安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
昭和31・6・25・法律160号
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成14・7・31・法律 96号−−
改正平成14・7・31・法律 96号−−
改正平成18・3・31・法律 10号−−
第1条 この法律は、血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保及び適正な使用の推進のために必要な措置を講ずるとともに、人の血液の利用の適正及び献血者等の保護を図るために必要な規制を行うことにより、国民の保健衛生の向上に資することを目的とする。
第2条 この法律で「血液製剤」とは、人血漿その他の人体から採取された血液を原料として製造される医薬品(薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する医薬品をいう。以下同じ。)であつて、厚生労働省令で定めるものをいう。
2 この法律で「献血者等」とは、献血をする者その他の被採血者をいう。
3 この法律で「採血事業者」とは、人体から採血することについて
第13条第1項の許可を受けた者をいう。
4 この法律で「製造販売業者」、「製造業者」又は「販売業者」とは、それぞれ薬事法
第12条第1項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者、同法
第13条第1項の医薬品の製造業の許可を受けた者又は同法
第24条第1項の医薬品の販売業の許可を受けた者をいう。
第3条 血液製剤は、その原料である血液の特性にかんがみ、その安全性の向上に常に配慮して、製造され、供給され、又は使用されなければならない。
2 血液製剤は、国内自給(国内で使用される血液製剤が原則として国内で行われる献血により得られた血液を原料として製造されることをいう。以下同じ。)が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない。
3 血液製剤は、献血により得られる血液を原料とする貴重なものであること、及びその原料である血液の特性にかんがみ、適正に使用されなければならない。
4 国、地方公共団体その他の関係者は、この法律に基づく施策の策定及び実施に当たつては、公正の確保及び透明性の向上が図られるよう努めなければならない。
第4条 国は、基本理念にのつとり、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 国は、血液製剤に関し国内自給が確保されることとなるように、献血に関する国民の理解及び協力を得るための教育及び啓発、血液製剤の適正な使用の推進に関する施策の策定及び実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第5条 都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本理念にのつとり、献血について住民の理解を深めるとともに、採血事業者による献血の受入れが円滑に実施されるよう、必要な措置を講じなければならない。
第6条 採血事業者は、基本理念にのつとり、献血の受入れを推進し、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に協力するとともに、献血者等の保護に努めなければならない。
第7条 血液製剤の製造販売業者、製造業者及び販売業者は、基本理念にのつとり、安全な血液製剤の安定的かつ適切な供給並びにその安全性の向上に寄与する技術の開発並びに情報の収集及び提供に努めなければならない。
第8条 医師その他の医療関係者は、基本理念にのつとり、血液製剤の適正な使用に努めるとともに、血液製剤の安全性に関する情報の収集及び提供に努めなければならない。
第9条 厚生労働大臣は、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
1.血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方向
2.血液製剤(用法、効能及び効果について血液製剤と代替性のある医薬品を含む。第8号において同じ。)についての中期的な需給の見通し
3.血液製剤に関し国内自給が確保されるための方策に関する事項
4.献血の推進に関する事項
5.血液製剤の製造及び供給に関する事項
6.血液製剤の安全性の向上に関する事項
7.血液製剤の適正な使用に関する事項
8.その他献血及び血液製剤に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、少なくとも5年ごとに基本方針に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
4 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。
5 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
第10条 厚生労働大臣は、基本方針に基づき、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画(以下「献血推進計画」という。)を定めるものとする。
2 献血推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
1.当該年度に献血により確保すべき血液の目標量
2.前号の目標量を確保するために必要な措置に関する事項
3.その他献血の推進に関する重要事項
3 前条第4項及び第5項の規定は、献血推進計画について準用する。
4 都道府県は、基本方針及び献血推進計画に基づき、採血事業者による献血の受入れが円滑に実施されるよう、毎年度、翌年度の当該都道府県における献血の推進に関する計画(次項において「都道府県献血推進計画」という。)を定めるものとする。
5 都道府県は、都道府県献血推進計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出するとともに、公表するものとする。
第11条 採血事業者は、基本方針及び献血推進計画に基づき、毎年度、都道府県の区域を単位として、翌年度の献血の受入れに関する計画(以下「献血受入計画」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
2 採血事業者は、献血受入計画を作成しようとするときは、あらかじめ、当該都道府県の意見を聴かなければならない。
