港則法
昭和23・7・15・法律174号
改正平成5・11・12・法律 89号−−
改正平成7・5・12・法律 90号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成16・4・21・法律 36号−−
改正平成17・5・20・法律 45号−−
改正平成18・6・14・法律 68号−−(施行=平19年4月1日)
第1条 この法律は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とする。
第2条 この法律を適用する港及びその区域は、政令で定める。
第3条 この法律において「雑種船」とは、汽艇、はしけ及び端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する船舶をいう。
2 この法律において「特定港」とは、きつ水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であつて、政令で定めるものをいう。
第4条 船舶は、特定港に入港したとき又は特定港を出港しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に届け出なければならない。
第5条 特定港内に停泊する船舶は、国土交通省令の定めるところにより、各々そのトン数又は積載物の種類に従い、当該特定港内の一定の区域内に停泊しなければならない。
2 国土交通省令の定める船舶は、国土交通省令の定める特定港内に停泊しようとするときは、けい船浮標、さん橋、岩壁その他船舶がけい留する施設(以下「けい留施設」という。)にけい留する場合の外、港長からびよう泊すべき場所(以下「びよう地」という。)の指定を受けなければならない。この場合には、港長は、特別の事情がない限り、前項に規定する一定の区域内においてびよう地を指定しなければならない。
3 前項に規定する特定港以外の特定港でも、港長は、特に必要があると認めるときは、入港船舶に対しびよう地を指定することができる。
4 前2項の規定により、びよう地の指定を受けた船舶は、第1項の規定にかかわらず、当該びよう地に停泊しなければならない。
5 特定港のけい留施設の管理者は、当該けい留施設を船舶のけい留の用に供するときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨をあらかじめ港長に届け出なければならない。
6 港長は、船舶交通の安全のため必要があると認めるときは、特定港のけい留施設の管理者に対し、当該けい留施設を船舶のけい留の用に供することを制限し、又は禁止することができる。
7 港長及び特定港のけい留施設の管理者は、びよう地の指定又はけい留施設の使用に関し船舶との間に行う信号その他の通信について、互に便宜を供与しなければならない。
第7条 雑種船以外の船舶は、
第4条、
第8条第1項、
第10条及び
第23条の場合を除いて、港長の許可を受けなければ、
第5条第1項の規定により停泊した一定の区域外に移動し、又は港長から指定されたびよう地から移動してはならない。但し、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合は、この限りでない。
2 前項但書の規定により移動したときは、当該船舶は、遅滞なくその旨を港長に届け出なければならない。
第8条 特定港内においては、雑種船以外の船舶を修繕し、又はけい船しようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。
2 修繕中又はけい船中の船舶は、特定港内においては、港長の指定する場所に停泊しなければならない。
3 港長は、危険を防止するため必要があると認めるときは、修繕中又はけい船中の船舶に対し、必要な員数の船員の乗船を命ずることができる。
第9条 雑種船及びいかだは、港内においては、みだりにこれをけい船浮標若しくは他の船舶にけい留し、又は他の船舶の交通の妨となる虞のある場所に停泊させ、若しくは停留させてはならない。
第10条 港長は、特に必要があると認めるときは、特定港内に停泊する船舶に対して移動を命ずることができる。
第11条 港内における船舶の停泊及び停留を禁止する場所又は停泊の方法について必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
第12条 雑種船以外の船舶は、特定港に出入し、又は特定港を通過するには、国土交通省令の定める航路(以下
第37条までにおいて単に「航路」という。)によらなければならない。但し、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合は、この限りでない。
第13条 船舶は、航路内においては、左の各号の場合を除いては、投びようし、又はえい航している船舶を放してはならない。
1.海難を避けようとするとき。
2.運転の自由を失つたとき。
3.人命又は急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき。
4.
