houko.com 

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律

  昭和45・12・25・法律139号==
改正昭和46・5・31・法律 88号--
改正昭和53・7・5・法律 87号--
改正平成5・11・19・法律 92号--
改正平成11・7・16・法律 87号--
改正平成11・12・22・法律160号--(施行=平13年1月6日)
改正平成17・4・27・法律 33号--
改正平成23・8・30・法律105号--(施行=平23年8月30日)
第1条 この法律は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止及び除去並びにその汚染に係る農用地の利用の合理化を図るために必要な措置を講ずることにより、人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されることを防止し、もつて国民の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とする。
第2条 この法律において「農用地」とは、耕作の目的又は主として家畜の放牧の目的若しくは養育の業務のための採草の目的に供される土地をいう。
 この法律において「農作物等」とは、農作物及び農作物以外の飼料用植物をいう。
 この法律において「特定有害物質」とは、カドミウム等その物質が農用地の土壌に含まれることに起因して人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されるおそれがある物質(放射性物質を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
第3条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の一定の地域で、その地域内にある農用地の土壌及び当該農用地に生育する農作物等に含まれる特定有害物質の種類及び量等からみて、当該農用地の利用に起因して人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、若しくは当該農用地における農作物等の生育が阻害されると認められるもの又はそれらのおそれが著しいと認められるものとして政令で定める要件に該当するものを農用地土壌汚染対策地域(以下「対策地域」という。)として指定することができる。
 環境大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
 都道府県知事は、対策地域を指定しようとするときは、環境基本法(平成5年法律第91号)第43条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
 都道府県知事は、対策地域を指定したときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、環境大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知しなければならない。
 市町村長は、当該市町村の区域内の一定の地域で第1項の政令で定める要件に該当するものを対策地域として指定すべきことを都道府県知事に対し要請することができる。
第4条 都道府県知事は、対策地域の指定の要件となつた事実の変更により必要が生じたときは、その指定に係る対策地域の区域を変更し、又はその指定を解除することができる。
 前条第3項及び第4項の規定は、前項の規定による対策地域の区域の変更又は対策地域の指定の解除について準用する。
第5条 都道府県知事は、対策地域を指定したときは、当該対策地域について、その区域内にある農用地の土壌の特定有害物質による汚染を防止し、若しくは除去し、又はその汚染に係る農用地(以下「汚染農用地」という。)の利用の合理化を図るため、遅滞なく、農用地土壌汚染対策計画(以下「対策計画」という。)を定めなければならない。
 対策計画においては、農林水産省令、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 対策地域の区域内にある農用地についてその土壌の特定有害物質による汚染の程度等を勘案して定める利用上の区分及びその区分ごとの当該農用地の利用に関する基本方針
二 対策地域の区域内にある農用地に係る次に掲げる事業で必要なものに関する事項
イ 農用地の土壌の特定有害物質による汚染を防止するためのかんがい排水施設その他の施設の新設、管理又は変更
ロ 農用地の土壌の特定有害物質による汚染を除去するための客土その他の事業
ハ 汚染農用地の利用の合理化を図るための地目変換その他の事業
三 対策地域の区域内にある農用地の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査測定に関する事項
 前項第2号に掲げる事項に係る対策計画は、当該事業に係る農用地の土壌の特定有害物質による汚染の程度、当該事業に要する費用、当該事業の効果及び緊要度等を勘案し、第1項に規定する目的を達成するため必要かつ適切と認められるものでなければならない。
 都道府県知事は、対策計画を定めようとするときは、農林水産大臣及び環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
 都道府県知事は、前項の協議をしようとするときは、環境基本法第43条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
 都道府県知事は、対策計画を定めたときは、遅滞なく、その概要を公告するとともに、関係市町村長に通知しなければならない。
第6条 都道府県知事は、対策地域の区域の変更により、又は対策地域の区域内にある農用地の土壌の特定有害物質による汚染の状況の変動等により必要が生じたときは、対策計画を変更することができる。
 前条第3項から第6項までの規定は、前項の規定による対策計画の変更(農林水産省令、環境省令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
第7条 都道府県知事は、対策地域を指定し、又はその区域を変更した場合において、当該対策地域の区域内にある農用地の土壌の特定有害物質による汚染の程度、当該対策地域に係る対策計画の内容等を総合的に勘案して、人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されることを防止するため必要があると認めるときは、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第3条第3項若しくは大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第4条第1項の規定により、当該農用地に水か流入する公共用水域に排出される排出水に係る排水基準若しくは当該対策地域の全部若しくは一部を含む区域におけるばい煙発生施設において発生するばい煙に係る排出基準を定め、又はこれらの規定により定められた当該排水基準若しくは排出基準を変更するために必要な措置をとるものとする。
