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炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法

  昭和42・7・28・法律 92号==
改正昭和44・12・9・法律 85号--
改正昭和47・6・8・法律 57号--
改正昭和51・5・27・法律 32号--
改正平成7・3・23・法律 35号--
改正平成10・9・30・法律112号--
改正平成11・7・16・法律 87号--
改正平成11・12・22・法律160号--(施行=平13年1月6日)
改正平成12・11・22・法律124号--
改正平成19・4・23・法律 30号--(施行=平19年4月23日)
第1条 この法律は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関し、一酸化炭素中毒症にかかつた労働者に対して特別の保護措置を講ずること等により、労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 炭鉱災害 石炭鉱業を行なう事業場におけるガス又は炭じんの爆発その他厚生労働省令で定める災害をいう。
二 一酸化炭素中毒症 一酸化炭素による中毒及びその続発症をいう。
三 使用者 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第2条第3号に規定する事業者をいう。
四 労働者 労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。
第3条 使用者及び労働者は、労働安全衛生法及び鉱山保安法(昭和24年法律第70号)の規定によるほか、炭鉱災害により一酸化炭素が発生した場合における一酸化炭素中毒症の防止について適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第4条 使用者は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症にかかつた労働者の労働条件について、その者が当該一酸化炭素中毒症にかかつた者であることを理由として一切の差別的取扱いをしてはならない。
第5条 使用者は、炭鉱災害により一酸化炭素が発生した際業務上の必要によりその発生に係る場所におり、又はその直後業務上の必要により当該場所に立ち入つた労働者(以下「被災労働者」という。)に対し、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、専門の医師による一酸化炭素中毒症に関する健康診断を行なわなければならない。
 使用者(被災労働者を当該炭鉱災害が起こつた時から引き続き使用する使用者に限る。以下第7条までにおいて同じ。)は、当該被災労働者(当該炭鉱災害による一酸化炭素中毒症について現に労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の規定による療養補償給付又は労働基準法の規定による療養補償を受けている被災労働者及び第9条に規定する被災労働者を除く。)に対し、当該炭鉱災害が起こつた日から起算して2年を経過するまでの間(当該炭鉱災害による一酸化炭素中毒症にかかつたと認められた被災労働者については、当該一酸化炭素中毒症が治つたと認められた日から起算して2年を経過するまでの間)、厚生労働省令で定めるところにより、定期に、専門の医師による一酸化炭素中毒症に関する健康診断を行わなければならない。
 被災労働者は、正当な理由がある場合を除き、前2項の規定により使用者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、使用者が指定した医師の行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の専門の医師の行なう前2項の規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める物件を使用者に提出したときは、この限りでない。
 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、第1項及び第2項の規定による健康診断並びに前項ただし書に規定する健康診断に関する記録を作成し、これを5年間保存しなければならない。
 使用者は、第1項又は第2項の規定により健康診断を行なつた場合においては、その限度において、労働安全衛生法第66条第1項又は第2項の規定による健康診晰を行なわなくてもよい。被災労働者が第3項ただし書に規定する健康診断を受けた場合においても、同様とする。
第6条 使用者は、前条第1項若しくは第2項の規定による健康診断又は同条第3項ただし書に規定する健康診断の結果に基づき、被災労働者に関し、危害防止又は健康保持のため必要があるときは、当該被災労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な措置を講じなければならない。第9条に規定する被災労働者に関し、危害防止又は健康保持のため必要があるときも、同様とする。
第7条 使用者は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症にかかつた被災労働者であつて、当該一酸化炭素中毒症に係る療養の開始後3年を経過した日において労働者災害補償保険法の規定による傷病補償年金を受けているもの又は同日後において傷病補償年金を受けることとなつたものが、それぞれ当該3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなつた日において、住宅その他の福利厚生に関する施設であつて厚生労働省令で定めるもの(以下「福利厚生施設」という。)の供与を引き続き受けることを希望したときは、厚生労働省令で定める期間、当該福利厚生施設を供与しなければならない。
 使用者は、前項の規定による福利厚生施設の供与については、当該被災労働者が使用されていた事業場に使用される労働者に対する福利厚生施設の供与との均衡を失わないようにしなければならない。
第8条 削除
第9条 政府は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症について労働者災害補償保険法の規定による療養補償給付を受けていた被災労働者であつて、当該一酸化炭素中毒症が治つたものに対し、必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、診察その他厚生労働省令で定める措置を行う。
第10条 前条の規定による診察等の措置は、労働者災害補償保険法第29条第1項の社会復帰促進等事業とする。
 前条の規定による診察等の措置に要する費用の額は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第12条第3項の規定の適用については、同項に規定する保険給付の額とみなす。
第11条 政府は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症にかかつた被災労働者のためのリハビリテーション施設の整備に努めなければならない。
第12条 労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。
第13条 労働基準監督官は、この法律の規定を実施するために必要な限度において、事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問をすることができる。
 前項の規定により立入検査をする労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第14条 労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の規定による司法警察員の職務を行なう。
第15条 都道府県労働局長及び労働基準監督署長は、この法律の規定を実施するために必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、使用者及び労働者に対し、厚生労働省令で定める事項の報告を命ずることができる。
第16条 次の各号のいずれかに該当する者は.5千円以下の罰金に処する。
一 第5条第1項、第2項又は第4項の規定に違反した者
二 第13条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 前条の規定による報告を命ぜられて報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
附 則
 この法律は、公布の日から起算して90日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
昭和42年10月25日(昭42政334)
 労働省設置法(昭和24年法律第162号)の一部を次のように改正する。
第4条中
第32号の9を第32号の10とし、
第32号の8の次に次の1号を加える。
三十二の九 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和42年法律第92号)に基づいて、使用者又は労働者に必要な事項についての報告を求めること。

第8条の2第6号中
「(労働基準監督官の権限の行使に関する部分を除く。)」の下に「並びに炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(同法第4条の規定による差別的取扱いの禁止、第7条の規定による福利厚生施設の供与、第8条第1項の規定による介護料の支給、第9条の規定による診察等の措置及び第11条の規定によるリハビリテーシヨン施設の整備に関する部分並びに労働基準監督官の権限の行使に関する部分を除く。)」を加える。

第13条第1項の表中央労働基準審議会の項中
「並びに労働災害防止団体等に関する法律に基づきその権限に属する事項」を「労働災害防止団体等に関する法律に基づきその権限に属する事項並びに炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法の施行に関する重要事項」に改める。

第15条第1項及び第17条第1項中
「及び労働災害防止団体等に関する法律(これに基づく命令を含む。)」を「、労働災害防止団体等に関する法律(これに基づく命令を含む。)及び炭坑災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(これに基づく命令を含む。)」に改める。