水先法
昭和24・5・30・法律121号
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成14・5・31・法律 54号−−
改正平成14・6・7・法律 60号−−
改正平成18・5・17・法律 38号==(施行=平19年4月1日)
改正平成18・6・2・法律 50号(未)(施行=平20年12月1日)
改正平成20・5・2・法律 26号(未)(施行=平20年10月1日)
第1条
第1条 この法律は、水先をすることができる者の資格を定め、並びにその養成及び確保のための措置を講ずるとともに、水先業務の適正かつ円滑な遂行を確保することにより、船舶交通の安全を図り、併せて船舶の運航能率の増進に資することを目的とする。
第2条 この法律において「水先」とは、水先区において、船舶に乗り込み当該船舶を導くことをいう。
2 この法律において「水先人」とは、一定の水先区について水先人の免許を受けた者をいう。
3 この法律において「水先修業生」とは、
第5条第1項第2号に規定する登録水先人養成施設の課程を修習中の者をいう。
第3条 この法律のうち船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人に、船長に関する規定は、船長に代わつてその職務を行う者に適用する。
第4条 水先人になろうとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
2 水先人の免許は、水先区ごとに、かつ、次に掲げる資格別に与える。
3 前項各号に掲げる資格を有する者が水先業務を行うことのできる船舶は、次の表の上欄に掲げる資格に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる船舶とする。
| 一 1級水先人 | すべての船舶 |
| 二 2級水先人 | 総トン数5万トン(積載物の種類その他の船舶の航行の安全に関する事項を考慮して政令で定める船舶については、総トン数2万トン)を下らない範囲内において政令で定める総トン数を超えない船舶 |
| 三 3級水先人 | 総トン数2万トンを下らない範囲内において政令で定める総トン数を超えない船舶(前号の政令で定める船舶を除く。) |
第5条 水先人の免許は、次に掲げる要件のすべてを具備した者でなければ、与えない。
1.前条第2項各号に掲げる資格別に国土交通省令で定める乗船履歴又は水先業務に従事した経験及び海技士の免許(船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号。以下「船舶職員法」という。)
第4条第1項に規定する海技士の免許をいう。以下同じ。)を有していること。
2.
第14条及び
第15条の規定により国土交通大臣の登録を受けた水先人養成施設(以下「登録水先人養成施設」という。)において、前条第2項各号に掲げる資格に応じ、水先区ごとに、船舶の操縦に関する知識及び技能その他の水先業務を行う能力を習得させるための課程を修了したこと。
3.前条第2項各号に掲げる資格別に国土交通大臣が行う水先人試験に合格したこと。
2 国土交通大臣は、水先区に水先人がいない場合又は前項第2号の要件を具備する者がいない水先区について急速に水先人を置く必要がある場合においては、同項第1号及び第3号の要件を具備し、かつ、国土交通省令で定める回数以上当該水先区において航海に従事したことがある者に対し、その者が同項第2号の要件を具備しなくても、免許を与えることができる。
第6条 次の各号のいずれかに該当する者は、水先人となることができない。
1.日本国民でない者
2.禁錮以上の刑に処せられた者であつて、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しないもの
3.海技士の免許又は船舶職員法
第23条の2第1項に規定する小型船舶操縦士の免許を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者
4.船長又は航海士の職務につき業務の停止を命ぜられ、その業務の停止の期間中の者
5.船長又は航海士の職務につき3回以上業務の停止を命ぜられ、直近の業務の停止の期間が満了した日から5年を経過しない者
6.水先人の免許を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者
第7条 水先人試験は、
第4条第2項各号に掲げる資格に応じ、免許を受けようとする水先区の実情に即して水先業務を行う能力があるかどうかを判定することを目的とし、その内容には、実際的なものと理論的なものとを含まなければならない。
3 身体検査に合格した者でなければ、学術試験を受けることができない。
4 学術試験は、筆記試験及び口述試験とし、次に掲げる事項について行う。