第8条 都道府県知事は、対策地域の区域内にある農用地のうちに、その土壌及び当該農用地に生育する農作物等に含まれる特定有害物質の種類及び量等からみて、当該農用地の利用に起因して人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産されると認められる農用地があるときは、当該農用地において作付けをすることが適当でない農作物又は当該農用地に生育する農作物以外の植物で家畜の飼料の用に供することが適当でないもの(以下「指定農作物等」と総称する。)の範囲を定めて、当該農用地の区域を特別地区として指定することができる。
 都道府県知事は、前項の規定により特別地区を指定したときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、環境大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知しなければならない。
 市町村長は、当該市町村の区域内にある農用地で第1項に規定する農用地に該当するものを特別地区として指定すべきことを都道府県知事に対し要請することができる。
第9条 都道府県知事は、特別地区の指定の要件となつた事実の変更により必要が生じたときは、その指定に係る特別地区の区域若しくはその区域に係る指定農作物等の範囲を変更し、又は当該特別地区の指定を解除することができる。
 前条第2項の規定は、前項の規定による特別地区の区域若しくは指定農作物等の範囲の変更又は特別地区の指定の解除について準用する。
第10条 都道府県知事は、特別地区の区域内にある農用地において当該農用地に係る指定農作物等の作付けをし、若しくはしようとし、又は当該農用地に生育している当該指定農作物等を家畜の飼料の用に供し、若しくは供しようとしている者がある場合には、その者に対し、当該農用地において当該指定農作物等の作付けをしないよう、又は当該農用地に生育している当該指定農作物等を家畜の飼料の用に供しないように勧告することができる。
第11条 環境大臣は、農用地の土壌が工場又は事業場から排出される排出水、ばい煙等に含まれる特定有害物質により汚染されることを防止するため特に必要があると認めるときは、鉱山保安法(昭和24年法律第70号)その他の法令の規定に基づきその防止のために必要な措置をとるべきことを、関係行政機関の長に対し要請し、又は関係地方公共団体の長に勧告するものとする。
第11条の2 都道府県知事は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の状況を常時監視しなければならない。
 都道府県知事は、前項の常時監視の結果を環境大臣に報告しなければならない。
第12条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の農用地の土壌の特定有害物質による汚染の状況に関し、調査測定を実施し、その結果を公表するものとする。
第13条 農林水産大臣若しくは環境大臣又は都道府県知事は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の状況を調査測定するため必要があるときは、その必要の限度において、その職員に、農用地に立ち入り、土壌若しくは農作物等につき調査測定させ、又は調査測定のため必要な最少量に限り土壌若しくは農作物等を無償で集取させることができる。
 前項の規定により立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第14条 農林水産大臣又は環境大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料又は情報の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる。
 都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提供その他の協力を求め、又は農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止に関し意見を述べることができる。
第14条の2 環境大臣は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染により人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産されることを防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、次に掲げる事務に関し必要な指示をすることができる。
一 第3条第1項及び第8条第1項の規定による指定に関する事務
二 第4条第1項及び第9条第1項の規定による変更又は解除に関する事務
三 第7条の規定による措置に関する事務
 農林水産大臣又は環境大臣は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染により人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産されることを防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、次に掲げる事務に関し必要な指示をすることができる。
一 第10条の規定による勧告に関する事務
二 前条第2項の規定による協力を求め、又は意見を述べることに関する事務
第15条 国及び都道府県は、対策計画の達成のために必要な助成、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。
第16条 国及び都道府県は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止及び除去に関する技術並びにその汚染が農作物等に及ぼす影響について研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。
第16条の2 この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、地方農政局長に委任することができる。
 この法律に規定する環境大臣の権限は、環境省令で定めるところにより、地方環境事務所長に委任することができる。
第16条の3 第11条の2の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第17条 第13条第1項の規定による調査測定又は集取を拒み、妨げ、又は忌避した者は、3万円以下の罰金に処する。
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
附 則
 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
昭和46年6月5日(昭46政175)
 農林省設置法(昭和24年法律第153号)の一部を次のように改正する。
第9条第1項第14号の次に次の1号を加える。
十四の二 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年法律第139号)の施行に関する事務を処理すること。

第34条第1項の表中特殊地域農業振興対策審議会の項の次に次のように加える。
土壌汚染対策審議会農用地の土壌の汚染防止等に関する法律によりその権限に属させた事項を行なうこと。