郵便物運送委託法
昭和24・12・26・法律284号
改正昭和61・12・4・法律 93号−−
改正平成元・12・19・法律 83号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成14・7・31・法律 98号−−
改正平成16・6・9・法律 84号−−
改正平成17・10・21・法律102号==(施行=平19年10月1日)
第1条 この法律は、郵便事業株式会社(以下「会社」という。)が郵便物の取集、運送及び配達(以下「運送等」という。)を運送業者等に委託する場合に関し必要な事項を定めるものとする。
第2条 会社は、この法律の定めるところに従い、郵便物の運送等を委託することができる。
第3条 会社は、郵便物の運送等を委託する場合には、契約によらなければならない。ただし、
第5条に規定する場合は、この限りでない。
2 会社は、前項本文の規定により郵便物の運送等を委託する場合には、総務大臣の認可を受けて定める基準に従つてしなければならない。
第4条 郵便物の運送等のため必要とする種類の運送施設により一定の区間に運送事業を営む者がない場合において、その区間に自己の用に供するため当該運送施設を運営する者は、会社と契約を締結して郵便物の運送等の業務を行うことができる。
2 会社は、前項の契約をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣の承認を受けなければならない。
第5条 次に掲げる者(以下「運送業者」という。)は、この節に定めるところにより、総務大臣の要求があるときは、郵便物の運送をし、又は郵便物の運送に関し必要な行為をしなければならない。
1.
鉄道事業法(昭和61年法律第92号)による第1種鉄道事業者及び第2種鉄道事業者並びに索道事業者
2.
軌道法(大正10年法律第76号)による軌道経営者
3.一般交通の用に供するため航空路を定め定期に航空機を運行して運送業を営む者
4.一般交通の用に供するため航路を定め定期に船舶を運行して運送業を営む者
5.
道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般旅客自動車運送事業のうち路線を定めるもの又は貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)による一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をするものに限る。)を営む者
6.前各号に掲げるものを除いて、一般交通の用に供するため航路又は路線を定め定期に舟車馬を運行して運送業を営む者
2 総務大臣がこの節の規定に従つてする要求は、会社と運送業者との間に契約が成立しないとき又は郵便物の運送を行う運送業者が会社との契約で定めた事項を履行しないときにおいて会社の申請に基づき当該運送業者に対しする場合に限り、かつ、郵便物の適正かつ円滑な運送を行うため必要な最少限度のもので、この節に別段の定めがある場合を除き、当該運送業者に特別の義務を課さないものでなければならない。
3 総務大臣がこの節の規定に従つてする要求により運送業者に業務を行わせる期間は、1年を超えるものであつてはならない。
4 総務大臣は、運送業者に対しこの節の規定に従つて郵便物の運送に関する要求をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議しなければならない。
5 総務大臣は、運送業者に対しこの節の規定に従つて郵便物の運送に関する要求をする場合には、緊急やむを得ない場合を除き、30日を下らない範囲でその実施に必要な準備期間を置かなければならない。
第6条 鉄道により運送事業を営む運送業者(以下「鉄道運送業者」という。)は、総務大臣の要求があるときは、定期の列車に、郵便物の運送に必要な設備を有する車両(以下「郵便車」という。)を連結して郵便物を運送しなければならない。
2 鉄道運送業者は、郵便物が多量のため又は災害等のため定期の列車によつては郵便物の運送をすることができない場合において、総務大臣の要求があるときは、臨時に定期の列車以外の列車に郵便車又はこれに代わる車両を連結して郵便物の運送をしなければならない。
3 前2項の場合において、総務大臣は、鉄道運送業者が連結する郵便車又はこれに代わる車両の容積が当該列車ごとに、列車定数の総容積の5分の1を超えるような要求をすることができない。
4 鉄道運送業者は、第1項又は第2項の規定により連結する郵便車又はこれに代わる車両の台粋が木造のものであるときは、緊急やむを得ない場合を除き、これを木造以外の台枠を有する車両間に連結してはならない。
5 鉄道運送業者が第1項又は第2項の規定により連結する郵便車又はこれに代わる車両は、客車と同一程度の強度を有し、かつ、郵便車にあつては総務大臣の指定する様式のものでなければならない。
6 鉄道運送業者は、総務大臣の要求があるときは、郵便車に郵便物の取扱いのため必要な設備をし、かつ、その取扱いに支障のないようにこれを維持しなければならない。
第7条 鉄道運送業者は、総務大臣の要求があるときは、夜間に発着する列車に連結する郵便車に積卸しをする郵便物を郵便物の取扱いに従事する者(以下「郵便取扱員」という。)で会社の事業所に所属するものから受領して郵便車に乗務する郵便取扱員に引き渡し、又は郵便車に乗務する郵便取扱員から受領して会社の事業所に所属する郵便取扱員に引き渡さなければならない。
第8条 鉄道運送業者は、総務大臣の要求があるときは、その運送する郵便物の積卸し、保管その他の取扱いのため必要な鉄道用地、停車場構内の建物、機器又は通信設備を会社の使用に供し、これに必要な電力を供給しなければならない。
第9条 第5条第1項第5号に掲げる者(以下「自動車運送業者」という。)は、総務大臣の要求があるときは、定期に運行する旅客自動車又は貨物自動車の一定部分を郵便物を積載する場所に充てて、郵便物を運送しなければならない。
