知的障害者福祉法
昭和35・3・31・法律 37号
改正平成元・4・10・法律 22号−−
改正平成2・6・29・法律 58号−−
改正平成2・6・29・法律 58号−−
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成6・6・29・法律 49号−−
改正平成6・6・29・法律 49号−−
改正平成10・9・28・法律110号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・8・法律151号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成12・6・7・法律111号−−
改正平成12・6・7・法律111号−−
改正平成14・2・8・法律 1号−−
改正平成14・12・13・法律167号−−
改正平成16・12・1・法律147号−−
改正平成17・11・7・法律123号==
改正平成17・11・7・法律123号==
改正平成18・3・31・法律 20号−−
改正平成18・6・7・法律 53号−−(施行=平19年4月1日)
改正平成19・12・5・法律125号−−(施行=平19年12月5日)
第1条 この法律は、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)と相まつて、知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、知的障害者を援助するとともに必要な保護を行い、もつて知的障害者の福祉を図ることを目的とする。
第1条の2 すべての知的障害者は、その有する能力を活用することにより、進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない。
2 すべての知的障害者は、社会を構成する一員として、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。
第2条 国及び地方公共団体は、前条に規定する理念が実現されるように配慮して、知的障害者の福祉について国民の理解を深めるとともに、知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための援助と必要な保護(以下「更生援護」という。)の実施に努めなければならない。
2 国民は、知的障害者の福祉について理解を深めるとともに、社会連帯の理念に基づき、知的障害者が社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。
第3条 この法律及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)による更生援護の実施並びにその監督に当たる国及び地方公共団体の職員は、知的障害者に対する更生援護が児童から成人まで関連性をもつて行われるように相互に協力しなければならない。
第9条 この法律に定める知的障害者又はその介護を行う者に対する市町村(特別区を含む。以下同じ。)による更生援護は、その知的障害者の居住地の市町村が行うものとする。ただし、知的障害者が居住地を有しないか、又は明らかでない者であるときは、その知的障害者の現在地の市町村が行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、
第16条第1項第2号の規定により入所措置が採られて又は障害者自立支援法第29条第1項若しくは第30条第1項の規定により同法第19条第1項に規定する介護給付費等(第15条の4及び第16条第1項第2号において「介護給付費等」という。)の支給を受けて同法第5条第1項若しくは第5項の厚生労働省令で定める施設、同条第12項に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)又は独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成14年法律第167号)第11条第1号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設(以下「のぞみの園」という。)に入所している知的障害者及び生活保護法(昭和25年法律第144号)第30条第1項ただし書の規定により入所している知的障害者(以下この項において「特定施設入所知的障害者」という。)については、その者が障害者自立支援法第5条第1項若しくは第5項の厚生労働省令で定める施設、障害者支援施設、のぞみの園又は生活保護法第30条第1項ただし書に規定する施設(以下この項及び次項において「特定施設」という。)への入所前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所している特定施設入所知的障害者(以下この項において「継続入所知的障害者」という。)については、最初に入所した特定施設への入所前に有した居住地)の市町村が、この法律に定める更生援護を行うものとする。ただし、特定施設への入所前に居住地を有しないか、又は明らかでなかつた特定施設入所知的障害者については、入所前におけるその者の所在地(継続入所知的障害者については、最初に入所した特定施設への入所前に有した所在地)の市町村が、この法律に定める更生援護を行うものとする。
3 前項の規定の適用を受ける知的障害者が入所している特定施設の設置者は、当該特定施設の所在する市町村及び当該知的障害者に対しこの法律に定める更生援護を行う市町村に必要な協力をしなければならない。
4 市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
1.知的障害者の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
2.知的障害者の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと。
3.知的障害者の福祉に関する相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
5 その設置する福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)に知的障害者の福祉に関する事務をつかさどる職員(以下「知的障害者福祉司」という。)を置いていない市町村の長及び福祉事務所を設置していない町村の長は、前項第3号に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするもの(次条第2項及び第3項において「専門的相談指導」という。)であつて18歳以上の知的障害者に係るものについては、知的障害者の更生援護に関する相談所(以下「知的障害者更生相談所」という。)の技術的援助及び助言を求めなければならない。
