水防法
昭和24・6・4・法律193号
改正昭和57・7・16・法律 66号−−(施行=昭57年10月1日)
改正昭和59・12・25・法律 87号−−(施行=昭60年4月1日)
改正昭和60・6・21・法律 69号−−(施行=昭60年10月1日)
改正平成6・6・29・法律 49号−−(施行=平7年6月15日)
改正平成7・4・21・法律 69号−−(施行=平7年8月1日)
改正平成11・7・16・法律 87号−−(施行=平12年4月1日)
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成13・6・13・法律 46号−−(施行=平13年7月3日)
改正平成17・5・2・法律 37号==(施行=平17年5月2日、7月1日)
改正平成18・6・2・法律 50号−−(施行=平20年12月1日)
改正平成22・11・25・法律 52号−−(施行=平23年5月1日)
改正平成23・8・30・法律105号−−(施行=平23年8月30日)
改正平成23・12・14・法律124号==(施行=平23年12月27日)
改正昭和57・7・16・法律 66号−−(施行=昭57年10月1日)
改正昭和59・12・25・法律 87号−−(施行=昭60年4月1日)
改正昭和60・6・21・法律 69号−−(施行=昭60年10月1日)
改正平成6・6・29・法律 49号−−(施行=平7年6月15日)
改正平成7・4・21・法律 69号−−(施行=平7年8月1日)
改正平成11・7・16・法律 87号−−(施行=平12年4月1日)
改正平成11・12・22・法律160号−−(施行=平13年1月6日)
改正平成13・6・13・法律 46号−−(施行=平13年7月3日)
改正平成17・5・2・法律 37号==(施行=平17年5月2日、7月1日)
改正平成18・6・2・法律 50号−−(施行=平20年12月1日)
改正平成22・11・25・法律 52号−−(施行=平23年5月1日)
改正平成23・8・30・法律105号−−(施行=平23年8月30日)
改正平成23・12・14・法律124号==(施行=平23年12月27日)
第1章 総 則
第1条 この法律は、洪水、津波又は高潮に際し、水災を警戒し、防御し、及びこれによる被害を軽減し、もつて公共の安全を保持することを目的とする。
第2条 この法律において「水防管理団体」とは、次条の規定により水防の責任を有する市町村(特別区を含む。以下同じ。)又は水防に関する事務を共同に処理する市町村の組合(以下「水防事務組合」という。)若しくは水害予防組合をいう。
2 この法律において「水防管理者」とは、水防管理団体である市町村の長又は水防事務組合の管理者若しくは長若しくは水害予防組合の管理者をいう。
3 この法律において「消防機関」とは、消防組織法(昭和22年法律第226号)第9条に規定する消防の機関をいう。
4 この法律において「消防機関の長」とは、消防本部を置く市町村にあつては消防長を、消防本部を置かない市町村にあつては、消防団の長をいう。
5 この法律において「水防計画」とは、水防上必要な監視、警戒、通信、連絡、輸送及びダム又は水門若しくは閘門の操作、水防のための水防団、消防機関及び水防協力団体(第36条第1項の規定により指定された水防協力団体をいう。以下第4章までにおいて同じ。)の活動、一の水防管理団体と他の水防管理団体との間における協力及び応援並びに水防に必要な器具、資材及び設備の整備及び運用に関する計画をいう。
6 この法律において「量水標等」とは、量水標、験潮儀その他の水位観測施設をいう。
7 この法律において「水防警報」とは、洪水、津波又は高潮によつて災害が発生するおそれがあるとき、水防を行う必要がある旨を警告して行う発表をいう。
第2章 水防組織
第3条 市町村は、その区域における水防を十分に果すべき責任を有する。ただし、水防事務組合が水防を行う区域及び水害予防組合の区域については、この限りでない。
第3条の2 地形の状況により、市町村が単独で前条の責任を果たすことが著しく困難又は不適当であると認められる場合においては、関係市町村は、洪水、津波又は高潮による被害の共通性を勘案して、共同して水防を行う区域を定め、水防事務組合を設けなければならない。
第3条の3 水害予防組合法(明治41年法律第50号)第15条第1項の規定により都道府県知事が水害予防組合を廃止しようとする場合において、当該水害予防組合の区域の全部又は一部について、当該水害予防組合に代るべき水防管理団体として引き続き水防事務組合が設けられるときは、都道府県知事は、同条第3項の規定にかかわらず、当該水害予防組合が、その有する財産及び負債のうち水防の用に供せられ、又は供せられる予定となつている財産及びこれらの財産に係る負債以外の財産及び負債の処分を完了したときは、当該水害予防組合を廃止することができる。
2 前項の規定により廃止される水害予防組合は、その廃止の日において有する水防の用に供せられ、又は供せられる予定となつている財産を、当該水害予防組合の区域の全部を水防を行う区域とする一の水防事務組合が設けられる場合においては、当該水防事務組合に、当該水害予防組合の区域について2以上の水防事務組合が設けられる場合又は当該水害予防組合の区域の一部が市町村の水防を行うべき区域となる場合においては、当該水害予防組合と関係水防事務組合又は市町村との協議に基き、関係水防事務組合又は市町村に無償譲渡し、当該水防事務組合又は市町村は、それぞれ、その譲渡される財産に係る負債を引き受けなければならない。この場合においては、当該水害予防組合は、当該財産の譲渡及び負債の引継のために必要な範囲内において、当該財産の譲渡及び負債の引継を完了するまで、なお存続するものとみなす。