1.海上の衝突予防に関する法規その他当該水先区の航法に関する法規
2.当該水先区の風位、風力、天候、潮汐、潮流その他気象及び海象に関する知識
3.当該水先区の水路、水深、距離、浅瀬等の航路障害物、航路標識その他重要な事項に関する知識
4.船舶の操縦に関する知識及び技能
5.その他水先人として必要と認められる知識又は技能であつて国土交通省令で定める事項
5 筆記試験に合格した者でなければ、口述試験を受けることができない。
第8条 第4条第2項各号に掲げる資格について水先人試験を受ける者がその受ける水先人試験に係る資格より下級の資格の同一の水先区の水先人である場合には、国土交通省令で定めるところにより、学術試験の一部を免除することができる。
2 第4条第2項各号に掲げる資格について水先人試験を受ける者がその受ける水先人試験に係る資格と同一の資格の他の水先区の水先人である場合には、国土交通省令で定めるところにより、学術試験の一部を免除することができる。
第9条 国土交通大臣は、水先人の免許を与えたときは、水先人名簿に登鍵し、かつ、水先免状を交付しなければならない。
第10条 水先人の免許の有効期間は、5年とする。ただし、2級水先人又は3級水先人であつて初めて水先人の免許を受けた者その他の国土交通省令で定める者の免許の有効期間については、3年以上5年以内において国土交通省令で定める期間とする。
2 前項の有効期間は、その満了の際、申請により更新することができる。
3 国土交通大臣は、前項の規定による水先人の免許の有効期間の更新の申請があつた場合には、その者がその資格に応じ水先業務を行うに当たり必要な事項に関する最新の知識及び技能を習得させるための講習(以下「水先免許更新講習」という。)であつて
第29条及び
第30条の規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録水先免許更新講習」という。)の課程を修了した者でなければ、水先人の免許の有効期間の更新をしてはならない。
4 国土交通大臣は、第2項の規定による水先人の免許の有効期間の更新に際し、必要があると認めるときは、国土交通省令の定めるところにより、当該水先人に対し
第7条第4項各号に掲げる事項について筆記試験又は口述試験をすることができる。
第11条 前条第4項の規定は、国土交通大臣が、以前に水先人であつた者に対し水先人の免許を与えようとする場合について準用する。
第12条 水先人が上級の資格についての水先人の免許を受けたときは、下級の資格についての水先人の免許は、その効力を失う。
第13条 国土交通大臣は、水先人が心身の障害により水先業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものでないかどうかを確かめるために、毎年、水先人の身体検査を行わなければならない。
2 国土交通大臣は、前項に規定する事項を確かめるため必要があると認めるときは、いつでも当該水先人の身体検査を行うことができる。
3 前2項の身体検査の実施に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第14条 第5条第1項第2号の登録は、水先人養成施設における水先人の養成を行おうとする者の申請により行う。
第15条 国土交通大臣は、前条の規定による登録の申請が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
1.次に掲げる施設及び設備を用いて水先人養成施設における水先人の養成が行われるものであること。
イ 講義室
ロ 実習室
ハ 実習用船舶
ニ 操船シミュレータ
ホ 水路図誌
ヘ 天気図
ト 語学練習装置又は視聴覚教材を使用するために必要な設備
チ 水先業務に関する英会話を録音した視聴覚教材
リ 教育に必要な模型、掛図、書籍その他の教材
2.次に掲げる条件のいずれにも適合する講師により水先人養成施設における水先人の養成が行われるものであること。
イ 20歳以上であること。
ロ 過去2年間に水先人養成施設における水先人の養成に関する事務に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者でないこと。
ハ 次に掲げる条件のいずれかに適合すること。
(1) 1級水先人の資格についての免許を有する者であつて当該免許を受けた後1年以上水先業務に従事した経験を有するもの
(2) 船舶職員法別表第3の上欄一の項の3級海技士(航海)養成施設において、講師として1年以上船舶職員の養成に従事した経験を有する者
(3) (1)又は(2)に掲げる者と同等以上の能力を有するものであること。
2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
1.この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
2.