6 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、18歳以上の知的障害者につき第4項第3号の業務を行うに当たつて、特に医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、知的障害者更生相談所の判定を求めなければならない。
第10条 市町村の設置する福祉事務所又はその長は、この法律の施行に関し、主として前条第4項各号に掲げる業務又は同条第5項及び第6項の規定による市町村長の業務を行うものとする。
2 市の設置する福祉事務所に知的障害者福祉司を置いている福祉事務所があるときは、当該市の知的障害者福祉司を置いていない福祉事務所の長は、18歳以上の知的障害者に係る専門的相談指導については、当該市の知的障害者福祉司の技術的援助及び助言を求めなければならない。
3 市町村の設置する福祉事務所のうち知的障害者福祉司を置いている福祉事務所の長は、18歳以上の知的障害者に係る専門的相談指導を行うに当たつて、特に専門的な知識及び技術を必要とする場合には、知的障害者更生相談所の技術的援助及び助言を求めなければならない。
第11条 都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
1.市町村の更生援護の実施に関し、市町村相互間の連絡及び調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
2.知的障害者の福祉に関し、次に掲げる業務を行うこと。
イ 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
ロ 知的障害者に関する相談及び指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
ハ 18歳以上の知的障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を行うこと。
2 都道府県は、前項第2号ロに規定する相談及び指導のうち主として居宅において日常生活を営む知的障害者及びその介護を行う者に係るものについては、これを障害者自立支援法第5条第17項に規定する相談支援事業を行う当該都道府県以外の者に委託することができる。
第12条 都道府県は、知的障害者更生相談所を設けなければならない。
2 知的障害者更生相談所は、知的障害者の福祉に関し、主として前条第1項第1号に掲げる業務(
第16条第1項第2号の措置に係るものに限る。)並びに前条第1項第2号ロ及びハに掲げる業務並びに障害者自立支援法
第22条第2項及び第3項並びに
第26条第1項に規定する業務を行うものとする。
3 知的障害者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項の業務を行うことができる。
4 前3項に定めるもののほか、知的障害者更生相談所に関し必要な事項は、政令で定める。
第13条 都道府県は、その設置する知的障害者更生相談所に、知的障害者福祉司を置かなければならない。
2 市町村は、その設置する福祉事務所に、知的障害者福祉司を置くことができる。
3 都道府県の知的障害者福祉司は、知的障害者更生相談所の長の命を受けて、次に掲げる業務を行うものとする。
1.
第11条第1項第1号に掲げる業務のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
2.知的障害者の福祉に関し、
第11条第1項第2号ロに掲げる業務を行うこと。
4 市町村の知的障害者福祉司は、福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)の命を受けて、知的障害者の福祉に関し、主として、次の業務を行うものとする。
1.福祉事務所の所員に対し、技術的指導を行うこと。
2.
第9条第4項第3号に掲げる業務のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
5 市の知的障害者福祉司は、
第10条第2項の規定により技術的援助及び助言を求められたときは、これに協力しなければならない。この場合において、特に専門的な知識及び技術が必要であると認めるときは、知的障害者更生相談所に当該技術的援助及び助言を求めるよう助言しなければならない。
第14条 知的障害者福祉司は、都道府県知事又は市町村長の補助機関である職員とし、次の各号のいずれかに該当する者のうちから、任用しなければならない。
1.社会福祉法に定める社会福祉主事たる資格を有する者であつて、知的障害者の福祉に関する事実に2年以上従事した経験を有するもの
2.学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学又は旧大学令(大正7年勅令第388号)に基づく大学において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者
3.医師
4.社会福祉士
5.知的障害者の福祉に関する事業に従事する職員を養成する学校その他の施設で厚生労働大臣の指定するものを卒業した者
6.前各号に準ずる者であつて、知的障害者福祉司として必要な学識経験を有するもの
第15条 民生委員法(昭和23年法律第198号)に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長、知的障害者福祉司又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。
第15条の2 都道府県は、知的障害者の福祉の増進を図るため、知的障害者又はその保護者(配偶者、親権を行う者、後見人その他の者で、知的障害者を現に保護するものをいう。以下同じ。)の相談に応じ、及び知的障害者の更生のために必要な援助を行うことを、社会的信望があり、かつ、知的障害者に対する更生援護に熱意と識見を持つている者に委託することができる。
2 前項の規定により委託を受けた者は、知的障害者相談員と称する。
3 知的障害者相談員は、その委託を受けた業務を行うに当たつては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守らなければならない。
第15条の3 市町村は、この章に規定する更生援護、障害者自立支援法の規定による自立支援給付及び地域生活支援事業その他地域の実情に応じたきめ細かな福祉サービスが積極的に提供され、知的障害者が、心身の状況、その置かれている環境等に応じて、自立した日常生活及び社会生活を営むために最も適切な支援が総合的に受けられるように、福祉サービスを提供する者又はこれらに参画する者の活動の連携及び調整を図る等地域の実情に応じた体制の整備に努めなければならない。
