航空機工業振興法
昭和33・5・10・法律150号
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成16・12・3・法律154号−−
改正平成17・10・21・法律102号−−(施行=平19年10月1日)
改正平成18・6・2・法律 50号(未)(施行=平20年12月1日)
第1条 この法律は、航空機等の国際共同開発を促進するための措置等を講ずることにより、航空機工業の振興を図り、あわせて産業の技術の向上及び国際交流の進展に寄与することを目的とする。
第2条 この法律で「航空機等」とは、次に掲げるものをいう。
1.航空機製造事業法(昭和27年法律第237号)
第2条第1項に規定する航空機であつて、民間航空の用に供するもの
2.前号に規定する航空機の一部を構成し、又はこれに装備される機械器具であつて、経済産業省令で定めるもの
3.前2号に掲げる物の部品及び材料であつて、経済産業省令で定めるもの
2 この法律で「国際共同開発」とは、本邦法人と外国法人(外国の政府機関その他の経済産業省令で定める者を含む。)とが共同して行う航空機等の設計、試作及び試験並びにこれらに付随する行為をいう。
第3条 経済産業大臣は、国際共同開発を促進するため、国際共同開発の事業を行う本邦法人(以下「開発事業者」という。)に対する国際共同開発に関する基本的な指針(以下「開発指針」という。)を定めるものとする。
2 開発指針に定める事項は、次のとおりとする。
1.航空機工業及び国際共同開発の動向
2.国際共同開発の対象とすべき航空機等の種類
3.国際共同開発により達成すべき技術上の目標
4.その他国際共同開発に関する重要事項
3 経済産業大臣は、第1項の規定により開発指針を定めようとするときは、産業構造審議会の意見を聴かなければならない。
4 経済産業大臣は、第1項の規定により開発指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第4条 経済産業大臣は、内外の経済的事情の変動のため必要があるときは、開発指針を改定するものとする。
2 前条第3項及び第4項の規定は、開発指針の改定について準用する。
第5条 政府は、開発指針に即して国際共同開発を促進するため、開発事業者等(開発事業者及びその承継人をいう。以下同じ。)に対して次に掲げる助成金(以下「開発助成金」という。)の交付の事業を行う者として経済産業大臣が指定した者(以下「指定開発促進機関」という。)が当該事業を行うときは、その指定開発促進機関に対し、予算の範囲内において、その事業に必要な資金の全部又は一部に充てるため交付金を交付することができる。
1.国際共同開発(開発指針を勘案して経済産業大臣が定める国際共同開発の助成に関する基準に適合するものに限る。次号において同じ。)に必要な資金であつて、経済産業省令で定める用途に係るものの一部に充てられる助成金
2.国際共同開発に必要な資金(前号の助成金に係るものを除く。)に係る経済産業大臣が定める金融機関からの借入れによる債務に係る利子の額に経済産業省令で定める割合を乗じて得た金額の支払いに充てられる助成金
第6条 指定開発促進機関は、前条の交付金の交付を受けようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に交付の申請をしなければならない。
2 経済産業大臣は、前項の申請に対し、交付金の交付の決定をする場合においては、この法律及びこれに基づく命令の規定並びに予算で定める交付金の交付の目的を達成するため必要な範囲内で、条件を付することができる。
3 前2項に定めるもののほか、前条の交付金の交付に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
第7条 指定開発促進機関は、
第5条の交付金を、
第14条第1項の規定により経済産業大臣の認可を受けた業務規程に従つて、開発助成金の交付の事業に使用しなければならない。
第8条 経済産業大臣は、指定開発促進機関に対し、開発助成金の交付を受けた開発事業者等から、その交付を受けて開発された航空機等の販売その他の当該国際共同開発の事業の成果の利用により開発事業者等が得た収入又は利益(次項において「開発による収益」という。)の一部を
第5条の開発助成金の交付の事業に充てるための納付金として徴収することを、開発助成金の交付の条件として定め、これに従つて当該納付金を徴収することを命ずることができる。
2 前項の納付金の額は、開発による収益の発生に対する開発助成金の寄与の程度を勘案して経済産業大臣が国際共同開発の事業の種類ごとに定める算式により算定した金額とする。
3 前条の規定は、第1項の規定により徴収した納付金について準用する。
第9条 開発事業者等は、交付を受けた開発助成金を、指定開発促進機関が
第14条第1項の規定により経済産業大臣の認可を受けた業務規程に基づき決定した当該開発助成金の用途その他の事項及びその決定に際し付した条件に従つて、使用しなければならない。
第10条 開発事業者等は、交付を受けた開発助成金を使用して行う国際共同開発の事業により取得した財産を、指定開発促進機関が
第14条第1項の規定により経済産業大臣の認可を受けた業務規程に基づき当該開発助成金の交付を決定するに際し付した条件に違反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け又は担保に供してはならない。
第11条 政府は、政令で定めるところにより、航空機工業の技術水準の向上に寄与する航空機等の開発を促進するため特に必要があると認める場合において、航空機等に関する試験研究を行う者に国有の試験研究施設を使用させるときは、その使用の対価を時価よりも低く定めることができる。
第12条 政府は、航空機工業の技術水準の向上に寄与する航空機等の開発の促進に必要な資金の確保に努めるものとする。
第13条 第5条の指定は、経済産業省令で定めるところにより、民法(明治29年法律第89号)
第34条の規定により設立された財団法人で開発助成金の交付の事業を行おうとするものの申請により行う。
2 経済産業大臣は、前項の申請をした者が、次のいずれかに該当するときは、その指定をしてはならない。
1.この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
2.