第3条の4 水防事務組合の議会の議員は、組合規約で定めるところにより、関係市町村の議会において、当該市町村の議会の議員の被選挙権を有する者で水防に関し学識経験があり、かつ、熱意があると認められるもののうちから選挙するものとする。ただし、数市町村にわたる水防上の特別の利害を調整する必要があると認められるときは、組合規約で定めるところにより、当該市町村の議会の議員の被選挙権を有する者で水防に関し学識経験があり、かつ、熱意があると認められるものにつき当該市町村の長が推薦した者のうちから選挙することができる。この場合において、市町村の長が推薦した者のうちから選挙される議員の数は、当該市町村の議会において選挙される議員の数の2分の1をこえてはならない。
2 前項の規定により関係市町村の議会において選挙される議員の数は、水防事務組合の行う事業による受益の割合及び防護すべき施設の延長の割合を勘案して定めるものとする。
第3条の5 水防事務組合の経費の関係市町村に対する分賦は、前条第2項に規定する割合を勘案して定めるものとする。
第3条の6 都道府県は、その区域における水防管理団体が行う水防が十分に行われるように確保すべき責任を有する。
第4条 都道府県知事は、水防上公共の安全に重大な関係のある水防管理団体を指定することができる。
第5条 水防管理団体は、水防事務を処理するため、水防団を置くことができる。
2 前条の規定により指定された水防管理団体(以下「指定管理団体」という。)は、その区域内にある消防機関が水防事務を十分に処理することができないと認める場合においては、水防団を置かなければならない。
3 水防団及び消防機関は、水防に関しては水防管理者の所轄の下に行動する。
第6条 水防団は、水防団長及び水防団員をもつて組織する。
2 水防団の設置、区域及び組織並びに水防団長及び水防団員の定員、任免、給与及び服務に関する事項は、市町村又は水防事務組合にあつては条例で、水害予防組合にあつては組合会の議決で定める。
第6条の2 水防団長又は水防団員が公務により死亡し、負傷し、若しくは病気にかかり、又は公務による負傷若しくは病気により死亡し、若しくは障害の状態となつたときは、当該水防団長又は水防団員の属する水防管理団体は、政令で定める基準に従い、市町村又は水防事務組合にあつては条例で、水害予防組合にあつては組合会の議決で定めるところにより、その者又はその者の遺族がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。
2 前項の場合においては、水防管理団体は、当該水防団長若しくは水防団員又はその者の遺族の福祉に関して必要な事業を行うように努めなければならない。
第6条の3 水防団長又は水防団員で非常勤のものが退職した場合においては、当該水防団長又は水防団員の属する水防管理団体は、市町村又は水防事務組合にあつては条例で、水害予防組合にあつては組合会の議決で定めるところにより、その者(死亡による退職の場合には、その者の遺族)に退職報償金を支給することができる。
第7条 都道府県知事は、水防事務の調整及びその円滑な実施のため、当該都道府県の水防計画を定め、及び毎年当該都道府県の水防計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない。
2 都道府県の水防計画は、津波の発生時における水防活動その他の危険を伴う水防活動に従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならない。
3 都道府県知事は、第1項の規定により当該都道府県の水防計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県水防協議会(次条第1項に規定する都道府県水防協議会をいい、これを設置しない都道府県にあつては、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第14条第1項に規定する都道府県防災会議とする。)に諮らなければならない。
4 2以上の都府県に関係する水防事務については、関係都府県知事は、あらかじめ協定して当該都府県の水防計画を定め、国土交通大臣及び消防庁長官に報告しなければならない。報告した水防計画の変更についても、同様とする。
5 都道府県知事は、第1項又は前項の規定により当該都道府県の水防計画を定め、又は変更したときは、その要旨を公表するよう努めるものとする。
第8条 都道府県の水防計画その他水防に関し重要な事項を調査審議させるため、都道府県に都道府県水防協議会を置くことができる。
2 都道府県水防協議会は、水防に関し関係機関に対して意見を述べることができる。
3 都道府県水防協議会は、会長1人及び委員15人以内で組織する。
4 会長は、都道府県知事をもつて充てる。委員は、関係行政機関の職員並びに水防に関係のある団体の代表者及び学識経験のある者のうちから都道府県知事が命じ、又は委嘱する。
5 前各項に定めるものの外、都道府県水防協議会に関し必要な事項は、当該都道府県条例で定める。
第3章 水防活動
