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少年院法

  昭和23・7・15・法律169号  
改正昭和47・6・8・法律 57号--(施行=昭47年10月1日)
改正昭和47・7・1・法律111号--(施行=昭47年7月1日)
改正平成11・7・16・法律 87号--(施行=平12年4月1日)
改正平成11・12・22・法律160号--(施行=平13年1月6日)
改正平成12・12・6・法律142号--(施行=平13年4月1日)
改正平成16・12・3・法律153号--(施行=平17年4月1日)
改正平成17・5・25・法律 50号--(施行=平18年5月24日)
改正平成18・6・8・法律 58号--(施行=平19年6月1日)
改正平成18・6・21・法律 80号--(施行=平19年4月1日)
改正平成19・6・1・法律 68号--(施行=平19年11月1日)
改正平成19・6・15・法律 88号--(施行=平20年6月1日)
廃止平成26・6・11・法律 60号--(施行=平27年6月1日)
第1条 少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法(昭和23年法律第168号)第56条第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者(以下「少年院収容受刑者」という。)を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする。
第1条の2 少年院における処遇は、個々の在院者の年齢及び心身の発達程度を考慮し、その特性に応じて、これを行わなければならない。
第2条 少年院は、初等少年院、中等少年院、特別少年院及び医療少年院とする。
 初等少年院は、心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。
 中等少年院は、心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。
 特別少年院は、心身に著しい故障はないが、犯罪的傾向の進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。ただし、16歳未満の者であつても、少年院収容受刑者については、これを収容することができる。
 医療少年院は、心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。
 少年院は、収容すべき者の男女の別に従つて、これを設ける。但し、医療少年院については、男女を分隔する施設がある場合は、この限りでない。
第3条 少年院は、国立とし、法務大臣がこれを管理する。
 法務大臣は、少年院を適当に維持し、且つ、完全な監査を行う責任を負う。
第4条 少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、その自覚に訴え紀律ある生活のもとに、左に掲げる教科並びに職業の補導、適当な訓練及び医療を授けるものとする。
一 初等少年院においては、小学校及び中学校で必要とする教科
二 中等少年院及び特別少年院においては、初等少年院で必要とする教科、更に必要があれば、高等学校、大学又は高等専門学校に準ずる教科
三 医療少年院においては、特別支援学校で必要とする教科
 少年院の長は、在院者を、前項の矯正教育に関係のない労働に従事させてはならない。
第5条 少年院の長は、在院者に対する矯正教育のうち教科に関する事項については、文部科学大臣の勧告に従わなければならない。
 少年院の長は、前条各号に掲げる教科を修了した者に対し、修了の事実を証する証明書を発行することができる。
 前項の証明書は、学校教育法(昭和22年法律第26号)により設置された各学校と対応する教科課程について、各学校の長が授与する卒業証書その他の証書と同一の効力を有する。
第6条 在院者の処遇には段階を設け、その改善、進歩等の程度に応じて、順次に向上した取扱をしなければならない。但し、成績が特に不良なものについては、その段階を低下することができる。
第7条 少年院の長は、在院者が善行をなし、成績を向上し、又は一定の技能を習得した場合には、これに賞を与えることができる。
 前項の賞は、証明書、記章等の賞票又は特別外出等の殊遇とする。但し、少年院の長は、法務大臣の承認を経て、他の賞を与えることができる。
 ひとたび与えた賞は、いかなる場合にも、これを没取してはならない。
第8条 少年院の長は、紀律に違反した在院者に対して、左に掲げる範囲に限り、懲戒を行うことができる。
一 厳重な訓戒を加えること。
二 成績に対して通常与える点数より減じた点数を与えること。
