造幣局特別会計法
昭和25・3・31・法律 63号
改正昭和62・6・1・法律 42号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成12・5・31・法律 99号−−
廃止平成14・5・10・法律 40号−−
第1条 造幣局の事業を企業的に運営し、その健全な発達に資するため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
第2条 この法律において「造幣局の事業」とは、造幣局の行う貨幣、章はい、記章、極印、合金及び金属工芸品の製造、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和62年法律第42号)
第10条第1項及び第3項の規定による貨幣の販売、貴金属の精製及び品位の証明並びに鉱物の試験その他これらに附帯する業務及び事務をいう。
第3条 この会計は、財務大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
第4条 この会計においては、造幣局の事業の資産及び資本の増減異動並びに利益又は損失を明らかにするため、資産勘定、資本勘定及び損益勘定を設けて経理するものとする。
2 資産勘定は、資産の増減及び異動並びにその現在高を明らかにする。
3 資本勘定は、資本の増減及び異動並びにその現在高を明らかにする。
4 損益勘定は、収益勘定及び損失勘定に区分し、事業の収益又は損失を明らかにする。
第5条 この会計の経理は、現金の収納又は支払の事実にかかわらず、財産の増減及び異動の事実に基いて行う。
2 前項の財産の増減及び異動の事実がいつ発生したか及びその事実がいずれの会計年度に属するかについての経理の基準は、政令で定める。
第6条 この会計においては、財務大臣の定めるところにより、造幣局の事業に関し必要な原価計算を行うものとする。
第9条 この会計において、製造済の貨幣で政府の発行に係るものの額面額の合計額に相当する金額は、
第18条第1項に規定する貨幣回収準備資金に編入しなければならない。
第10条 この会計の資本は、固有資本、減価償却引当金及び借入資本の3種とする。
2 固有資本は、従前の造幣庁特別会計からこの会計に引き継いだ固定資本及び据置運転資本の額並びに従前の造幣庁特別会計の資金に属する地金(
第18条第2項に規定する引換貨幣及び回収貨幣を含む。)の価額に相当する金額の合計額とする。
3 減価償却引当金は、この会計に属する資産の減価償却額の累積額(
第14条第5項の規定により繰り戻した金額があるときは、その金額を控除した額)に相当する金額とする。
4 借入資本は、この会計の負担に属する未払金、前受金、保管金その他これらに準ずる負債の額に相当する金額とする。
5 前項に規定する前受金とは、
第18条第1項に規定する貨幣回収準備資金から
第18条の2第3項の規定によりあらかじめこの会計に組み入れるもの及び同条第2項の規定により払い出した地金(引換貨幣及び回収貨幣を含む。)の価額に相当するものをいう。
第11条 この会計の資産は、固定資産、作業資産及び流動資産に区分する。
2 固定資産は、土地、建物、立木竹、工作物、未完成工事、機械及び標本並びに財務大臣の指定する器具及び特許権その他これに準ずる権利とする。
3 作業資産は、生産品、地金、原材料、備品及び未成品その他これらに準ずる物品(販売の用に供する貨幣を含む。)とする。
4 流動資産は、現金(前項に規定する貨幣を除く。)、預金、未収金、減価償却費受入未済金、前払金その他これらに準ずるものとする。
第12条 固定資産の価額は、その取得のために要した財務大臣の定める直接費及び間接費の合計額による。但し、無償で取得した固定資産の価額は、時価を勘案して定めるものとする。
第13条 固定資産のうち、財務大臣の定める償却資産については、その定めるところにより、毎会計年度、減価償却を行うものとする。
第14条 固定資産の全部又は一部が滅失したとき、又はこれを譲渡し、撤去し、若しくは廃棄したときは、財務大臣の定めるところにより、その滅失、譲渡、撤去又は廃棄の割合に応じてその価額を減額し、又は削除しなければならない。
2 前項の規定により固定資産の価額を減額し、又は削除したときは、当該減額し、又は削除した額は、財務大臣の定めるところにより、固有資本の減少に充てるものとする。
3 一般物価の変動その他特殊の事由により固定資産の価格が著しく不適当となつたときは、財務大臣の定めるところにより、その価額を改定することができる。
4 前項の規定により固定資産の価額を改定したときは、当該改定による増減額は、財務大臣の定めるところにより、固有資本の増加又は減少に充てるものとする。
5 第1項又は第3項の規定により価額を減額し、又は削除する資産が償却資産であるときは、財務大臣の定めるところにより、当該資産に対する減価償却済額を減価償却引当金から繰り戻すものとする。
第15条 作業資産の価額は、購入価額又は製造に要した費額による。
2 前項の規定により価額を定め難い場合又は特殊の事由により前項の規定により価額を定めることが不適当である場合には、時価を勘案して定めるものとする。
3 第18条第1項に規定する貨幣回収準備資金から