第9条 水防管理者、水防団長又は消防機関の長は、随時区域内の河川、海岸堤防、津波防護施設(津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)第2条第10項に規定する津波防護施設をいう。以下この条において同じ。)等を巡視し、水防上危険であると認められる箇所があるときは、直ちに当該河川、海岸堤防、津波防護施設等の管理者に連絡して必要な指定を求めなければならない。
第10条 気象庁長官は、気象等の状況により洪水、津波又は高潮のおそれがあると認められるときは、その状況を国土交通大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(以下「報道機関」という。)の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
2 国土交通大臣は、2以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大きい河川で洪水により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川について、気象庁長官と共同して、洪水のおそれがあると認められるときは水位又は流量を、はん濫した後においては水位若しくは流量又ははん濫により浸水する区域及びその水深を示して当該河川の状況を関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
3 都道府県知事は、前2項の規定による通知を受けた場合においては、直ちに都道府県の水防計画で定める水防管理者及び量水標管理者(量水標等の管理者をいう。以下同じ。)に、その受けた通知に係る事項(量水標管理者にあつては、洪水又は高潮に係る事項に限る。)を通知しなければならない。
第11条 都道府県知事は、前条第2項の規定により国土交通大臣が指定した河川以外の流域面積が大きい河川で洪水により相当な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川について、洪水のおそれがあると認められるときは、気象庁長官と共同して、その状況を水位又は流量を示して直ちに都道府県の水防計画で定める水防管理者及び量水標管理者に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、気象庁長官に協議するものとする。
第12条 都道府県の水防計画で定める水防管理者又は量水標管理者は、洪水若しくは高潮のおそれがあることを自ら知り、又は第10条第3項若しくは前条第1項の規定による通知を受けた場合において、量水標等の示す水位が都道府県知事の定める通報水位を超えるときは、その水位の状況を、都道府県の水防計画で定めるところにより、関係者に通報しなければならない。
2 都道府県の水防計画で定める量水標管理者は、量水標等の示す水位が警戒水位(前項の通報水位を超える水位であつて洪水又は高潮による災害の発生を警戒すべきものとして都道府県知事が定める水位をいう。以下同じ。)を超えるときは、その水位の状況を、都道府県の水防計画で定めるところにより、公表しなければならない。
第13条 国土交通大臣は、第10条第2項の規定により指定した河川以外の河川のうち、河川法(昭和39年法律第167号)第9条第2項に規定する指定区間外の1級河川(同法第4条第1項に規定する1級河川をいう。次項において同じ。)で洪水により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川について、特別警戒水位(警戒水位を超える水位であつて洪水による災害の発生を特に警戒すべき水位をいう。次項において同じ。)を定め、当該河川の水位がこれに達したときは、その旨を当該河川の水位又は流量を示して関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
3 都道府県知事は、第1項の規定による通知を受けた場合においては、直ちに都道府県の水防計画で定める水防管理者及び量水標管理者に、その受けた通知に係る事項を通知しなければならない。
第14条 国土交通大臣は、第10条第2項又は前条第1項の規定により指定した河川について、都道府県知事は、第11条第1項又は前条第2項の規定により指定した河川について、洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保し、水災による被害の軽減を図るため、国土交通省令で定めるところにより、当該河川の洪水防御に関する計画の基本となる降雨により当該河川がはん濫した場合に浸水が想定される区域を浸水想定区域として指定するものとする。
2 前項の規定による指定は、指定の区域及び浸水した場合に想定される水深を明らかにしてするものとする。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第1項の規定による指定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、指定の区域及び浸水した場合に想定される水深を公表するとともに、関係市町村の長に通知しなければならない。
4 前2項の規定は、第1項の規定による指定の変更について準用する。
第15条 市町村防災会議(災害対策基本法第16条第1項に規定する市町村防災会議をいい、これを設置しない市町村にあつては、当該市町村の長とする。次項において同じ。)は、前条第1項の規定により浸水想定区域の指定があつたときは、市町村地域防災計画(同法第42条第1項に規定する市町村地域防災計画をいう。以下同じ。)において、少なくとも当該浸水想定区域ごとに、次に掲げる事項について定めるものとする。
