じん肺法
| 第1章 | 総 則 | (第1条〜第6条) |
| 第2章 | 健康管理 | (第7条〜第23条) |
| 第3章 | 削除 | (第24条〜第31条) |
| 第4章 | 政府の援助等 | (第32条〜第35条) |
| 第5章 | 雑 則 | (第35条の2〜第44条の2) |
| 第6章 | 罰 則 | (第45条〜第46条) |
昭和35・3・31・法律 30号
改正昭和52・7・1・法律 76号−−
改正昭和58・12・2・法律 78号−−
改正平成10・4・24・法律 44号−−
改正平成10・9・30・法律112号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・7・16・法律102号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成16・6・9・法律 94号−−
改正平成16・12・1・法律150号−−(施行=平17年4月1日)
第1条 この法律は、じん肺に関し、適正な予防及び健康管理その他必要な措置を講ずることにより、労働者の健康の保持その他福祉の増進に寄与することを目的とする。
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1.じん肺 粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。
2.合併症 じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係があると認められる疾病をいう。
3.粉じん作業 当該作業に従事する労働者がじん肺にかかるおそれがあると認められる作業をいう。
4.労働者 労働基準法(昭和22年法律第49号)
第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。
5.事業者 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
第2条第3号に規定する事業者で、粉じん作業を行う事業に係るものをいう。
2 合併症の範囲については、厚生労働省令で定める。
第3条 この法律の規定によるじん肺健康診断は、次の方法によつて行うものとする。
1.粉じん作業についての職歴の調査及びエックス線写真(直接撮影による胸部全域のエックス線写真をいう。以下同じ。)による検査
2.厚生労働省令で定める方法による胸部に関する臨床検査及び肺機能検査
3.厚生労働省令で定める方法による結核精密検査その他厚生労働省令で定める検査
2 前項第2号の検査は、同項第1号の調査及び検査の結果、じん肺の所見がないと診断された者以外の者について行う。ただし、肺機能検査については、エックス線写真に一側の肺野の3分の1を超える大きさの大陰影(じん肺によるものに限る。次項及び次条において同じ。)があると認められる者その他厚生労働省令で定める者を除く。
3 第1項第3号の結核精密検査は同項第1号及び第2号の調査及び検査(肺機能検査を除く。)の結果、じん肺の所見があると診断された者のうち肺結核にかかつており、又はかかつている疑いがあると診断された者について、同項第3号の厚生労働省令で定める検査は同項第1号及び第2号の調査及び検査の結果、じん肺の所見があると診断された者のうち肺結核以外の合併症にかかつている疑いがあると診断された者(同項第3号の厚生労働省令で定める検査を受けることが必要であると認められた者に限る。)について行う。ただし、エックス線写真に一側の肺野の3分の1を超える大きさの大陰影があると認められる者を除く。
第4条 じん肺のエックス線写真の像は、次の表の下欄に掲げるところにより、第1型から第4型までに区分するものとする。
| 型 | エックス線写真の像 |
| 第1型 | 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が少数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの |
| 第2型 | 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの |
| 第3型 | 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの |
| 第4型 | 大陰影があると認められるもの |
2 粉じん作業に従事する労働者及び粉じん作業に従事する労働者であつた者は、じん肺健康診断の結果に基づき、次の表の下欄に掲げるところにより、管理1から管理4までに区分して、この法律の規定により、健康管理を行うものとする。
| じん肺管理区分 | じん肺健康診断の結果 |
| 管理1 | じん肺の所見がないと認められるもの |
| 管理2 | エツクス線写真の像が第1型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの |
| 管理3 | イ | エツクス線写真の像が第2型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの |
| ロ | エックス線写真の像が第3型又は第4型(大陰影の大きさが一側の肺野の3分の1以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの |
| 管理4 | (1)エックス線写真の像が第4型(大陰影の大きさが一側の肺野の3分の1を超えるものに限る。)と認められるもの |
| (2)エックス線写真の像が第1型、第2型、第3型又は第4型(大陰影の大きさが一側の肺野の3分の1以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害があると認められるもの |
第5条 事業者及び粉じん作業に従事する労働者は、じん肺の予防に関し、労働安全衛生法及び鉱山保安法(昭和24年法律第70号)の規定によるほか、粉じんの発散の防止及び抑制、保護具の使用その他について適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第6条 事業者は、労働安全衛生法及び鉱山保安法の規定によるほか、常時粉じん作業に従事する労働者に対してじん肺に関する予防及び健康管理のために必要な教育を行わなければならない。
第7条 事業者は、新たに常時粉じん作業に従事することとなつた労働者(当該作業に従事することとなつた日前1年以内にじん肺健康診断を受けて、じん肺管理区分が管理2又は管理3イと決定された労働者その他厚生労働省令で定める労働者を除く。)に対して、その就業の際、じん肺健康診断を行わなければならない。この場合において、当該じん肺健康診断は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を省略することができる。