3 厚生労働大臣は、第1項の認可をしようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。
4 都道府県及び市町村は、献血推進計画に基づき、第1項の認可を受けた献血受入計画の当該地域における円滑な実施を確保するため、必要な協力を行わなければならない。
第12条 次に掲げる物を製造する者がその原料とする目的で採血する場合を除いては、何人も、業として、人体から採血してはならない。ただし、治療行為として、又は輸血、医学的検査若しくは学術研究のための血液を得る目的で採血する場合は、この限りでない。
1.血液製剤
2.医学的検査、学術研究等のために必要がある物として政令で指定する物
2 何人も、業として、人体から採取された血液又はこれから得られた物を原料として、前項各号に掲げる物(以下「血液製剤等」という。)以外の物を製造してはならない。ただし、血液製剤等の製造に伴つて副次的に得られた物又は厚生労働省令で定めるところによりその本来の用途に適しないか若しくは適しなくなつたとされる血液製剤等を原料とする場合は、この限りでない。
第13条 血液製剤等の原料とする目的で、業として、人体から採血しようとする者は、採血を行う場所(以下「採血所」という。)ごとに、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。ただし、病院又は診療所の開設者が、当該病院又は診療所における診療のために用いられる血液製剤のみの原料とする目的で採血しようとするときは、この限りでない。
2 厚生労働大臣は、前項の許可の申請があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、同項の許可を与えないことができる。
1.製造しようとする血液製剤等の供給が既に需要を満たしていると認めるとき。
2.申請者が採血しようとする血液の供給源となる地域において、その者が必要とする量の血液の供給を受けることが著しく困難であると認めるとき。
3.申請者が営利を目的として採血しようとする者であるとき。
4.申請者が
第22条の規定による許可の取消しの処分又は薬事法第75条第1項の規定による医薬品の製造業の許可の取消しの処分を受け、その処分の日から起算して3年を経過していないとき。
5.申請者が法人である場合において、その業務を行う役員のうちに前号の規定に該当する者があるとき。
3 厚生労働大臣は、第1項の許可をしようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。ただし、採血事業者について新たに採血所の開設を許可しようとするときは、この限りでない。
4 第1項の規定による許可の申請は、厚生労働省令で定めるところにより、採血所の所在地の都道府県知事を経由して行わなければならない。
5 採血事業者は、厚生労働省令で定める事項に変更があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、採血所の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
第14条 採血事業者は、その許可に係る事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、採血所ごとに、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の許可をしようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。ただし、当該事業の休止又は廃止によつて著しく公益を害するおそれがないと認められるときは、この限りでない。
3 前条第4項の規定は、第1項の規定による許可の申請について準用する。
第15条 厚生労働大臣は、献血者等の保護及び血液の利用の適正を期するため必要があると認めるときは、採血事業者に対して、採血する血液の量その他の事項に関し必要な指示をすることができる。
第16条 何人も、有料で、人体から採血し、又は人の血液の提供のあつせんをしてはならない。
第17条 採血事業者は、採血及び原料血漿(国内で献血により得られる人血漿であつて人血漿以外の血液製剤の原料となるものをいう。以下同じ。)の製造その他の採血に附帯する業務(以下「採血関係業務」と総称する。)に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務規程に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。
3 採血事業者は、第1項の認可を受けたときは、遅滞なく、その業務規程を公表しなければならない。
第18条 採血事業者は、採血関係業務に関し、毎事業年度の開始前に、厚生労働省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、厚生労働大臣に提出するとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第19条 採血事業者は、採血関係業務に関し、毎事業年度の経過後3月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、その事業年度の事業報告書、貸借対照表及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出するとともに、公表しなければならない。
第20条 厚生労働大臣は、採血関係業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、採血事業者に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第21条 採血事業者は、厚生労働省令で定める採血の業務の管理及び構造設備に関する基準に適合した採血所(採血の用に供する車両を含む。以下同じ。)において、採血しなければならない。
2 厚生労働大臣は、採血所が前項に掲げる基準に適合しないと認めるときは、採血事業者に対し、その採血の業務の管理若しくは構造設備の改善を命じ、又はそれらの改善を行うまでの間その業務の停止を命ずることができる。
第22条 厚生労働大臣は、採血事業者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は
第15条の規定による指示に違反したときは、その許可を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。