1.洪水予報等(第10条第1項若しくは第2項若しくは第11条第1項の規定により気象庁長官、国土交通大臣及び気象庁長官若しくは都道府県知事及び気象庁長官が行う予報又は第13条第1項若しくは第2項の規定により国土交通大臣若しくは都道府県知事が通知し若しくは周知する情報をいう。以下同じ。)の伝達方法
2.避難場所その他洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な事項
3.浸水想定区域内に地下街等(地下街その他地下に設けられた不特定かつ多数の者が利用する施設をいう。以下同じ。)又は主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に防災上の配慮を要する者が利用する施設で当該施設の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保する必要があると認められるものがある場合にあつては、これらの施設の名称及び所在地
2 市町村防災会議は、前項第3号に規定する施設については、その利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保が図られるよう洪水予報等の伝達方法を定めるものとする。
3 第1項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた地下街等の所有者又は管理者は、単独で又は共同して、国土交通省令で定めるところにより、当該地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な措置に関する計画を作成し、これを市町村長に報告するとともに、公表しなければならない。
4 浸水想定区域をその区域に含む市町村の長は、国土交通省令で定めるところにより、市町村地域防災計画において定められた第1項各号に掲げる事項を住民に周知させるため、これらの事項(次の各号に掲げる区域をその区域に含む市町村にあつては、それぞれ当該各号に定める事項を含む。)を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならない。
1.土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第6条第1項の土砂災害警戒区域 同法第7条第3項に規定する事項
2.津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項の津波災害警戒区域 同法第55条に規定する事項
5 前各項の規定は、災害対策基本法第17条第1項の規定により水災による被害の軽減を図るため市町村防災会議の協議会が設置されている場合について準用する。この場合において、第1項中「市町村防災会議(災害対策基本法第16条第1項に規定する市町村防災会議をいい、これを設置しない市町村にあつては、当該市町村の長とする。」とあるのは「市町村防災会議の協議会(災害対策基本法第17条第1項に規定する市町村防災会議の協議会をいう。」と、「市町村地域防災計画(同法第42条第1項に規定する市町村地域防災計画をいう。」とあるのは「市町村相互間地域防災計画(同法第44条第1項に規定する市町村相互間地域防災計画をいう。」と、第2項中「市町村防災会議」とあるのは「市町村防災会議の協議会」と、前2項中「市町村地域防災計画」とあるのは「市町村相互間地域防災計画」と読み替えるものとする。
第16条 国土交通大臣は、洪水、津波又は高潮により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあると認めて指定した河川、湖沼又は海岸について、都道府県知事は、国土交通大臣が指定した河川、湖沼又は海岸以外の河川、湖沼又は海岸で洪水、津波又は高潮により相当な損害を生ずるおそれがあると認めて指定したものについて、水防警報をしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の規定により水防警報をしたときは、直ちにその警報事項を関係都道府県知事に通知しなければならない。
3 都道府県知事は、第1項の規定により水防警報をしたとき、又は前項の規定により通知を受けたときは、都道府県の水防計画で定めるところにより、直ちにその警報事項又はその受けた通知に係る事項を関係水防管理者その他水防に関係のある機関に通知しなければならない。
4 国土交通大臣又は都道府県知事は、第1項の規定により河川、湖沼又は海岸を指定したときは、その旨を公示しなければならない。
第17条 水防管理者は、水防警報が発せられたとき、水位が警戒水位に達したときその他水防上必要があると認めるときは、都道府県の水防計画で定めるところにより、水防団及び消防機関を出動させ、又は出動の準備をさせなければならない。
第18条 都道府県知事の定める標識を有する車両が水防のため出動するときは、車両及び歩行者は、これに進路を譲らなければならない。
第19条 水防団長、水防団員及び消防機関に属する者は、水防上緊急の必要がある場所に赴くときは、一般交通の用に供しない通路又は公共の用に供しない空き地及び水面を通行することができる。
第20条 都道府県知事は、水防に用いる信号を定めなければならない。