2 市町村は、前項の体制の整備及びこの章に規定する更生援護の実施に当たつては、知的障害者が引き続き居宅において日常生活を営むことができるよう配慮しなければならない。
第15条の4 市町村は、障害者自立支援法第5条第1項に規定する障害福祉サービス(同条第5項に規定する療養介護及び同条第11項に規定する施設入所支援(以下この条及び次条第1項第2号において「療養介護等」という。)を除く。以下「障害福祉サービス」という。)を必要とする知的障害者が、やむを得ない事由により介護給付費等(療養介護等に係るものを除く。)の支給を受けることが著しく困難であると認めるときは、その知的障害者につき、政令で定める基準に従い、障害福祉サービスを提供し、又は当該市町村以外の者に障害福祉サービスの提供を委託することができる。
第16条 市町村は、18歳以上の知的障害者につき、その福祉を図るため、必要に応じ、次の措置を採らなければならない。
1.知的障害者又はその保護者を知的障害者福祉司又は社会福祉主事に指導させること。
2.やむを得ない事由により介護給付費等(療養介護等に係るものに限る。)の支給を受けることが著しく困難であると認めるときは、当該市町村の設置する障害者支援施設若しくは障害者自立支援法第5条第5項の厚生労働省令で定める施設(以下「障害者支援施設等」という。)に入所させてその更生援護を行い、又は都道府県若しくは他の市町村若しくは社会福祉法人の設置する障害者支援施設等若しくはのぞみの園に入所させてその更生援護を行うことを委託すること。
3.知的障害者の更生援護を職親(知的障害者を自己の下に預かり、その更生に必要な指導訓練を行うことを希望する者であつて、市町村長が適当と認めるものをいう。)に委託すること。
2 市町村は、前項第2号又は第3号の措置を採るに当たつて、医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、あらかじめ、知的障害者更生相談所の判定を求めなければならない。
第17条 市町村長は、第15条の4又は前条第1項の措置を解除する場合には、あらかじめ、当該措置に係る者又はその保護者に対し、当該措置の解除の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該措置に係る者又はその保護者から当該措置の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。
第21条 障害者自立支援法第5条第1項に規定する障害福祉サービス事業を行う者又は障害者支援施設等若しくはのぞみの園の設置者は、
第15条の4又は
第16条第1項第2号の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
第22条 次に掲げる費用は、市町村の支弁とする。
1.
第13条第2項の規定により市町村が設置する知的障害者福祉司に要する費用
2.
第15条の4の規定により市町村が行う行政措置に要する費用
3.
第16条の規定により市町村が行う行政措置に要する費用
第23条 次に掲げる費用は、都道府県の支弁とする。
1.
第12条第1項の規定により都道府県が設置する知的障害者更生相談所に要する費用
2.
第13条第1項の規定により都道府県が設置する知的障害者福祉司に要する費用
第25条 都道府県は、政令の定めるところにより、
第22条の規定により市町村が支弁した費用について、次に掲げるものを負担する。
1.第22条第2号の費用(次号に掲げる費用を除く。)については、その4分の1
2.第22条第2号の費用(第9条第1項に規定する居住地を有しないか、又は居住地が明らかでない知的障害者(第4号において「居住地不明知的障害者」という。)についての行政措置に要する費用に限る。)については、その10分の5
3.第22条第3号の費用(
第16条第1項第2号の規定による行政措置に要する費用に限り、次号に掲げる費用を除く。)については、その4分の1
4.
第22条第3号の費用(居住地不明知的障害者について
第16条第1項第2号の規定により市町村が行う行政措置に要する費用に限る。)については、その10分の5
第26条 国は、政令の定めるところにより、
第22条の規定により市町村が支弁した費用について、次に掲げる費用の10分の5を負担する。
2.
第22条第3号の費用のうち、
第16条第1項第2号の規定による行政措置に要する費用
第27条 第15条の4又は
第16条第1項第2号の規定による行政措置に要する費用を支弁すべき市町村の長は、当該知的障害者又はその扶養義務者(民法(明治29年法律第89号)に定める扶養義務者をいう。)から、その負担能力に応じて、当該行政措置に要する費用の全部又は一部を徴収することができる。
第27条の2 社会福祉法
第58条第2項から第4項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)
第2条第2項第3号の規定又は同法
第3条第1項第4号及び第2項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
第29条 町村が一部事務組合又は広域連合を設けて福祉事務所を設置した場合には、この法律の適用については、その一部事務組合又は広域連合を福祉事務所を設置する町村とみなす。
第30条 この法律の規定中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法(昭和22年法律第67号)
第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法
第252条の22第1項の中核市(以下「中核市」という。)においては、政令の定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律の規定中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。
第31条 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
第32条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。
2 社会福祉法附則第7項の規定に基づき置かれた組織の長は、この法律の適用については、福祉事務所長とみなす。
3 児童福祉法第63条の5の規定による通知に係る児童は、第9条から第11条まで、第13条、第15条の4、第16条(第1項第2号に限る。)及び第22条から第27条までの規定の適用については、18歳以上の知的障害者とみなす。