三 20日を超えない期間、衛生的な単独室で謹慎させること。
 懲戒は、本人の心身の状況に注意して、これを行わなければならない。
第8条の2 在院者が矯正教育を受けるに際して、けがをし、又は病気にかかつた場合において、これによつて死亡したとき、又はなおつたとき身体に障害が残ることが明らかなときは、法務省令の定めるところにより、手当金を与えることができる。
 在院者が死亡した場合の手当金は、死亡した者の遺族に与える。
第9条 少年院の長は、在院者の所持する金銭、衣類その他の物を領置したときは、これを安全に保管しなければならない。
第10条 少年院の長は、矯正教育の便宜その他の理由により在院者を他の少年院に移送する必要があると認めるときは、その少年院所在地を管轄する矯正管区の長の認可を得て、これを移送することができる。
 前項の規定により在院者(少年院収容受刑者を除く。次項及び第11条から第12条の2までにおいて同じ。)を他の少年院に移送した場合においては、移送した少年院の長は、速やかに、本人を送致した裁判所にその旨を通知しなければならない。
 第1項の規定により在院6月以上の在院者を他の少年院に移送した場合においては、移送した少年院の長は、すみやかに、その少年院所在地を管轄する地方更生保護委員会にもその旨を通知しなければならない。
第10条の2 少年院収容受刑者は、16歳に達した日の翌日から起算して14日以内に、刑事施設に移送しなければならない。ただし、その期間内に刑の執行が終了すべきときは、この限りでない。
第11条 在院者が20歳に達したときは、少年院の長は、これを退院させなければならない。但し、送致後1年を経過しない場合は、送致の時から1年間に限り、収容を継続することができる。
 少年院の長は、前項の場合において、在院者の心身に著しい故障があり、又は犯罪的傾向がまだ矯正されていないため少年院から退院させるに不適当であると認めるときは、本人を送致した裁判所に対して、その収容を継続すべき旨の決定の申請をしなければならない。
 前項の申請を受理した裁判所は、その審理にあたり、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識を有する者及び本人を収容中の少年院の職員の意見をきかなければならない。
 裁判所は、本人が第2項の状況にあると認めるときは、期間を定めて、収容を継続すべき旨の決定をしなければならない。但し、この期間は23歳を超えてはならない。
 裁判所は、少年院の長の申請に基いて、23歳に達する在院者の精神に著しい故障があり公共の福祉のため少年院から退院させるに不適当であると認めるときは、26歳を超えない期間を定めて医務少年院に収容を継続すべき旨の決定をしなければならない。
 第2項から第4項までの規定は、前項の場合にこれを準用する。
 少年院の長が裁判所に対し、在院者の収容を継続すべき旨の決定の申請をした場合には、第1項の規定にかかわらず、裁判所から決定の通知があるまで収容を継続することができる。
 少年院の長は、在院者が裁判所の定めた期間に達したときは、これを退院させなければならない。
第12条 少年院の長は、在院者に対して矯正の目的を達したと認めるときは、地方更生保護委員会に対し、退院を許すべき旨の申出をしなければならない。
 少年院の長は、在院者が処遇の最高段階に向上し、仮に退院を許すのが相当であると認めるときは、地方更生保護委員会に対し、仮退院の申請をしなければならない。
第12条の2 少年院の長は、必要があると認めるときは、少年(少年法第2条第1項に規定する少年をいう。)である在院者の保護者(同条第2項に規定する保護者をいう。)に対し、その在院者の監護に関する責任を自覚させ、矯正教育の実効を上げるため、指導、助言その他の適当な措置をとることができる。
第13条 少年院の長は、地方更生保護委員会、保護観察所の長又は少年を送致した裁判所に対し、少年の心身の状況、家庭、交友関係その他環境の状況等について、調査書の提出その他必要な援助を求めることができる。
 少年院の長は、警察官、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第12条の3第2項第4号に規定する児童福祉司その他の公務員に対し、必要な援助を求めることができる。
 少年院の長は、その少年院所在地を管轄する矯正管区の長の承認を経て学校、病院、事業所又は学識経験のある者に委嘱して、矯正教育の援助をさせることができる。
 少年院の長は、事業所又は学識経験のある者に委嘱して少年院以外の施設において在院者に対する職業の補導を援助させる場合には、労働基準法(昭和22年法律第49号)及び労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)の規定に従うことを要し、且つ、在院者に賞与金が支払われるときは、これを全部本人に支給しなければならない。
