核燃料サイクル開発機構法
昭和42・7・20・法律 73号
改正平成5・6・14・法律 63号−−
改正平成9・6・24・法律103号−−
改正平成10・5・20・法律 62号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成16・12・1・法律147号−−
改正平成16・12・3・法律154号−−
廃止平成16・12・3・法律155号−−
第1条 核燃料サイクル開発機構は、原子力基本法(昭和30年法律第186号)に基づき、平和の目的に限り、高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理並びに高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発を計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もつて原子力の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。
第2条 この法律で「高速増殖炉」とは、原子力基本法
第3条第4号に規定する原子炉のうち、その原子核分裂の連鎖反応が主として高速中性子により行なわれるものであつて、核燃料物質のうち政令で定めるものの当該連鎖反応に伴い生成する量のその消滅する量に対する比率が一をこえるものをいう。
2 この法律で「高レベル放射性廃棄物」とは、原子炉に燃料として使用した核燃料物質から核燃料物質その他の有用物質を分離した後に残存する物(固型化したものを含む。)をいう。
第3条 核燃料サイクル開発機構(以下「機構」という。)は、法人とする。
2 機構は、主務大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
第5条 機構の資本金は、次に掲げる金額の合計額とする。
1.2億円
2.附則第3条第2項の規定により政府から出資があつたものとされる金額
3.機構の設立に際し政府以外の者が出資する金額
2 政府は、機構の設立に際し、前項第1号の2億円を出資するものとする。
3 機構は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
4 政府は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
3 前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。
第7条 機構は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
2 機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
第8条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第9条 機構でない者は、核燃料サイクル開発機構という名称を用いてはならない。
第10条 民法(明治29年法律第89号)
第44条(法人の不法行為能力等)及び
第50条(法人の住所)の規定は、機構について準用する。
第11条 機構に、役員として、理事長1人、副理事長2人、理事7人以内及び監事2人以内を置く。
2 機構に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事3人以内を置くことができる。
第12条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事(非常勤の理事を除く。)は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 非常勤の理事は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
6 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は主務大臣に意見を提出することができる。
第13条 理事長は、主務大臣が原子力委員会の同意を得て任命する。
2 副理事長及び理事は、理事長が主務大臣の認可を受けて任命する。
3 監事は、主務大臣が原子力委員会の意見をきいて任命する。
第14条 理事長及び副理事長の任期は、4年とし、理事及び監事の任期は、2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
第15条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
1.政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
2.物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者で機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
3.前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第16条 主務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 主務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。この場合において、理事長の解任については、原子力委員会の同意を得るものとし、副理事長及び理事の解任については、主務大臣の認可を受けるものとし、監事の解任については、原子力委員会の意見をきくものとする。
1.心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
2.職務上の義務違反があるとき。
第17条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、主務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第18条 機構と理事長、副理事長又は理事(非常勤の理事を除く。)との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が機構を代表する。
第19条 理事長は、機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
第21条 役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
2 運営審議会は、理事長の諮問に応じ、機構の業務の運営に関する重要事項を審議する。
3 運営審議会は、機構の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
第23条 委員は、機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、主務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
4 第16条第2項の規定は、委員について準用する。
第24条 機構は、
第1条の目的を達成するため、次の業務を行う。
1.核燃料サイクル(原子炉に燃料として使用した核燃料物質を再度原子炉に燃料として使用することにより核燃料物質を有効に利用するために必要な一連の行為の体系をいう。)を技術的に確立するために必要な業務で次に掲げるものを行うこと。
イ 高速増殖炉の開発(実証炉を建設することにより行うものを除く。)及びこれに必要な研究
ロ イに掲げる業務に必要な核燃料物質の開発及びこれに必要な研究
ハ 核燃料物質の再処理に関する技術の開発及びこれに必要な研究
ニ ハに掲げる業務に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発及びこれに必要な研究
2.前号に掲げる業務に係る成果について、技術の提供その他の方法により、普及を行うこと。
3.前2号の業務に附帯する業務を行うこと。
4.前3号に掲げるもののほか、第1条の目的を達成するため必要な業務を行うこと。
2 機構は、前項第4号に掲げる業務を行おうとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
3 機構は、第1項の規定により行う業務を妨げない範囲内において、主務大臣の認可を受けて定める基準に従つて、その設置する施設及び設備を原子力の開発及びこれに関連する業務を行う者の利用に供することができる。
第25条 機構は、主務大臣の認可を受けて定める基準に従つてその業務の一部を委託することができる。
第26条 機構は、
第24条に規定する業務を行うに当たつては、安全の確保を旨としてこれを行うものとし、適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保するとともに、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。
第27条 第24条に規定する機構の業務は、原子力委員会の議決を経て主務大臣が定める基本方針に従つて実施されなければならない。
2 基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
1.機構の業務の運営に関する基本的事項
2.
第24条第1項第1号に掲げる業務に関する基本的事項
3.その他機構が業務を実施するに際し配慮すべき事項
第28条 機構の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
第29条 機構は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第30条 機構は、毎事業年度の決算を翌年度の6月30日までに完結しなければならない。
第31条 機構は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条及び次条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後1月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表を主務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見を付けなければならない。
3 機構は、第1項の規定による主務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、主務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
第32条 機構は、
第29条又は前条第1項の規定により認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る事業計画、予算及び資金計画に関する書類又は財務諸表を、機構に出資した者のうち政府以外のものに送付しなければならない。
第33条 機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
第34条 機構は、主務大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は核燃料サイクル開発債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、主務大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
4 第1項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 機構は、主務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 商法(明治32年法律第48号)
第309条、
第310条及び
第311条(社債管理会社の権限及び義務)の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第1項及び第4項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第35条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和21年法律第24号)
第3条(保証契約の禁止)の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和28年法律第51号)
第2条(外貨債務の保証)の規定に基づき政府が保証することができる債務を除く。)について保証することができる。
第36条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画をたてて、主務大臣の認可を受けなければならない。
第37条 機構は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
1.国債その他主務大臣の指定する有価証券の取得
2.銀行その他主務大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
3.信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
第38条 機構は、主務省令で定める重要な財産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
第39条 機構は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、主務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第40条 この法律に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。
2 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第42条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に機構の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第43条 機構が解散した場合において、その債務を弁済した後の残余財産を分配するときは、各出資者の出資額を限度としてこれを行うものとする。
2 前項に規定するもののほか、機構の解散については、別に法律で定める。
第44条 この法律における主務大臣は、文部科学大臣及び経済産業大臣とする。
2 この法律における主務省令は、文部科学省令・経済産業省令とする。
第45条 主務大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
2.
第27条第1項の基本方針を定めようとするとき。
4.
第37条第1号又は第2号の規定による指定をしようとするとき。
第47条 第42条第1項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、20万円以下の罰金に処する。
第48条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、10万円以下の過料に処する。
1.この法律により主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
2.
第8条第1項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
3.
第24条第1項及び第3項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
4.
第37条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
5.
第41条第2項の規定による主務大臣の命令に違反したとき。
第49条 第9条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する。
