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狂犬病予防法

【目次】
  昭和二五年 八月二六日法律第二四七号  
改正昭和四二年 八月 一日法律第一二〇号--
改正昭和四八年一〇月 一日法律第一〇五号--
改正昭和五三年 五月 一日法律第 三八号--
改正昭和五三年 七月 五日法律第 八七号--
改正昭和五四年一二月二五日法律第 七〇号--
改正昭和五六年 五月三〇日法律第 五八号--(施行=昭56年5月30日)
改正昭和五九年 五月二五日法律第 四七号--(施行=昭59年7月1日)
改正昭和六〇年 七月一二日法律第 九〇号--(施行=平60年10月1日)
改正平成 六年 七月 一日法律第 八四号--(施行=平6年7月1日)
改正平成 六年 七月 一日法律第 八四号--(施行=平9年4月1日)
改正平成 六年一一月一一日法律第 九七号--(施行=平7年4月1日)
改正平成一〇年一〇月 二日法律第一一五号--(施行=平11年4月1日)
改正平成一一年 七月一六日法律第 八七号--(施行=平12年4月1日)
改正平成一一年一二月二二日法律第一六〇号--(施行=平13年1月6日)
改正平成二六年 六月一三日法律第 六九号--(施行=平28年4月1日)
《分野》厚労-医療-医療
【令】施行令
【則】施行規則

第一章 総 則

(目的)
第一条 この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。
(適用範囲)
第二条 この法律は、次に掲げる動物の狂犬病に限りこれを適用する。ただし、第二号に掲げる動物の狂犬病については、この法律の規定中第七条から第九条まで、第十一条第十二条及び第十四条の規定並びにこれらの規定に係る第四章及び第五章の規定に限りこれを適用する。
一 犬
二 猫その他の動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる(次項において「牛等」という。)を除く。)であつて、狂犬病を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるもの
【令】第一条
《改正》平10法115
《改正》平10法115
 犬及び牛等以外の動物について狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があると認められるときは、政令で、動物の種類、期間及び地域を指定してこの法律の一部(前項第二号に掲げる動物の狂犬病については、同項ただし書に規定する規定を除く。次項において同じ。)を準用することができる。この場合において、その期間は、一年を超えることができない。
《追加》平10法115
 都道府県知事は、当該都道府県内の地域について、前項の規定によりこの法律の一部を準用する必要があると認めるときは、厚生労働省令の定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。
【則】第一条
《改正》平10法115
《改正》平11法160
(狂犬病予防員)
第三条 都道府県知事は、当該都道府県の職員で獣医師であるもののうちから狂犬病予防員(以下「予防員」という。)を任命しなければならない。
 予防員は、その事務に従事するときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人の求めにより、これを呈示しなければならない。
【則】第二条

第二章 通常措置

(登録)
第四条 犬の所有者は、犬を取得した日(生後九十日以内の犬を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあつては、区長。以下同じ。)に犬の登録を申請しなければならない。ただし、この条の規定により登録を受けた犬については、この限りでない。
【則】第三条
《改正》平11法087
《改正》平11法160
 市町村長は、前項の登録の申請があつたときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。
【則】第四条第五条
《改正》平11法087
 犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない。
 第一項及び第二項の規定により登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき又は犬の所在地その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地(犬の所在地を変更したときにあつては、その犬の新所在地)を管轄する市町村長に届け出なければならない。
【令】第二条第二条の二
【則】第七条第八条第九条
《改正》平11法087
《改正》平11法160
 第一項及び第二項の規定により登録を受けた犬について所有者の変更があつたときは、新所有者は、三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長に届け出なければならない。
《改正》平11法087
《改正》平11法160
《1項削除》平11法087
 前各項に定めるもののほか、犬の登録及び鑑札の交付に関して必要な事項は、政令で定める。
(予防注射)
第五条 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。
《改正》平11法160
 市町村長は、政令の定めるところにより、前項の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。
《改正》平11法087
 犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない。
(抑留)
第六条 予防員は、第四条に規定する登録を受けず、若しくは鑑札を着けず、又は第五条に規定する予防注射を受けず、若しくは注射済票を着けていない犬があると認めたときは、これを抑留しなければならない。
 予防員は、前項の抑留を行うため、あらかじめ、都道府県知事が指定した捕獲人を使用して、その犬を捕獲することができる。
【則】第十四条
 予防員は、捕獲しようとして追跡中の犬がその所有者又はその他の者の土地、建物又は船車内に入つた場合において、これを捕獲するためやむを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において、その場所(人の住居を除く。)に立ち入ることができる。但し、その場所の看守者又はこれに代るべき者が拒んだときはこの限りでない。
 何人も、正当な理由がなく、前項の立入を拒んではならない。
 第三項の規定は、当該追跡中の犬が人又は家畜をかんだ犬である場合を除き、都道府県知事が特に必要と認めて指定した期間及び区域に限り適用する。
 第二項の捕獲人が犬の捕獲に従事するときは、第三条第二項の規定を準用する。
 予防員は、第一項の規定により犬を抑留したときは、所有者の知れているものについてはその所有者にこれを引き取るべき旨を通知し、所有者の知れていないものについてはその犬を捕獲した場所を管轄する市町村長にその旨を通知しなければならない。
【則】第十五条
 市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を二日間公示しなければならない。
 第七項の通知を受け取つた後又は前項の公示期間満了の後一日以内に所有者がその犬を引き取らないときは、予防員は、政令の定めるところにより、これを処分することができる。但し、やむを得ない事由によりこの期間内に引き取ることができない所有者が、その旨及び相当の期間内に引き取るべき旨を申し出たときは、その申し出た期間が経過するまでは、処分することができない。
【令】第五条
10 前項の場合において、都道府県は、その処分によつて損害を受けた所有者に通常生ずべき損害を補償する。
(輸出入検疫)
第七条 何人も、検疫を受けた犬等(犬又は第二条第一項第二号に掲げる動物をいう。以下同じ。)でなければ輸出し、又は輸入してはならない。
《改正》平10法115
 前項の検疫に関する事務は、農林水産大臣の所管とし、その検疫に関する事項は、農林水産省令でこれを定める。

