工場立地法
昭和34・3・20・法律 24号
改正昭和54 法律 15号
改正平成9・12・12・法律119号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成12・5・31・法律 91号−−
第1条 この法律は、工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行なわれるようにするため、工場立地に関する調査を実施し、及び工場立地に関する準則等を公表し、並びにこれらに基づき勧告、命令等を行ない、もつて国民経済の健全な発展と国民の福祉の向上に寄与することを目的とする。
第2条 経済産業大臣(工場立地に伴う公害防止に関する調査にあつては、経済産業大臣及び環境大臣。次各第1項及び第15条の3において同じ。)は、あらかじめ、調査の対象、調査の方法その他調査に関する重要事項について産業構造審議会の意見を聴いて、工場適地の調査、工場立地の動向の調査及び工場立地に伴う公害の防止に関する調査を行うものとする。
2 前項の工場適地の調査は、調査をすべき地区内の団地を実地に調査し、並びに当該地区の地形、地質その他の自然条件及び用水事情、輸送条件その他の立地条件に関する資料を収集することにより行なう。
3 第1項の工場立地の動向の調査は、製造業(物品の加工修理業を含む。以下同じ。)、電気供給業、ガス供給業又は熱供給業(以下「製造業等」という。)を営む者(以下「事業者」という。)の主要な工場又は事業場の設置の状況及びその設置に関する長期の見通しを個別的に調査することにより行なう。
4 第1項の工場立地に伴う公害の防止に関する調査は、大規模な工場又は事業場の設置が集中して行なわれると予想される地区及びその周辺の地域で調査をすべきものを実地に調査し、当該地区及びその周辺の地域に係る地形、風向、潮せきその他の自然条件並びに土地利用の現況、環境保全及び開発整備の方針その他の社会的条件に関する資料を収集し、並びにその実地調査の結果及び収集した資料に基づき、電子計算機、模型その他の機械及び装置を使用して解析をすることにより行なう。
第3条 経済産業大臣は、前条第1項の調査及び
第15条の3の報告に基づいて工場立地調査簿を作成するものとする。
2 経済産業大臣は、前項の工場立地調査簿を事業者、工場又は事業場を設置しようとする者その他これを利用しようとする者の閲覧に供するものとする。
3 第1項の工場立地調査簿には、前条第1項の調査又は
第15条の3の報告により知り得た事業者の秘密に属する事項を記載してはならない。
第4条 経済産業大臣及び製造業等を所管する大臣は、関係行政機関の長に協議し、かつ、産業構造審議会の意見を聴いて、次の事項につき、製造業等に係る工場又は事業場の立地に関する準則を公表するものとする。
1.製造業等の業種の区分に応じ、生産施設(物品の製造施設、加工修理施設その他の主務省令で定める施設をいう。以下同じ。)、緑地(植栽その他の主務省令で定める施設をいう。以下同じ。)及び環境施設(緑地及びこれに類する施設で工場又は事業場の周辺の地域の生活環境の保持に寄与するものとして主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)のそれぞれの面積の敷地面積に対する割合に関する事項
2.環境施設及び設置の場所により工場又は事業場の周辺の地域の生活環境の悪化をもたらすおそれがある施設で主務省令で定めるものの配置に関する事項
3.前2号に掲げる事項の特例に関する次に掲げる事項
イ 工業団地(製造業等に係る2以上の工場又は事業場の用に供するための敷地及びこれに隣接し、緑地、道路その他の施設の用に供するための敷地として計画的に取得され、又は造成される一団の土地をいう。以下同じ。)に工場又は事業場を設置する場合に、工業団地について一体として配慮することが適切であると認められるもの
ロ 工業集合地(製造業等に係る2以上の工場又は事業場が集中して立地する一団の土地(工業団地を含むものを含む。)をいう。以下同じ。)に隣接する一団の土地に緑地又は環境施設が計画的に整備されることにより周辺の地域の生活環境の改善に寄与すると認められる工業集合地に工場又は事業場を設置する場合に、工業集合地及び緑地又は環境施設について一体として配慮することが適切であると認められるもの
2 経済産業大臣及び製造業等を所管する大臣(工場立地に伴う公害の防止に係る判断の基準となるべき事項にあつては、経済産業大臣、環境大臣及び製造業等を所管する大臣)は、関係行政機関の長に協議し、かつ、産業構造審議会の意見を聴いて、
第2条第1項の調査に基づき、製造業等に係る工場又は事業場の立地に関し事業者の判断の基準となるべき事項を公表するものとする。
第4条の2 都道府県は、当該都道府県の区域のうちに、その自然的、社会的条件から判断して、緑地及び環境施設のそれぞれの面積の敷地面積に対する割合に関する事項(以下この条において「緑地面積率等」という。)に係る前条第1項の規定により公表された準則によることとするよりも、他の準則によることとすることが適切であると認められる区域があるときは、その区域における緑地面積率等について、条例で、次項の基準の範囲内において、同条第1項の規定により公表された準則に代えて適用すべき準則(
第9条第2項第1号において「地域準則」という。)を定めることができる。
2 経済産業大臣及び製造業等を所管する大臣は、関係行政機関の長に協議し、かつ、産業構造審議会の意見を聴いて、緑地面積率等について、緑地及び環境施設の整備の必要の程度に応じて区域の区分ごとの基準を公表するものとする。
3 第1項の条例においては、併せて当該区域の範囲を明らかにしなければならない。
第5条 工場又は事業場を設置しようとする者は、経済産業大臣に対し、その工場又は事業場の立地に関する事項について、資料の提供又は助言を求めることができる。この場合において、経済産業大臣は、その所掌する事項に関し、必要な助言をするものとする。
