原子力損害賠償補償契約に関する法律
昭和36・6・17・法律148号
改正昭和61・5・27・法律 73号−−
改正昭和63・5・27・法律 69号−−
改正平成11・5・10・法律 37号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成16・12・3・法律155号−−
改正平成17・5・20・法律 44号−−
改正平成20・6・6・法律 57号(未)(施行=2年内)
第1条 この法律において「原子炉の運転等」とは、原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年法律第147号。以下「賠償法」という。)
第2条第1項に規定する原子炉の運転等をいい、「原子力損害」とは、賠償法
第2条第2項に規定する原子力損害をいい、「原子力事業者」とは、賠償法
第2条第3項に規定する原子力事業者(同項第2号に掲げる者を除く。)をいい、「原子力船」とは、賠償法
第2条第4項に規定する原子力船をいい、「損害賠償措置」とは、賠償法
第6条に規定する損害賠償措置をいい、「賠償措置額」とは、賠償法
第7条第1項に規定する賠償措置額をいい、「責任保険契約」とは、賠償法
第8条に規定する責任保険契約をいう。
第2条 政府は、原子力事業者を相手方として、原子力事業者の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、責任保険契約その他の原子力損害を賠償するための措置によつてはうめることができない原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失を政府が補償することを約し、原子力事業者が補償料を納付することを約する契約を締結することができる。
第3条 政府が前条の契約(以下「補償契約」という。)により補償する損失は、次の各号に掲げる原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失(以下「補償損失」という。)とする。
1.地震又は噴火によつて生じた原子力損害
2.正常運転(政令で定める状態において行なわれる原子炉の運転等をいう。)によつて生じた原子力損害
3.その発生の原因となつた事実に関する限り責任保険契約によつてうめることができる原子力損害であつてその発生の原因となつた事実があつた日から10年を経過する日までの間に被害者から賠償の請求が行なわれなかつたもの(当該期間内に生じた原子力損害については、被害者が当該期間内に賠償の請求を行なわなかつたことについてやむをえない理由がある場合に限る。)
4.原子力船の外国の水域への立入りに伴い生じた原子力損害であつて、賠償法
第7条第1項に規定する損害賠償措置その他の原子力損害を賠償するための措置(賠償法
第7条の2第1項に規定する損害賠償措置の一部として認められるものに限る。)によつてはうめることができないもの
5.前各号に掲げるもの以外の原子力損害であつて政令で定めるもの
第4条 前条第1号から第3号まで及び第5号に掲げる原子力損害に係る補償契約に係る契約金額(以下「補償契約金額」という。)は、当該補償契約の締結が含まれる損害賠償措置の賠償措置額に相当する金額(損害賠償措置に責任保険契約及び補償契約の締結以外の措置が含まれる場合においては当該措置により、他の補償条約が締結されている場合においては当該他の補償契約の締結により原子力損害の賠償に充てることができる金額を控除した金額)とする。
2 前条第4号に掲げる原子力損害に係る補償契約金額は、賠償法
第7条の2第1項に規定する損害賠償措置の金額に相当する金額(賠償法
第7条第1項に規定する損害賠償措置その他の原子力損害を賠償するための措置が賠償法
第7条の2第1項に規定する損害賠償措置の一部として認められる場合においては、当該原子力損害を賠償するための措置の金額を控除した金額)とする。
第5条 第3条第1号から第3号まで及び第5号に掲げる原子力損害に係る補償契約の期間は、その稀結の時から当該補償契約に係る原子炉の運転等をやめる時までとする。
2 第3条第4号に掲げる原子力損害に係る補償契約の期間は、原子力船が本邦の水域を離れる時から本邦の水域に戻る時までの期間内の期間とする。
第6条 補償料の額は、1年当たり、補償契約金額に補償損失の発生の見込み、補償契約に関する国の事務取扱費等を勘案して政令で定める料率を乗じて得た金額に相当する金額とする。