2 前項の場合において、総務大臣は、郵便物を積載する場所の床面積がその自動車ごとに、旅客自動車にあつては定員の5分の1に相当する床面積、貨物自動車にあつては貨物を積載する床面積の3分の1を超えるような要求をすることができない。
3 自動車運送業者は、総務大臣の要求があるときは、第1項の郵便物を積載する場所に郵便物の取扱いのため必要な設備をし、かつ、その取扱いに支障のないようにこれを維持しなければならない。
第10条 一般交通の用に供するため規格を定め定期に船舶を運行して運送事業を営む運送業者(以下「船舶運送業者」という。)は、総務大臣の要求があるときは、船舶の一定部分を郵便物を積載する場所に充てて、郵便物を運送しなければならない。
2 前項の場合において、総トン数50トン未満の船舶については、総務大臣は、郵便物を積載する船舶の一定部分の容積がその船舶ごとに、旅客定員に相当する容積の5分の1又は貨物積載容積の5分の1を超えるような要求をすることができない。
3 船舶運送業者は、総務大臣の要求があるときは、第1項の郵便物を積載する場所に郵便物の取扱いのため必要な設備をし、かつ、その取扱いに支障のないようにこれを維持しなければならない。
第11条 第6条第1項及び第2項、
第9条第1項並びに前条第1項に掲げる場合のほか、運送業者は、総務大臣の要求があるときは、その要求する運送の種類、区間若しくは回数、運送機関の発着時刻又は郵便物授受の方法により、郵便物を運送しなければならない。
2 前項の要求は、当該運送業者の運送の施設、路線若しくは回数、運送機関の発着時刻その他運送の方法を変更するものであつてはならず、かつ、その運送に使用する当該車両又は船舶の容積又は床面積が
第6条第3項、
第9条第2項又は前条第2項に定める限度を超えるものであつてはならない。
第12条 運送業者がこの節に規定するところに従い、総務大臣の要求に基づき、郵便物を運送し、又は施設若しくは役務を提供したときは、会社は、当該運送業者に対し、相当の補償金を支払わなければならない。
2 前項の補償金の額は、総務大臣が国土交通大臣に協議して定める。この場合において、郵便物の運送に対する補償金の額については当該運送を契約により委託するとすれば通常支払うべき運送料金を基準として、土地建物等を使用に供した場合の補償金の額については当該施設を賃借するとすれば通常支払うべき賃借料を基準として、その他の場合の補償金の額については通常生ずべき損失の額を下らない額においてこれを定めなければならない。
3 総務大臣は、前項の補償金の額を定めたときは、遅滞なく、その旨を会社及び当該運送業者に通知しなければならない。
4 第2項の補償金の額に不服のある者は、訴えをもつて増減を請求することができる。ただし、前項の通知を受けた日から6箇月を経過したときは、この限りでない。
5 前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
第13条 郵便物の運送等を行う者は、郵便物の運送等を安全、正確かつ迅速に行わなければならない。
第14条 何人も、専ら郵便物の運送等に現に使用している車両、船舶若しくは馬匹又は車室若しくは船室に、郵便物、現に郵便物運送の用に供する物、郵便取扱員及び会社の発行する職務を行うための証明書を所持する者以外の者又は物を乗せてはならない。ただし、当該運送業者がその職員をして職務を行わせるため乗せる場合は、この限りでない。
第15条 郵便物の運送等を行う者は、災害等のため運送等の途中においてその運送等を停止したときは、次項の場合を除き、速やかにこれを継続する手段を講じなければならない。
2 郵便物の運送等を行う者は、災害等のため運送等の途中においてその運送等を停止した場合において、運送等の継続ができず、かつ、郵便取扱員がいないときは、当該郵便物を速やかに最寄りの会社の事業所に送付しなければならない。ただし、当該郵便物を送付することが困難である場合その他正当な事由がある場合において、これを保護し、最寄りの会社の事業所に通知した場合にあつては、この限りでない。
3 会社は、郵便物の運送等を行う者が前2項の規定による取扱いをしたときは、これに要した費用を支払わなければならない。
第16条 船舶又は航空機に積載した郵便物をその目的地において陸揚げ又は取卸しをする場合には、他の貨物に先立つてこれをしなければならない。災害等のため航行の途中において積替え又は陸揚げ若しくは取卸しをする場合も同様とする。
第17条 郵便物の運送等を行う者は、郵便物の運送等に使用する運送機関であつてその発着日時を定めたものの日時を変更するときは、少なくともその7日前までにその旨を会社に通知しなければならない。
2 郵便物の運送等を行う者が、災害その他やむを得ない事由により、臨時に前項の発着日時を変更するときは、直ちにその旨を会社に通知しなければならない。
第18条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、総務省令で定める。
第19条 第6条第1項、
第9条第1項、
第10条第1項又は
第11条第1項の規定に違反して殊更に郵便物の運送をしない者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第21条 第16条又は
第17条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
第22条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
第23条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役又は執行役は、100万円以下の過料に処する。
1.
第3条第2項の規定により総務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。
2.
第4条第2項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかつたとき。
