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と畜場法

  昭和二八年 八月 一日法律第一一四号  
改正昭和五八年一二月一〇日法律第 八三号--
改正昭和六〇年 七月一二日法律第 九〇号--
改正平成 五年一一月一二日法律第 八九号--
改正平成一一年 七月一六日法律第 八七号--
改正平成一一年一二月二二日法律第一六〇号--(施行=平13年1月6日)
改正平成一五年 五月三〇日法律第 五五号--
改正平成一五年 五月三〇日法律第 五五号--
改正平成一五年 五月三〇日法律第 五五号--
改正平成一九年 六月二七日法律第 九六号--(施行=平19年12月26日)
改正平成二六年 六月一三日法律第 六九号--(施行=平28年4月1日)
第一条 この法律は、と畜場の経営及び食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じ、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。
第二条 国、都道府県及び地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)は、家畜の生産の実態及び獣畜の疾病の発生の状況を踏まえ、食品衛生上の危害の発生を防止するため、食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保のために必要な措置を講じなければならない。
第三条 この法律で「獣畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいう。
 この法律で「と畜場」とは、食用に供する目的で獣畜をとさつし、又は解体するために設置された施設をいう。
 この法律で「一般と畜場」とは、通例として生後一年以上の牛若しくは馬又は一日に十頭を超える獣畜をとさつし、又は解体する規模を有すると畜場をいう。
 この法律で「簡易と畜場」とは、一般と畜場以外のと畜場をいう。
 この法律で「と畜業者」とは、獣畜のとさつ又は解体の業を営む者をいう。
第四条 一般と畜場又は簡易と畜場は、都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長。以下同じ。)の許可を受けなければ、設置してはならない。
 前項の規定による許可を受けようとする者は、構造設備その他厚生労働省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
 第一項の規定により許可を受けて設置したと畜場について、構造設備その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとする者は、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。
第五条 都道府県知事は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該と畜場の設置の場所が次の各号のいずれかに該当するとき、又は当該と畜場の構造設備が政令で定める一般と畜場若しくは簡易と畜場の基準に合わないと認めるときは、同項の許可を与えないことができる。
一 人家が密集している場所
二 公衆の用に供する飲料水が汚染されるおそれがある場所
三 その他都道府県知事が公衆衛生上危害を生ずるおそれがあると認める場所
 都道府県知事は、公衆衛生上必要があると認めるときは、前条第一項の規定による許可を受けたと畜場(以下単に「と畜場」という。)につき、その構造設備の規模に応じ、当該と畜場において通例として処理することができる獣畜の種類及び一日当りの頭数を制限することができる。
第六条 と畜場の設置者又は管理者は、と畜場の内外を常に清潔にし、汚物処理を十分に行い、ねずみ、昆虫等の発生の防止及び駆除に努め、厚生労働省令で定める基準に従い、と畜場を衛生的に管理し、その他公衆衛生上必要な措置を講じなければならない。
第七条 と畜場の管理者(と畜場の管理者がいないと畜場にあつては、と畜場の設置者。以下この項、第六項、次条及び第十八条第一項第五号において同じ。)は、と畜場を衛生的に管理させるため、と畜場ごとに、衛生管理責任者を置かなければならない。ただし、と畜場の管理者が自ら衛生管理責任者となつて管理すると畜場については、この限りでない。
 衛生管理責任者は、と畜場の衛生管理に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反が行われないように、当該と畜場の衛生管理に従事する者を監督し、当該と畜場の構造設備を管理し、その他当該と畜場の衛生管理につき、必要な注意をしなければならない。
 衛生管理責任者は、と畜場の衛生管理に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反が行われないように、当該と畜場の衛生管理につき、当該と畜場の設置者又は管理者に対し必要な意見を述べなければならない。
 と畜場の設置者又は管理者は、前項の規定による衛生管理責任者の意見を尊重しなければならない。
 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、衛生管理責任者となることができない。
一 獣医師
二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において獣医学又は畜産学の課程を修めて卒業した者
三 学校教育法第五十七条に規定する者又は厚生労働省令で定めるところによりこれらの者と同等以上の学力があると認められる者で、と畜場の衛生管理の業務に三年以上従事し、かつ、都道府県又は保健所を設置する市が行う講習会の課程を修了した者
 と畜場の管理者は、衛生管理責任者を置き、又は自ら衛生管理責任者となつたときは、その日から十五日以内に、都道府県知事に、その衛生管理責任者の氏名又は自ら衛生管理責任者となつた旨その他厚生労働省令で定める事項を届け出なければならない。衛生管理責任者を変更したときも、同様とする。
 受講科目その他第五項第三号の講習会の課程に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第八条 都道府県知事は、衛生管理責任者が次の各号のいずれかに該当する場合であつて当該衛生管理責任者に引き続きその職務を行わせることが適切でないと認めるときは、と畜場の管理者に対し、その解任を命ずることができる。