第8条 事業者は、次の各号に掲げる労働者に対して、それぞれ当該各号に掲げる期間以内ごとに一回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。
1.常時粉じん作業に従事する労働者(次号に掲げる者を除く。) 3年
2.常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理2又は管理3であるもの 1年
3.常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理2である労働者(厚生労働省令で定める労働者を除く。) 3年
4.常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理3である労働者(厚生労働省令で定める労働者を除く。) 1年
2 前条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第9条 事業者は、次の各号の場合には、当該労働者に対して、遅滞なく、じん肺健康診断を行わなければならない。
1.常時粉じん作業に従事する労働者(じん肺管理区分が管理2、管理3又は管理4と決定された労働者を除く。)が、労働安全衛生法
第66条第1項又は第2項の健康診断において、じん肺の所見があり、又はじん肺にかかつている疑いがあると診断されたとき。
2.合併症により1年を超えて療養のため休業した労働者が、医師により療養のため休業を要しなくなつたと診断されたとき。
3.前2号に掲げる場合のほか、厚生労働省令で定めるとき。
2 第7条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第9条の2 事業者は、次の各号に掲げる労働者で、離職の日まで引き続き厚生労働省令で定める期間を超えて使用していたものが、当該離職の際にじん肺健康診断を行うように求めたときは、当該労働者に対して、じん肺健康診断を行わなければならない。ただし、当該労働者が直前にじん肺健康診断を受けた日から当該離職の日までの期間が、次の各号に掲げる労働者ごとに、それぞれ当該各号に掲げる期間に満たないときは、この限りでない。
1.常時粉じん作業に従事する労働者(次号に掲げる者を除く。) 1年6月
2.常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理2又は管理3であるもの 6月
3.常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理2又は管理3である労働者(厚生労働省令で定める労働者を除く。) 6月
2 第7条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第10条 事業者は、じん肺健康診断を行つた場合においては、その限度において、労働安全衛生法
第66条第1項又は第2項の健康診断を行わなくてもよい。
第11条 関係労働者は、正当な理由がある場合を除き、
第7条から
第9条までの規定により事業者が行うじん肺健康診断を受けなければならない。ただし、事業者が指定した医師の行うじん肺健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師の行うじん肺健康診断を受け、当該エックス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
第12条 事業者は、
第7条から
第9条の2までの規定によりじん肺健康診断を行つたとき、又は前条ただし書の規定によりエツクス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他の書面が提出されたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、じん肺の所見があると診断された労働者について、当該エツクス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面を都道府県労働局長に提出しなければならない。
第13条 第7条から
第9条の2まで又は
第11条ただし書の規定によるじん肺健康診断の結果、じん肺の所見がないと診断された者のじん肺管理区分は、管理1とする。
2 都道府県労働局長は、前条の規定により、エツクス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん肺管理区分の決定をするものとする。
3 都道府県労働局長は、地方じん肺診査医の意見により、前項の決定を行うため必要があると認めるときは、事業者に対し、期日若しくは方法を指定してエツクス線写真の撮影若しくは厚生労働省令で定める範囲内の検査を行うべきこと又はその指定する物件を提出すべきことを命ずることができる。
4 事業者は、前項の規定による命令を受けてエツクス線写真の撮影又は検査を行つたときは、遅滞なく、都道府県労働局長に、当該エツクス線写真又は検査の結果を証明する書面その他その指定する当該検査に係る物件を提出しなければならない。
5 第11条本文の規定は、第3項の規定による命令を受けてエツクス線写真の撮影又は検査を行なう場合に準用する。
第14条 都道府県労働局長は、前条第2項の決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を当該事業者に通知するとともに、遅滞なく、
第12条又は前条第3項若しくは第4項の規定により提出されたエツクス線写真その他の物件を返還しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者(厚生労働省令で定める労働者であつた者を含む。)に対して、その者について決定されたじん肺管理区分及びその者が留意すべき事項を通知しなければならない。
3 事業者は、前項の規定による通知をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を記載した書面を作成し、これを3年間保存しなければならない。
第15条 常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であつた者は、いつでも、じん肺健康診断を受けて、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長にじん肺管理区分を決定すべきことを申請することができる。
2 前項の規定による申請は、エツクス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面を添えてしなければならない。
