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緊急失業対策法

【目次】
  昭和24・5・20・法律 89号  
改正昭和38・7・8・法律121号  
廃止平成7・3・31・法律 54号  (施行=平8年4月1日)

第1章 総 則

(法律の目的)
第1条 この法律は、多数の失業者の発生に対処し、失業対策事業及び公共事業にできるだけ多数の失業者を吸収し、その生活の安定を図るとともに、経済の興隆に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律で「失業対策事業」とは、失業者に就業の機会を与えることを主たる目的として、労働大臣が樹立する計画及びその定める手続に従つて、国自ら又は国庫の補助により地方公共団体等が実施する事業をいう。
 失業対策事業は、失業者就労事業及び高齢失業者等就労事業とする。
 この法律で「公共事業」とは、国自ら又は国の負担金の交付を受け若しくは国庫の補助により地方公共団体等が実施する公共的な建設及び復旧の事業をいう。
第3条 この法律で「事業主体」とは、失業対策事業又は公共事業を計画実施する国又は地方公共団体等をいう。
 この法律で「施行主体」とは、事業主体との請負契約その他の契約に基いて、その事業を施行する者をいう。
(失業状勢の調査等)
第4条 政府は、定期的に、雇用及び失業の状勢について必要な調査及び分析を行なうとともに、その状勢の推移に応じ、この法律に規定する失業対策の制度を検討するものとする。

第2章 失業対策事業

(失業対策事業の要件)
第5条 失業対策事業は、左の各号のすべてに該当する事業でなければならない。
一 できるだけ多くの労働力を使用する事業
二 多数の失業者が発生し、又は発生するおそれのある地域において施行される事業
三 失業者の技能、体力等の情況に応じて、これを吸収するに適当な事業
四 事業費のうち労力費の占める割合が、労働大臣の定める率以上のものである事業
五 雇用情況の変化に応じて、容易にその規模を変更し、又は停止することができる事業
(失業対策事業の計画)
第6条 労働大臣は、地域別の失業情況を調査し、多数の失業者が発生し、又は発生するおそれがあると認める地域ごとに、その地域に必要な失業対策事業の計画を樹立しなければならない。
(失業対策事業の種目等の決定)
第7条 労働大臣は、前条の計画を樹立した場合には、失業対策事業の事業主体、種目及び規模等を定めておかなければならない。この場合においては、あらかじめ、関係地方公共団体等の長の意見を聞くものとする。
(失業対策事業の開始等の決定)
第8条 労働大臣は、失業対策事業について、事業の開始又は停止の時期等を定めるものとする。前条後段の規定は、この場合について準用する。
(失業対策事業の費用)
第9条 失業対策事業は、国が、自らの費用で、又は地方公共団体等が、政令で定めるところにより国庫から全部若しくは一部の補助を受けて、実施する。
(失業者就労事業に就労する労働者)
第10条 失業者就労事業に就労する労働者は、公共職業安定所において紹介することが困難な技術者、技能者、監督者その他労働省令で定める労働者を除いて、公共職業安定所の紹介する失業者でなければならない。
 公共職業安定所が失業者就労事業に紹介する失業者は、公共職業安定所長が職業安定法(昭和22年法律第141号)第27条第1項の規定により指示した就職促進の措置を受け終わつた者で、引き続き誠実かつ熱心に求職活動をしているものでなければならない。
 前項の規定にかかわらず、公共職業安定所長は、当該公共職業安定所の管轄区域の全部又は一部が労働大臣によつて失業者が就職することが著しく困難である地域として指定されたときは、当該地域に居住し、かつ、職業安定法第27条第1項の認定を受けている失業者で前項の要件に該当しないものを、労働大臣が指示するところにより、失業者就労事業に紹介することができる。
(失業者就労事業就労者の賃金)
第10条の2 失業者就労事業に就労する失業者に支払われるべき賃金は、労働大臣が定めるところによる。
 前項の賃金の額は、夏季又は年末に臨時に支払われるものについて特別の定めをする場合を除き、同一地域における類似の作業に従事する労働者に支払われる賃金を考慮して、地域別に、作業の内容に応じて定めるものとする。
 労働大臣は、賃金を定めようとするときは、失業対策事業賃金審議会の意見を聞かなければならない。
(運営管理規程)
第11条 失業者就労事業の事業主体は、事業の適正な運営を図るため、労働省令で定めるところにより、運営管理規程を定めなければならない。
(高齢失業者等就労事業)
第11条の2 国又は地方公共団体等は、高年齢の失業者又はこれに類する体力の失業者に対し、その身体的又は精神的特殊性を考慮して、高齢失業者等就労事業を実施する。
 第10条第1項及び前2条の規定は、高齢失業者等就労事業について準用する。この場合において、第10条の2第2項中「同一地域における類似の作業に従事する労働者に支払われる賃金」とあるのは、「同一地域における類似の作業に従事する労働者に支払われる賃金及び社会保障制度による給付の水準」と読み替えるものとする。
 公共職業安定所が高齢失業者等就労事業に紹介する失業者は、労働省令で定める年齢以上の高齢者又は労働省令で定めるところにより体力がこれに類すると認められる者でなければならない。