第31条の規定による港長の許可を受けて工事又は作業に従事するとき。
第14条 航路外から航路に入り、又は航路から航路外に出ようとする船舶は、航路を航行する他の船舶の進路を避けなければならない。
2 船舶は、航路内においては、並列して航行してはならない。
3 船舶は、航路内において、他の船舶と行き会うときは、右側を航行しなければならない。
4 船舶は、航路内においては、他の船舶を追い越してはならない。
第15条 汽船が港の防波堤の人口又は入口附近で他の汽船と出会う虞のあるときは、入航する汽船は、防波堤の外で出航する汽船の進路を避けなければならない。
第16条 船舶は、港内及び港の境界附近においては、他の船舶に危険を及ぼさないような速力で航行しなければならない。
2 帆船は、港内では、帆を減じ又は引船を用いて航行しなければならない。
第17条 船舶は、港内においては、防波堤、ふとうその他の工作物の突端又は停泊船舶を右げんに見て航行するときは、できるだけこれに近寄り、左げんに見て航行するときは、できるだけこれに遠ざかつて航行しなければならない。
第18条 雑種船は、港内においては、雑種船以外の船舶の進路を避けなければならない。
2 総トン数が500トンをこえない範囲内において国土交通省令の定めるトン数以下である船舶であつて雑種船以外のもの(以下この条において「小型船」という。)は、国土交通省令の定める船舶交通が著しく混雑する特定港内においては、小型船及び雑種船以外の船舶の進路を避けなければならない。
3 小型船及び雑種船以外の船舶は、前項の特定港内を航行するときは、国土交通省令の定める様式の標識をマストに見やすいように掲げなければならない。
第19条 国土交通大臣は、港内における地形、潮流その他の自然的条件により
第14条第3項若しくは第4項、
第15条又は
第17条の規定によることが船舶交通の安全上著しい支障があると認めるときは、これらの規定にかかわらず、国土交通省令で当該港における航法に関して特別の定めをすることができる。
2 前5条に定めるものの外、国土交通大臣は、国土交通省令で一定の港における航法に関して特別の定めをすることができる。
第21条 爆発物その他の危険物(当該船舶の使用に供するものを除く。以下同じ。)を積載した船舶は、特定港に入港しようとするときは、港の境界外で港長の指揮を受けなければならない。
2 前項の危険物の種類は、国土交通省令でこれを定める。
第22条 危険物を積載した船舶は、特定港においては、びよう地の指定を受けるべき場合を除いて、港長の指定した場所でなければ停泊し、又は停留してはならない。但し、港長が爆発物以外の危険物を積載した船舶につきその停泊の期間並びに危険物の種類、数量及び保管方法に鑑み差支がないと認めて許可したときは、この限りでない。
第23条 船舶は、特定港において危険物の積込、積替又は荷卸をするには、港長の許可を受けなければならない。
2 港長は、前項に規定する作業が特定港内においてされることが不適当であると認めるときは、港の境界外において適当の場所を指定して前項の許可をすることができる。
3 前項の規定により指定された場所に停泊し、又は停留する船舶は、これを港の境界内にある船舶とみなす。
4 船舶は、特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとするときは、港長の許可を受けなければならない。
第24条 何人も、港内又は港の境界外一万メートル以内の水面においては、みだりに、バラスト、廃油、石炭から、ごみその他これに類する廃物を捨ててはならない。
2 港内又は港の境界附近において、石炭、石、れんがその他散乱する虞のある物を船舶に積み、又は船舶から卸そうとする者は、これらの物が水面に脱落するのを防ぐため必要な措置をしなければならない。
3 港長は、必要があると認めるときは、特定港内において、第1項の規定に違反して廃物を捨て、又は前項の規定に違反して散乱する虞のある物を脱落させた者に対し、その捨て、又は脱落させた物を取り除くべきことを命ずることができる。
第25条 港内又は港の境界付近において発生した海難により他の船舶交通を阻害する状態が生じたときは、当該海難に依る船舶の船長は、遅滞なく標識の設定その他危険予防のため必要な措置をし、かつ、その旨を、特定港にあつては港長に、特定港以外の港にあつては最寄りの管区海上保安本部の事務所の長又は港長に報告しなければならない。ただし、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)
第38条第1項、第2項若しくは第5項、
第42条の2第1項、第42条の3第1項又は第42条の4の2第1項の規定による通報をしたときは、当該通報をした事項については報告をすることを要しない。
第26条 特定港内又は特定港の境界附近における漂流物、沈没物その他の物件が船舶交通を阻害する虞のあるときは、港長は、当該物件の所有者又は占有者に対しその除去を命ずることができる。
第27条 海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)
第25条第2項本文及び第5項本文に規定する船舶は、これらの規定又は同条第3項の規定による灯火を表示している場合を除き、同条第2項ただし書及び第5項ただし書の規定にかかわらず、港内においては、これらの規定に規定する白色の携帯電灯又は点火した白灯を周囲から最も見えやすい場所に表示しなければならない。
2 港内にある長さ12メートル未満の船舶については、海上衝突予防法
第27条第1項ただし書及び第7項の規定は適用しない。
第28条 船舶は、港内においては、みだりに汽笛又はサイレンを吹き鳴らしてはならない。
第29条 特定港内において使用すべき私設信号を定めようとする者は、港長の許可を受けなければならない。
第30条 特定港内にある船舶であつて汽笛又はサイレンを備えるものは、当該船舶に火災が発生したときは、航行している場合を除き、火災を示す警報として汽笛又はサイレンをもつて長音(海上衝突予防法
第32条第3項の長音をいう。)を5回吹き鳴らさなければならない。
2 前項の警報は、適当な間隔をおいて繰り返さなければならない。
第30条の2 特定港内に停泊する船舶であつて汽笛又はサイレンを備えるものは、船内において、汽笛又はサイレンの吹鳴に従事する者が見易いところに、
前条に定める火災警報の方法を表示しなければならない。
第31条 特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。