第三章 狂犬病発生時の措置

(届出業務)
第八条 狂犬病にかかつた犬等若しくは狂犬病にかかつた疑いのある犬等又はこれらの犬等にかまれた犬等については、これを診断し、又はその死体を検案した獣医師は、厚生労働省令の定めるところにより、直ちに、その犬等の所在地を管轄する保健所長にその旨を届け出なければならない。ただし、獣医師の診断又は検案を受けない場合においては、その犬等の所有者がこれをしなければならない。
【則】第十六条
《改正》平10法115
《改正》平10法115
《改正》平11法160
 保健所長は、前項の届出があつたときは、政令の定めるところにより、直ちに、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。
【令】第六条
 都道府県知事は、前項の報告を受けたときは、厚生労働大臣に報告し、且つ、隣接都道府県知事に通報しなければならない。
《改正》平11法160
(隔離義務)
第九条 前条第一項の犬等を診断した獣医師又はその所有者は、直ちに、その犬等を隔離しなければならない。ただし、人命に危険があつて緊急やむを得ないときは、殺すことを妨げない。
《改正》平10法115
 予防員は、前項の隔離について必要な指示をすることができる。
(公示及びけい留命令等)
第一〇条 都道府県知事は、狂犬病(狂犬病の疑似症を含む。以下この章から第五章まで同じ。)が発生したと認めたときは、直ちに、その旨を公示し、区域及び期間を定めて、その区域内のすべての犬に口輪をかけ、又はこれをけい留することを命じなければならない。
(殺害禁止)
第一一条 第九条第一項の規定により隔離された犬等は、予防員の許可を受けなければこれを殺してはならない。
《改正》平10法115
(死体の引渡し)
第一二条 第八条第一項に規定する犬等が死んだ場合には、その所有者は、その死体を検査又は解剖のため予防員に引き渡さなければならない。ただし、予防員が許可した場合又はその引取りを必要としない場合は、この限りでない。
《改正》平10法115
(検診及び予防注射)
第一三条 都道府県知事は、狂犬病が発生した場合において、そのまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、期間及び区域を定めて予防員をして犬の一せい検診をさせ、又は臨時の予防注射を行わせることができる。
(病性鑑定のための措置)
第一四条 予防員は、政令の定めるところにより、病性鑑定のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、犬等の死体を解剖し、又は解剖のため狂犬病にかかつた犬等を殺すことができる。
《改正》平10法115
 前項の場合においては、第六条第十項の規定を準用する。
(移動の制限)
第一五条 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、期間及び区域を定めて、犬又はその死体の当該都道府県の区域内における移動、当該都道府県内への移入又は当該都道府県外への移出を禁止し、又は制限することができる。
(交通のしゃ断又は制限)
第一六条 都道府県知事は、狂犬病が発生した場合において緊急の必要があると認めるときは、厚生労働省令の定めるところにより、期間を定めて、狂犬病にかかつた犬の所在の場所及びその附近の交通をしや断し、又は制限することができる。但し、その期間は、七十二時間をこえることができない。
《改正》平11法160
(集合施設の禁止)
第一七条 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、犬の展覧会その他の集合施設の禁止を命ずることができる。
(けい留されていない犬の抑留)
第一八条 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、予防員をして第十条の規定によるけい留の命令が発せられているにかかわらずけい留されていない犬を抑留させることができる。
 前項の場合には、第六条第二項から第十項までの規定を準用する。
(けい留されていない犬の薬殺)
第一八条の二 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため緊急の必要がある場合において、前条第一項の規定による抑留を行うについて著しく困難な事情があると認めるときは、区域及び期間を定めて、予防員をして第十条の規定によるけい留の命令が発せられているにかかわらずけい留されていない犬を薬殺させることができる。この場合において、都道府県知事は、人又は他の家畜に被害を及ぼさないように、当該区域内及びその近傍の住民に対して、けい留されていない犬を薬殺する旨を周知させなければならない。
【令】第七条第八条
 前項の規定による薬殺及び住民に対する周知の方法は、政令で定める。
(厚生労働大臣の指示)
第一九条 厚生労働大臣は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため緊急の必要があると認めるときは、地域及び期間を限り、都道府県知事に第十三条及び第十五条から前条までの規定による措置の実施を指示することができる。
《改正》平11法087
《改正》平11法160