第24条の規定により
第5条第1項第2号の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
3.法人であつて、登録水先人養成施設における水先人の養成に関する事務(以下「登録水先人養成事務」という。)を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
3 第5条第1項第2号の登録は、登録水先人養成施設登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
1.登録年月日及び登録番号
2.登録水先人養成施設における水先人の養成を行う者(以下「登録水先人養成実施機関」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
3.登録水先人養成施設における
第4条第2項各号に掲げる資格及び水先区に応じて国土交通省令で定める課程の区分
4.登録水先人養成事務を行う事務所の所在地
5.前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
第16条 第5条第1項第2号の登録は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前2条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
第17条 登録水先人養成実施機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める基準に適合する方法により登録水先人養成事務を行わなければならない。
第18条 登録水先人養成実施機関は、
第15条第3項第2号から第5号までに掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第19条 登録水先人養成実施機関は、登録水先人養成事務の開始前に、登録水先人養成事務の実施に関する規程(以下「登録水先人養成事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録水先人養成事務規程には、登録水先人養成施設における水先人の養成の方法、登録水先人養成施設における水先人の養成に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
第20条 登録水先人養成実施機関は、登録水先人養成事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第21条 登録水先人養成実施機関(国又は地方公共団体を除く。次項において同じ。)は、毎事業年度経過後3月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、5年間事務所に備えて置かなければならない。
2 登録水先人養成施設における教育を受けようとする者その他の利害関係人は、登録水先人養成実施機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号の請求をするには、登録水先人養成実施機関の定めた費用を支払わなければならない。
1.財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
2.前号の書面の謄本又は抄本の請求
3.財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4.前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものをいう。)により提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
第22条 国土交通大臣は、登録水先人養成施設が
第15条第1項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録水先人養成実施機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第23条 国土交通大臣は、登録水先人養成実施機関が
第17条の規定に違反していると認めるときは、その登録水先人養成実施機関に対し、登録水先人養成事務の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第24条 国土交通大臣は、登録水先人養成実施機関が次の各号のいずれかに該当するときは、
第5条第1項第2号の登録を取り消し、又は期間を定めて登録水先人養成事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1.
第15条第2項第1号又は第3号に該当するに至つたとき。
3.正当な理由がないのに
第21条第2項各号の規定による請求を拒んだとき。
4.前2条の規定による命令に違反したとき。
5.不正の手段により
第5条第1項第2号の登録を受けたとき。
第25条 登録水先人養成実施機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、登録水先人養成事務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
第26条 国土交通大臣は、この法律の目的を達成するため必要な限度において、登録水先人養成実施機関に対し、登録水先人養成事務に関し報告させ、又はその職員に、登録水先人養成実施機関の事務所に立ち入り、登録水先人養成事務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第27条 国土交通大臣は、登録水先人養成実施機関がいないとき、
第20条の規定による登録水先人養成事務に関する業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、
第24条の規定により
第5条第1項第2号の登録を取り消し、又は登録水先人養成実施機関に対し登録水先人養成事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録水先人養成実施機関が天災その他の事由により登録水先人養成事務に関する業務の全部又は一部を実施することが困難となつたとき、その他必要があると認めるときは、水先人の養成に関する事務の全部又は一部を自ら行うことができる。