第18条の2第2項の規定により払出しを受けた地金の価額は、その払出しを受けた時の価額による。
第16条 作業資産を事業の用に供したときは、その価格を作業資産から削除し、これを使用する事業の経費として経理するものとする。
2 作業資産の取扱に要する諸費は、財務大臣の定めるところにより、前項の経費に割り掛けるものとする。
3 資産外物品を修理したときは、その修理に要した費用は、財務大臣の定めるところにより、当該物品を使用する事業の経費として経理するものとする。
第17条 作業資産がき損し、変質し、若しくは滅失したとき、又は規格の変更によりこれに適合しなくなつたときは、そのき損、変質若しくは滅失の割合又は規格に適合しなくなつた割合に応じて、その価額を減額し、又は削除しなければならない。
2 毎会計年度末に現存する作業資産の価額については、当該作業資産の時価が
第15条の規定による価額に比して著しく不適当となつたときは、財務大臣の定めるところにより、価額を改定しなければならない。
3 前項の規定により作業資産の価額を改定したときは、当該改定による増減額は、財務大臣の定めるところにより、前受金の増額又は減額に充てるものとする。
4 作業資産に属する物品を譲渡したときは、当該物品の価額に相当する金額は、財務大臣の定めるところにより、前受金の減額に充てるものとする。
第17条の2 作業資産に属する地金で貨幣の製造の用に供する目的をもつて取得したものが不用になつたときは、これを
第18条第1項に規定する貨幣回収準備資金に組み入れるものとする。
2 前項に規定する地金について同項の規定による組入を行つたときは、当該地金の価額に相当する金額は、前受金の減額に充てるものとする。
第17条の3 この会計において歳入金(
第18条の2第3項の規定による組入金を除く。)の調査決定があつたときは、その調査決定額は、財務大臣の定めるものを除くほか、同項の規定による組入金の増額に充てるものとする。
第18条 この会計に貨幣回収準備資金(以下「回収準備資金」という。)を置き、従前の造幣庁特別会計の資金に属していた現金、
第9条の規定により編入する金額、
第18条の4の規定による一般会計からの繰入金、
第19条第3項に規定する利益金及び
第27条ただし書の規定による組入金をもつてこれに充てる。
2 政府において引き換え、又は回収した貨幣(以下「引換貨幣及び回収貨幣」という。)は、回収準備資金に編入し、回収準備資金において保有するものとする。
3 回収準備資金は、貨幣の引換え又は回収に充てるほか、次条第1項又は第2項に定めるところにより使用するものとする。
4 第2項に規定する引換貨幣及び回収貨幣の価額は、地金の時価による。
第18条の2 回収準備資金に属する現金は、予算の定めるところにより、造幣局の事業に要する経費並びにこの会計の固定資産の拡張及び改良に要する費用に充てることができる。
2 回収準備資金に属する地金(引換貨幣及び回収貨幣を含む。)は、財務大臣の定めるところにより、貨幣の製造に要する地金として使用するため、この会計に払い出すことができる。
3 第1項に規定する経費又は費用に充てる金額は、毎会計年度、あらかじめ回収準備資金からこの会計に組み入れることができる。
第18条の3 前条第1項に規定する固定資産の拡張及び改良の費用に充てる金額を同条第3項の規定により回収準備資金からこの会計に組み入れた場合において、この会計においてその費用を支出したときは、次に定めるところにより経理するものとする。
1.当該支出が
第13条に規定する償却資産以外の資産に係るものである場合には、その支出額は、この会計の固有資本の増加に充てる。
2.当該支出が
第13条に規定する償却資産に係るものである場合において、その支出額が同条の規定により当該年度において行うべき減価償却の額をこえるときは、そのこえる額は、その前年度の末日における減価償却費受入未済金の減額に充て、なお残余があるときは、その額は、この会計の固有資本の増加に充てる。
3.当該支出が
第13条に規定する償却資産に係るものである場合において、その支出額が当該年度において行うべき減価償却の額に満たないときは、その満たない額は、減価償却費受入未済金として整理する。
第18条の4 この会計において、回収準備資金の不足により貨幣の引換え又は回収及び造幣局の事業並びにこの会計の固定資産の拡張及び改良に支障を生ずることとなつた場合には、その不足を埋めるため必要な金額を、予算の定めるところにより、一般会計から回収準備資金に繰り入れるものとする。
第18条の5 回収準備資金に属する引換貨幣及び回収貨幣が変質し、又は滅失したときは、その価額を減額し、又は削除するものとする。
第19条 回収準備資金に属する現金は、財政融資資金に預託する場合に限り、運用することができる。
2 回収準備資金に属する地金(引換貨幣及び回収貨幣を含む。)は、同資金に属する現金に不足を生じた場合その他必要がある場合には、財務大臣の定めるところにより、売り払うことができる。
3 前2項の規定による運用又は売払により生じた利益金は、回収準備資金に編入するものとする。
第19条の2 毎会計年度末における回収準備資金の額が貨幣の引換え又は回収その他造幣局の事業の状況を勘案して政令で定める額を超えるときは、その超える額に相当する金額を回収準備資金から当該年度の一般会計の歳入に繰り入れるものとする。