2 何人も、みだりに前項の水防信号又はこれに類似する信号を使用してはならない。
第21条 水防上緊急の必要がある場所においては、水防団長、水防団員又は消防機関に属する者は、警戒区域を設定し、水防関係者以外の者に対して、その区域への立入りを禁止し、若しくは制限し、又はその区域からの退去を命ずることができる。
2 前項の場所においては、水防団長、水防団員若しくは消防機関に属する者がいないとき、又はこれらの者の要求があつたときは、警察官は、同項に規定する者の職権を行うことができる。
第22条 水防管理者は、水防のため必要があると認めるときは、警察署長に対して、警察官の出動を求めることができる。
第23条 水防のため緊急の必要があるときは、水防管理者は、他の水防管理者又は市町村長若しくは消防長に対して応接を求めることができる。応援を求められた者は、できる限りその求めに応じなければならない。
2 応援のため派遣された者は、水防については応援を求めた水防管理者の所轄の下に行動するものとする。
3 第1項の規定による応援のために要する費用は、当該応援を求めた水防管理団体が負担するものとする。
4 前項の規定により負担する費用の額及び負担の方法は、当該応援を求めた水防管理団体と当該応援を求められた水防管理団体又は市町村とが協議して定める。
第24条 水防管理者、水防団長又は消防機関の長は、水防のためやむを得ない必要があるときは、当該水防管理団体の区域内に居住する者、又は水防の現場にある者をして水防に従事させることができる。
第25条 水防に際し、堤防その他の施設が決壊したときは、水防管理者、水防団良、消防機関の長又は水防協力団体の代表者は、直ちにこれを関係者に通報しなければならない。
第26条 堤防その他の施設が決壊したときにおいても、水防管理者、水防団長、消防機関の長及び水防協力団体の代表者は、できる限りはん濫による被害が拡大しないように努めなければならない。
第27条 何人も、水防上緊急を要する通信が最も迅速に行われるように協力しなければならない。
2 国土交通大臣、都道府県知事、水防管理者、水防団長、消防機関の長又はこれらの者の命を受けた者は、水防上緊急を要する通信のために、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は警察通信施設、気象官署通信施設、鉄道通信施設、電気事業通信施設その他の専用通信施設を使用することができる。
第28条 水防のため緊急の必要があるときは、水防管理者、水防団長又は消防機関の長は、水防の現場において、必要な土地を一時使用し、土石、竹木その他の資材を使用し、若しくは収用し、車両その他の運搬用機器を使用し、又は工作物その他の障害物を処分することができる。
2 水防管理団体は、前項の規定により損失を受けた者に対し、時価によりその損失を補償しなければならない。
第29条 洪水、津波又は高潮によつて氾濫による著しい危険が切迫していると認められるときは、都道府県知事、その命を受けた都道府県の職員又は水防管理者は、必要と認める区域の居住者、滞在者その他の者に対し、避難のため立ち退くべきことを指示することができる。水防管理者が指示をする場合においては、当該区域を管轄する警察署長にその旨を通知しなければならない。
第30条 水防上緊急を要するときは、都道府県知事は、水防管理者、水防団長又は消防機関の長に対して指示をすることができる。
第31条 2以上の都府県に関係がある河川で、公共の安全を保持するため特に重要なものの水防上緊急を要するときは、国土交通大臣は、都道府県知事、水防管理者、水防団長又は消防機関の長に対して指示をすることができる。
第32条 国土交通大臣は、洪水、津波又は高潮による著しく激甚な災害が発生した場合において、水防上緊急を要すると認めるときは、次に掲げる水防活動(以下この条及び第43条の2において「特定緊急水防活動」という。)を行うことができる。
1.当該災害の発生に伴い浸入した水の排除
2.高度の機械力又は高度の専門的知識及び技術を要する水防活動として政令で定めるもの
2 国土交通大臣は、前項の規定により特定緊急水防活動を行おうとするときは、あらかじめ、当該特定緊急水防活動を行おうとする場所に係る水防管理者にその旨を通知しなければならない。特定緊急水防活動を終了しようとするときも、同様とする。
3 第1項の規定により国土交通大臣が特定緊急水防活動を行う場合における第19条、第21条、第22条、第25条、第26条及び第28条の規定の適用については、第19条中「水防団長、水防団員及び消防機関に属する者」とあり、第21条第1項中「水防団長、水防団員又は消防機関に属する者」とあり、及び同条第2項中「水防団長、水防団員若しくは消防機関に属する者」とあるのは「国土交通省の職員」と、第22条中「水防管理者」とあり、第25条中「水防管理者、水防団長、消防機関の長又は水防協力団体の代表者」とあり、第26条中「水防管理者、水防団長、消防機関の長及び水防協力団体の代表者」とあり、及び第28条第1項中「水防管理者、水防団長又は消防機関の長」とあるのは「国土交通大臣」と、同条第2項中「水防管理団体」とあるのは「国」とする。
第32条の2 指定管理団体は、毎年、水防団、消防機関及び水防協力団体の水防訓練を行わなければならない。
2 指定管理団体以外の水防管理団体は、毎年、水防団、消防機関及び水防協力団体の水防訓練を行うよう努めなければならない。