第6条 製造業等に係る工場又は事業場(政令で定める業種に属するものを除く。)であつて、一の用地内における敷地面積又は建築物の建築面積の合計が政令で定める規模以上であるもの(以下「特定工場」という。)の新設(敷地面積若しくは建築物の建築面積を増加し、又は既存の施設の用途を変更することにより特定工場となる場合を含む。以下同じ。)をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、次の事項を当該特定工事の設置の場所を管轄する都道府県知事(以下単に「都道府県知事」という。)に届け出なければならない。ただし、当該特定工場の設置の場所が、
第2条第4項に規定する地区のうち同項の規定による調査の結果に基づき大気又は水質に係る公害の防止につき特に配慮する必要があると認められる地区で経済産業大臣及び環境大臣が産業構造審議会の意見を聴いて指定するもの(以下「指定地区」という。)に属しない場合には、第6号の事項については、この限りでない。
1.氏名又は名称及び住所
2.特定工場における製品(加工修理業に属するものにあつては加工修理の内容、電気供給業、ガス供給業又は熱供給業に属するものにあつては特定工場の種類)
3.特定工場の設置の場所
4.特定工場の敷地面積及び建築面積
5.特定工場における生産施設、緑地及び環境施設の面積並びに環境施設及び
第4条第1項第2号の主務省令で定める施設の配置(次のイ又はロに掲げる場合にあつては、それぞれイ又はロに定める事項を含む。)
イ 工業団地に特定工場の新設をする場合
当該工業団地の面積並びに緑地、環境施設その他の主務省令で定める施設の面積及び環境施設の配置
ロ 工業集合地に特定工場の新設をする場合であつて、
第4条第1項第3号ロに掲げる事項に係る同項第1号及び第2号に掲げる事項の特例の適用を受けようとするとき
当該工業集合地に隣接する一団の土地に計画的に整備される緑地又は環境施設(以下この号及び
第8条第1項第2号において「隣接緑地等」という。)の面積、当該環境施設の配置並びに隣接緑地等の整備につき当該工業集合地に工場又は事業場を設置する者が負担する費用の総額(
第8条第1項第2号において「負担総額」という。)及び当該特定工場の新設をする者が負担する費用
6.特定工場における大気又は水質に係る公害の原因となる主務省令で定める物質(以下「汚染物質」という。)の最大排出予定量並びにその予定量を超えないこととするための当該汚染物質に係る燃料及び原材料の使用に関する計画、公害防止施設の設置その他の措置
7.特定工場の新設のための工事の開始の予定日
2 前項の規定による届出には、当該特定工場の配置図その他の主務省令で定める書類を添附しなければならない。
第7条 前条第1項の規定に基づく政令の改廃の際現に当該政令の改廃により新たに同項の規定の適用を受けることとなる特定工場の設置をしている者(当該特定工場の新設のための工事をしている者を含む。)は、当該特定工場に係る同項第2号又は第4号から第6号までの事項(同項第5号の事項にあつては、当該特定工場内の生産施設、緑地若しくは環境施設の面積又は環境施設若しくは
第4条第1項第2号の主務省令で定める施設の配置に係る事項に限り、前条第1項第6号の事項にあつては、当該特定工場の設置の場所が指定地区に属する場合に限る。次条第1項において同じ。)に係る変更(主務省令で定める軽微なものを除く。)で当該特定工場となる日以後最初に行われるものをしようとするときは、主務省令で定めるところにより、その旨及び前条第1項第2号又は第4号から第6号までの事項で当該変更に係るもの以外のものを都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該特定工場の設置の場所が指定地区に属しない場合には、同項第6号の事項については、この限りでない。
2 前条第2項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
第8条 第6条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、当該特定工場に係る
第6条第1項第2号又は第4号から第6号までの事項に係る変更(前条第1項の主務省令で定める軽微なものを除く。)をしようとするときは、主務省令で定めるところにより、その旨(次の各号に掲げる場合にあつては、当該各号に定める事項)を都道府県知事に届け出なければならない。
1.当該変更が、指定地区の指定のあつた際現に当該指定地区において設置されており又は新設のための工事がされている特定工場についての
第6条第1項第2号又は第4号から第6号までの事項に係る変更で当該指定の日以後最初に行われるものであり、かつ、その変更に係る事項が同項第6号の事項以外の事項である場合その旨及び同号の事項
2.当該変更が、工業集合地に設置されている特定工場についての
第6条第1項第2号、第4号又は第5号の事項に係る変更で、隣接緑地等につき第4条第1項第3号ロに掲げる事項に係る同項第1号及び第2号に掲げる事項の特例の適用を受けようとする場合
その旨、隣接緑地等の面積、当該隣接緑地等における環境施設の配置並びに負担総額及び当該変更をする者が負担する費用
2 第6条第2項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
第9条 都道府県知事は、
第6条第1項、
第7条第1項又は前条第1項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る事項(敷地面積又は建築物の建築面積の増加をすることにより特定工場となる場合に係る
第6条第1項の規定による届出の場合には、当該増加に係る部分に限り、
第7条第1項又は前条第1項の規定による届出の場合には、当該変更に係る部分に限る。以下同じ。)のうち
第6条第1項第5号及び第6号の事項以外の事項が次の各号の一に該当するときは、その届出をした者に対し、特定工場の設置の場所に関し必要な事項について勧告をすることができる。
1.特定工場の新設又は
第7条第1項若しくは前条第1項の規定による届出に係る変更(以下「新設等」という。)によつてその周辺の地域における工場又は事業場の立地条件が著しく悪化するおそれがあると認められるとき。
2.特定工場の新設等をしようとする地域の自然条件又は立地条件からみて、当該場所を当該特定工場に係る業種の用に供することとするよりも他の業種の製造業等の用に供することとすることが国民経済上極めて適切なものであると認められるとき。