第19条の3 回収準備資金転属する現金に不足があるときは、その不足する額を限度として、この会計の負担において、一時借入金をして、一時これを補足することができる。
2 前項の規定による一時借入金は、1年内に償還しなければならない。
第20条 回収準備資金の受払は、財務大臣の定めるところによるものとし、その現金はこの会計の歳入歳出外として経理するものとする。
第21条 回収準備資金の経理は、財務大臣が造幣局長に命じて執行させる。但し、他の職員に命じてその一部を執行させることができる。
第22条 財務大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書及び国庫債務負担行為要求書を作製しなければならない。
第23条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
第24条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、次の書類を添付しなければならない。
1.歳入歳出予定計算書及び国庫債務負担行為要求書
2.前々年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書、貨幣回収準備資金の増減に関する実績表及び貨幣製造事業実績表
3.前年度及び当該年度の予定貸借対照表、予定損益計算書、貨幣回収準備資金の増減に関する計画表及び貨幣製造事業予定計画表
4.国庫債務負担行為で翌年度以降にわたるものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込み、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについては、その全体の計画その他事業等の進行状況等に関する調書
第25条 この会計の歳入歳出予算及び国庫債務負担行為は、財政法(昭和22年法律第34号)
第31条第1項の規定により配賦のあつた後、予備費を除き、財務大臣が造幣局長に命じて執行させる。但し、他の職員に命じてその一部を執行させることができる。
第26条 財務大臣は、毎会計年度、この会計の財産目録、貸借対照表、損益計算書、資産価額増減表、資本増減表、貨幣回収準備資金の増減に関する実績表及び貨幣製造事業実績表を作成しなければならない。
第27条 この会計の毎会計年度の決算上利益を生じたときは、次条の規定により繰り越された損失を当該利益の額をもつてうめ、当該利益の額になお残余があるときは、これを翌年度に繰り越すものとする。ただし、当該残余のうち財務大臣の定める額は、回収準備資金に繰り入れることができる。
第28条 この会計において、毎会計年度における決算上損失を生じたときは、前条の規定によりこれをうめ、なお、不足するときは、損失の繰越として整理するものとする。
第29条 この会計の毎会計年度における歳入の収納済額から歳出の支出済額を控除した剰余は、
第27条ただし書の規定により回収準備資金に繰り入れるものを除くほか、流動資産として翌年度に繰り越し、予算の定めるところにより使用することができる。
第30条 財務大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分によるこの会計の歳入歳出決定計算書及びこの会計の債務に関する計算書を作製しなければならない。
第31条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、次の書類を添付しなければならない。
1.歳入歳出決定計算書
2.当該年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書、資産価額増減表、資本増減表、貨幣回収準備資金の増減に関する実績表及び貨幣製造事業実績表
3.債務に関する計算書
第32条 この会計に余裕金があるときは、財政融資資金に預託することができる。
第33条 第19条の3第1項の規定による一時借入金の利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
第34条 この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度内に支出済みとならなかつたものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 前項の規定による繰越しについては、財政法
第43条の規定は、適用しない。
3 財務大臣は、第1項の規定により繰越しをしたときは、会計検査院に通知しなければならない。
4 第1項の規定により繰越しをしたときは、その経費については、財政法
第31条第1項の規定により予算の配賦があつたものとみなす。
第34条の2 販売の用に供する貨幣は、物品管理法(昭和31年法律第113号)
第2条第1項の規定にかかわらず、同項に規定する物品とみなして、同法の規定を適用する。
第35条 財務大臣は、この会計に関し、この法律及びこれに基づく政令に定めるもののほか、造幣局の事業の能率的な運営と予算の適正な執行を図るため、経理規程を定めなければならない。
第36条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