第28条 国土交通大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
3.
第24条の規定により
第5条第1項第2号の登録を取り消し、又は業務の停止を命じたとき。
4.前条の規定により国土交通大臣が水先人の養成に関する事務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行つていた水先人の養成に関する事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
第29条 第10条第3項の登録は、水先免許更新講習を行おうとする者の申請により行う。
第30条 国土交通大臣は、前条の規定による登録の申請が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
1.次に掲げる施設及び設備を用いて水先免許更新講習が行われるものであること。
イ 講義室
ロ 操船シミュレータ
ハ 次に掲げる事項を内容とした視聴覚教材
(1) 海上における事故及び災害の防止に関すること。
(2) 最新の船舶技術に関すること。
(3) 最新の海事法令に関すること。
ニ 視聴覚教材を使用するために必要な設備
2.次に掲げる条件のいずれにも適合する講師により水先免許更新講習が行われるものであること。
イ 20歳以上であること。
ロ 過去2年間に水先免許更新講習の実施に関する事務に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者でないこと。
ハ 次に掲げる条件のいずれかに適合すること。
(1) 1級水先人の資格についての免許を有する者であつて当該免許を受けた後1年以上水先業務に従事した経験を有するもの
(2) 船舶職員法別表第3の上欄一の項の3級海技士(航海)養成施設において、講師として1年以上船舶職員の養成に従事した経験を有する者
(3) (1)又は(2)に掲げる者と同等以上の能力を有するものであること。
2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
1.この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
3.法人であつて、登録水先免許更新講習の実施に関する事務(以下「登録水先免許更新講習事務」という。)を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
3 第10条第3項の登録は、登録水先免許更新講習登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
1.登録年月日及び登録番号
2.登録水先免許更新講習を行う者(以下「登録水先免許更新講習実施機関」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
3.登録水先免許更新講習における
第4条第2項各号に掲げる資格及び水先区に応じて国土交通省令で定める課程の区分
4.登録水先免許更新講習事務を行う事務所の所在地
5.前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
第31条 第10条第3項の登録は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前2条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
第32条 第17条から
第28条までの規定は、登録水先免許更新講習、登録水先免許更新講習実施機関及び登録水先免許更新講習事務について準用する。この場合において、
第18条中「第15条第3項第2号から第5号まで」とあるのは「第30条第3項第2号から第5号まで」と、
第22条中「第15条第1項各号」とあるのは「第30条第1項各号」と、
第24条、
第27条並びに
第28条第1号及び第3号中「第5条第1項第2号」とあるのは「第10条第3項」と、
第24条第1号中「第15条第2項第1号又は第3号」とあるのは「第30条第2項第1号又は第3号」と読み替えるものとする。
第34条 各水先区の水先人の最低の員数は、国土交通省令で定める。
第35条 次に掲げる船舶(海上保安庁の船舶その他国土交通省令で定める船舶を除く。次項において同じ。)の船長は、水先区のうち政令で定める港又は水域において、その船舶を運航するときは、
第4条の定めるところにより当該船舶について水先をすることができる水先人を乗り込ませなければならない。ただし、日本船舶又は日本船舶を所有することができる者が借入れ(期間傭船を除く。)をした日本船舶以外の船舶の船長であつて、当該港又は水域において国土交通省令で定める回数以上航海に従事したと地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)が認めるもの(地方運輸局長の認定後2年を経過しない者に限る。)が、その船舶を運航する場合は、この限りでない。
1.日本船舶でない総トン数300トン以上の船舶
2.日本国の港と外国の港との間における航海に従事する総トン数300トン以上の日本船舶
3.前号に掲げるもののほか、総トン数1,000トン以上の日本船舶
2 前項の政令で定める港又は水域のうち政令で定めるものについては、同項各号に掲げる船舶の範囲内において、当該港又は水域における自然的条件、船舶交通の状況、水先業務の態勢その他の事情を考慮して、政令で、同項本文の水先人を乗り込ませなければならない船舶を別に定めることができる。この場合において、同項本文の規定は、当該港又は水域においては、当該政令で定める船舶以外の船舶については、適用しない。
第36条 国土交通大臣は、水先区のうち工事若しくは作業の実施により又は船舶の沈没その他の船舶交通の障害の発生により船舶交通の危険が生じ、又は生ずるおそれがある港又は水域について、当該港又は水域における船舶交通の危険を防止するため特に必要があると認めるときは、告示により、水先人を乗り込ませなければならない船舶(海上保安庁の船舶及び前条第1項の国土交通省令で定める船舶を除く。)、港又は水域及び期間を定めることができる。