2 港長は、前項の許可をするに当り、船舶交通の安全のために必要な措置を命ずることができる。
第32条 特定港内において端艇競争その他の行事をしようとする者は、予め港長の許可を受けなければならない。
第33条 特定港の国土交通省令で定める区域内において長さが国土交通省令で定める長さ以上である船舶を進水させ、又はドツクに出入させようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。
第34条 特定港内において竹木材を船舶から水上に卸そうとする者及び特定港内においていかだをけい留し、又は運行しようとする者は、港長の許可を受けなければならない。
2 港長は、前項の許可をするに当り船舶交通安全のために必要な措置を命ずることができる。
第35条 船舶交通の妨となる虞のある港内の場所においては、みだりに漁ろうをしてはならない。
第36条 何人も、港内又は港の境界附近における船舶交通の妨となる虞のある強力な灯火をみだりに使用してはならない。
2 港長は、特定港内又は特定港の境界附近における船舶交通の妨となる虞のある強力な灯火を使用している者に対し、その灯火の滅光又は被覆を命ずることができる。
第36条の2 何人も、港内においては、相当の注意をしないで、油送船の附近で喫煙し、又は火気を取り扱つてはならない。
2 港長は、海難の発生その他の事情により特定港内において引火性の液体が浮流している場合において、火災の発生のおそれがあると認めるときは、当該水域にある者に対し、喫煙又は火気の取扱いを制限し、又は禁止することができる。ただし、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
第42条の5第1項の規定の適用がある場合は、この限りでない。
第36条の3 特定港内の国土交通省令の定める水路を航行する船舶は、港長が信号所において交通整理のため行なう信号に従わなければならない。
2 総トン数が国土交通省令の定めるトン数以上である船舶は、前項の水路を航行しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に当該水路を航行する予定時刻を通報しなければならない。
3 第1項の信号所の位置並びに信号の方法及び意味は、国土交通省令で定める。
第37条 港長は、船舶交通の安全のため必要があると認めるときは、特定港内において航路又は区域を指定して、船舶の交通を制限し又は禁止することができる。
2 前項の規定により指定した航路又は区域及び同項の規定による制限又は禁止の期間は、港長かこれを公示する。
3 港長は、海難の発生その他の事情により特定港内において船舶交通の危険が生じ、又は船舶交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該水域における危険を防止し、又は混雑を緩和するため必要があると認めるときは、必要な限度において、当該水域に進行してくる船舶の航行を制限し、又は禁止することができる。ただし、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
第42条の8の規定の適用がある場合は、この限りでない。
第37条の2 港長は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)
第36条の2第4項の規定による国土交通大臣の指示があつたとき、又は核燃料物質(使用済燃料を含む。以下同じ。)、核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)若しくは原子炉による災害を防止するため必要があると認めるときは、特定港内又は特定港の境界付近にある原子力船に対し、航路若しくは停泊し、若しくは停留する場所を指定し、航法を指示し、移動を制限し、又は特定港内若しくは特定港の境界付近から退去することを命ずることができる。
2 第21条第1項の規定は、原子力船が特定港に入港しようとする場合に準用する。
第37条の4 第10条(
前条の規定により準用する場合を含む。)、
第21条第1項(
第37条の2第2項(
前条の規定により準用する場合を含む。)の規定により準用する場合を含む。)又は
第36条の2第2項若しくは
第37条第3項(これらの規定を
前条の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分については、行政手続法(平成5年法律第88号)
第3章の規定は、適用しない。
2 前項に定めるもののほか、この法律に基づく国土交通省令の規定による処分であつて、港内における船舶交通の安全又は港内の整とんを図るためにその現場において行われるものについては、行政手続法
第3章の規定は、適用しない。
第38条 左の場合にはその行為をした者は、これを6箇月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
第39条 左の場合にはその行為をした者は、これを3箇月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
2.
第5条第2項の規定による指定を受けないで停泊したとき又は同条第4項のびよう地以外の場所に停泊したとき。
第40条 第25条の規定に違反した者は、これを3箇月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
第41条 左の各号の一に該当する者は、これを3箇月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
第41条の2 第36条の2第2項(
第37条の3の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反した者は、これを3万円以下の罰金に処する。
第43条 左の各号の一に該当する者は、これを1万円以下の罰金又は科料に処する。
第44条 第11条の規定による国土交通省令の規定に違反したときは、その行為をした者は、これを1万円以下の罰金又は拘留若しくは科料にする。
第45条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して
第41条又は
第43条の違反をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本条の罰金を科する。
附 則
1 この法律の施行期日は、公布の日から60日を超えない期間内において、政令でこれを定める。
2 開港港則(明治31年勅令第139号)は、これを廃止する。
