民事調停法
| 第1章 | 総 則 | (第1条〜第23条の4) |
| 第2章 | 特 則 | (第24条〜第33条の3) |
| 第3章 | 罰 則 | (第34条〜第38条) |
昭和26・6・9・法律222号
改正平成3・10・4・法律 91号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成15・7・25・法律128号−−
改正平成15・7・25・法律128号−−
改正平成16・12・3・法律152号−−
| 第1節 | 通 則 | (第1条〜第23条) |
| 第1節 | 民事調停官 | (第23条の2〜第23条の4) |
第1条 この法律は、民事に関する紛争につき、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする。
第2条 民事に関して紛争を生じたときは、当事者は、裁判所に調停の申立をすることができる。
第3条 調停事件は、特別の定がある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。
第4条 裁判所は、その管轄に属しない事件について申立を受けた場合には、これを管轄権のある地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。但し、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、土地管轄の規定にかかわらず、事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送し、又はみずから処理することができる。
2 裁判所は、その管轄に属する事件について申立を受けた場合においても、事件を処理するために適当であると認めるときは、土地管轄の規定にかかわらず、事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
第5条 裁判所は、調停委員会で調停を行う。ただし、裁判所が相当であると認めるときは、裁判官だけでこれを行うことができる。
2 裁判所は、当事者の申立があるときは、前項但書の規定にかかわらず、調停委員会で調停を行わなければならない。
第6条 調停委員会は、調停主任1人及び民事調停委員2人以上で組織する。
第7条 調停主任は、裁判官の中から、地方裁判所が指定する。
2 調停委員会を組織する民事調停委員は、裁判所が各事件について指定する。
第8条 民事調停委員は、調停委員会で行う調停に関与するほか、裁判所の命を受けて、他の調停事件について、専門的な知識経験に基づく意見を述べ、嘱託に係る紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行い、その他調停事件を処理するために必要な最高裁判所の定める事務を行う。
2 民事調停委員は、非常勤とし、その任免に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。
第9条 民事調停委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給する。
第11条 調停の結果について利害関係を有する者は、調停委員会の許可を受けて、調停手続に参加することができる。
2 調停委員会は、相当であると認めるときは、調停の結果について利害関係を有する者を調停手続に参加させることができる。
第12条 調停委員会は、調停のために特に必要であると認めるときは、当事者の申立により、調停前の措置として、相手方その他の事件の関係人に対して、現状の変更又は物の処分の禁止その他調停の内容たる事項の実現を不能にし又は著しく困難ならしめる行為の排除を命ずることができる。
第13条 調停委員会は、事件が性質上調停をするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに調停の中止をしたと認めるときは、調停をしないものとして、事件を終了させることができる。
第14条 調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込がない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、裁判所が
第17条の決定をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができる。
第15条 第11条から
前条までの規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。
第16条 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
第17条 裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衝平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、受事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。
第18条 前条の決定に対しては、当事者又は利害関係人は、異議の申立をすることができる。その期間は、当事者が決定の告知を受けた日から2週間とする。
2 前項の期間内に異議の申立があつたときは、同項の決定は、その効力を失う。
3 第1項の期間内に異議の申立がないときは、同項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
第19条 第14条(
第15条において準用する場合を含む。)の規定により事件が終了し、又は
前条第2項の規定により決定が効力を失つた場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から2週間以内に調停の目的となつた請求について訴を提起したときは、調停の申立の時に、その訴の提起があつたものとみなす。
第20条 受訴裁判所は、適当であると認めるときは、職権で、事件を調停に付した上、管轄裁判所に処理させ又はみずから処理することができる。但し、事件について争点及び証拠の整理が完了した後において、当事者の合意がない場合には、この限りでない。
2 前項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し又は
第17条の決定が確定したときは、訴の取下があつたものとみなす。
3 第1項の規定により受訴裁判所がみずから調停により事件を処理する場合には、調停主任は、
第7条第1項の規定にかかわらず、受該裁判所がその裁判官の中から指定する。
第21条 調停手続における決定に対しては、最高裁判所規則で定めるところにより、即時抗告をすることができる。その期間は、2週間とする。
第22条 特別の定がある場合を除いて、調停に関しては、その性質に反しない限り、非訟事件手続法(明治31年法律第14号)
第1編の規定を準用する。但し、同法
第15条の規定は、この限りでない。
第23条 この法律に定めるものの外、調停に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。
第23条の2 民事調停官は、弁護士で5年以上その職に在つたもののうちから、最高裁判所が任命する。
2 民事調停官は、この法律の定めるところにより、調停事件の処理に必要な職務を行う。
3 民事調停官は、任期を2年とし、再任されることができる。
5 民事調停官は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して解任されることがない。
1.弁護士法(昭和24年法律第205号)
第7条各号のいずれかに該当するに至つたとき。
2.心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき。
3.職務上の義務違反その他民事調停官たるに適しない非行があると認められたとき。
6 この法律に定めるもののほか、民事調停官の任免に関して必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第23条の3 民事調停官は、裁判所の指定を受けて、調停事件を取り扱う。
2 民事調停官は、その取り扱う調停事件の処理について、この法律の規定(
第22条において準用する非訟事件手続法の規定を含む。)及び特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(平成11年法律第158号)の規定において裁判官が行うものとして規定されている民事調停及び特定調停に関する権限(調停主任に係るものを含む。)のほか、次に掲げる権限を行うことができる。
2.