2 前項の規定により告示された船舶の船長は、当該告示に係る港又は水域において、当該告示に係る期間内にその船舶を運航するときは、
第4条の定めるところにより当該船舶について水先をすることができる水先人を乗り込ませなければならない。
第37条 第4条の定めるところにより水先をすることができる水先人でない者は、水先をしてはならない。
2 水先人の業務の停止の処分を受けている水先人は、水先をしてはならない。
第38条 船長は、
第4条の定めるところにより水先をすることができる水先人でない者に水先をさせてはならない。
第39条 水先人は、水先船その他の水先業務に必要な施設であつて国土交通省令で定めるもの(以下「水先業務用施設」という。)を確保しておかなければならない。
第40条 水先人は、船長から水先人を求める旨の通報を受けたときは、正当な事由がある場合のほか、その求めに応じ、その船舶に赴かなければならない。
第41条 船長は、水先人が船舶に赴いたときは、正当な事由がある場合のほか、水先人に水先をさせなければならない。
2 前項の規定は、水先人に水先をさせている場合において、船舶の安全な運航を期するための船長の責任を解除し、又はその権限を侵すものと解釈してはならない。
第42条 水先人は、船舶に赴いた場合において水先を求められたときは、正当な事由がある場合のほか、その求めに応じ、かつ、誠実に水先をしなければならない。
第43条 船長は、水先人が安全に乗下船できるように、適当な方法を講じなければならない。
第44条 船長は、正当な事由がある場合のほか、水先人を水先区外に伴つてはならない。
第45条 水先人は、水先修業生1人を水先をすべき船舶に伴うことができる。
2 水先人は、水先修行生2人以上を水先をすべき船舶に伴おうとするときは、船長の承諾を得なければならない。
第46条 水先人は、水先をしたときは、船舶所有者又は船長に対し、水先料を請求することができる。
2 水先人は、水先料の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
4 水先人は、第2項の認可を受けた水先料の上限の範囲内で水先料を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
5 国土交通大臣は、前項の水先料が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該水先人に対し、期限を定めてその水先料を変更すべきことを命ずることができる。
1.特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
2.他の水先人との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。
6 水先人は、第4項の規定により届け出た水先料をその事務所において利用者に見やすいように掲示しておかなければならない。
第47条 水先人は、水先約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の水先約款が利用者の正当な利益を害するおそれがあると認めるときは、当該水先人に対し、その水先約款を変更すべきことを命ずることができる。
3 水先人は、第1項の水先約款をその事務所において利用者に見やすいように掲示しておかなければならない。
第48条 水先人は、水先区ごとに、一個の水先人会を設立しなければならない。
2 水先人会は、会員の品位を保持し、水先業務の適正かつ円滑な遂行に資するため、合同事務所(会員のする水先の引受けに関する事務を統合して行うための事務所をいう。以下同じ。)の設置及び運営、水先人の養成並びに会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
4 民法(明治29年法律第89号)
第44条及び
第50条の規定は、水先人会について準用する。
第49条 水先人は、水先人会を設立しようとするときは、会則を定め、その会則について国土交通大臣の認可を受けなければならない。
2 水先人会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.名称及び事務所の所在地
2.役員に関する規定
3.入会及び退会に関する規定
4.会議に関する規定
5.合同事務所の設置及び運営に関する規定
6.水先修業生の修習に関する規定
7.水先人の品位保持に関する規定
8.資産及び会計に関する規定
9.会費に関する規定
10.その他重要な会務に関する規定
3 水先人会は、その会則を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、水先人会の事務所の所在地その他の国土交通省令で定める事項に係る会則の変更については、この限りでない。
第50条 水先人会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第51条 水先人会に、会長、副会長及び会則で定めるその他の役員を置く。
2 会長は、水先人会を代表し、その会務を総理する。
3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。
第52条 水先人は、その免許に係る水先区に設立されている水先人会に入会しなければならない。
第53条 水先人は、所属水先人会の会則を守らなければならない。
第54条 水先人会は、毎事業年度経過後3月以内に、財務諸表等を作成し、事務所に備えて置き、国土交通省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
第55条 全国の水先人会は、日本水先人会連合会を設立しなければならない。
2 日本水先人会連合会は、水先人会の会員の品位を保持し、水先業務の適正かつ円滑な遂行に資するため、水先人会及びその会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
4 水先人会は、当然、日本水先人会連合会の会員となる。
第56条 水先人会は、日本水先人会連合会を設立しようとするときは、会則を定め、その会則について国土交通大臣の認可を受けなければならない。
2 日本水先人会連合会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.