第21条第1項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
3.その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者
イ 第1号に該当する者
ロ
第18条の規定による命令により解任され、解任の日から2年を経過しない者
3 経済産業大臣は、第1項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
1.開発助成金の交付の対象となる国際共同開発の事業の選定その他開発助成金の交付の事業に係る業務(以下「助成業務」という。)の適確な実施に必要な知識及び能力を有するものであること。
2.助成業務の適確な実施に必要な経理的基礎を有するものであること。
3.その役員の構成又は助成業務以外の業務を行つている場合にはその業務の内容が助成業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。
4.その指定をすることによつて国際共同開発の効率的かつ円滑な促進を阻害することとならないこと。
第14条 指定開発促進機関は、助成業務の開始前に、当該助成業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程で定めるべき事項は、次のとおりとする。
1.開発助成金の交付の対象となる国際共同開発の事業の選定の基準に関する事項
2.一の国際共同開発の事業に対する開発助成金の交付の期間に関する事項
3.開発助成金の交付の申請及び決定の手続並びに交付の決定に際し付すべき条件に関する事項
4.前3号に掲げるもののほか、開発助成金の交付に関し必要な事項
6.前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
3 経済産業大臣は、第1項の認可をした業務規程が、助成業務の適確かつ公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
第15条 指定開発促進機関は、毎事業年度、経済産業省令で定めるところにより、事業計画及び収支予算を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これらを変更しようとするときも、同様とする。
第16条 指定開発促進機関は、毎事業年度終了後、経済産業省令で定めるところにより、財産目録、貸借対照表、収支決算書及び事業報告書を経済産業大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第17条 指定開発促進機関は、開発助成金の交付の事業に関する基金(以下「開発促進基金」という。)を設け、
第5条の規定により政府から交付を受けた交付金及び
第8条第1項の規定により徴収した納付金に相当する金額をこれに充てるものとする。
2 開発促進基金に係る資金に余裕が生じたときは、当該余裕金は、次の方法によらなければこれを運用してはならない。
1.国債その他経済産業大臣の指定する有価証券の保有
2.銀行その他経済産業大臣の指定する金融機関への預金
3.信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
3 指定開発促進機関は、開発促進基金に係る経理を、経済産業省令で定めるところにより、一般の経理と区分して整理しなければならない。
第18条 経済産業大臣は、指定開発促進機関の役員が、この法律若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、
第14条第1項の規定により経済産業大臣の認可を受けた業務規程若しくは
第15条の規定により経済産業大臣の認可を受けた事業計画によらないで助成業務を行つたとき、又は助成業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定開発促進機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
第19条 助成業務に従事する指定開発促進機関の役員又は職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第20条 経済産業大臣は、指定開発促進機関が正当な理由がないのに助成業務を行わないことその他助成業務の実施を適切に行つていないことにより国際共同開発の促進に支障が生じていると認めるときは、指定開発促進機関に対し、助成業務を適確に遂行するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 前項に定めるもののほか、経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、指定開発促進機関に対し、助成業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第21条 経済産業大臣は、指定開発促進機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は1年以内の期間を定めて助成業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1.この章の規定に違反したとき。
2.
第7条(
第8条第3項において準用する場合を含む。)の規定に違反して交付金又は納付金を他の用途に使用したとき。
4.