一 この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
二 前条第二項に規定する職務を怠つたとき。
第九条 と畜業者その他獣畜のとさつ又は解体を行う者(以下「と畜業者等」という。)は、と畜場内において獣畜のとさつ又は解体を行う場合には、厚生労働省令で定める基準に従い、獣畜のとさつ又は解体を衛生的に管理し、その他公衆衛生上必要な措置を講じなければならない。
第一〇条 と畜業者等は、獣畜のとさつ又は解体を衛生的に管理させるため、と畜場ごとに、作業衛生責任者を置かなければならない。ただし、と畜業者等が自ら作業衛生責任者となつて管理すると畜場については、この限りでない。
 第七条第二項から第七項までの規定及び第八条の規定は、作業衛生責任者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第一一条 と畜場の設置者又は管理者は、正当な理由がなければ、獣畜のとさつ又は解体のためにと畜場を使用することを拒んではならない。
 と畜業者は、正当な理由がなければ、獣畜のとさつ又は解体を拒んではならない。
第一二条 と畜場の設置者若しくは管理者又はと畜業者は、と畜場使用料又はとさつ解体料について、あらかじめ、その額を定めて、都道府県知事の認可を受けなければならない。認可を受けたと畜場使用料又はとさつ解体料の額を変更しようとするときも、同様とする。
 と畜場の設置者若しくは管理者又はと畜業者は、前項の規定により認可を受けた額を超えると畜場使用料又はとさつ解体料を受けてはならない。
 と畜場の設置者若しくは管理者又はと畜業者は、第一項の規定により認可を受けたと畜場使用料又はとさつ解体料を、と畜場内の見やすい場所に掲示しなければならない。
第一三条 何人も、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜をとさつしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 食肉販売業その他食肉を取り扱う営業で厚生労働省令で定めるものを営む者以外の者が、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事に届け出て、主として自己及びその同居者の食用に供する目的で、獣畜(生後一年以上の牛及び馬を除く。)をとさつする場合
二 獣畜が不慮の災害により、負傷し、又は救うことができない状態に陥り、直ちにとさつすることが必要である場合
三 獣畜が難産、産褥麻痺又は急性鼓張症その他厚生労働省令で定める疾病にかかり、直ちにとさつすることが必要である場合
四 その他政令で定める場合
 何人も、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜を解体してはならない。ただし、前項第一号又は第四号の規定によりと畜場以外の場所においてとさつした獣畜を解体する場合は、この限りでない。
 都道府県知事は、公衆衛生上必要があると認めるときは、前二項の規定により、と畜場以外の場所において獣畜をとさつし、又は解体する者に対し、とさつ又は解体の場所、肉、内臓等の取扱方法及び汚物の処理方法を指示することができる。
第一四条 と畜場においては、都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外の獣畜をとさつしてはならない。
 と畜場においては、とさつ後都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外の獣畜を解体してはならない。
 と畜場内で解体された獣畜の肉、内臓、血液、骨及び皮は、都道府県知事の行う検査を経た後でなければと畜場外に持ち出してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 この項本文に規定する検査のため必要があると認められる場合において都道府県(保健所を設置する市にあつては、市。以下同じ。)の職員が解体された獣畜の肉、内臓、血液、骨又は皮の一部を持ち出すとき。
二 厚生労働省令で定める疾病の有無についてのこの項本文に規定する検査を行う場合において都道府県知事の許可を得て獣畜の皮を持ち出すときその他の衛生上支障がない場合として政令で定めるとき。
 前三項の規定は、都道府県知事が特に検査を要しないものと認めた場合を除き、前条第一項第四号又はこれに係る同条第二項ただし書の規定によりと畜場以外の場所で獣畜のとさつ又は解体が行われる場合に準用する。この場合において、前項中「と畜場外」とあるのは、「獣畜の解体を行つた場所外」と読み替えるものとする。
 前各項に規定する都道府県知事の権限に属する事務のうち、政令で定める疾病の有無についての検査に係るものは、前各項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、都道府県知事及び厚生労働大臣が行う。
 前各項の規定による検査は、次に掲げるものの有無について行うものとする。
一 家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)第二条第一項に規定する家畜伝染病及び同法第四条第一項に規定する届出伝染病
二 前号に掲げるもの以外の疾病であつて厚生労働省令で定めるもの
三 潤滑油の付着その他の厚生労働省令で定める異常
 前項に定めるもののほか、第一項から第五項までの規定により都道府県知事及び厚生労働大臣の行う検査の方法、手続その他検査に関し必要な事項は、政令で定める。
 第一項から第五項までの規定により都道府県知事及び厚生労働大臣が行う検査の結果については、審査請求をすることができない。
第一五条 何人も、第十三条第二項の規定に違反してと畜場以外の場所で解体された獣畜の肉若しくは内臓、又は前条第三項(同条第四項において準用する場合及び同条第五項の規定の適用がある場合を含む。)の規定に違反して持ち出された獣畜の肉若しくは内臓を、食品として販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。)の用に供する目的で譲り受けてはならない。