第四章 補 則

(公務員等の協力)
第二〇条 公衆衛生又は治安維持の職務にたずさわる公務員及び獣医師は、狂犬病予防のため、予防員から協力を求められたときは、これを拒んではならない。
(抑留所の設置)
第二一条 都道府県知事は、第六条及び第十八条の規定により抑留した犬を収容するため、当該都道府県内に犬の抑留所を設け、予防員にこれを管理させなければならない。
第二二条 削除
《削除》平11法087
(費用負担区分)
第二三条 この法律の規定の実施に要する費用は、次に掲げるものを除き、都道府県の負担とする。
第一国の負担する費用
第七条の規定による輸出入検疫に要する費用(輸出入検疫中の犬等の飼養管理費を除く。)
第二犬等の所有者の負担する費用
一 第四条の規定による登録の手続に要する費用
二 第五条及び第十三条の規定による犬の予防注射の費用
三 第六条及び第十八条の規定による犬の抑留中の飼養管理費及びその返還に要する費用
四 第七条の規定による輸出入検疫中の犬等の飼養管理費
五 第八条の規定による届出に要する費用
六 第九条の規定による隔離及び指示により行つた処置に要した費用
《改正》平10法115
《改正》平10法115
(処分等の行為の承継人に対する効力)
第二四条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分及び手続その他の行為は、当該行為の目的である犬等について所有権その他の権利を有する者の承継人に対しても、またその効力を有する。
《改正》平10法115
(政令で定める市又は特別区)
第二五条 この法律中「都道府県」又は「都道府県知事」とあるのは、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市については、「市」若しくは「市長」又は「区」若しくは「区長」と読み替えるものとする。ただし、第八条第二項及び第三項並びに第二十五条の三第一項の規定については、この限りでない。
《改正》平11法087
(不服申立て)
第二五条の二 前条の規定により地域保健法第五条第一項の規定に基づく政令で定める市又は特別区の長が行う処分(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(次項及び次条において「第一号法定受託事務」という。)に係るものに限る。)についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
《改正》平11法087
《改正》平11法160
《改正》平26法069
 地域保健法第五条第一項の規定に基づく政令で定める市又は特別区の長が前条の規定によりその処理することとされた事務のうち第一号法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、地方自治法第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があつたときは、当該裁決に不服がある者は、同法第二百五十二条の十七の四第五項から第七項までの規定の例により、厚生労働大臣に対して再々審査請求をすることができる。
《追加》平26法069
(事務の区分)
第二五条の三 第二条第三項、第八条第九条第二項、第十条から第十三条まで、第十四条第一項、第十五条から第十七条まで、第十八条第一項、同条第二項において準用する第六条第二項、第三項、第五項、第七項及び第九項並びに第十八条の二第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。
《追加》平11法087
 第二条第三項、第八条第一項及び第二項、第九条第二項、第十条から第十三条まで、第十四条第一項、第十五条から第十七条まで、第十八条第一項、同条第二項において準用する第六条第二項、第三項、第五項及び第七項から第九項まで並びに第十八条の二第一項の規定により地域保健法第五条第一項の規定に基づく政令で定める市又は特別区が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。
《追加》平11法087
 第十八条第二項において準用する第六条第七項及び第八項の規定により市町村(地域保健法第五条第一項の規定に基づく政令で定める市を除く。)が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。
《追加》平11法087

第五章 罰 則

第二六条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第七条の規定に違反して検疫を受けない犬等(第二条第二項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条及び次条において同じ。)を輸出し、又は輸入した者
二 第八条第一項の規定に違反して犬等についての届出をしなかつた者
三 第九条第一項の規定に違反して犬等を隔離しなかつた者
《改正》平10法115
《改正》平10法115
第二七条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第四条の規定に違反して犬(第二条第二項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条において同じ。)の登録の申請をせず、鑑札を犬に着けず、又は届出をしなかつた者
二 第五条の規定に違反して犬に予防注射を受けさせず、又は注射済票を着けなかつた者
三 第九条第二項に規定する犬等の隔離についての指示に従わなかつた者
四 第十条に規定する犬に口輪をかけ、又はこれをけい留する命令に従わなかつた者
五 第十一条の規定に違反して犬等を殺した者
六 第十二条の規定に違反して犬等の死体を引き渡さなかつた者
七 第十三条に規定する犬の検診又は予防注射を受けさせなかつた者
八 第十五条に規定する犬又はその死体の移動、移入又は移出の禁止又は制限に従わなかつた者
九 第十六条に規定する犬の狂犬病のための交通のしや断又は制限に従わなかつた者
十 第十七条に規定する犬の集合施設の禁止の命令に従わなかつた者
《改正》平10法115
《改正》平10法115
第二八条 第十八条第二項において準用する第六条第四項の規定に違反した者は、拘留又は科料に処する。