第3章 公共事業

(失業者吸収率の決定)
第12条 労働大臣は、公共事業の事業種別に従い、職種別又は地域別に、当該事業に使用される労働者の数とそのうちの失業者の数との比率を定めることができる。
(失業者吸収率による失業者の雇入)
第13条 前条の規定による比率(以下「失業者吸収率」という。)の定められている公共事業の事業主体は、公共職業安定所の紹介により、つねに失業者吸収率に該当する数の失業者を雇い入れていなければならない。
 公共事業の事業主体は、前項の規定により雇入を必要とする数の失業者を公共職業安定所の紹介により雇い入れることが困難な場合には、その困難な数の労働者を、公共職業安定所の書面による承諾を得て、直接雇い入れることができる。
 第1項の規定は、公共事業の事業主体が、失業者吸収率に該当する数以上の失業者を公共職業安定所の紹介により雇い入れることを妨げるものではない。
(公共事業の労働者数の通知)
第14条 公共事業の事業主体は、労働大臣の定めるところにより、事業開始前及び四半期ごとに、当該事業に使用すべき労働者の数を、職種別に、事業実施の地域を管轄する公共職業安定所に通知しなければならない。
第15条 削除
(施行主体の失業者の雇入等)
第16条 第13条及び第14条の規定は、公共事業の施行主体に準用する。
 事業主体と施行主体との間に締結する公共事業の施行に関する契約には、施行主体が前項の規定を遵守する旨の条項を加えなければならない。

第3章の2 失業対策事業賃金審議会

(失業対策事業賃金審議会)
第16条の2 労働省に、失業対策事業賃金審議会(以下「審議会」という。)を置く。
 審議会は、失業者就労事業及び高齢失業者等就労事業の賃金に関する事項について労働大臣の諮問に応ずる。
 審議会は、5人以内の委員をもつて組織する。
 委員は、学識経験を有する者のうちから、労働大臣が任命する。
 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 委員は、非常勤とする。
 第1項から前項までに定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、労働省令で定める。

第4章 雑 則

(指導調整)
第16条の3 労働大臣は、事業主体に対し、失業対策事業の実施に関し必要な指導又は調整を行なうことができる。
 前項に規定する労働大臣の職権で政令で定めるものは、都道府県知事が行なう。
(違反事項の通知)
第17条 公共職業安定所長は、事業主体又は施行主体が、この法律又はこの法律の規定に基いて発する命令に違反すると認める場合には、文書で、当該事業主体又は施行主体にその旨を通知しなければならない。その文書には、当該事業主体又は施行主体の違反事項を明記しなければならない。
(違反事項の進達)
第18条 前条の通知を受けた事業主体又は施行主体が、その通知を受けた日から20日以内に当該違反事項を是正しない場合には、公共職業安定所長は、労働大臣に対しその旨を進達しなければならない。
(失業対策事業の停止等)
第19条 前条の進達が失業対策事業についてされた場合には、労働大臣は、違反事項を審査し、その進達に正当な理由があると認めるときは、事業主体に対し、当該事業の全部又は一部について事業の停止又は補助金の返還を命ずることができる。
(公共事業の違反事項是正の命令等)
第20条 第18条の進達が公共事業についてされた場合には、労働大臣は、当該事業の主務大臣に対し、文書で、当該違反事項の是正に必要な措置をなすべきことを請求することができる。
 主務大臣は、前項の請求を受けた場合には、違反事項を審査し、その請求に正当な理由があると認めるときは、違反事項を是正し、又は当該事業主体に対し違反事項を是正し、若しくは必要により当該事業の全部若しくは一部を停止するよう命じなければならない。
(報告の請求)
第21条 行政庁は、必要があると認める場合には、事業主体又は施行主体から、労働者の雇入又は離職の状況等に関し、必要な報告をさせることができる。
(施設の臨検等)
第22条 行政庁は、この法律の実施状況を調査するため必要があると認める場合には、当該官吏をして、失業対策事業又は公共事業の事業場その他の施設に臨み、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して質問させることができる。
 前項の規定による職権を行う場合には、当該官吏は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。
(省令への委任)
第23条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関する細目は、労働省令で定める。