械工業については当該機械の生産を所掌する大臣とする。
(罰則)
第18条 第10条の規定による命令に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
第19条 第16条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、3万円以下の罰金に処する。
第20条 第9条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、1万円以下の罰金に処する。
第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
 この法律は、昭和46年4月1日から施行する。
(この法律の失効)
 この法律は、昭和53年3月31日限り、その効力を失う。ただし、その時までにした行為に対する罰則の適用については、この法律は、その時以後も、なおその効力を有する。
(電子工業振興臨時措置法の廃止)
 電子工業振興臨時措置法(昭和32年法律第171号)は、廃止する。
(罰則に関する経過措置)
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(通商産業設置法の一部改正)
 通商産業省設置法(昭和27年法律第275号)の一部を次のように改正する。
第25条第1項の表中機械工業審議会の項及び電子情報処理振興審議会の項を次のように改める。
電子・機械工業審議会電子工業その他の機械工業の振興に関する重要事項を調査審議すること。
情報処理振興審議会情報処理の振興に関する重要事項を調査審議すること。
(中小企業信用保険法の一部改正)
 中小企業信用保険法(昭和25年法律第264号)の一部を次のように改正する。
第2条第3項第1号を次のように改める。
一 会社及び個人であつて、特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法(昭和46年法律第17号)第2条第1項に規定する電子機器を製造する事業又は同法第3条第1項第2号ロの事業を行なうもの
(情報処理振興事業協会等に関する法律の一部改正)
 情報処理振興事業協会等に関する法律(昭和45年法律第90号)の一部を次のように改正する。
第3条第3項中
「電子情報処理振興審議会」を「情報処理振興審議会」に改める。