外務公務員法
昭和27・3・31・法律 41号
改正平成8・5・9・法律 31号−−
改正平成11・7・16・法律102号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成17・11・7・法律114号−−
改正平成19・7・6・法律108号(未)(施行=2年内)
第1条 この法律は、外務公務員の職務と責任の特殊性に基き、外務公務員の職階制、任免、給与、能率、保障、服務等に関し国家公務員法(昭和22年法律第120号)の特例その他必要な事項を定め、あわせて名誉総領事及び名誉領事並びに外務省に勤務する外国人の任用について規定することを目的とする。
第2条 この法律において「外務公務員」とは、左に掲げる者をいう。
1.特命全権大使(以下「大使」という。)
2.特命全権公使(以下「公使」という。)
3.特派大使
4.政府代表
5.全権委員
6.政府代表又は全権委員の代理並びに特派大使、政府代表又は全権委員の顧問及び随員
7.外務職員
2 この法律において「特派大使」とは、日本国政府を代表して、外国における重要な儀式への参列その他臨時の重要な任務を処理するため、外国に派遣される者をいう。
3 この法律において「政府代表」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議若しくは国際機関に参加し、若しくはこれにおいて行動する権限を付与された者をいう。
4 この法律において「全権委員」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議に参加し、且つ、条約に署名調印する権限を付与された者をいう。
5 この法律において「外務職員」とは、外務省本省に勤務する一般職の国家公務員のうち外交領事事務(これと直接関連する業務を含む。)及びその一般的補助業務に従事する者で外務省令で定めるもの並びに在外公館に勤務するすべての一般職の国家公務員をいう。
第3条 国家公務員法並びにこれに基く法令の規定は、この法律にその特例を定める場合を除く外、外務職員に関して適用があるものとする。
第4条 国家公務員法
第96条第1項、
第98条第1項、
第99条並びに
第100条第1項及び第2項の規定は、外務職員以外の外務公務員に準用する。この場合において、国家公務員法
第96条第1項、
第98条第1項、
第99条及び
第100条第1項中「職員」とあるのは「外務職員以外の外務公務員」と、
第100条第2項中「所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)」とあるのは「外務大臣」と読み替えるものとする。
2 前項に定めるものを除く外、外務職員以外の外務公務員の任免その他の身分上の事項及び服務に関する事項については、この法律の定めるところによる。
第5条 国家公務員法
第31条に規定する官職の格付は、同条及び国家公務員の職階制に関する法律(昭和25年法律第180号)
第12条の規定にかかわらず、外務職員については、外務大臣が行う。
2 外務職員の官職の格付に関し必要な事項は、政令で定める。
第6条 外務職員(外務事務次官を除く。)は、組織上の名称の外、公の便宜のために国際慣行に従い用いる公の名称として、参事官、一等書記官、二等書記官、三等書記官及び外交官補、総領事、領事、副領事及び領事官補並びに一等理事官、二等理事官、三等理事官、副理事官及び外務書記という名称を用いることができる。
2 外務大臣は、公の便宜のために国際慣行に従い特に必要と認める場合には、外務職員に対し、前項に掲げる公の名称以外の公の名称を用いさせることができる。
3 前2項に定めるものを除く外、公の名称に関し必要な事項は、外務省令で定める。
第7条 国家公務員法
第38条の規定に該当する場合のほか、国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない。
2 外務公務員は、前項の規定により外務公務員となることができなくなつたときは、当然失職する。
第8条 大使及び公使の任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。
2 第2条第1項第3号から第6号までに掲げる外務公務員の任免は、外務大臣の申出により内閣が行う。
3 前項の外務公務員については、国会議員のうちから、任命することができる。
4 前2項の外務公務員は、その任務を終了したときは、解任されるものとする。
第9条 大使及び公使の信任状及び解任状、外国における重要な儀式への参列に際し特派大使に携行させる信任状、全権委任状並びに領事官の委任状は、天皇がこれを認証する。
第10条 外務大臣は、もつぱら財務、商務、農務、労働等に関する外交領事事務又は特別の技術を必要とする外交領事事務に従事させるためその他特に必要がある場合には、外務省令で定めるところにより、選考によつて外務職員を任命することができる。
第11条 外務職員の昇任は、外務省令で定めるところにより、試験又は選考によつて行う。
第12条 在外公館の長たる大使及び公使その他在外公館に勤務する大使及び公使は、その在外公館に勤務することを免ぜられたときは、新たに在外公庫に勤務することを命ぜられるまでの間、待命となる。
2 待命の大使又は公使は、その待命の期間が1年を経過するときは、その職を免ぜられる。
3 待命の大使又は公使は、特別の必要がある場合には、臨時に、
第2条第1項第3号から第6号までに掲げる者の任務又はこれらに準ずる任務(以下「特派大使等の任務」という。)その他外務省本省の事務に従事させることができる。
4 待命の大使又は公使は、前項の規定により特派大使等の任務に従事している間にその待命の期間が1年を経過するに至つた場合には、第2項の規定にかかわらず、その任務を終了するまでの間は、その職を免ぜられない。
5 待命の大使又は公使には、第3項の規定により臨時に特派大使等の任務その他外務省本省の事務に従事する場合を除くほか、待命の期間中、俸給及び地域手当のそれぞれ100分の80を支給するものとする。
6 第2項から前項までに規定する場合を除くほか、待命の大使又は公使は、この法律の適用については、待命でない大使又は公使と異なることはない。
