性病予防法
| 第1章 | 総 則 | (第1条〜第5条) |
| 第2章 | 届 出 | (第6条〜第7条) |
| 第3章 | 健康診断 | (第8条〜第13条) |
| 第4章 | 治 療 | (第14条〜第15条) |
| 第5章 | 施 設 | (第16条) |
| 第6章 | 費 用 | (第17条〜第21条) |
| 第7章 | 補 則 | (第22条〜第25条) |
| 第8章 | 罰 則 | (第26条〜第32条) |
昭和23・7・15・法律167号
改正平成3・5・21・法律 79号−−
改正平成6・7・1・法律 84号−−
改正平成6・7・1・法律 84号−−
改正平成7・5・12・法律 91号−−
廃止平成10・10・2・法律114号−−(施行=平11年4月1日)
第1条 この法律は、性病が国民の健康な心身を侵し、その子孫にまで害を及ぼすことを防止するため、その徹底的な治療及び予防を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
第2条 国及び地方公共団体は、常に、性病の徹底的な治療及び予防につとめるとともに、性病の治療及び予防に関する知識の普及を図らなければならない。
第3条 何人も、性病にかからないようにつとめるとともに、性病にかかつたときは、速やかに医師の治療を受けなければならない。
第4条 医師は、前2条に規定する国及び地方公共団体並びに個人の責務の達成に協力し、性病の治療及び予防につとめなければならない。
第5条 この法律で「性病」とは、梅毒、りん病、軟性下かん及びそけいりんぱ肉芽しゆ症をいう。
2 この法律で「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。
第6条 医師が、性病にかかつていると診断したときは、省令の定めるところにより、その性病にかかつている者(以下患者という。)又はその保護者に対し、性病の治療に関し必要な事項及び性病の伝染の防止の方法を指示し、その患者の氏名及び居住の場所並びにその患者に病毒をうつしたと認められる者その他省令で定める事項を質問し、1月以内に、文書をもつて、患者の居住の場所を管轄する保健所長を経て、必要な事項を都道府県知事に届け出なければならない。
2 患者が居住の場所を変更したときは、その患者又はその保護者は、診療を受けている医師に対し、その旨を告げなければならない。
第7条 医師は、性病にかかつていると診断した患者又はその診療している患者が、前条第1項の規定による指示に従わないとき、又は他の医師の治療を受けている旨の証明書を提出しないでその治療を受けないときは、患者の居住の場所を管轄する保健所長を経て、その旨並びに患者の氏名及び居住の場所その他省令で定める事項を、患者に病毒をうつしたと認められる者がさらに多数の者に病毒をうつすおそれのある者であるときは、その者の居住の場所を管轄する保健所長を経て、その者の氏名及び居住の場所その他省令で定める事項を、文書をもつて、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。
第8条 婚姻をしようとする者は、あらかじめ、すすんで梅毒血清反応についての医師の検査を受けるとともに、相互に、性病にかかつているかどうかに関する医師の診断書を交換するようにつとめなければならない。
第9条 妊娠した者は、性病にかかつているかどうかについて、医師の健康診断を受けなければならない。
第10条 都道府県知事は、
第7条の規定による届出に基づき、性病にかかつていると疑うに足りる正当な理由のある者に対して、性病にかかつているかどうかに関する医師の健康診断を受くべきことを命ずることができる。ただし、現に医師の治療を受けている旨の証明書を提出した者に対しては、この限りでない。
第11条 都道府県知事は、正当な理由により売いん常習の疑の著しい者に対して、性病にかかつているかどうかについて医師の健康診断を受くべきことを命じ、又は当該吏員に健康診断をさせることができる。
第12条 都道府県知事は、性病のまん延が著しい場合において、その治療及び予防のため、性病にかかつていると認めるに足りる正当な理由のある者に対し、省令の定めるところにより、健康診断の方法その他必要な事項を指定して、医師の健康診断を受くべきことを命じ、又は当該吏員に健康診断をさせることができる。
第13条 医師が
第10条又は
第11条の規定による健康診断をするに当つては、命令で定める方法による病毒の検査を行わなければならない。
第14条 都道府県知事は、性病の治療及び予防上必要があると認めるときは、患者又はその保護者に対し、その患者が性病の治療に関し現に講じている措置について報告を求めることができる。
2 現に医師の治療を受けている患者について、前項の規定による報告を求められた場合においては、その報告を求められた者は、現に医師の治療を受けている旨の証明書を同項の規定による報告書に添付しなければならない。
第15条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、現に医師の治療を受けていない患者又はその保護者に対し、医師の治療を受け、又は受けさせるべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、性病の徹底的な治療及び予防を行うため、特に必要があると認めるときは、患者又はその保護者に対し、その患者の病毒が伝染する虞がなくなるまで病院又は診療所に入院し、若しくは入所し又は入院させ、若しくは入所させることを命ずることができる。
3 都道府県知事は、前2項の規定により、治療又は入院若しくは入所を命ぜられた患者及びその扶養義務者が、経済的理由により、治療費又は入院費若しくは入所費の全部又は一部を負担することができないときは、政令の定めるところにより、その費用の全部又は一部を代つて負担する措置をとらなければならない。
第16条 都道府県又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、政令の定めるところにより、性病の金額を行うために、病院又は診療所を設置することができる。
2 都道府県又は市町村は、政令の定めるところにより、一定の期間を限り、適当と認める公私立の病院又は診療所を、前項の規定による病院又は診療所に代用することができる。
