工業用水道事業法
| 第1章 | 総 則 | (第1条〜第2条) |
| 第2章 | 事 業 | (第3条〜第10条) |
| 第3章 | 施 設 | (第11条〜第15条) |
| 第4章 | 供 給 | (第16条〜第20条) |
| 第5章 | 雑 則 | (第21条〜第26条) |
| 第6章 | 罰 則 | (第27条〜第31条) |
昭和33・4・25・法律 84号
改正昭和62・9・4・法律 87号−−
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成14・2・8・法律 1号−−
第1条 この法律は、工業用水道事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、工業用水の豊富低廉な供給を図り、もつて工業の健全な発達に寄与することを目的とする。
第2条 この法律において「工業」とは、製造業(物品の加工修理業を含む。)、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業をいう。
2 この法律において「工業用水」とは、工業の用に供する水(水力発電の用に供するもの及び人の飲用に適する水として供給するものを除く。)をいう。
3 この法律において「工業用水道」とは、導管により工業用水を供給する施設であつて、その供給をする者の管理に属するものの総体をいう。
4 この法律において「工業用水道事業」とは、一般の需要に応じ工業用水道により工業用水を供給する事業をいう。
5 この法律において「工業用水道事業者」とは、工業用水道事業を営むことについて次条第1項の規定による届出をし、又は同条第2項の許可を受けた者をいう。
6 この法律において「工業用水道施設」とは、工業用水道事業者の工業用水道に属する施設をいう。
第3条 地方公共団体は、工業用水道事業を営もうとするときは、その工業用水道施設の設置の工事の開始の日の60日前までに、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 地方公共団体以外の者は、工業用水道事業を営もうとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
第4条 前条第1項の規定による届出をし、又は同条第2項の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した届出書又は申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所
2.給水区域
3.給水能力
4.水源の種別及び取水地点
2 前項の届出書又は申請書には、事業計画及び工業用水道施設の工事設計を記載した書類その他経済産業省令で定める書類を添附しなければならない。
第5条 経済産業大臣は、
第3条第2項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
1.その工業用水道事業の開始が工業における一般の需要に適合すること。
2.その工業用水道事業の計画が確実であること。
3.その工業用水道施設の工事設計が
第11条に規定する施設基準に適合していること。
4.その他その工業用水道事業の開始が工業の健全な発達のため必要であり、かつ、適切であること。
第6条 地方公共団体たる工業用水道事業者は、
第4条第1項第2号から第4号までの事項を変更しようとするときは、その変更に必要な工業用水道施設の変更の工事の開始の日の40日前まで(工事を要しないときは、その変更前)に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 地方公共団体以外の工業用水道事業者は、
第4条第1項第2号から第4号までの事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
第7条 地方公共団体以外の工業用水道事業者は、その氏名若しくは名称又は住所に変更があつたときは、遅滞なく、その官を経済産業大臣に届け出なければならない。
第8条 地方公共団体以外の工業用水道事業者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、工業用水道事業者の地位を承継する。
2 前項の規定により工業用水道事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第9条 地方公共団体たる工業用水道事業者は、その工業用水道事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 地方公共団体以外の工業用水道事業者は、経済産業大臣の許可を受けなければ、工業用水道事業の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
3 経済産業大臣は、工業用水道事業の休止又は廃止により公共の利益が阻害されるおそれがないと認めるときは、前項の許可をしなければならない。
第10条 経済産業大臣は、地方公共団体以外の工業用水道事業者が正当な理由がないのに
第3条第2項の許可を受けた後3年以内にその事業を開始しないときは、同項の許可を取り消すことができる。
2 経済産業大臣は、地方公共団体以外の工業用水道事業者が前条第2項の許可を受けないで引き続き6月以上その事業の全部又は一部を休止したときは、
第3条第2項の許可を取り消すことができる。
3 経済産業大臣は、前2項の規定による許可の取消をしたときは、理由を記載した文書をその工業用水道事業者に送付しなければならない。
第11条 工業用水道事業者の工業用水道は、原水の質及び量、地理的条件等に応じ、取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設の全部又は一部を有すべきものとし、その各施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
1.取水施設は、必要量の原水を取り入れることができるものであること。
2.貯水施設は、渇水時においても必要量の原水を送るのに必要な貯水能力を有すること。
3.導水施設は、必要量の原水を送るためのポンプ、導水管その他の設備を有すること。
4.浄水施設は、原水の質及び量に応じ必要な浄化をするためのちんでん池その他の設備を有すること。
5.送水施設は、必要量の水を送るためのポンプ、送水管その他の設備を有すること。
6.配水施設は、必要量の水を一定以上の圧力で連続して供給するための配水池、ポンプ、配水管その他の設備を有すること。
2 工業用水道施設の位置及び配列は、その設置及び維持管理ができるだけ経済的であるように定めなければならない。
3 工業用水道施設の構造及び材質は、水圧、土圧、地震力その他の荷重に対して充分な耐力を有し、かつ、漏水し、又は汚水か混入するおそれがないものでなければならない。
4 前3項に規定するもののほか、工業用水道施設に関して必要な技術的基準は、経済産業省令で定める。
第12条 経済産業大臣は、
第3条第1項又は
第6条第1項の規定による届出に係る工業用水道施設の工事設計が前条に規定する施設基準に適合しないため工業用水道事業の適正かつ合理的な運営に支障を生じ、又は公共の安全を害するおそれがあると認めるときは、その届出に係る工事の開始前に限り、その工事設計を変更すべきことを指示することができる。
2 経済産業大臣は、
第3条第1項又は
第6条第1項の規定による届出に係る工業用水道施設の工事設計が前条に規定する施設基準に適合していると認めるときは、遅滞なく、その旨をその届出をした者に通知しなければならない。
第13条 工業用水道事業者は、工業用水道施設の設置又は変更の工事(経済産業省令で定める軽微なものを除く。)をした場合において、その工事に係る工業用水道施設を使用して給水を開始しようとするときは、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第14条 工業用水道事業者は、工業用水道施設を
第11条に規定する施設基準に適合するように維持しなければならない。
2 経済産業大臣は、工業用水道施設が