第32条の3 津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項の津波災害警戒区域に係る水防団、消防機関及び水防協力団体は、同法第54条第1項第3号に規定する津波避難訓練が行われるときは、これに参加しなければならない。
第4章 指定水防管理団体
第33条 指定管理団体の水防管理者は、都道府県の水防計画に応じた水防計画を定め、及び毎年水防計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない。
2 指定管理団体の水防管理者は、前項の規定により水防計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、水防協議会(次条第1項に規定する水防協議会をいう。以下この項において同じ。)を設置する指定管理団体にあつては当該水防協議会、水防協議会を設置せず、かつ、災害対策基本法第16条第1項に規定する市町村防災会議を設置する市町村である指定管理団体にあつては当該市町村防災会議に諮らなければならない。
3 指定管理団体の水防管理者は、第1項の規定により水防計画を定め、又は変更したときは、その要旨を公表するよう努めるとともに、遅滞なく、水防計画を都道府県知事に届け出なければならない。
4 第7条第2項の規定は、指定管理団体の水防計画について準用する。
第34条 指定管理団体の水防計画その他水防に関し重要な事項を調査審議させるため、指定管理団体に水防協議会を置くことができる。ただし、水防事務組合及び水害予防組合については、これらに水防協議会を置くものとする。
2 指定管理団体の水防協議会は、水防に関し関係機関に対して意見を述べることができる。
3 指定管理団体の水防協議会は、会長1人及び委員25人以内で組織する。
4 会長は、指定管理団体の水防管理者をもつて充てる。委員は、関係行政機関の職員並びに水防に関係のある団体の代表者及び学識経験のある者のうちから指定管理団体の水防管理者が命じ、又は委嘱する。
5 前各項に定めるもののほか、指定管理団体の水防協議会に関し必要な事項は、市町村又は水防事務組合にあつては条例で、水害予防組合にあつては組合会の議決で定める。
第35条 都道府県は、条例で、指定管理団体の水防団員の定員の基準を定めることができる。
第5章 水防協力団体
第36条 水防管理者は、一般社団法人若しくは一般財団法人又は特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項の特定非営利活動法人であつて、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、水防協力団体として指定することができる。
2 水防管理者は、前項の規定による指定をしたときは、当該水防協力団体の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 水防協力団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を水防管理者に届け出なければならない。
4 水防管理者は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
第37条 水防協力団体は、次に掲げる業務を行うものとする。
1.水防団又は消防機関が行う水防上必要な監視、警戒その他の水防活動に協力すること。
2.水防に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
3.水防に関する調査研究を行うこと。
4.水防に関する知識の普及及び啓発を行うこと。
5.前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第38条 水防協力団体は、水防団及び水防を行う消防機関との密接な連携の下に前条第1号に掲げる業務を行わなければならない。
第39条 水防管理者は、第37条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、水防協力団体に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
2 水防管理者は、水防協力団体が第37条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、水防協力団体に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
3 水防管理者は、水防協力団体が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
4 水防管理者は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第40条 国、都道府県及び水防管理団体は、水防協力団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。
第6章 費用の負担及び補助
第41条 水防管理団体の水防に要する費用は、当該水防管理団体が負担するものとする。
第42条 水防管理団体の水防によって当該水防管理団体の区域の関係市町村以外の市町村が著しく利益を受けるときは、前条の規定にかかわらず、当該水防に要する費用の一部は、当該水防により著しく利点を受ける市町村が負担するものとする。