第22条において準用する非訟事件手続法の規定(同法
第5条の規定を除く。)において裁判所が行うものとして規定されている権限であつて民事調停に関するもの
3.特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律の規定において裁判所が行うものとして規定されている特定調停に関する権限
4 民事調停官は、その権限を行うについて、裁判所書記官に対し、その職務に関し必要な命令をすることができる。この場合において、裁判所法(昭和22年法律第59号)
第60条第5項の規定は、民事調停官の命令を受けた裁判所書記官について準用する。
第23条の4 民事調停官には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給する。
第24条 宅地又は建物の賃借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地若しくは建物の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
第24条の2 借地借家法(平成3年法律第90号)
第11条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法
第32条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。
2 前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。ただし、受訴裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。
第24条の3 前条第1項の請求に係る調停事件については、調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の書面による合意(当該調停事件に係る調停の申立ての後にされたものに限る。)があるときは、申立てにより、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができる。
2 前項の調停条項を調書に記載したときは、調停が成立したものとみなし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
第25条 農地又は農業経営に附随する土地、建物その他の農業用資産(以下「農地等」という。)の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件については、前章に定めるものの外、この節の定めるところによる。
第26条 前条の調停事件は、紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
第27条 小作官又は小作主事は、期日に出席し又は期日外において、調停委員会に対して意見を述べることができる。
第28条 調停委員会は、調停をしようとするときは、小作官又は小作主事の意見を聞かなければならない。
第29条 前2条の規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。
第30条 第28条の規定は、裁判所が、
第4条第1項但書若しくは第2項の規定により事件を移送し若しくはみずから処理しようとし、又は
第17条の決定をしようとする場合に準用する。
第31条 第24条の3の規定は、商事の紛争に関する調停事件に準用する。
第32条 鉱業法(昭和25年法律第289号)に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
第33条の2 自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、
第3条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
第33条の3 公害又は日照、通風等の生活上の利益の侵害により生ずる被害に係る紛争に関する調停事件は、
第3条に規定する裁判所のほか、損害の発生地又は損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
第34条 裁判所又は調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、裁判所は、5万円以下の過料に処する。
第35条 当事者又は参加人が正当な事由がなく
第12条(
第15条において準用する場合を含む。)の規定による措置に従わないときは、裁判所は、10万円以下の過料に処する。
第36条 前2条の過料の決定は、裁判官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
2 過料の決定の執行は、民事執行法(昭和54年法律第4号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。ただし、執付前に裁判の送達をすることを要しない。
3 前2項に規定するもののほか、過料についての決定に関しては、非訟事件手続法第5編の規定を準用する。ただし、同法
第162条及び
第164条中検察官に関する規定は、この限りでない。
第37条 民事調停委員又は民事調停委員であつた者が正当な事由がなく評議の経過又は調停主任若しくは民事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、30万円以下の罰金に処する。
第38条 民事調停委員又は民事調停委員であつた者が正当な事由がなくその職務上取り扱つたことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