3 第13条第2項から第4項まで及び前条第1項の規定は、第1項の規定による申請があつた場合に準用する。この場合において、
第13条第2項中「前条」とあるのは「第15条第2項」と、同条第3項及び第4項中「事業者」とあるのは「申請者」と、前条第1項中「当該事業者」とあるのは「申請者及び申請者を使用する事業者」と、「第12条又は前条第3項若しくは第4項」とあるのは「前条第3項若しくは第4項又は次条第2項」と読み替えるものとする。
第16条 事業者は、いつでも、常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であつた者について、じん肺健康診断を行い、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長にじん肺管理区分を決定すべきことを申請することができる。
2 前条第2項の規定は前項の規定による申請に、
第13条第2項から第4項まで及び
第14条の規定は前項の規定による申請があつた場合に準用する。この場合において、
第13条第2項中「前条」とあるのは「第16条第2項の規定により準用する第15条第2項」と、
第14条第1項中「第12条又は前条第3項若しくは第4項」とあるのは「前条第3項若しくは第4項又は第16条第2項の規定により準用する次条第2項」と読み替えるものとする。
第16条の2 都道府県労働局長は、常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であつた者について、適正なじん肺管理区分を決定するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対して、エツクス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面(次項において「エツクス線写真等」という。)を提出すべきことを命ずることができる。
2 第13条第2項から第4項まで及び
第14条の規定は、前項の規定によりエツクス線写真等の提出があつた場合に準用する。この場合において、
第14条第1項中「第12条又は前条第3項若しくは第4項」とあるのは「前条第3項若しくは第4項又は第16条の2第1項」と読み替えるものとする。
第17条 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行つたじん肺健康診断及び
第11条ただし書の規定によるじん肺健康診断に関する記録を作成しなければならない。
2 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の記録及びじん肺健康診断に係るエックス線写真を7年間保存しなければならない。
第18条 第13条第2項(
第15条第3項、
第16条第2項及び
第16条の2第2項において準用する場合を含む。)の決定についての審査請求における審査請求書には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)
第15条に規定する事項のほか、厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。
2 前項の審査請求書には、厚生労働省令で定めるところにより、当該決定に係るエツクス線写真その他の物件及び証拠となる物件を添附しなければならない。
第19条 前条第1項の審査請求の裁決は、中央じん肺診査医の診断又は審査に基づいてするものとする。
2 厚生労働大臣は、前条第1項の審査請求について、当該決定を取り消す旨の裁決をするときは、裁決で、労働者又は労働者であつた者についてじん肺管理区分を決定するものとする。
3 第13条第3項及び第4項の規定は、前条第1項の審査請求があつた場合に準用する。この場合において、これらの規定中「都道府県労働局長」とあるのは「厚生労働大臣」と、「地方じん肺診査医」とあるのは「中央じん肺診査医」と、「前項の決定」とあるのは「裁決」と、「事業者」とあるのは「審査請求人」と読み替えるものとする。
4 厚生労働大臣は、裁決をしたときは、前条第2項の規定又は前項において準用する
第13条第3項若しくは第4項の規定により提出されたエツクス線写真その他の物件をその提出者に返還しなければならない。
5 厚生労働大臣は、裁決をしたときは、行政不服審査法
第42条第4項の規定によるほか、裁決書の謄本を厚生労働省令で定める利害関係者に送付するものとする。
第20条 第18条第1項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第20条の2 事業者は、じん肺健康診断の結果、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業上適切な措置を講ずるように努めるとともに、適切な保健指導を受けることができるための配慮をするように努めなければならない。
第20条の3 事業者は、じん肺管理区分が管理2又は管理3イである労働者について、粉じんにさらされる程度を低減させるため、就業場所の変更、粉じん作業に従事する作業時間の短縮その他の適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第21条 都道府県労働局長は、じん肺管理区分が管理3イである労働者が現に常時粉じん作業に従事しているときは、事業者に対して、その者を粉じん作業以外の作業に常時従事させるべきことを勧奨することができる。
2 事業者は、前項の規定による勧奨を受けたとき、又はじん肺管理区分が管理3ロである労働者が現に常時粉じん作業に従事しているときは、当該労働者を粉じん作業以外の作業に常時従事させることとするように努めなければならない。
3 事業者は、前項の規定により、労働者を粉じん作業以外の作業に常時従事させることとなつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を都道府県労働局長に通知しなければならない。
4 都道府県労働局長は、じん肺管理区分が管理3ロである労働者が現に常時粉じん作業に従事している場合において、地方じん肺診査医の意見により、当該労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対して、その者を粉じん作業以外の作業に常時従事させるべきことを指示することができる。
第22条 事業者は、次の各号に掲げる労働者が常時粉じん作業に従事しなくなつたとき(労働契約の期間が満了したことにより離職したときその他厚生労働省令で定める場合を除く。)は、その日から7日以内に、その者に対して、次の各号に掲げる労働者ごとに、それぞれ労働基準法