第11条に規定する施設基準に適合しないため工業用水道事業の適正かつ合理的な運営に支障を生じ、又は公共の安全を害するおそれがあると認めるときは、工業用水道事業者に対し、工業用水道施設をその施設基準に適合するように改善すべきことを指示することができる。
第15条 工業用水道事業者は、工業用水道施設の設置又は変更に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、他人の土地に立ち入ることができる。
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつたときは、土地の所有者及び占有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 工業用水道事業者は、第1項の規定により他人の土地に立ち入るときは、あらかじめ、土地の占有者に通知しなければならない。
4 工業用水道事業者は、第1項の規定により他人の土地に立ち入るときは、都道府県知事の許可を受けたことを証する書面を携帯し、関係人に提示しなければならない。
5 工業用水道事業者は、第1項の規定により他人の土地に立ち入つたときは、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
第16条 工業用水道事業者は、正当な理由がなければ、何人に対しても、その給水区域における工業用水の供給を拒んではならない。ただし、給水の申込を受けた工業用水の量が次条に規定する供給規程で定める一給水先当りの給水量の最少限度に満たないときは、この限りでない。
2 工業用水道事業者は、その給水区域以外の地域において、一般の需要に応じ工業用水道により工業用水を供給してはならない。
第17条 地方公共団体たる工業用水道事業者は、一般の需要に応じ供給する工業用水の料金その他の供給条件について供給規程を定め、あらかじめ、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更するときも、同様とする。
2 地方公共団体以外の工業用水道事業者は、一般の需要に応じ供給する工業用水の料金その他の供給条件について供給規程を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 前2項の供給規程は、次の各号に適合するものでなければならない。
1.料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。
2.料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
3.工業用水道事業者及び使用者の責任に関する事項並びに導管、水量メーターその他の設備に関する費用の負担区分及びその額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。
4.特定の者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。
第18条 経済産業大臣は、地方公共団体以外の工業用水道事業者の工業用水の料金その他の供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、その工業用水道事業者に対し、相当の期限を定め、供給規程の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、供給規程を変更することができる。
第19条 工業用水道事業者は、政令で定めるところにより、その供給する工業用水の水質を測定し、その結果を記録しておかなければならない。
第20条 国は、豊富低廉な工業用水の供給を図るため、工業用水道事業者の工業用水道の布設につき、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。
第21条 工業用水道事業者が設置している工業用水道以外の工業用水道であつて政令で定めるもの(以下「自家用工業用水道」という。)を布設する者は、給水開始の後遅滞なく、次の事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
1.氏名又は名称及び住所
2.給水先
3.給水能力
4.水源の種別及び取水地点
5.給水開始の年月日
6.経済産業省令で定める施設の概要
2 前項の規定による届出をした者は、その届出をした事項に変更があつたとき、又は給水を廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第22条 経済産業大臣は、工業用水道の水源の開発上必要な調査(河川法(昭和39年法律第167号)が適用され、又は準用される河川に係るものを除く。)に努めるものとする。
第23条 経済産業大臣は、工業用水の供給を確保するために必要な限度において、政令で定めるところにより、工業用水道事業者に対し、その事業に関し報告をさせることができる。
2 経済産業大臣は、工業用水の供給を確保するために必要な限度において、政令で定めるところにより、自家用工業用水道を布設している者に対し、その工業用水道による給水に関し報告をさせることができる。
第24条 経済産業大臣は、工業用水の供給を確保するために必要な限度において、その職員に、工業用水道施設の所在の場所又は工業用水道事業者の事業所に立ち入り、工業用水道施設、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第25条 第10条第1項又は第2項の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
2 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法(平成5年法律第88号)
第17条第1項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
第26条 この法律の規定による処分についての異議申立てに対する決定は、その処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による意見の徴収をした後にしなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 第1項の意見の徴収に際しては、その処分に係る者及び利害関係人に対し、その事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第27条 第3条第2項の規定に違反して工業用水道事業を営んだ者は、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
第28条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
1.
第6条第2項の規定に違反して
第4条第1項第3号又は第4号の事項を変更した者
2.
第9条第2項の規定に違反して工業用水道事業の全部又は一部を休止し、又は廃止した者
3.
第16条第1項の規定に違反して工業用水の供給を拒んだ者
第29条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
1.
第16条第2項の規定に違反して工業用水を供給した者
2.地方公共団体以外の工業用水道事業者であつて、
第17条第2項の認可を受けた供給規程(
第18条第2項の規定による変更があつたときは、変更後の供給規程)によらないで一般の需要に応じ工業用水を供給したもの
第30条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
2.
第19条の規定による記録をせず、又は虚偽の記録をした者
3.
第23条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
4.
第24条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第31条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前4条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