第14条 在院者が逃走したときは、少年院の職員は、これを連れ戻すことができる。少年院の職員による連戻しが困難である場合において、少年院の長から連戻しについて援助を求められた警察官も、同様とする。
 在院者(少年院収容受刑者を除く。)が逃走した時から48時間を経過した後は、裁判官のあらかじめ発する連戻状によらなければ、連戻しに着手することができない。
 前項の連戻状は、少年院の長の請求により、当該少年院の所在地を管轄する家庭裁判所の裁判官が発する。
 連戻し及び連戻状については、連戻しの性質に反しない限り、第17条の2並びに少年法第4条及び第36条の規定を準用する。この場合において、第17条の2中「少年院に収容中の者」とあるのは「少年院から逃走した者」と読み替えるものとする。
 少年院収容受刑者が逃走した時から48時間を経過した後は、当該時間内に連戻しに着手している場合を除き、第1項の規定にかかわらず、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第485条の収容状によつて収容しなければならない。
第14条の2 在院者が逃走、暴行又は自殺をするおそれがある場合において、これを防止するためやむを得ないときは、手錠を使用することができる。
 手錠は、少年院の長の許可を受けなければ、使用してはならない。ただし、緊急を要する状態にあつて、その許可を受けるいとまがないときは、この限りでない。
 手錠の製式は、法務省令で定める。
第15条 この法律で定めるものの外、在院者の処遇に関し必要な事項は、法務省令でこれを定める。
 少年院の長は、在院者の処遇に関する細則を定めることができる。
第16条 少年鑑別所は、少年法第17条第2項第2号の規定により送致された者を収容するとともに、家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判並びに保護処分及び懲役又は禁錮の言渡しを受けた16歳未満の少年に対する刑の執行に資するため、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行う施設とする。
第16条の2 少年鑑別所は、家庭裁判所、刑事施設の長、少年院の長、地方更生保護委員会及び保護観察所の長以外の者から少年の資質の鑑別を求められたときは、前条の業務に支障を来さない範囲において、これに応ずることができる。
 前項の鑑別については、法務省令の定めるところにより、実費を徴収するものとする。
第17条 少年鑑別所は、国立とし、法務大臣がこれを管理する。
 第9条第13条第2項及び第3項並びに第14条から第15条までの規定は、少年鑑別所にこれを準用する。
第17条の2 少年院又は少年鑑別所に収容中の者を同行する場合において、やむを得ない事由が生じたときは、少年院に収容中の者については最寄りの少年鑑別所又は刑事施設の特に区別した場所に、少年鑑別所に収容中の者については最寄りの少年院又は刑事施設の特に区別した場所に、仮にこれを収容することができる。
第17条の3 少年院から退院し、若しくは仮退院し、又は少年鑑別所から退所する者が、帰住旅費又は相当の衣類を持たないときは、予算の範囲内において、これに旅費又は衣類を給与することができる。
第17条の4 少年院又は少年鑑別所の長は、収容中に死亡した者の遺留金品について、親権者、後見人又は親族から請求があつたときは、請求者にこれを交付しなければならない。
 前項の遺留金品は、死亡の日から1年以内に同項の請求がないときは、国庫に帰属する。
第17条の5 少年院又は少年鑑別所に収容中に逃走した者の遺留金品は、逃走の日から1年以内に本人の居所が分明しないときは、国庫に帰属する。
第17条の6 少年院収容受刑者については、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)第83条、第171条及び第175条の規定を準用する。この場合において、同法第83条第3項中「刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所」とあるのは、「少年院若しくは刑事施設又は少年院の長が指定した場所」と読み替えるものとする。
 前項において準用する刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第83条第2項の規定により解放された少年院収容受刑者が、前項において読み替えて準用する同条第3項の規定に違反して少年院若しくは刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、1年以下の懲役に処する。