2 都道府県知事は、
第6条第1項、
第7条第1項又は前条第1項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る事項のうち
第6条第1項第5号の事項が第1号に該当し、又は同項第6号の事項が第2号に該当するときは、その届出をした者に対し、同項第5号又は第6号の事項に関し必要な事項について勧告をすることができる。
1.
第4条第1項の規定により公表された準則(
第4条の2第1項の規定により地域準則が定められた場合にあつては、その地域準則を含む。)に適合せず、特定工場の周辺の地域における生活環境の保持に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
2.特定工場の設置の場所が指定地区に属する場合において、当該特定工場からの汚染物質の排出が当該指定地区において設置され又は設置されると予想される特定工場からの汚染物質の排出と一体となることによりその周辺の地域における大気又はその周辺の公共用水域における水質に係る公害の防止に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
3 前2項の勧告は、
第6条第1項、
第7条第1項又は前条第1項の規定による届出のあつた日から60日以内にしなければならない。
第10条 都道府県知事は、前条第2項の勧告を受けた者がその勧告に従わない場合において、特定工場の新設等が行われることにより同項各号に規定する事態が生じ、かつ、これを除去することが極めて困難となると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に係る事項の変更を命ずることができる。
2 前項の規定による命令は、当該勧告に係る届出のあつた日から90日以内にしなければならない。
第11条 第6条第1項の規定による届出をした者、
第7条第1項の規定による届出をした者又は
第8条第1項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から90日を経過した後でなければ、それぞれ、当該特定工場の新設をし、又は
第7条第1項若しくは
第8条第1項の規定による届出に係る変更をしてはならない。
2 都道府県知事は、
第6条第1項、
第7条第1項又は
第8条第1項の規定による届出に係る事項について、その内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
第12条 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者は、
第6条第1項第1号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第13条 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者から当該特定工場を譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定工場に係る当該届出をした者の地位を承継する。
2 第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者について相続、合併又は分割(当該特定工場を承継させるものに限る。)があつたときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該特定工場を承継した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
3 前2項の規定により
第6条第1項又は
第7条第1項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第15条の2 国は、工場立地の適正化を円滑に推進するため、工場又は事業場に係る環境施設の整備につき、必要な資金のあつせんその他の援助に努めるものとする。
第15条の3 経済産業大臣は、
第2条第1項の調査を適正にするため必要があるときは、政令で定めるところにより、事業者に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
第15条の4 この法律の規定により、都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)
第252条の19第1項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)においては、指定都市が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。
第15条の5 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第15条の6 第4条第1項第1号若しくは第2号又は
第6条第1項第5号イにおける主務省令は、経済産業大臣及び製造業等を所管する大臣の発する命令とする。
2 第6条第1項本文若しくは第6号若しくは第2項、
第7条第1項又は
第8条第1項における主務省令は、経済産業大臣、環境大臣及び製造業等を所管する大臣の発する命令とする。
第16条 次の各号の一に該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1.
第6条第1項、
第7条第1項又は
第8条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第17条 第11条第1項の規定に違反した者は、3月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第18条 第15条の3の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20万円以下の罰金に処する。
第19条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第20条 第12条又は
第13条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、10万円以下の過料に処する。