第49条第2項第1号から第4号まで及び第7号から第9号までに掲げる事項
2.水先人の確保に関する規定
3.水先人会の会員の研修に関する規定
4.その他重要な会務に関する規定
第57条 水先人及び水先人会は、日本水先人会連合会の会則を守らなければならない。
第59条 国土交通大臣は、水先人が次の各号のいずれかに該当するときは、水先人の免許を取り消し、2年以内の期間を定めてその業務の停止を命じ、又はその者を戒告することができる。ただし、これらの事由によつて発生した海難について海難審判庁が審判を開始したときは、この限りでない。
1.この法律又はこの法律に基づく命令の規定若しくはこれらに基づく処分に違反したとき。
2.水先人としての業務を行うに当たり、海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)その他の他の法令の規定に違反したとき。
3.水先人がその業務を行うに当たり、怠慢であつたとき、技能が拙劣であつたとき又は非行があつたとき。
第60条 国土交通大臣は、2年間に3回以上水先人の業務の停止の処分を受けた者又は正当な理由がないのに
第13条の規定による国土交通大臣の行う身体検査を受けない者に対し、水先人の免許を取り消すことができる。
2 国土交通大臣は、
第13条の規定により行う身体検査の結果、水先人が心身の障害により水先業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものになつたと認めるときは、水先人の免許を取り消し、又は2年以内の期間を定めて業務の停止を命ずることができる。
第61条 国土交通大臣は、水先人がその業務を行うに当たり利用者の利便を阻害している事実があると認めるときは、当該水先人に対し、水先業務用施設の改善その他水先業務の円滑な遂行を確保するため必要な事項を命ずることができる。
第62条 国土交通大臣は、前3条の規定による処分をしようとするときは、交通政策審議会の意見を聴かなければならない。
2 交通政策審議会は、前項の規定による意見を決定しようとするときは、当該処分に係る水先人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知してその意見を聴取しなければならない。当該水先人は、意見の聴取に際しては、証拠を提出することができる。
3 当該水先人は、意見の聴取の通知があつた時から意見の聴取が終結する時までの間、国土交通大臣に対し、当該事実についてした調査の結果に係る調書その他の当該処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、国土交通大臣は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
4 前2項に定めるもののほか、交通政策審議会が行う意見の聴取に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第64条 国土交通大臣は、水先人会又は日本水先人会連合会の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、水先人会に対し、その行う業務について勧告することができる。
第65条 水先人は、その業務を行うに当たり水先をすべき船舶について海難審判法(昭和22年法律第135号)による海難が発生したときは、遅滞なく、その旨を最寄りの地方運輸局、運輸監理部、運輸支局又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所(以下「地方運輸局等」という。)に届け出なければならない。
第66条 水先人は、水先区において次の事項を認めたときは、直ちに、その状況を最寄りの地方運輸局等に届け出なければならない。
1.航路又は航路標識に異変があること。
2.航路の障害となるべき物があること。
3.その他航行上危険のおそれのある事実があること。
第67条 船長は、水先人に
第59条第1号又は第2号に掲げる事由があることを知つたときは、遅滞なく、その旨を最寄りの地方運輸局等に届け出なければならない。
第68条 水先人会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反すると思料するときは、その旨を、国土交通大臣に報告しなければならない。
第69条 国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、水先人、水先人会若しくは日本水先人会連合会に対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に水先人、水先人会若しくは日本水先人会連合会の事務所その他の事業場若しくは水先船に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第26条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。
第70条 水先人、水先人会、船長、船舶所有者その他の関係者は、水先人の養成及び確保に関し必要な措置を講ずることにより、水先人の養成を行う者がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力しなければならない。
第71条 水先人の養成若しくは水先免許更新講習(国土交通大臣が行うものに限る。)を受ける者、水先人試験若しくは
第10条第4項(
第11条において準用する場合を含む。)の試験を受ける者、水先人の免許の有効期間の更新を申請する者又は
第13条第1項若しくは第2項の身体検査を受ける者は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
第72条 この法律の規定により国土交通大臣の職権に属する事項は、政令で定めるところにより、地方運輸局長に行わせることができる。
第73条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める。
第74条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第75条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1.
第24条(
第32条において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反した者
2.
第35条第1項又は
第36条第2項の規定に違反して、水先人を乗り込ませなかつた者
第76条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
1.
第46条第4項の規定による届出をしないで、又は届け出た水先料によらないで水先料を受領した者
2.
第46条第5項の規定による命令に違反して、水先料を受領した者
3.
第46条第6項の規定による掲示をせず、又は虚偽の掲示をした者
第77条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
1.
第47条第1項の規定による届出をしないで水先の引受けをした者
2.
第47条第3項の規定による掲示をせず、又は虚偽の掲示をした者
3.
第65条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出若しくは報告をした者
4.
第69条第1項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第78条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
1.
第20条(
第32条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
2.
第25条(
第32条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
3.
第26条第1項(
第32条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
5.
第45条第1項の規定により水先人が水先修業生を伴つた場合においてこれを拒んだ者又は同条第2項の規定に違反して水先修業生を伴つた者
第79条 水先人会又は日本水先人会連合会が
第50条第1項(
第58条において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令に違反して、登記をすることを怠つたときは、その水先人会又は日本水先人会連合会の代表者は、30万円以下の過料に処する。
第80条 第21条第1項(
第32条において準用する場合を含む。)の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに
第21条第2項各号(
第32条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだ者は、20万円以下の過料に処する。
第81条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、
第75条第1号、
第76条第1号若しくは第2号、
第77条第4号又は
第78条第1号から第3号までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