2 前項の規定により負担する費用の額及び負担の方法は、当該水防を行う水防管理団体と当該水防により著しく利益を受ける市町村とが協議して定める。
3 前項の規定による協議が成立しないときは、水防管理団体又は市町村は、その区域の属する都道府県の知事にあつせんを申請することができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による申請に基づいてあつせんをしようとする場合において、当事者のうちにその区域が他の都府県に属する水防管理団体又は市町村があるときは、当該他の都府県の知事と協議しなければならない。
第43条 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務に要する費用は、当該都道府県の負担とする。
第43条の2 第32条第1項の規定により国土交通大臣が行う特定緊急水防活動に要する費用は、国の負担とする。
第44条 都道府県は、第41条の規定により水防管理団体が負担する費用について、当該水防管理団体に対して補助することができる。
2 国は、前項の規定により都道府県が水防管理団体に対して補助するときは、当該補助金額のうち、2以上の都府県の区域にわたる河川又は流域面積が大きい河川で洪水による国民経済に与える影響が重大なものの政令で定める水防施設の設置に係る金額の2分の1以内を、予算の範囲内において、当該都道府県に対して補助することができる。
3 前項の規定により国が都道府県に対して補助する金額は、当該水防施設の設置に要する費用の3分の1に相当する額以内とする。
第7章 雑 則
第45条 第24条の規定により水防に従事した者が水防に従事したことにより死亡し、負傷し、若しくは病気にかかり、又は水防に従事したことによる負傷若しくは病気により死亡し、若しくは障害の状態となつたときは、当該水防管理団体は、政令で定める基準に従い、市町村又は水防事務組合にあつては条例で、水害予防組合にあつては組合会の議決で定めるところにより、その者又はその者の遺族がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。
第46条 国土交通大臣は、水防管理者の所轄の下に水防に従事した者で当該水防に関し著しい功労があると認められるものに対し、国土交通省令で定めるところにより、表彰を行うことができる。
第47条 国土交通大臣及び消防庁長官は、都道府県又は水防管理団体に対し、水防に関し必要な報告をさせることができる。
2 都道府県知事は、都道府県の区域内における水防管理団体に対し、水防に関し必要な報告をさせることができる。
第48条 国土交通大臣は都道府県又は水防管理団体に対し、都道府県知事は都道府県の区域内における水防管理団体に対し、水防に関し必要な勧告又は助言をすることができる。
第49条 都道府県知事又は水防管理者は、水防計画を作成するために必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、又は当該職員、水防団長、水防団員若しくは消防機関に属する者をして必要な土地に立ち入らせることができる。
2 都道府県の職員、水防団長、水防団員又は消防機関に属する者は、前項の規定により必要な土地に立ち入る場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第50条 水防管理者は、水防事務と水防事務以外の消防事務とが競合する場合の措置について、あらかじめ市町村長と協議しておかなければならない。
第51条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
第8章 罰 則
第52条 みだりに水防管理団体の管理する水防の用に供する器具、資材又は設備を損壊し、又は撤去した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 前項の者には、情状により懲役及び罰金を併科することができる。
第54条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金又は拘留に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して60日を経過した日から施行する。
2 国土交通大臣又は都道府県知事は、水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第37号)附則第2条の規定により、国土交通大臣又は都道府県知事が第13条第1項又は第2項の規定により指定した河川とみなされた河川については、平成22年3月31日までに、第14条第1項の規定による浸水想定区域の指定をしなければならない。
3 国は、平成17年度から平成21年度までの各年度に限り、都道府県に対し、予算の範囲内において、前項の浸水想定区域の指定をするために必要な河川がはん濫した場合に浸水するおそれがある土地の地形及び利用の状況その他の事項に関する調査(次項において「浸水想定区域調査」という。)に要する費用の3分の1以内を補助することができる。
4 国土交通大臣は、平成22年3月31日までの間、附則第2項の浸水想定区域の指定の適正を確保するために必要があると認めるときは、都道府県に対し、浸水想定区域調査又は土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第4条第1項の規定による調査の結果について、必要な報告を求めることができる。