第12条に規定する平均賃金の当該各号に掲げる日数分に相当する額の転換手当を支払わなければならない。ただし、厚生労働大臣が必要があると認めるときは、転換手当の額について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
1.前条第1項の規定による勧奨を受けた労働者又はじん肺管理区分が管理3ロである労働者(次号に掲げる労働者を除く。) 30日分
2.前条第4項の規定による指示を受けた労働者 60日分
第22条の2 事業者は、じん肺管理区分が管理3である労働者を粉じん作業以外の作業に常時従事させるために必要があるときは、その者に対して、作業の転換のための教育訓練を行うように努めなければならない。
第23条 じん肺管理区分が管理4と決定された者及び合併症にかかつていると認められる者は、療養を要するものとする。
第32条 政府は、事業者に対して、粉じんの測定、粉じんの発散の防止及び抑制、じん肺健康診断その他じん肺に関する予防及び健康管理に関し、必要な技術的援助を行うように努めなければならない。
2 政府は、じん肺の予防に関する技術的研究及び前項の技術的援助を行なうため必要な施設の整備を図らなければならない。
第33条 都道府県労働局及び産業保安監督部に、事業者が行うじん肺の予防に関する措置について必要な技術的援助を行わせるため、粉じん対策指導委員を置くことができる。
2 粉じん対策指導委員は、衛生工学に関し学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣又は経済産業大臣が任命する。
第34条 政府は、じん肺管理区分が管理3である労働者が当該事業場において粉じん作業以外の作業に常時従事することができないときは、当該労働者のために、職業紹介及び職業訓練に関し適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第35条 政府は、じん肺にかかつた労働者であつた者の生活の安定を図るため、就労の機会を与えるための施設及び労働能力の回復を図るための施設の整備その他に関し適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第35条の2 事業者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨を粉じん作業を行う作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付ける等の方法により、労働者に周知させなければならない。
第35条の3 第7条から
第9条の2まで及び
第16条第1項のじん肺健康診断の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の心身の欠陥その他の秘密を漏らしてはならない。
第36条 租税その他の公課は、転換手当を標準として課することができない。
第37条 転換手当の支払を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
第38条 転換手当の支払を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によつて消滅する。
第39条 厚生労働省に中央じん肺診査医を、都道府県労働局に地方じん肺診査医を置く。
2 中央じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断又は審査及びこれらに関する事務を行うものとする。
3 地方じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断又は審査及びこれらに関する事務を行うほか、
第21条第4項の規定による指示に関する事務に参画するものとする。
4 中央じん肺診査医及び地方じん肺診査医(以下この条及び次条において「じん肺診査医」という。)は、じん肺に関し相当の学識経験を有する医師のうちから、厚生労働大臣が任命する。
第40条 じん肺診査医は、前条第2項又は第3項の規定による職務を行うため必要があるときは、その必要の限度において、粉じん作業を行う事業場に立ち入り、労働者その他の関係者に質問し、又はエツクス線写真若しくは診療録その他の物件を検査することができる。
2 前項の規定により立入検査をするじん肺診査医は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第41条 労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。
第42条 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要な限度において、粉じん作業を行う事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査し、又は粉じんの測定若しくは分析を行うことができる。
2 前項の規定により立入検査をする労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第43条 労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の規定による司法警察員の職務を行なう。
第43条の2 労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。
2 事業者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
第44条 厚生労働大臣、都道府県労働局長及び労働基準監督署長は、この法律の目的を達成するため必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に、じん肺に関する予防及び健康管理に関する事項を報告させることができる。
第44条の2 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第45条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
3.
第40条第1項の規定による質問に対して虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
4.
第42条第1項の規定による質問に対して虚偽の陳述をし、又は検査、測定若しくは分析を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
5.
第44条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
第46条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。