第17条 左に掲げる費用は都道府県がこれを支弁する。
3.都道府県の設定する病院若しくは診療所又は都道府県の代用病院若しくは代用診療所に要する費用
第18条 市町村の設置する病院若しくは診療所又は市町村の代用病院若しくは代用診療所に要する費用はその市町村がこれを支弁する。
第19条 国庫は、
第17条各号及び前条の費用に対しては、政令の定めるところにより、その2分の1(保健所にあわせて設置された診療所に要する費用については、3分の1)を負担する。
第21条 都道府県知事は、政令の定めるところにより、左に掲げる費用を、期限を指定して、本人及びその扶養義務者から徴収しなければならない。但し、都道府県知事において、本人及びその扶養義務者が、経済的理由により、その費用の全部又は一部を負担することができないと認めるときは、その費用の全部又は一部については、この限りでない。
2.都道府県の設置する病院若しくは診療所又は都道府県の代用病院若しくは代用診療所における診療に要する費用
2 市町村長は、政令の定めるところにより、市町村の設置する病院若しくは診療所又は市町村の代用病院若しくは代用診療所における診察に要する費用を、期限を指定して、本人又はその扶養義務者から徴収しなければならない。但し、市町村長において、本人及びその扶養義務者が経済的理由により、その費用の全部又は一部を負担することができないと認めるときは、その費用の全部又は一部については、この限りでない。
第22条 都道府県知事は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、当該吏員をして、患者又は性病にかかつていると疑うに足りる正当な理由のある者の住所若しくは居所又はその従業する場所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。
第23条 当該吏員が
第11条若しくは
第12条の規定により健康診断をなし、又は前条の規定に依り立入調査若しくは質問をする場合には、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
2 前項の市又は特別区にあつては、
第17条中「都道府県」とあるのは「市」又は「特別区」と、
第21条第1項中「都道府県知事」とあるのは「市長」又は「区長」と読み替えるものとする。ただし、次に掲げる場合に限る。
1.前項の規定により読み替えられる
第10条の規定により、市長又は区長が、医師の健康診断を受くべきことを命じた場合
2.前項の規定により読み替えられる
第11条又は
第12条の規定により、市長又は区長が、医師の健康診断を受くべきことを命じ、又は当該吏員に健康診断をさせた場合
3.前項の規定により読み替えられる
第15条第1項の規定により、市長又は区長が、医師の治療を受け、又は受けさせるべきことを命じた場合
4.前項の規定により読み替えられる
第15条第2項の規定により、市民又は区長が、病院又は診療所に入院し、若しくは入所し、又は入院させ、若しくは入所させることを命じた場合
第24条の2 前条の規定により地域保健法
第5条第1項の規定に基づく政令で定める市又は特別区の長が行う処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生大臣に対して再審査請求をすることができる。
第25条 都道府県知事又は地域保健法
第5条第1項の規定に基づく政令で定める市若しくは特別区の長は、
第10条から
第12条までの規定による処分をするときは、その処分を受ける者に対して、当該処分の取消しの訴えを提起することができる旨を告げなければならない。
2 前項の訴えが提起されたときは、都道府県知事又は前項の市若しくは特別区の長は、その判決が確定するに至るまで、当該吏員にその健康診断をさせてはならない。
3 第11条又は
第12条の規定により健康診断を実施されようとした者は、これに関する不服の訴えを提起することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。
第26条 伝染の虞がある性病にかかつている者が、売いんをしたときは、これを2年以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。
第27条 売いんのあつ旋、勧誘又はその場所の提供をした者が、その売いんをする者につき、その者が伝染の虞がある性病にかかつていることを知つていたときは、これを3年以下の懲役又は2万円以下の罰金に処する。
2 売いんのあつ旋、勧誘又はその場所の提供をした者が、その売いんをする者につき、その者が伝染の虞がある性病にかかつていることを、過失によつて知らなかつたときも、また同様である。
第28条 伝染の虞がある性病にかかつている者が、性交、授乳その他病毒を感染させる虞が著しい行為をしたときは、これを1年以下の懲役又は5千円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第29条 医師が、性病にかかつているかどうかに関する健康診断又は性病の治療に際して知得した人の秘密を、正当の理由なく漏らしたときは、これを1年以下の懲役又は5千円以下の罰金に処する。
2 第11条の規定により健康診断をした当該吏員その他性病予防の事務に従事した公務員又はこれらの職にあつた者が、その職務執行に関して知得した人の秘密を正当の理由なく漏らしたときも、また前項と同様である。
第30条 第6条第1項の規定によるその患者に病毒をうつしたと認められる者についての医師の質問に対し、虚偽の答弁をした者は、これを6月以下の懲役又は2千円以下の罰金に処する。
第31条 正当の理由なく、
第22条の規定による当該吏員の職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその質問に対して虚偽の答弁をした者は、これを5千円以下の罰金に処する。
第32条 次の各号の一に該当する者は、これを3千円以下の罰金に処する。
1.
第6条第1項の規定による指示若しくは届出をしなかつた者、又は
第7条の規定による届出をしなかつた者
3.
第11条の規定による命令に違反した者、又は同条若しくは
第12条の規定による健康診断を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