第7条 政府が補償契約により補償する金額は、当該補償契約の期間内における原子炉の運転等により与えた原子力損害に係る補償損失について補償契約金額までとする。
2 政府が
第3条第1号から第3号まで及び第5号に掲げる原子力損害に係る補償損失を補償する場合において、当該補償に係る原子力損害と同一の原因によつて発生した原子力損害について責任保険契約によつてうめられる金額があるときは、当該補償損失について補償契約により支払う補償金の額の合計額は、当該補償契約の締結が含まれる損害賠償措置の賠償措置額に相当する金額(当該損害賠償措置に責任保険契約及び補償契約の締結以外の措置が含まれる場合においては当該措置により原子力損害の賠償に充てることができる金額を控除した金額)から当該責任保険契約によつてうめられる金額を控除した金額をこえないものとする。
第8条 政府は、1会計年度内に締結する補償契約に係る補償契約金額の合計額が会計年度ごとに国会の議決を経た金額をこえない範囲内で、補償契約を締結するものとする。
第9条 原子力事業者は、補償契約の締結に際し、政令で定めるところにより、原子炉の運転等に関する重要な事実を政府に対し通知しなければならない。通知した事実に変更を生じたときも、同様とする。
第10条 補償契約の締結並びに補償料の納付の時期、補償金の支払の時期その他補償料の納付及び補償金の支払に関し必要な事項は、政令で定める。
第11条 補償金の支払を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によつて消滅する。
第12条 政府は、補償契約により補償した場合において、当該補償契約の相手方である原子力事業者が第三者に対して求償権を有するときは、補償した金額を限度として当該権利を取得する。原子力事業者が求償権の行使により支払を受けたときは、政府は、その支払を受けた金額の限度で、補償の義務を免れる。
第13条 政府は、次の各号に掲げる原子力損害に係る補償損失について補償金を支払つたときは、原子力事業者から、政令で定めるところにより、その返還をさせるものとする。
1.補償契約の相手方である原子力事業者が
第9条の規定による通知を怠り、又は虚偽の通知をした場合において、その通知を怠り、又は虚偽の通知をした事実に基づく原子力損害
2.政府が
第15条の規定により補償契約を解除した場合において、原子力事業者が、その解除の通知を受けた日から解除の効力が生ずる日の前日までの間における原子炉の運転等により与えた原子力損害
第14条 政府は、補償契約の相手方である原子力事業者が当該補償契約の締結を含む損害賠償措置以外の損害賠償措置を講じた場合においては、当該補償契約の解除の申込みに応ずることができ、又は当該補償契約を解除することができる。
2 前項の規定による補償契約の解除は、将来に向つてその効力を生ずる。
第15条 政府は、補償契約の相手方である原子力事業者が次の各号の一に該当するときは、当該補償契約を解除することができる。
2.補償料の納付を怠つたとき。
3.
第9条の規定による通知を怠り、又は虚偽の通知をしたとき。
5.補償契約の条項で政令で定める事項に該当するものに違反したとき。
2 前項の規定による補償契約の解除は、当該補償契約の相手方である原子力事業者が解除の通知を受けた日から起算して90日の後に、将来に向つてその効力を生ずる。
第16条 政府は、補償契約の相手方である原子力事業者が補償契約の条項で政令で定める事項に該当するものに違反したときは、政令で定めるところにより、過怠金を徴収することができる。
第17条 この法律に規定する政府の業務は、文部科学大臣か管掌する。
2 文部科学大臣は、
第15条の規定による補償契約の解除については、あらかじめ、発電の用に供する原子炉(原子力基本法(昭和30年法律第186号)
第3条第4号に規定する原子炉をいう。以下同じ。)の運転、加工(規制法
第2条第7項に規定する加工をいう。)、再処理(規制法
第2条第8項に規定する再処理をいう。)、使用済燃料の貯蔵(規制法
第43条の4第1項に規定する使用済燃料の貯蔵をいう。)又は核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物の廃棄(規制法
第51条の2第1項に規定する廃棄物埋設又は廃棄物管理をいう。)に係るものにあつては経済産業大臣、船舶に設置する原子炉の運転に係るものにあつては国土交通大臣の意見を聴かなければならない。