第13条 在外公館に勤務する外務公務員の給与は、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和27年法律第93号)に基いて支給するものとする。
第14条 外務職員の勤務成績の評定及びその記録に関し必要な事項は、外務省令で定める。
第15条 外務大臣は、外務省令で定めるところにより、外務職員に、政令で定める文教研修施設又は外国を含むその他の場所で研修を受ける機会を与えなければならない。
第16条 外務大臣は、在外公館の事務が適正に行われているかどうかを査察させるため、外務公務員のうち適当と認める者を査察使として派遣することができる。
2 査察使は、査察の結果を遅滞なく外務大臣に文書で報告しなければならない。
3 外務大臣は、前項の報告を受けたときは、その報告に基き必要と認める措置を執らなければならない。
4 前3項に定めるものを除く外、査察に関し必要な事項は、外務省令で定める。
第17条 外務職員は、勤務条件に関し、外務大臣により適当な行政上の措置が行われることを要求しようとするときは、国家公務員法
第86条の規定にかかわらず、審議会等(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)
第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(以下「審議会」という。)に対して要求しなければならない。
2 国家公務員法
第87条及び
第88条の規定は、前項の要求に係る事案の審査及び判定並びにその結果執るべき措置に準用する。この場合において、同法
第87条中「前条」とあるのは「外務公務員法
第17条第1項」と、「人事院」とあるのは「同項に規定する審議会」と、「職員」とあるのは「外務職員」と、同法
第88条中「人事院」とあるのは「外務公務員法第17条第1項に規定する審議会」と、「その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、」とあるのは「外務大臣に対し、」と読み替えるものとする。
3 前2項に定めるものを除く外、勤務条件に関する行政措置の要求に関する審査の手続に関し必要な事項は、政令で定める。
第18条 外務職員は、前条の規定による審議会の判定に対し不服があるときは、人事院に対し、再審査を要求することができる。
2 国家公務員法
第87条及び
第88条の規定は、前項の要求に係る事実の審査及び判定並びにその結果執るべき措置に準用する。この場合において、同法
第87条中「前条」とあるのは「外務公務員法
第18条第1項」と、「職員」とあるのは「外務職員」と、同法
第88条中「その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、」とあるのは「外務大臣に対し、」と読み替えるものとする。
第19条 外務職員が外交機密の漏えいによつて国家の重大な利益をき損したという理由で懲戒処分を受けた場合におけるその処分についての行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立ては、国家公務員法
第90条第1項の規定にかかわらず、外務大臣に対してしなければならない。
2 前項の処分については、国家公務員法
第89条第3項中「人事院」とあるのは、「外務大臣」と読み替えるものとする。
3 国家公務員法
第90条第3項及び
第90条の2の規定は、第1項に規定する不服申立てについて準用する。
第20条 外務大臣は、前条第1項の処分についての不服申立てを受理したときは、これを却下する場合を除き、直ちにその事実を審議会の調査に付さなければならない。
2 審議会は、前項の規定に基いて事案を調査する場合において、処分を受けた外務職員の請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。
4 処分を受けた外務職員は、すべての口頭審理に出席し、陳述を行い、証人を出席させ、並びに書類、記録その他のあらゆる適切な事実及び資料を提出することができる。
5 前条第1項の処分についての不服申立てに対する決定又は裁決は、審議会の調査の結果に基づいてしなければならない。
6 外務大臣は、前条第1項の処分の全部又は一部を取り消し、又は変更したときは、その処分によつて当該外務職員が失つた給与の弁済をしなければならない。
第21条 前2条に定めるものを除く外、懲戒処分についての不服申立ての手続に関し必要な事項は、政令で定める。
第22条 第19条第1項の処分の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する外務大臣の決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第23条 外務大臣は、在外公館に勤務する外務公務員のうち一又は二以上の在外公館に引き続き勤務する期間(不健康地その他これに類する地域で外務大臣が指定するものにある在外公館にあつては、勤務する期間1月につき1月を加算した期間)が3年をこえる者に対し、3年につき1回、2月以内の期間(勤務地と本邦との間を往復するに要する期間を除く。)の休暇のため帰国(以下「休暇帰国」という。)を許すことができる。
2 特別の事情がある場合には、休暇帰国の期間は、前項に定める期間に2月以内の期間を加えたものとすることができる。
4 前3項に定めるものを除く外、休暇帰国に関し必要な事項は、外務省令で定める。
第24条 外務大臣は、審議会の意見を聞いて、名誉総領事又は名誉領事を任命することができる。
第25条 外務大臣は、審議会の意見を聞いて、外務省本省に勤務する外国人を採用することができる。
2 在外公館の長は、外務大臣の許可を得て、当該在外公館に勤務する外国人を採用することができる。
第27条 第4条において準用する国家公務員法
第100条第1項又は第2項の規定に違反して秘密を漏らした者及びこれらの項の規定に違反する行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、そそのかし、又はそのほう助をした者は、1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
第28条 国家公務員法中外務職員に関して適用される罰則の規定及び前条の規定は、国外において当該各条に掲げるいずれかの罪を犯した者にも適用する。