第一六条 都道府県知事は、第十四条の規定による検査の結果、獣畜が疾病にかかり、若しくは異常があり食用に供することができないと認めたとき、又は当該獣畜により若しくは当該獣畜のとさつ若しくは解体により病毒を伝染させるおそれがあると認めたときは、公衆衛生上必要な限度において、次に掲げる措置をとることができる。
一 当該獣畜のとさつ又は解体を禁止すること。
二 当該獣畜の所有者若しくは管理者、と畜場の設置者若しくは管理者、と畜業者その他の関係者に対し、当該獣畜の隔離、と畜場内の消毒その他の措置を講ずべきことを命じ、又は当該職員にこれらの措置を講じさせること。
三 当該獣畜の肉、内臓等の所有者若しくは管理者に対し、食用に供することができないと認められる肉、内臓その他の獣畜の部分について廃棄その他の措置を講ずべきことを命じ、又は当該職員にこれらの措置を講じさせること。
第一七条 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、と畜場の設置者若しくは管理者、と畜業者その他の関係者から必要な報告を徴し、又は当該職員に、と畜場若しくはと畜場の設置者若しくは管理者、と畜業者その他の関係者の事務所、倉庫その他の施設に立ち入り、設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第一八条 都道府県知事は、次に掲げる場合には、第四条第一項の規定による許可を取り消し、又はと畜場の設置者若しくは管理者に対し、期間を定めて、当該と畜場の施設の使用の制限若しくは停止を命ずることができる。
一 当該と畜場の構造設備が第五条第一項の規定による基準に合わなくなつたとき。
二 第五条第二項の規定による獣畜の種類及び頭数の制限が定められていると畜場において、その制限によらないで獣畜のとさつ又は解体が行われるに至つたとき。
三 第五条第二項の規定による獣畜の種類及び頭数の制限が定められていない簡易と畜場において、通例として、一日に十頭を超える獣畜又は生後一年以上の牛若しくは馬のとさつ又は解体が行われるに至つたとき。
四 当該と畜場の設置者又は管理者が、第六条又は第七条第一項若しくは第六項の規定に違反したとき。
五 当該と畜場の管理者が、第八条の規定による命令に違反したとき。
 都道府県知事は、次に掲げる場合には、と畜業者等に対し、期間を定めて、とさつ若しくは解体の業務の停止を命じ、又はとさつ若しくは解体を行うことを禁止することができる。
一 当該と畜業者等が、第九条又は第十条第一項若しくは第二項において準用する第七条第六項の規定に違反したとき。
二 当該と畜業者等が、第十条第二項において準用する第八条の規定による命令に違反したとき。
第一九条 第十四条に規定する検査の事務に従事させ、並びに第十六条及び第十七条第一項に規定する当該職員の職務並びに食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保に関する指導の職務を行わせるため、都道府県知事は、当該都道府県の職員のうちからと畜検査員を命ずるものとする。
 都道府県知事は、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第二十四条第一項に規定する都道府県等食品衛生監視指導計画の定めるところにより、と畜検査員に前項に規定する事務又は職務を行わせなければならない。
 と畜検査員の資格について必要な事項は、政令で定める。
第二〇条 厚生労働大臣は、食品衛生法第六十条の規定に基づき報告を求めた場合その他食品衛生上の危害の発生の防止のため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、期限を定めて、第十四条第一項から第四項までの規定により行う検査及び第十七条第一項の規定による措置を実施し、食中毒の原因を調査し、調査の結果を報告するように求めることができる。
第二一条 厚生労働大臣は、第六条第九条第十三条第一項第三号若しくは第十四条第六項第二号若しくは第三号の厚生労働省令を制定し、若しくは改廃しようとするとき、又は同条第七項の政令の制定若しくは改廃の立案をしようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。ただし、食品衛生上の危害の発生を防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ広く国民の意見を求めるいとまがないときは、この限りでない。
 厚生労働大臣は、前項ただし書の場合においては、事後において、遅滞なく、広く国民の意見を求めるものとする。
第二二条 厚生労働大臣及び農林水産大臣は、この法律の施行に当たつては、食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
第二三条 第十七条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第二四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第四条第一項の規定に違反した者
二 第十三条第一項又は第二項の規定に違反した者
三 第十四条第一項から第三項まで(同条第四項において準用する場合及び同条第五項の規定の適用がある場合を含む。)の規定に違反した者
第二五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第十五条の規定に違反した者
二 第十六条の規定による禁止若しくは命令に違反した者又は同条第二号若しくは第三号の規定により当該職員の職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第十八条第一項の規定による命令又は同条第二項の規定による命令若しくは禁止に違反した者
第二六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第六項(第十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十一条の規定に違反した者
三 第十二条第一項の規定による認可を受けないで、又は同条第二項の規定に違反して、と畜場使用料又はとさつ解体料を受けた者
四 第十三条第三項の規定による指示に違反した者
五 第十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第二十四条 一億円以下の罰金刑
二 第二十五条又は前条 各本条の罰金刑
附則(略)