第13条第2項第1号又は第3号に該当するに至つたとき。
5.
第14条第1項の認可を受けた業務規程又は
第15条の認可を受けた事業計画によらないで助成業務を行つたとき。
6.不正な手段により指定を受けたとき。
2 経済産業大臣は、前項に定める場合のほか、指定開発促進機関が
第5条の開発助成金の交付の事業を行う必要がないと認めるに至つたときは、その指定を取り消すことができる。
第22条 第18条又は前条の規定による処分に係る聴聞の主宰者は、行政手続法(平成5年法律第88号)
第17条第1項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
第23条 経済産業大臣は、指定開発促進機関が
第6条第2項の規定に基づき付した条件に違反したとき、又は
第7条(
第8条第3項において準用する場合を含む。)の規定に違反して交付金若しくは納付金を他の用途に使用したときは、指定開発促進機関に対し、当該交付金又は納付金の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべきことを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、開発事業者等が
第9条の規定に違反して開発助成金を他の用途に使用したとき、又は
第10条の規定に違反したときは、指定開発促進機関に対し、当該開発事業者等に交付した開発助成金の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべきことを命ずることができる。
3 経済産業大臣は、
第21条第1項の規定に基づき指定を取り消したときは、指定を取り消された者に対し、開発促進基金の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべきことを命ずることができる。
4 経済産業大臣は、第2項の命令を行つた場合において、やむを得ない事情があると認めるときは、経済産業省令で定めるところにより、納付の期限を延長し、又は納付の命令の全部若しくは一部を取り消すことができる。
第24条 指定開発促進機関は、前条第1項の規定により納付を命ぜられたときは、当該命令に係る交付金又は納付金の使用に関する違反の事実が発生した日以後の経済産業大臣が指定する日から納付の日までの日数に応じ、その命令に係る金額につき年10.95パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。
2 指定開発促進機関は、前条第1項の規定による納付を命ぜられ、これを納期日までに納付しなかつたときは、経済産業省令で定めるところにより、納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ、その未納付額につき年10.95パーセントの割合で計算した延滞金を国に納付しなければならない。
3 経済産業大臣は、前2項の場合において、やむを得ない事情があると認めるときは、経済産業省令で定めるところにより、加算金又は延滞金の全部又は一部を免除することができる。
第25条 第23条第1項から第3項までの規定に基づき経済産業大臣が納付を命じた納付金又はこれに係る加算金若しくは延滞金は、国税滞納処分の例により、徴収することができる。
2 前項の納付金又は加算金若しくは延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第26条 経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定開発促進機関若しくは開発助成金の交付を受けた開発事業者等からその業務若しくは経理の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、指定開発促進機関若しくは開発助成金の交付を受けた開発事業者等の事務所、事業所等に立ち入り、業務若しくは経理の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。ただし、開発助成金の交付を受けた開発事業者等に対しては、当該開発助成金の交付を受けて行う業務の範囲内に限る。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第27条 経済産業大臣は、次の場合には、財務大臣と協議しなければならない。
2.
第5条第1号又は第2号の経済産業省令を定めようとするとき。
3.
第5条第2号の規定により金融機関を定めようとするとき。
第28条 第21条第1項の規定により
第5条の指定が取り消された場合において、経済産業大臣がその取消し後に新たな指定開発促進機関の指定をしたときは、当該取消しに係る指定開発促進機関の開発促進基金(
第23条第3項の規定に基づく納付の命令に係る金額に相当するものを除く。次項において同じ。)その他の助成業務に係る財産は、政令で定めるところにより、新たに指定を受けた指定開発促進機関に帰属するものとする。
2 前項に定める場合のほか、
第5条の指定が取り消された場合における開発促進基金その他の助成業務に係る財産の管理及び処分については、政令で定めるところにより、
第8条第1項の納付金を納付した者の意見を聴いて処理するものとする。
第29条 偽りその他不正の手段により交付金又は開発助成金の交付を受けた者は、5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の場合において、情を知つて交付した者も、また同項と同様とする。
第30条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1.
第7条(
第8条第3項において準用する場合を含む。)の規定に違反して交付金又は納付金を他の用途に使用した者
2.
第9条の規定に違反して開発助成金を他の用途に使用した者
第31条 第21条第1項の規定による助成業務の停止の命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。
第32条 第26条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、10万円以下の罰金に処する。
第33条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、
第29条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