第23条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、採血事業者から必要な報告を徴し、又は当該職員をして採血所に立ち入り、帳簿その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 当該職員は、前項の規定による立入り、検査又は質問をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第24条 血液製剤等の原料たる血液又は輸血のための血液を得る目的で、人体から採血しようとする者は、あらかじめ献血者等につき、厚生労働省令で定める方法による健康診断を行わなければならない。
2 前項の採血者は、厚生労働省令で定めるところにより貧血者、年少者、妊娠中の者その他採血が健康上有害であるとされる者から採血してはならない。
第25条 厚生労働大臣は、基本方針に基づき、毎年度、翌年度の血液製剤(用法、効能及び効果について血液製剤と代替性のある医薬品を含み、厚生労働省令で定める血液製剤を除く。以下この条及び次条において同じ。)の安定供給に関する計画(以下「需給計画」という。)を定めるものとする。
2 需給計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
1.当該年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量
2.当該年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標
3.当該年度に確保されるべき原料血漿の量の目標
4.当該年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標
5.その他原料血漿の有効利用に関する重要事項
3 採血事業者及び血液製剤の製造販売業者等(製造販売業者及び製造業者をいう。以下同じ。)は、需給計画の作成に資するため、毎年度、翌年度において供給すると見込まれる原料血漿の量、製造し又は輸入すると見込まれる血液製剤の量その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 需給計画の作成に当たつては、原料血漿は、医療上の必要性が高いと認められる種類の血液製剤の製造に対し、優先的に配分されるよう配慮しなければならない。
5 厚生労働大臣は、需給計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとする。
6 厚生労働大臣は、需給計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
7 採血事業者及び血液製剤の製造販売業者等は、原料血漿の配分又は血液製剤の製造若しくは輸入に当たつては、需給計画を尊重しなければならない。
第26条 血液製剤の製造販売業者等は、厚生労働省令で定めるところにより、血液製剤の製造又は輸入の実績を厚生労働大臣に報告しなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により報告された実績が需給計画に照らし著しく適正を欠くと認めるときは、当該報告を行つた製造販売業者等に対し、需給計画を尊重して製造し、又は輸入すべきことを勧告することができる。
3 厚生労働大臣は、毎年度、需給計画の実施状況について、薬事・食品衛生審議会に報告するものとする。
第27条 採血事業者は、血液製剤について薬事法
第14条第1項の承認を受けた製造販売業者、当該製造販売業者から委託を受けた製造業者その他厚生労働省令で定める者以外の者に原料血漿を配分してはならない。
第28条 採血事業者は、その採取した血液を原料として製造された血液製剤による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずるために必要と認められる場合には、当該血液に関する必要な情報を、当該血液製剤の製造販売業者に提供しなければならない。
第29条 厚生労働大臣は、毎年度、薬事法
第68条の8第1項に規定する生物由来製品(血液製剤に限る。)の評価に係る報告について薬事・食品衛生審議会に報告し、必要があると認めるときは、その意見を聴いて、採血事業者に対する指示その他血液製剤の安全性の向上のために必要な措置を講ずるものとする。
第30条 業として人体から採血することは、医療及び歯科医療以外の目的で行われる場合であつても、医師法(昭和23年法律第201号)
第17条に規定する医業に該当するものとする。
第31条 第13条第4項(
第14条第3項において準用する場合を含む。)及び第5項並びに
第23条第1項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)
第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第32条 第16条の規定に違反した者は、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第33条 第12条又は
第13条第1項の規定に違反した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第34条 第21条第2項又は
第22条の規定による業務停止の処分に違反した者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第35条 第14条第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第36条 第20条の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第37条 第24条第1項の採血者(その者が法人である場合にあつては、その役員)及びその職員並びにこれらの者であつた者が、採血の業務に関して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第38条 第23条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者、同条の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者若しくは同条の規定による質問に対して虚偽の答弁をした者又は
第11条第1項、
第25条第3項若しくは
第26条第1項の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。
第39条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、
第32条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
